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神無月 VS 蝙蝠 改めて 神無月&天王洲 VS 蝙蝠伯爵 No.3 天の光水

夜叉巫女がスカラに勝利する少し前の『オアシス・ノース』では、ノース市民達が阿鼻叫喚の叫び声をあげながら隊列をくみ。『オアシス』の都市の外へと出ていこうとしていた。


「嫌だ!身体が勝手に」「誰か!助けて!!」

「足が痛いよ!!」「私の娘は何処に?!!」


「ギィギィ!逃げらんねえよ!!てめえらは伯爵様の居城がある『死の大地』へと行き、そこで伯爵様の養分として一生を過ごすんだからな!ギィギィ」


「死の大地だって?嫌だ!嫌だ!!!」


「何で身体が上手く動かせないの?」


「意識はちゃんとあるのに!!イヤーッ!」


「ギィー!ギィギィ!うるせぇな!だが。殺すのも持ったいないしな!人族よ血はあっちじゃあ高級品。殺したら持ったいねえよな!」


「ギギギ!お前らは俺達。魔獣蝙蝠に噛まれた時から伯爵様の掌の上なんだよ。血液魔力で自由を奪われてな。魔物化させられてないだけまだましだぜ!ギギギ!!」


「イヤー!!」「何で俺達がこんな目に!!」

「くそっ!くそっ!私はただ、貿易で仕事をしに来ただけなのに」



『オアシス・ノース』監視塔


「何だ?ありゃあ?隊列を組んで‥‥‥逃げてる訳でもなさそうだな!じゃなきゃ、あんなに騒いだりしてねえしな!」


「そうですね。鵺ちゃん」


「‥‥‥‥アヤネ様よう!その鵺ちゃんって呼び方は何だ?」


「あら、可愛いわよ。ヌエちゃん呼び、それに何時も私やアヤネにモフられて嬉しそうにミー、ミー、言ってたんだし満更でも無いでしょう?ヌエちゃん」


「いや、俺はこれでも神獣でな‥‥‥って!今は目の前のあれをどうにかする方が先だろう!全く、カミナリ様同様、地球ってから来る人族の娘は皆が皆こんなに緊張感がないのかい?全く」


「それで?どうしましょうか?いきなり出ていっても、隊列を組んでる人達を人質に取られたら身動きが取れなくなるし‥‥‥‥大元の蝙蝠男を倒すのが一番手っ取り早いけど。無いわよね気配が」


「あぁ、上手く隠れてやがるな。恐らく、俺達の出方を伺ってやがるな」


「出方を伺うですか?」


「最初に闘った時もそうだけど。何か卑怯よね。あの蝙蝠男。もっと正々堂々としなさいよね」


「‥‥‥‥いや、隠れるのも別に卑怯ではないぜ。ここは地球じゃねえんだ!大小異なる魔力が渦巻く、魔法世界『アリーナ』。生き残る為に皆、必死になるのさ!カミナリ様だって最初、此方に来た時はえらい苦労してたからな」


「苦労ですか‥‥‥‥」


(わたくし)の脳裏に少し前の出来事が思い出されました。


あっちではさぁ色々な人と出会ったんだ。嬉しい出会いや悲しい別れも沢山あった。


毎日が命の危険があったんだ。死にそうになる場面も沢山あった。


そんな時にさぁ色々な人の顔が思い浮かぶんだ。最後に会いたい。話したいって思って。


それで一番に‥‥‥一番に思い浮かんだのはさぁ。……君の………彩音の……笑顔なんだよ


君にもう一度会いたい。君にもう一度会うために生き残りたいと思いながらアリーナで生き残りたい。


死にたくないと思ったから生き続けられたんだ。


沢山の思い出をありがとう。沢山助けてくれてありがとう



「‥‥‥‥そうですね。隠れる事は‥‥‥生き残ろうすることは卑怯ではありませんね。」


「ア、アヤネ?どうしたのよ?急に?」


「いえ、少し前の出来事を思い出しただけですわ。‥‥‥‥確かに卑怯ではありませんが‥‥‥‥罪の無い方々に危害を加えるなど到底許される事ではありまん!あの方の加護を使うのは正直、あれですが」


「「あの方?」」


恵と鵺ちゃんが揃って私の顔を見ました。


「何があれよ!このポンコツ姫」


「だ、誰がポンコツ姫ですか!ラファエル様」


「コイツは‥‥‥和国の時、カミナリ様が頼ってた。天使さんか?何だか透けて見えるが。思念体か?神無月の嬢ちゃん」


「多分、そうじゃないかしら?天使達の本体は今、聖域とか言う場所で修復されてるとか神成君が言ってたし‥‥‥アヤネが着けてる魔道具で召喚されたって事かしら?」


「そうだろうな。アヤネお嬢ちゃんとラファエルって人はカミナリ様経由で仮の契約者同士。お互いの相性も良いから来れたんだろ」


「「誰が相性が良いですか」良いのよ?」


「誰がこんなドS天使様なんて」


「誰がこんなポンコツ姫何て」


「誰がポンコツですか?!」


「誰がドS天使様よ?!」


「息がピッタリだな」


「えぇ、そうね」


「第一、私があれだけアシストしてんのに、未だに元の鞘に収まれないのよ。あんたは」


「ぐっ!そそそ、そんな事ありませんわ。セツ君の気持ちはどんどん(わたくし)に傾いてますわ」


「傾いてるならさっさとやることやって合体しちゃいなさい。そんなんだから、未だに未遂なんでしょうが」


「が、が、合体って!ハレンチですわ」


「今さら何、言ってんのよ。セツナに対して、毎回、変態プレイをしてるあんたが何を言ってのよ?全く」


「ぐぅぅ!変態プレイなんてしてません」


「してるでしょうが!良い、アヤネ!あんたはアイツに表も裏も全て見せてるの!失う物は‥‥‥まだあったわね」


「ちょっと!今、何処を見ましたか?ラファエル様?!」


「とにかくよ!あんたには私が付いてるんだから、ガンガン行きなさいって事よ!はい!頑張る!良い?」


「不安しかありませんわ」


「なんですって?とっ!その前に先ずは目の前の蝙蝠達を無力化するわよ!アヤネ」


「口喧嘩中に話を変えないで下さい!‥‥‥‥はい?無力化ですか?」


「合わせなさい!!神代魔法(白)『浄化の光』」

「いきなり過ぎませんか?水幻魔法『浄化の水』」


「「『鏡花水月・天の光水』」」


「ギギギ?!」「グギィ?!」「ギャアア!!」

「キュキキ!!」「ギギイイ!!」


神代の光魔法と現代の水魔法が入り交じり、空を舞う蝙蝠達は光水の光で跡形も無く浄化されていくのでした。


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