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第一村人発見

『オアシス・中央特区(セントラル)


とある廃屋敷。


「‥‥‥ぐっ?」


「あら、どうしたの?苦しいそうにしちゃって?」


「スピリさんですかな‥‥‥また、主様の許可無しに屋敷には入るなど‥‥‥」


「屋敷って‥‥‥廃墟じゃないここ。それに元々の持ち主は貴方でしょう?ブラッド家の貴族様」


「‥‥‥‥それは何百年前の話ですので、それに今の我が灰は主様に使える身でして」


「主様って‥‥‥地下牢に繋いでるあれの事?」



『とある廃屋敷の地下』


ガシャン!ガシャン!


冷たく暗い部屋で、鎖を鳴らす音と青年の叫び声が木霊する。


「うわああぁぁ!!!ここは何処なんだ!!助けてくれ!!僕は、俺は、誰なんだよ!!誰か!!!リップ!!!!」



「本当!五月蝿いのね。昼間の『表』って子は」


「いやいや、あれはあれで可愛いのです。真の主様の弱い部位というやつですな」


「‥‥‥‥流石は魔神との混血ね。そんなで良くもまぁ、身分を偽って貴族の養子になったものだわ」


「ギギギ、変装は得意ですからな」


「あっそう、それよりも『表』のあれの兄弟を使っての、入り口探索はどうなったのかしら?」


「あぁ、愚弟のリッチどかいうガキですかな。それなら失敗しましたよ。分身である左腕がこの通り」


ブラッドはそう言うとスピリに左腕を見せた。


「あら?‥‥‥‥骨だけになってるじゃない。もしかして返り討ちにあったのかしら?」


「その様ですな。相手もバカではないらしく闘う前に気配遮断の結界を張っておりましたので、我が灰の分身と直接闘ったあの小娘以外の顔は分からずじまいでしてな」


「それなら平気よ。もうすぐ私達の時間‥‥‥‥『(フェスティバル)』が始まるんだから。フフフ」


「えぇ、今宵も殺しましょう!人々を!あの小娘達を!我が主様と共にね、ギギギギギギ!!」




ヘファイストス地方・西地帯・サンクチュア


シューン‥‥‥‥シュパーン!


「なんつう、静かな転移魔法だ。普段ならもっと魔力の波が荒れる筈なのに‥‥‥‥神話時代の転移魔法陣を使った方が魔力の負担が軽減されるのか?」


カシャッカシャッカシャッカシャッ!


俺は目の前にある転移魔法陣をスマホで撮影していく。


「‥‥‥‥何、おっ始めてんだよ。セツナ」


「でた、自分の利益になると思うと周りが見え無くなる病」


リップは俺に突っ込みを入れ。委員長は呆れた顔をしている。


「‥‥‥‥ここは?何処でしょうか?夜叉ちゃん」


「神殿ですかね?‥‥‥‥あれは―女神―ヘファイストス様の像‥‥‥‥それにここは?‥‥‥オアシス・ウエスとは明らかに違う場所です。アヤネ殿。セツナ殿もそう思いませぬか?」


夜叉巫女がそんな質問をする中、俺はというと。


「ヘファイストス様も転移関係の権能を使えたのか?‥‥‥明らかにアテナ様の転移魔法よりも質は高いし‥‥‥‥地球の資料はと‥‥‥‥ヘファイストス神は刀匠としての権能もあり‥‥‥刀匠‥‥‥作る‥‥‥成る程。なら、この精巧な転移魔法陣はアテナ様の権能を元にした神話の魔道具の様なモノか!成る程」


「って!聞いておりませぬ。この方」


「‥‥‥‥何時もの事ですわ。未知のモノを見つけたり、自分に利がある物には貪欲になるんですよ。セツ君は」


「では、貪欲になり切れなかったから、アヤネ殿とセツナ殿は別れたと」


「‥‥‥‥違います。あれはセツくが勝手に決めたんです。それにもう、セツ君との(わだかま)りは晴れて。後は、ゴールインするだけですわ」


「いえ、そんなに熱心し弁解されなくても宜しいです。アヤネ殿とセツナ殿がフシダラな関係なのは皆が周知しておりますので」


「夜叉ちゃん‥‥‥‥貴女、(わたくし)の扱いがどんどん軽くなってませんか?」


「‥‥‥‥なんておりません。呆れているだけです。アヤネ殿」


「ムカッ!何ですか!その言い方は!!私はこれでも由緒正しき」


「痴女お嬢様てすね。セツナ殿が良く言っておられまする。アイツは直ぐに脱ぐと」


「なっ!セツ君がそんな事を?!」


「それに最近は発育が進んできてどんどんエロい身体に進化しているとも。まぁ、小さい頃から見飽きてるから何とも複雑な気持ちにだな。変な男に騙されないか心配で!心配で‥‥‥‥」


ブチンッ!「誰が見飽きてるからですか!誰のせいだと!変な男は貴方ですよ!元恋人のセツナ君!!」


アヤネはそう叫ぶと、転移魔法陣に夢中になっている俺の所に飛んできた。


「ふぅ~、これで何とか矛先を変えられました」


「ミー、ミー、あんたのパートナー、意外とやるな」


「ニャー、ニャー‥‥‥‥主の影響のせいだろう。夜叉がどんどん腹黒になっていく」



『転移魔法陣』前


「これは後で‥‥‥‥いや、1人で研究なんて時間が掛かりすぎる。いつも通り専門家を見つけて、情報を提供するか?ただ、転移魔法なんて研究してる奴なんてエウロペ大陸に数える位にしか‥‥‥‥それに俺は扱う専門で研究とかの柄じゃないしな‥‥‥‥ブツブツ」


俺は1人、思案していた。


「セツ君!誰がドスケベな身体ですか?!誰が最近、発育が進んできてるですか?触りたいんてすか?どうなんです?」


するとアヤネが目の前にやって来て興奮気味に俺の両肩に手を置いた。


「なっ?!アヤネ?何でここにって‥‥‥‥あぁ、そうか、俺達は転移で移動したのか。それで、あまりにも転移魔法だったもんでこの魔方陣に夢中になってて」


「もんで?そんなに揉みたいですか?私の身体を?」


何故か興奮している元恋人。

‥‥‥‥これあれだ、返答間違えるとまた、ややこしくなるやつだな。


「んーー、分かった!揉むはアヤネの胸。ほれ!」


俺は言われた通りにアヤネの胸を揉む。

うん、小さくもなく大きくもない‥‥‥‥いや、数ヶ月前より少し大きくなってるな。


「セ、セツ君!!ちょっと!!」


自分で言い出したくせにアヤネは顔を真っ赤にしている。ハハハ、やはりまだまだ子供よ。感情はコントロールしてなんぼどあれ程に‥‥‥‥


「って!何をしてんだ!お前ら!!」


パーン!

「ごがぁ?!」


リップが俺の頭をハリセンみたいなモノで叩き。、


「どさくさに紛れて何を脱ごうとしてんのよ!アヤネ!!」


パーン!

「フニュイ?!」


委員長がアヤネの眉間に軽いチョップを交わした。


「そこの貴様ら!!!何をしている?!!何処から現れた!!!」


建物の管理者らしき人物が現れ、大声を上げた。


「いや、僕達は怪しい者じゃない!‥‥‥ってダルブさん?」


「ん?お前は‥‥‥‥『案内人』のリップじゃないか?‥‥‥という事はコイツらは『迷いの試練』を超えて来た奴らか?」


そんなこんなで色々アクシデントはあったが、無事に現地の第一村人と遭遇できたのであった。

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