表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
最終決戦でしたが何故か魔王と一緒に元の世界に帰還しました   作者: 雷電
魔法世界・アリーナ編 君の選択を信じている
27/864

一夜開け~大水晶の部屋と古代竜の根城



①一夜開け




ヒスイ襲来から翌朝


「違うニャア!バカ騎士!!オニャエ?米の1つも炊けニャいのか?」


「うるせぇ!!バカ猫。少し静かにしろ。今、やってんだろう?見てろ」


「早くするニャヨ」


ヒスイが俺の契約者(タマキの奴隷)になった。


『契約の輪』を3重掛け。俺に逆らえば『雷霆将来』を浴び続ける地獄の始まった。


かわいそうである。


「しかし、本当に良く倒せたのう、セツナ。ラベルが言っておったが、あの者は魔王軍でも5本の指に入るとラベルが言っておったぞ」


「あぁ、俺もビックリしているよ。だが、俺の力と言うよりも半分はタマキのお陰だけどな」


「‥‥‥そうか。では、そのタマキは何処に行ったのじゃ?」


「ヒスイが持っていた闇霧‥‥いや、カミナリシリーズ『No.4田中』のメンテナンス中だ」


「田中?‥‥‥闇霧はヒスイに渡って本当に良かったのう」


エスフィールが俺に哀れみの目で見てくる。何故だろう?分からない。


「しかし、あの強敵だったヒスイが、今ではセシリアにこき使われているとは、何とも哀れだのう」


「あの雷撃を一晩中喰らって、観念したんだろう。いくら強くても。あれだけの阻害&契約魔法だ。言うことを聞かないわけにはいかないんじゃないか?」


「確かにのう、で?あやつはこれからどうするのじゃ?」


「そうだな、一晩、色々と考えたが今回の旅に連れていくことにした」


「‥‥‥今なんと言った?」


エスフィールの鋭い眼光が俺を見てくる。


「いや、だから、ヒスイは今回の旅に連れていくことにした」


「こんの、馬鹿者があぁぁ!!」



「おっふぅ!!」


俺が、いい終えると同時にエスフィールのボディーブローが俺の腹に炸裂した。


「お前は馬鹿なのか?!普通、他の作品なら主人公はハーレムを維持をするために他の男共は排除すると聞くぞ?」


「お、お前、それを誰から聞いたんだ?」


「彩音の専属メイドの芽愛の奴が言うておった」


己、芽愛さん。地球に帰ったら秘密の部屋でお仕置きしてやる。


「そ、そうか。‥‥‥だが、反対はさせないぞ。ヒスイは戦力になる。それにアイツの性格も昔から知っているから扱いやすいしな」


「‥‥‥戦力か。それならば、仕方ないかのう」


良かった。納得してくれ‥‥‥


「って納得出来るか馬鹿者があぁぁ!!そこに正座しろ久しぶりに説教してやる」


そして朝から久しぶりの説教(拷○)が始まった。



ヒスイ&セシリア


「ほら、見てみろ、俺様だって米くらい炊けんだろう。」


「オニャエ、これべちゃべちゃじゃニャいか!このアホ騎士」


「なんだと、このバカ猫!!こんの‥‥‥ぎゃあぁあ!!痺れれ!!!」


「オニャエ、バカニャのか?わっちもオニャエと一緒でセツニャの奴‥‥‥。『契約の輪』を付けられている身ニャゾ?用はわっちもセツニャの所有物ニャア」


「‥‥‥所有物だと?」


「ニャから、もしわっちに逆らえば、オニャエは雷撃の餌食になるのニャア。『契約の輪』先輩の忠告ニャゾ!!分かったかニャア?後輩?ニャっはっはっは!」


「く、そ、が!ガクッ」


くそ、あっちもあっちで騒がしいし、これからの旅はどうなることやら。


「おい、まだ。石を乗せ終わっておらんぞ。何処を見ておる?」


エスフィールが拷問用の浸け石を、俺の膝の上に乗せ様と頑張っている。


「も、もう、勘弁してくれ、俺が悪かった」


「‥‥‥何も聞こえんぞ?セツナ。昨日の疲れでも残っておるのか」


くそ、この魔王。いつか別の形でやり返してやるからな。覚えとけよ。


心の中でそう毒づき、俺は朝食の時間を待つのだった。



場面変わり。魔法中央国


「では、サーシャ。後の事は任せるから気をつけて行くんだよ」


「‥‥‥‥‥了解、‥‥師匠も身体に気をつけて」


「うんうん、どっかの馬鹿弟子とは大違いだ。トリスタンとイゾルテもサーシャのサポート頼んだよ」


『蒼穹のトリスタン』

「お任せ、下さい。先生。サーシャ殿はこのトリスタンと。」


『冷夏のイゾルテ』

「イゾルテに任せて下さいよ。絶対にカミナリ君を見つけて。マーリン先生の所へ連れてきますから」


「うんうん、ありがとうねぇ。よろしく頼むよ。(エウロペ大陸が平和になって、彼が隠した魔道具なんてもう必要なだけど死の大地の奴らが活発になってきている。早くバカ弟子を呼び戻して稽古を付けたいのに何処にいるんだよ。君は全く)」


