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鍛冶師・カンナ・イズルギと名匠ルドルフ

『サンクチュア』


「ふぅ~、ここの転移魔法陣の事で頭がいっぱいで周りの事なんて入って来なかったが‥‥‥‥ここが『鍛冶屋の里』であっていますか?えーっと‥‥‥‥」


「ダルブだ!いちを鍛冶師の端くれだが、何時もは神殿の祭事や管理、監守を任されている」


「ダルブさんですか。俺はカミナリと言います。宜しくお願いします」


「カミナリ?‥‥‥‥あぁ、数年前にルドルフ師匠の所に留学に来たとかいう子か。思い出した、あの時、師匠の店に居た子か!成る程‥‥‥それにしては‥‥‥見た目が差程変わってないな、君」


「‥‥‥‥それには結構複雑な事情が‥‥‥コ●ン君の様な理由がありまして」


「●ナン君?何だそれは?まぁ、良いか、種族によっては見た目が全然変わらない者も入るしな。それよりも良くあの場所を見つけられたものだ。しかも、この偽の『案内人』リップの案内で来るとは」


「えぇ、リップの案内の道を信用せずに教えてくれた道の逆を目指して来ましたから」


「ダルブさん!コイツら。僕の言うこと全然聞かないんだぜ」


「‥‥‥‥成る程。真実に近づく能力は備えているのだな。よし!俺についてきてくれ。里長に合う前にルドルフ師匠の元へ行こう」


おお、このダルブって人。俺がわざわざ説明しなくても俺達の目的を察して、一番先に会いたい人の元へ案内してくれるとは!何処ぞの偽物の『案内人』とはやはり違う様だ。


それもその筈で、ここはアリーナ世界でも有数の武器の聖地何だよな。住む人の質だって高くなければ『神煌具』の修復なんてできるわけ無いもんな。


そして、オアシス・ウエスに居る職人達の殆んどが見習いなのだろう。さっきから通り過ぎる職人達の魔力の質が明らかに高いのだ。


それに俺達が今、入る場所も不思議な場所なのだ。

ヘファイストス地方は殆んどが砂漠と荒野の不毛の地が多い場所の筈なのだが、この場所‥‥‥おそらくは『鍛冶屋の里』とは違う場所であると思われる地。『サンクチュア』だったかな?‥‥‥は緑豊かな自然の木々が生えているのである。



「その驚いてる顔!ハハハ、ここに初めて来るものは皆、そんな顔をするんだよ!なぁ、リップって!何でお前まで驚いてるんだって‥‥‥‥あぁ、そうか、『案内人』の奴等には忘却の魔法をかけて入るんだったな」


ん?案内人達には忘却の魔法?いったいどういう事だ?いや、それよりも今は別の質問をしなくては。


「ダルブさん!ここはオアシスの何処なんでしょうか?ていか、あの森林はいったい?」


「ん?あぁ、いちをオアシスだな。正確には『オアシス・リバス』‥‥‥‥裏都市ってやつだ」


「裏都市?」


「あぁ、ここにはあらゆる『秘匿』が持ち込まれ、造られ、治され、甦る。そして、育成機関でもある。鍛冶職人、魔道具技師、魔法付与師等のあらゆる特別職の者達を育成する学校もこことは別の場所にあるのさ」


「敵などには見つから無いんですか?その‥‥‥‥『殺人鬼』さんとかには?」


アヤネがそんな質問をすると。


「見つからないな。この『オアシス・リバス』の周りには防衛の魔法陣と神話時代の転移魔法陣が敷かれていてな。人はおろか、魔獣達も入ることが許されない場所。聖地なのだからな。それに周りには認識阻害と魔力蜃気楼でこの地の特定ができないようにされているんだ」


成る程。ユグドラシル地方の『セルビア』国と似たようなものなのだろう。


ヘファイストス地方は魔力濃度が非常に高い。それを利用しての防衛魔方陣とヘファイストス神が残した力。転移魔法陣を使って鉄壁の要塞と化しているという事か。


流石は聖地というだけあってセキュリティが幾重にも重ねてられている。場所が見つけられないとしたら、やはり『案内人』を探してあの転移魔法陣の書かれた裏路地から入らないと行けないようだな。

