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神無月&天王洲 VS 蝙蝠伯爵 No5 新しき主と歩んだ記憶


(ギギギ!傷付けないで下さい!殺さないて下さい!実験はもう嫌です!ギィギィ!!お願いします!!)


この頃の我が灰は、生みの親であった『博士』によって、毎日の様に人体実験のモルモットにされていたのだ。


(随分と酷い扱いを受けていたんだな。現代(こんだい)の私にはそれ程の時間は残されていないんだけどね‥‥‥‥君を救う事くらいはできそうかな?ブラッド)


(ギィギィ?‥‥‥‥救う?この実験動物の俺を?ギギギ?それにブラッドって何ですか?)


(君の新しい名前だよ。ブラッド。さっき思いついてね。名前が無いと色々と不便だろう?)


(ギャア?名前!ブラッド‥‥‥俺の名前。ブラッド)


(気にいってくれてありがとう‥‥‥‥君には色々と残残していこう。教養に、家名に、屋敷と‥‥‥‥後。一つお願いもあるんだけどね)


(ギィギィ?お願いですか?実験意外のお願い何なりとお申し付け下さい。我が主)


(‥‥‥‥従順過ぎるのもどうかと思うが、これも『博士』のせいだろうね。私は後、10年位でこの世を去る。そして、別の誰かが私のアルカナNo.○を引き継ぐだろう)


(ギギギ、主様が居なくなるですか?それに引き継ぐとは?ギギギ?)


(時が来れば分かるさ。それに今は君との時間を大切にしよう。私が終わる時が来るまでね)



そして、主様が言った通りの10年後。主様は天界へと旅立たれたのだ。



‥‥‥‥‥‥‥。



現代『オアシス・ノース』


「ギィギィ、不意打ちとはいえ、名も知らぬ娘に深傷を追わされるとは。不覚」


「空を飛んでれば大丈夫とか思ってるから喰らうのよ。蝙蝠男さん」


「‥‥‥‥何度でも言えっていろ、娘。我が灰の役目は既に終えている。後は我が主様の判断に委ねられた‥‥‥‥人族の土産を手に帰る予定だったが。まさか、貴様らが現れるとはな」


中央特区(セントラル)の結界を解きな!蝙蝠野郎。さもなくば、ここで屠るぞ!」


「ギィギィ、殺れるものなら殺ってみろ!我が灰は魔神と魔獣の混合魔人。神獣一匹程度どうとでもなる。闇魔法『吸血夜』」



『オアシス・ノース』地上


「?何ですかあれは?(わたくし)達が倒した蝙蝠の死体の塵が」


「舞い上がってるわね?‥‥‥‥アヤネ。あれの準備を急ぎなさい。イヤな予感がしてきたわ」


「イヤな予感ですか?それはいったい?」


「さっき、蝙蝠男には魔神の血もあるとか聴こえたわ‥‥‥‥神代時代の魔神はね、追い詰められると自爆するのよ。最後は全てを巻き込んで儚く散るのがアイツら魔神の美学とか言ってね」


「自爆?」


「全く、だから、アイツらの相手は嫌なのよ。闘うと周りを巻き込んで被害を出すんだもの」


「‥‥‥‥恵、鵺ちゃん。気をつけて‥‥‥」



『オアシス・ノース』上空


「何あれ?灰みたいな塵が蝙蝠男に集まって‥‥‥‥蝙蝠男の傷が回復したの?」


「どうやら、手下の血肉を自分の力に変えたみたいだな!アイツが神代時代からの生き残りなら、簡単にできる芸当だぜ!神無月のお嬢ちゃん」


「ギャギャギャ!右腕を失い三割、さっきの一太刀で一割の損傷といったところか?元々、遥か昔に落とす筈の命だったのだ。残りの力で主様の力となろう」


「‥‥‥‥気をつけて闘いな!お嬢ちゃん。コイツは覚悟を決めた目をしてやがる。油断してると逆に俺達が殺られるぜ!」


「わ、分かったわ。間合いも十分気をつけて‥‥‥‥」


「遅いぞ!娘。闇魔法『血追』」


「は?速?!」


恵が刀を構えるよりも先にブラッドの『血追』が恵の心臓を貫こうとした時。


「アハハ、殺らせませんよ!神代魔法(天)『韋天』」


カンッ!


突然、現れた。天使ミカエルによって恵に向けられたブラッドの攻撃は、間一髪で防がれたのだった。


「ミ、ミカエルさん?た、助けてくれたの?」


「アハハ、恵さん。あんまり油断しちゃ駄目ですよ。相手は『死の大地』の生き物。一瞬の隙が命取りになりますからね」


「ギギギ!本当に次から次へと沸いてくる。霊獣の次は天使族とは、娘。貴様の契約者とやらは相当な過保護の様だな。神代の者達をそれ程、操るとは一体何者なのだ?」


「彼が過保護‥‥‥‥そうかもしれないわね。身内には駄々甘で、敵には容赦無いもの」


「容赦無しか‥‥‥‥それでもあの方には、『現代(こんだい)』の我が灰の主には勝てまい」


「『現代(こんだい)』だと?」


「貴様らには関係無いことだ。さぁ、始めようぞ!娘!互いに生死をかけた死闘を!」


「互いになんて嫌に決まってるでしょう!火魔法『火加切』」

「アハハ、私は恵さんの守備に撤しますね」


「だとよ!蝙蝠野郎!神代魔法『雷火の方』」


恵と鵺の火魔法が合わさり、ブラッドへと放たれた。


「配下の力を我が灰の最後の糧に‥‥‥‥使うぞお前達の力。闇魔法『灰糧(はいか)の血守』」


ブラッドの口から『あり得ないほど』の血液が飛び出し、血の盾へと形を変え、恵と鵺が放った火魔法を完全に塞いだのだった。




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