「‥‥‥‥じゃあ、二人共、‥‥‥行こう」


「了解しました。サーシャ様」


「イゾルテも大丈夫でーす」


「あーー!ちょっと待ってくれい。3人とも!これを渡すのを忘れてたよ」


マーリンは慌てた様子で旅立つ3人に小箱を渡していく。


「なにこれ?師匠?」


「いざって時の保険さ。命の危機や仲間が危ないときでも使ってくれるかな?きっと役にたつからさ」


「‥‥‥ありがとう。‥‥‥大事にする」


「トリスタン感動の極みです。大切にします」


「右に同じくイゾルテも大切にします」


「あぁ、ありがとう、じゃあ、改めて行ってらっしゃい」


そして、

元勇者パーティーメンバーのサーシャはトリスタンとイゾルテを連れてユグドラシル地方へと旅立った。





②旅は続く





旅というものは、トラブルが付き物である。


昔の宿敵の襲来もその1つだろう。


そしてもう一人の宿敵である。魔王様からの拷問もその1つ。


そう考えると魔王領関係の奴等はろくでもない奴等なのかと考えてしまう。


そんな事を考えながら、朝食のお粥をちびちび食べている。

以外や以外。見た目はあれだったが、味はどうして。なかなかの美味である。


「おぉ、ヒスイ!!見た目は本当にあれだが、味は付けばバッチリじゃないか?天才か?」


「だろう?カミナリ!!!昔、食い逃げして捕まってな。牢屋にぶちこまれない変わりに3ヶ月程、無償で働いてたんだぜ。その時に亭主の味を盗んだんだ。スゲーだろう?」


「おぉ、いろんな意味で凄いよ。お前!ある意味、尊敬する」


「そうかい、そうかい。どんどん尊敬しろ。カミナリ!!!」


「オニャエら、本当はニャか良いニャろう?」


「うむ」


セシリアとエスフィールがジト目で俺達を見てくる。


「まぁ、昔からの顔見知りだしな。別に嫌いではない」


「‥‥‥‥カミナリ。お前、気持ち悪りいなぁ!だいぶ」


「お前にだけは言われたくないわ。戦闘狂が」


そして朝食を終えた俺達4人は、ヒスイを○隷改めて、仲間に加え、一路ユグドラ街道に戻り旅を再開した。


「それでカミナリ!!!目的地は何処に行くんだぁ?!」


ヒスイが質問してくる。黒い鎧は俺が破壊した為。素顔である。これが物凄い美形の綺麗な茶色長髪ときているので張り倒したくなる。

ユグドラ街道を通る女性達がヒスイを見てはキャア、キャア(うるさ)くてかなわない。どうしたものか。


「おい、アホ騎士。さっきからオニャエを見ている。女達がうるさいのニャア!どうにかしろニャア!!」


セシリアがそう叫ぶ。


「そんなの俺の黒鎧を破壊したカミナリに言えよ!!俺の顔が良いことなんて昔からの事だぜぇ?!間違って惚れんなよアホ猫!」


それを聞いた瞬間。セシリアが振るった尻尾がヒスイの顔面へとへとダイレクトアタックした。


「何すんだ!!アホ猫!!!」


「オニャエが馬鹿な事を口にするからニャア!!!アホ騎士」


それを静かに俺とエスフィールは見ている。


「あいつら、もしかして相性良いのかな?」


「‥‥‥分からぬが、まぁ、悪くは無いじゃろうな。数年後、付き合ってたりしてなあ(笑)」


「まさかぁ、はっはっはっは!」


「そうじゃな。はっはっはっは!」


俺達は冗談だと思い、大笑いした。


「しかし、よおぅカミナリ!!!何でこの時期にわざわざ、エルフ共の国『セルビア』に行くんだ?!」


「この時期に?ってどういう事だ?」


「お前、知らないのか?今の『セルビア国』はな。噂じゃあ、セルビア国内に住む妖精共エルフ共で、内戦のまっただ中なんだとよ。俺も詳しくは知らないがな。」


「エルフと妖精達が内戦?そうなのかセシリア?」


俺はセシリアの方へ振り返り聞いた。


「んにゃあ?わっちもそのアホ騎士と一緒でここんところ数ヶ月はセツニャを探して、色んな所に旅をしてたから『セルビア』の内情は余り分からないのにゃあ」


相変わらず。使えない元勇者パーティーメンバーだな。ヒスイの方が色々知ってるじゃないか。


「相変わらず。使えない元勇者パーティーメンバーだな。ヒスイの方が色々知ってるじゃないか」


「セツニャ、オニャエ、心の声が駄々漏れニャゾ!!それにあのアホ騎士よりとは失礼この上ないのニャア」


「まじか、今度から気をつけるわ。使えない猫」


「オ、オニャエーーー!!!」


セシリアが襲いかかってくる。


「あらよっと!」


俺は左手で指パッチンした。その瞬間。


「ギニャアアア!!そうニャア!忘れてたのニャア!!セツニャに逆らうと電撃ニャアアア!!」


それを見てヒスイが爆笑する。


「バカが、バカがいるぞ!!カミナリ!!!わっはっは!面白れえぞ!!アホ猫!!傑作だなあぁぁ!おい、ギャハハハ!!ん?ぎゃあぁあ!!痺れれ!!!痺れるうう!!何で俺も?」