もしくは知り合いの職人に頼み込むかか。‥‥‥‥職人達を殺し回ってる『殺人鬼』達ではまず、見つける事はできないって事か。


「それでたな‥‥‥‥っと!そんな話をしている間にルドルフ師匠の鍛治場に到着したぜ。師匠!!お客さんを連れて来た!!居るかー?!」


ダルブさんが鍛治場内に全体に聞こえる大声を俺の隣で上げた。つうか、五月蝿!耳がキンキンする。


「五月蝿いなー!誰だい!こんな時間にさー!もう、今日は店閉まいだよ。つうか、お客さんなんてここに何時来るんだって‥‥‥‥って!ダルブに‥‥‥」


そんな、大声を聞いてか、鍛治場の奥から赤髪の女の子が現れた‥‥‥‥ていうかこの女の子。見たことあるぞ‥‥‥‥不味い!これは大変不味い。殺される。殺されてしまう。


「よう!カンナ様。ルドルフ師匠は居るか?」


「わあぁぁ!!!セツナじゃーん!懐かしい!!何?何?あの送った手紙読んでくれたのかな?うそ!うそー!本当に久しぶりー!待ってたんだよー!ねぇ、ねぇ、私の新しい魔道具の設計見てくれた?!ねぇー!」


そう言って彼女は俺におもいっきり抱きついて来た。

久しぶりの再開で嬉しいのは分かるが駄目だ!止めろ!いきなり抱きつくな。カンナ!

そうすると‥‥‥後ろの人達がぶちギレて。


「よ、よう!久しぶり!カンナ。、て、手紙?何だそれ?」


「えー、見てないの?ガリア帝国や魔術院とかに送ったんだけどなー!行き違いになったかな?」


「‥‥‥‥いや、まずは皆に自己紹介をだな。カンナさん‥‥‥‥そうしないと俺があの二人に‥‥」


「あの二人?んー?後ろの可愛い子達の事?」


可愛い?今の状態は鬼の形相では?


「‥‥‥初めましてカンナさん。(わたくし)、カミナリ君の元許嫁にして元恋人で最後にはゴールインする予定の天王洲 アヤネと言います」


「こんにちわ、カンナさん。神成君とは幼少期からの付き合いで切磋琢磨した仲なの。それから学校では常に一緒にいる相棒的な立場の神無月 恵って言うわ!」


2人共。凄い気合いが入った自己紹介である。


「夜叉は夜叉巫女と申します。それから、クロに鵺殿です」


「ニャー、ニャー、」「ミー、ミー、」


「えーっとアヤちゃんにケイちゃんに夜叉ちゃん、クロちゃんとヌエちゃんね。了解、了解。覚えたよー!宜しくねー!成る程、成る程。今はハーレムパーティーなんだね。セツナー!」


「いや、ハーレムパーティーじゃなくてだな。ちゃんと男の仲間も‥‥‥」


「そうなの?まぁ、いいや、そんな事よりどうしたの?何?魔道具?新しい魔道具でも作ったの?ねぇ、ねぇ!、ねぇ!」


俺との再開が嬉しかったのかやたらとテンションが高い。


「‥‥‥‥後で」

「‥‥‥‥カンナさんとの関係を教えない」


「‥‥‥‥はい」


「何?何?もう尻に敷かれてるのー?前は聖女ちゃんとお姫ちゃんだっけ?」


「おいっ!止めろ!カンナ。それ以上何も言うな」


「「後で全て聞きますから」聞くから」


「‥‥‥‥あい」


「あれ?あれ?もしかして、私とセツナの関係を疑ってるのかな?」


「いえっ!そんな!」

「つもりは無いわ!」


「あーっ!そこら辺は多分、杞憂だから気にしないでね。セツナとはギブアップテイク。雇い雇われの立場だからねー!恋愛感情なんて一ミリも無いからね!ねっ!セツナ!!」


バシッ!バシッ!バシッ!バシッ!


