神無月&天王洲 VS 蝙蝠伯爵 No.4 実験体
時は神代全盛期
『死の大地』・エンド
(どうです?良い素材は見つかりましたか?『博士』)
(おや?、これはこれは『殺人鬼』君‥‥‥いやー、なかなかどうして、上手くいかないのだよ。魔神と魔獣の配合は難しいくてな)
(難しいですか?‥‥‥‥では、あの檻で暴れている蝙蝠擬きはいったい?)
(ギィギィ、ギイ!!!)
(あぁ、あれかい?あれはただの魔神と魔獣の出来損ないさ。数日後には処分する予定なのだかね。全く見るに絶えないとはこの事だね。ハハハハハ)
(処分ですか‥‥‥‥それは何とも‥‥‥処分するのならば私があれを貰っても宜しいですか?『博士』)
(ん?あんな出来損ないが欲しいのかい?‥‥‥‥まぁ、此方もあの出来損ないの処分の手間が省けるからいいか。よしっ!良いとも、実験に使うなり、何かの餌に使うなり好きにしなさい『殺人鬼』君。返品は結構だからね)
(‥‥‥‥そうですか。ありがとうございます。『博士』)
そうして、我が灰は今の主。『殺人鬼』様に命を救われたのだ。
「天使の神代魔法とは驚かされた‥‥‥‥『オアシス・ノース』に連れてきた配下達が全て塵と成り果てるとはな。各なる上は『死の大地』に連れていく予定だった者達を人質にして奴等の身動きを‥‥‥‥」
「そう考えると思ってたぜ!蝙蝠野郎!!神話魔法・『雷雨の法・極』」
「なっ?キマイラだと?何処から現れ‥‥‥‥ギギギ、ギャアアアア!!!」
遥か上空から地上の様子を見上げていた伯爵は完全に油断していた。
見つかる筈がないと。
こんな天高く移動する術を奴等は持っていないだろうとたかをくくっていたのだ。
それがまさか、神獣クラスの存在がただの小動物に化けていようとは伯爵は思わなかったのだ。
「ギギギ‥‥‥‥その魔力の質‥‥‥何故、神獣クラスの生き物かこんな大都会の『オアシス』の空に居るのだ?それに何故、我が灰に攻撃をする?キマイラよ!」
「そりゃあ、お前さんが人を殺して楽しんでいる殺人者だからだろう。普段の俺達ならば関わろうとしないがな。契約者のカミナリ様に変わってお前さんを成敗しに来たぜ!あの娘らと共にな」
「あの娘らだと?まさか、他にも仲間がいるのか?ギィギィ?いったい?何処に入る?」
「此方よ!蝙蝠男!!火魔法『大火輪』」
鵺の力によって、伯爵の更に上に飛ばされていた。神無月 恵が伯爵めがけて落下し、両手に持つ刀を振り下ろす。
「貴様は?!数時間前の女か?何故、こんな場所に‥‥‥」
スパンッ!
伯爵が全てを言いかける前に神無月の火の一閃が伯爵の右肩から腹部への切りつけられたのだった。
「ギギギ、ギャイアアアア!!!我が灰の右腕があああ!!!!」
「良くやった。神無月の嬢ちゃん。逃がさねえぞ。蝙蝠野郎!神話魔法・『鵺の屏風』」
神獣・鵺が唱えるは列島大陸・和国経由の結界術式だ。
一度でも入ってしまえば、鵺の許可か鵺を殺さなければ出れない強力な結界。
それが『鵺の屏風』
これにより伯爵は籠の中の蝙蝠。
かつて、『博士』の実験体の時の様な囚われの魔獣と化したのだった。
「グギィ!次、次と余計な事をする。これではあの方の‥‥‥主様の所へ行けないではないか」
「その為の『鵺の屏風』だ!蝙蝠野郎!お前さんの好き勝手にはさせないぜ!お前さんはここで確実に倒させてもらうからな」
「‥‥‥‥いや、それ、私のセリフよ!ヌエちゃん」