「ば、バカはお前もニャアアホ騎士!わっちに逆らえば!!びび!!雷撃がオニャエをををを、襲うのニャアア!!」


俺の目の前で電撃と雷撃がコラボし、綺麗な光電を放っている。


そして俺は思いつく。


「タマキ。おーいタマキ」


「お呼びですか?ご主人様」


「コイツらが放つ電気エネルギー、どうにかして、貯蔵できないか?」


「あの放電されている電気ですか?‥‥‥‥そうですね。それでしたら地球で手に入れたこの電池に蓄電させるのはどうでしょうか?」


「おぉ、なるほど。なるほど。それでやってみるか。頼めるかなタマキ」


「はい、やってみます」


なにやらタマキが作業をし始めた。

1分後


「ご主人様。何とかなりました。これで今日から炊飯器でご飯が食べれます」


「まじか、どうやったんだ?」


「はい、この二人を○○にして○○で○○したお陰で何とかなりました」


聞くにおぞましい事を聞かされた気がしたが、俺はスルーする事にした。


「よ、夜飯が楽しみだな。タマキ」


「はい、ご主人様」


タマキは満面の笑みでそう答えた。だんだんタマキの奴が怖くなってきたのは俺の勘違いだと思いたい。


ユグドラ街道のだいたい10キロ単位で宿場町が存在する。

「セルビア国」、『始まりの大森林』、『魔法中央国』に向かう人々や商人などが野宿をしない為の施設らしい。


俺達、4人もこんばんはここへ泊まる事になった。


「おぉ、まじで炊飯器使えるぞ。エスフィール!」


「冗談半分で聞いておったが本当に炊けるとは、ほっかほっかじゃな」


エスフィールは嬉しそうに喜ぶ。

それを見ている。俺も嬉しくなった。


「おぉ、セシリアとヒスイに感謝だな。ありがとうな!2人とも」


「ゆっ許さないのニャア。セツニャ‥‥‥」


「ま、魔力が、俺の魔力がすっからかんに‥‥‥」


電撃と雷撃を出し続けた二人は魔力の枯渇で力尽きていた。





③世界の動向



ガリア帝国王都


「姫様はまだ見つからんのか?」


「はっ!ランスロット卿。城の中にはおられず。捜索も王都内から王都周辺まで広げていますが未だに見つかっておりません」


「そうか、下がっていいぞ。カイ殿」


「畏まりました。では、失礼いたします」


兵士が居なくなった応接室内


「くそ、あのお転婆姫め!何処へ行ったというのだ。‥‥‥このままでは、俺がかの王に殺されてしまうではないか。‥‥‥昔は楽しかった。パーティーメンバーの皆、元気にしてるだろうか?今、思えば、俺の我儘を素直に聞いてくれるのはお前らだけだったよ。皆」