「痛てててっ!肩を強く叩くな‥‥‥‥あいも変わらずの力持ちめ。まぁ、そんなかんじだ!カンナとは‥‥‥いや、『魔道具鍛冶師・カンナ・イズルギ』とらビジネスパートナーみたいな者だ。それ以上でもそれ以下でもないから宜しく」


「ビジネス‥‥‥‥」

「パートナー‥‥‥」


何やら静かになったが。まぁ、何とか勘違いしないでいてくれている様だ。


「カンナ!そろそろ夜になるのに何を表で騒いで‥‥‥って?あれ?その姿は‥‥‥‥カミナリの小僧か?」


俺達がそんなやり取りをして騒いでいると奥からまた1人出てきた。


「その髭もじゃは!ルドルフさん!」


「フハハ!そうか!やっと来たか!!カミナリ!!」


俺に抱きつく髭もじゃのおっさん。

うおおお!!汗臭い!!!


「ごふぅ‥‥‥久しぶり、ルドルフさん」


「さぁ、さぁ、入れ!入れ!首を長くして待ってたんだぞ!フハハ!!良く来た!良く来た!」


ルドルフさんのテンションも以上に高い。この弟子して師匠ありってか?

カンナとルドルフさんの性格似すぎたろう。


『サンクチュア』・『鍛冶屋の里』エリア

ルドルフの鍛治場


感動の再開から数刻後。


「七聖―女神―の杖『ラファエル』と『ミカエル』は破損寸前‥‥‥‥『飛来槍・麒麟』は再生の祭壇でなんとかなるか‥‥‥‥雷光鞭は完璧に壊れてるじゃねえか?!あぁ?カミナリよう?!どういう事だ?これは?あん?それに他にもこんなに様?どういう事だおいっ?!」


ぶちギレるルドルフさん。無理もないよな。


「いや、それは‥‥‥‥色々な強敵と闘ってたら‥‥‥その都度、武器も疲弊しまして‥‥‥はい。それに雷光鞭はそもそも、メリュジーヌ卿が‥‥‥‥」


「言い訳するんじゃねえ!!それは使い手のお前が未熟なだけだろうが!それにコイツらは神煌具達だぞ!意志がある!生きてんだ!扱いきれねえならはなっから使うな!!バカモン!!!フンッ!」


ドガアアアアアアアンンン!!!!!!


「セツ君?」「セツナ殿?!」「神成君?」「あぁ、殴ちゃつたよ!」


「ゴオオオ!!!」


俺はルドルフさんの力強いパンチにより、鍛治場の壁に叩きつけられた。


「たくっ!肉体も変な状態だな‥‥‥‥それで誰を最優先に治せば良いんだ?カミナリ!!」


「ら、雷光鞭で頼む。性の魔力はだいぶ貯まってるからもう少しなんだ‥‥‥‥」


「わーったよ!‥‥‥他の奴等は‥‥‥里長に相談するか‥‥‥『飛来槍・麒麟』は祭壇で奴等には甦らせるしかないか。カミナリ。他に強化して欲しいものがあるならあっちのテーブルに並べとけ。どうせ皆、表に出れなくて腕を鈍らせてるから丁度良い!」


「りょ、了解‥‥転移魔法『軽転』‥‥『いでよ!我が契約せし、武器達よ』」


シュン!シュン!シュン!シュン!


俺は仲間達とカンナを転移させある詠唱を唱えた。


すると


ドン!ドン!ジャラ、ジャラ、ドン!ドン!ジャラ、ジャラ!!!


「馬鹿やろう!!!一気に出す馬鹿が何処に入る?!!ワシの鍛冶場を破壊する気か!!!」


「する気だ!馬鹿やろう!!相変わらずの馬鹿力で殴りやがって!!クソ鍛冶屋がぁ!!!」


「誰がクソ鍛冶屋だ!!クソガキ!!!」


ドガアアアアアアアンンン!!!!!!

ボガアアァンンンンンンン!!!!!!


そうして名匠やら、刀匠等と呼ばれる名鍛冶師『ルドルフ』と殴り合いの喧嘩を数時間に渡って繰り広げたのだった。

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