縁は必然へと
「ギャギィ!ギイィィ!!燃える‥‥‥‥我が灰の身体が灰に‥‥‥‥」
「終わりよ!蝙蝠男さん」
「ギイィ‥この身体では限界か‥‥主様の兄弟は役に立たずか‥‥‥ギィ‥‥顔は確りと覚えたぞ‥‥‥本番は‥‥‥‥夜の裏路地には気をつける事だ‥‥‥‥必ず血を吸い付くし‥‥‥殺し‥‥‥」
最後まで言い終える前に蝙蝠男は灰へと変わり、塵とかした。
「‥‥‥‥裏路地?いったい何の事よ?もう」
「終わったか‥‥‥‥ミカエルの加護無しに倒せたか‥‥‥これならあれの習得も早くできそうだな」
「あれですか?それはいったい?」
アヤネがあれについて聞いてくる。
「アヤネは‥‥‥ラファエルとか?えーっと‥‥‥‥マジか!もうできる様になってるのか?」
俺はアヤネとラファエルの魔力パスを調べてみた。
「だから、何がですか?セツ君」
『天使の加護』‥‥‥‥まさか、相性の悪そうなアヤネとラファエルが先に会得しているとはな。
つうか、アイツら。どんどん似てきてる様な無いような。
元々、性格かそっくりな2人だ。こっちに来てからなんだかんだとラファエルの面倒見も良かったからか?
「あの?私の質問に答えて頂けます?セツ君」
「あぁ、君がただの変態お嬢様ではなく、天才お嬢様だって再認識したよ。アヤネ」
「まぁ、天使みたいなお嬢様だなんて、恥ずかしいですわ。セツ君」
コイツ‥‥‥‥耳は大丈夫か?どんだけ都合良く。
「コイツ‥‥‥‥耳は大丈夫か?どんだけ都合良く」
「セツナ殿。心の声が駄々漏れですよ。注意して下さい」
夜叉巫女に怒られてしまった。
「大丈夫だ。アヤネには聞こえて‥‥‥‥」
「聞こえてますわ。セツ君。誰が天使のお嬢様ですか?耳が何ですか?セツ君?」
「止めろ、止めろ。俺の頬にビンタをしようとするな!」
「‥‥‥‥人が闘ってたのに何イチャイチャしてんのよ!アンタらはあぁぁ!!!」
そして、蝙蝠男に勝ち凱旋して来た委員長に説教を喰らった。
「‥‥‥‥僕は‥‥‥何もできなかった。まさか僕の影に隠れているなんて。また、僕を巻き込むのかよ。兄貴‥‥‥‥」
リップは塵と化した蝙蝠男の残骸を見てそう漏らしたのだった。
その動揺した姿を見て俺は少し心配になった。
その後、蝙蝠男を退けた俺達は『鍛冶屋の里』の入り口探索を再開した。
「あっちだ!」
「よし、反対だな」
「こっちの扉だ!」
「よし、反対の扉だ」
「そして、最後にここを通ってだな!」
「‥‥‥‥じゃあ、反対側の‥‥‥‥ビンゴ!神話時代の転移魔法陣だ‥‥‥‥まさかこんな物がこんな大都会に隠されてるとはな」
「おいっ!待て!」
「神話時代?何故、そんな太古の物がこんな裏路地の奥にあるのでしょう?」
「僕の話を無視するな!」
「だな、俺もビックリだよ。夜叉巫女」
「‥‥‥‥ウガアアァァ!!僕の話を聞け!!!」
何だ?マ◯ロスか?宇宙的なアイドルにでもなる気なのか?この男の娘は。
「何だよ。リップ、落ち込んでると思って無視してたのに」
「お、お前!じゃあ、さっきから僕の指差した方とは逆に行ってたのは‥‥‥‥」
「ルドルフさんから聞いていたんだよ。もし『鍛冶屋の里』に行く様な事があれば、余計な者は一切入れず、突然、現れた『案内人』の案内は全て信じるなとな」
「何だと?そんな話、僕は一切知らされて無いぞ!そんな情報」
「普通、若手の鍛冶師に『案内人』は任せないんだよ。だから、リップみたいな奴を何人か入るって事だろう」
「僕みたいな奴?」
「偽の『案内人』に誘導させて侵入者を潰す為だろう。『鍛冶屋の里』に被害を出さないようにな」
「‥‥‥‥被害か‥‥‥成る程な。そして、僕は偽の案内人とは‥‥‥‥ガクッ」
「リップ殿?!大丈夫ですか?!!」
自分の真実を知ってしまったリップは倒れた。
そして、誰にでも優しい夜叉巫女は心配にリップを介抱し始める。
「若手の鍛冶師の戦闘訓練は裏路地でやってるとかも言ってたから、若手の育成にって‥‥‥‥ぶっ倒れちゃったよ!この男の娘」
「ねぇ?リップ君。倒れちゃったけど、これからどうするの?」
「一度、オアシス・サウスに戻りますか?セツ君」
転移魔法陣の近くに入る少女2人が俺に聞いてきた。
「‥‥‥‥いや、後、数時間もすれば『夜』になる、夜になったら奴らが‥‥‥『トルソー』達が俺達を襲い来る」
「襲いに?」
「来るですか?」
「なら、安全な場所に行くしかないからな‥‥‥‥‥神話時代の魔法陣か‥‥‥‥これは祝詞がいるな」
神話時代の者を喚ぶ時、契約する時、魔道具を使う時は祝詞が必要となる。
「捧げる‥‥‥‥この言葉を神話の者達‥‥‥‥‥この縁は偶然である‥‥‥だがその縁は交わり‥‥‥重なり‥‥‥‥必然へと変わるだろ‥‥‥さぁ、開けや、開け‥‥‥‥我は転移を頂きし者。さぁ、新たなる道を!異界への道をいざ、開かん」
(その縁‥‥‥‥しかと聞き届けました。このヘファイストスが許可を‥‥‥‥そして感謝します‥‥‥‥―女神―アテナの眷属よ‥‥‥)
魔方陣は静かに起動し、俺達は裏路地から静かに姿を消した。