魔法中央国『魔術院・キャスパーリーグ』


魔術院の理事長室で手紙を読む女性がいる。


「おぉ、やはり私の読み通り。現魔王である。エスフィール君はラニーの解呪をしてくれたのか。それにフムフム」


「マジでぇ?!ラニーの友達になったぁ?しかもセシリアも?嘘?何がどうなってるんだい?全く」


マーリンは少し静かになる。


「そうか、あのラニーに二人も友達がねぇ。良かった。良かった。『始まりの大森林』にメーアとラニーを行かせたのは正解だったな。さすが、私の審美眼だね」


そしてマーリンは理事長室の窓を見上げたのだった。


「サーシャ達の方も上手くいってくれると嬉しいかな。‥‥‥頼むよ。愛弟子」




ソロモン山脈・『七聖教会本部・大聖堂』


「何処へ行く気だ!シスター・エリナ・セレス」


「‥‥‥勇者様の所へ行きます」


「勇者はもう居なくなったのだ。自らを犠牲にエウロペ大陸に平和をもたらしてくれた。奇跡の使徒だ」


「いいえ、あの方は生きております。」


「‥‥‥もうよい、教会騎士よ!この者を地下の牢へ繋いでおけ。少し頭を冷やさせる」


祭司がそう叫ぶと大聖堂の扉から数十名の騎士が現れた。


「セレス様、ここは冷静になり。大人しく我々にしたがって下さい」


「‥‥‥‥もう、いいです。‥‥‥力強くで行きます。聖魔法『召喚術・フェンリル』」


そして静な大聖堂に伝説の神獣が降り立った。



魔王領『魔王城内』


「ほ、本当何ですか?娘さんが‥‥‥魔王様が戻られているというのは?」


「えぇ、でもまだ確証ではないわ。予想に近いかしら」


「はぁ、予想ですか」


「ユグドラシル様からのお話だと。あちらの世界、地球とか言うのかしら?そこに住む勇者君にだいぶお世話になっているみたいなの」


「勇者君とは、セツナ殿の事ですか?」


「あらご存じなの?」


「はい、彼には私の故郷の村を救っていただいた事が、ありますので覚えております」


「まぁ、彼が貴方の故郷を。それは感謝しないといけないはね。私も」


『魔王代理・○○○○・エスフィール』




死の大地『影の国・本殿』


「霊王様、先ほど、スカサハ様より。連絡があり。7の秘宝のうちを確認したとのことです」


「ほう、誠か。では、スカサハには慎重にいけと伝えておけ」


「慎重にですか?」


「ん?どうした?何か気になったか?」


「いえ、失礼な様ですが、それだけで宜しいのですか?」


「あぁ、2日前に占いをしてな。これが余り良くない結果が出た」


「良くない結果ですか?」


「あぁ、我が娘、スカサハがエルフの国『セルビア』で妖精達に弄ばれ死ぬという最悪の結果だ」


「そ、それは!!何とも‥‥‥」


「あぁ、だから、スカサハにはこうも伝えよ。しばらくの間、『セルビア』へは近づくなとな」


「早急に連絡をお取りします」




エルフの国『セルビア』


「女王様。先ほど、リグーリア将軍より。伝達が‥‥」


「何でしょうか?宰相グロース殿」


「はい、また、妖精達による反乱が‥‥‥」


「また、ですか?この数ヶ月の間に何が起こったというのでしょうか?」


「わ、私には分かりかねます。妖精達があのような、残虐な事をするとは到底思えませんが」


「ですが、実際は『セルビア』国内の色々な場所で妖精達の事件が起きていますね」


「‥‥‥はい、その通りでございます」


「『始まりの大森林』のガルド殿と魔王領の『魔王代理』様はなんと?」


「はっ!ガルド殿からはガルド殿の娘である。かの拳王姫セシリア・アインズ様が『セルビア』へ向かっていると早馬で返事がありました」


「かの勇者パーティーの従者ですか?」

「はい、その通りでございます。そして、魔王領からは魔法騎士様を派遣してくださるとのことです」


「そうですか。両国には多大なる感謝をお伝え下さい」


「はっ!急ぎ、早馬にて」




エルフの国に動乱あり。




④『双星の大洞窟』の中へ



俺達4人と二匹、新勇者一行は‥‥‥いや、魔王側の重要人物が2人もいるのに新勇者一行では、おかしいか。


何を救いに行くというのか?謎である。


改めて、俺達4人と二匹、連合パーティーは10日間という長い道のみを経て現在、『双星の大洞窟』の(ふもと)まで来ていた。



『双星の大洞窟』・エウロペ大陸に存在する、三大鉱山の1つである。

標高は軽く4000メートルを越え。山の天辺には雲が掛かり。雪が積もっている。


それから、鉱山と同時に人気の観光地になっており。


東西南北の4つに大洞窟の入り口があり。北と東側は鉱山。南と西側は、観光地となっており。遠くから仕事を求め、やって来た。


炭鉱夫や戦争が無い時期の傭兵等が仕事を求めて、ガリア帝国や魔王領等からの人や観光客が集うとの事。


驚いた事に人族、魔族、エルフ、獣族、多種多様な種族が集まる『双星の大洞窟』だが、喧嘩や傷害等の事件が余り起こらないらしい。


何故なのか、セシリアに聞いて見ると


「ンニャア~!そりゃあ、オニャエ!ここがユグドラシル地方だからに決まってるからニャア。ユグドラシル様の加護と慈愛のお陰で年がら年中、資源が豊富なんだニャア」


「ほう、それで?」


「資源が豊富ニャら。平等に分け合えるニャロウ?ニャから、『双星の大洞窟』に色々な種族が集まっても。他の地方みたいな奪い合いが起きニャイのにゃあ。ユグドラシル様万歳ニャア!!」


「その通りなのじゃあ~!!」


とのこと。


それからのセシリアは―女神―ユグドラシル様がいかに素晴らしいかやユグドラシル地方の事をエスフィールと共に俺に長々と説明してくれた。


北から、『魔法族の里』『北東魔法学院』『幻獣の楽園』『セルビア国』『始まりの大森林』この5つの地域の事を合わせてユグドラシル地方『北総伍地帯』と呼ばれている。南は南でまた違う呼び方をするとか。


エウロペ大陸でも有数の資源地帯であり。争いや戦争が滅多に起きない事で有名らしい。


他の地方の国々も。昔は、ユグドラシル地方に戦争を仕掛けたらしいのだが、ユグドラシル地方の代表する魔法族、幻獣、エルフ、妖精、獣族の結束は固く。


1度でも戦争を仕掛けたものならば。一国でユグドラシル地方に住む。全種族と戦う事になる為、現在では、戦争は仕掛けず。対等な契約で貿易等を行っているとの事。


そう、教え、聞かされると。―女神―ユグドラシル様という御方は本当に良くできた―女神―様なのだと思う。



改めて思う。‥‥‥‥俺の―女神―ガチャ外れすぎだろう。


ちなみに俺が契約している。―女神―アテナ様のアテナ地方の近年の豪雨で余り宜しくないらしく、ユグドラシル地方の人達からの支援でどうにか持っているとセシリアが教えてくれた。


同じ―女神―なのにどうしてこうなった。


話を最初に戻そう。


『双星の大洞窟』には、観光目的で来ている。


現在、観光案内所で『双星の大洞窟』案内ツアーの順番待ちである。


「しっかし、いつまで待たせる気なんだあぁ?この列はよお?!」


ヒスイが吠える。


「さすがはエウロペ大陸でも人気の観光地じゃ。人の数が違うのう」


「平和に、にゃったからにゃあ。『双星の大洞窟』の鉱石群を一目見ようと大陸中から人が集まってるにゃあ」


「ここまで、人が多いとそのうち、『双星の大洞窟』事態が1つの国になりそうだな。宿屋やホテルに娯楽施設まであるんだろう?凄いな」


「あぁ、南東のヘファイストス地方のオアシスやガリア帝国の王都に並ぶ。観光スポットだからな。俺も昔、あそこのカジノでズルがバレてなあ。数ヶ月無償で働いた事があるぜ!!」


ヒスイが懐かしそうに言う。


「俺はお前を凄いと思うよ。色々な意味で」


「おぉ~!!もっと褒めろよ!!カミナリ!!!」


何故か嬉しがるヒスイだった。


「‥‥‥おっと、忘れる所だった。ヒスイ!これを渡しとく。受け取れ!」


俺は魔法の袋から何個かヒスイ目掛けて放り投げた。


「あん?なんだよ!!!カミナリ!!!ってぇぇ!!おい、あぶねえぇだろう!!」


ヒスイの愛刀「カミナリシリーズNo.4田中」を放り投げた。


「おいい!!カミナリ!!!これは俺の相棒!!闇霧じゃねえか?!!しかも、新品みてえに直ってるじゃねえかあぁ!!」


「あぁ、その「No.4田中」もだいぶ傷んでたから。道中のこの10日間でメンテナンスと改良をしておいた」


「田中?よくわかんねえが、闇霧!!!良かったなぁ!!おい、しかも、前より魔力がスムーズに流れやがる。それに魔力の保存も前よりできるようになってやがる。スゲー!!スゲーぞ!!!これ!!!」


無邪気なクソガキみたいに喜ぶヒスイだった。


「おいおい、田‥‥‥もういいや、闇霧の他に色々と渡しただろう?それも確認しといてくれよ」


「あん?他にも?‥‥‥‥‥おい!これ?魔力増幅の魔道具に収納魔道具か?中には何が‥‥‥‥おおいぃぃ!!マジかよ!!ヘファイストス地方の一級鍜冶師が作った『ルドルフの黒曜鎧』じゃねえかあぁ!!」


「ああ、その鎧も俺の『飛来槍・麒麟』と一緒で再生と修復する魔道具だ。大切にしてくれ」


「マジかよ!!全部くれんのかあぁ?1度はお前を本気で殺そうとした。この俺に?大丈夫なのかよ?」


「ん?あぁ!!大丈夫、大丈夫!仮にヒスイが俺に逆らったり、俺を殺そうとしたら。タマキがお前に付けられた『契約の輪』が発動して先にお前が死ぬことになるからな」


「‥‥‥‥今なんて言った?」


「俺に逆らったり、俺を殺そうとしたら。先にお前が死ぬ」


「‥‥‥‥て、て、てめえ!!!ふざげんなよ!!!」


「まぁ、だから、安心してこんだけの高価な魔道具を渡せるのさ、他にも色々と収納魔道具に入れておいたからいざって時に活用してくれ」


「‥‥‥‥くそ‥‥この俺が、カミナリの犬に!!!だが、この高価な魔道具は欲しいぜ!!!」


「いや、だから、あげるから。大切に使ってくれよ。奴‥‥‥友よ」


「おまえぇぇ!!今、俺の事、奴隷とか言いそうになっただろう?おいぃぃ!!」


「いつも思うんニャが、メイエス」


「なんじゃ、セシリア?」


「セツニャの奴はどうしてあんなに高価な魔道具を沢山持ってるのかニャア?」


「‥‥‥‥分からぬが、唯一分かる事がある」


「なんニャア?」


「あやつは正攻法であのような高価な魔道具の数々を、手に入れた訳ではないということじゃ。いつか、とっちめて真相を吐かせてやる」


「‥‥‥‥怖いニャア、メイエス」


その後、ヒスイは数分怒っていたが、俺から貰った魔道具の数々にご満悦になっていた。


そして数刻してやっと、俺達は『双星の大洞窟』の観光名所へと入ることが出来たのだった。





⑤大水晶の部屋と古代竜の根城



『双星の大洞窟』 南側観光エリア・大水晶の部屋


「皆様!長らくお待たせ致しました。こちらの広場が大水晶の部屋に入ります」


観光ガイドに誘導され。30人位の人数が第一の部屋と呼ばれる『大水晶の部屋』へと案内された。


「おぉ、見てみろ!!セツナ!!七色光る七昌石に!あれ琥珀昌の山だ!!」


「凄いニャア!!宝石がいっぱいニャア!!レッドダイヤまであるニャア!!!持って帰るのニャアーーー!」


大水晶の部屋へ入った瞬間。女性、2人のテンションが今まで見たことが無いくらい高くなった。女の子という生き物は装飾品や宝石にどうしてこう、目がないのだろうか?


「なぁ、エスフィール?」


「なんじゃ?セツナ!!私は今、大水晶の部屋を記憶に納める事で手一杯じゃあ」


「いや、君!スマホあるんだから、写真に、納めろよ」


「‥‥‥‥」


エスフィールが少し固まり。


「そ、その手があったのだーー!」


その瞬間。エスフィールが持っている。収納魔道具からスマホを取り出し。パシャ、パシャと写真を取り初めたのだった。(電力は目の前の2人が無限に供給してくれる為。困らない。)


「メイエス?なんニャア?そのパシャ、パシャなる機械?」


「おぉ、さっきから五月蝿いぞ。メイド!!」


とか言いながら。セシリアとヒスイが興味心身でエスフィールに近づきスマホを凝視する。


「おぉ、これはセツナの故郷の便利アイテムでな。スマホと言うやつじゃ。このように。パシャ!!」


「ギニャアア!!、眩しのニャアー!!」「うぉ、光っだぞ!!聖魔法の攻撃かあぁぁ?」


2人はスマホのフラッシュにビックリしてのけ反った。


「ほれ、見てみろ。このようにお主ら二人の姿が写真として保存できるのじゃ!凄いじゃろう?」


「マジニャア!!アホ騎士とわっちが変な顔して写ってるニャア!!!」


「おおおぉ!!!スゲーぞ!!!アホ猫がアホ面してやがるぜ!!!(ビターーン)!!痛てえなああ!!ちくしょう!!!」


セシリアのしっぽアタックがヒスイにぶち当たった。

この数日で当たり前となりつつある光景である。


その後は、俺を含めた4人で仲良く写真を撮りまくり。

エスフィールは高いテンションのまま、大水晶の部屋を後にした。


「なぁ、エスフィールさん!」


「なんじゃい?セツナさん?!」


大水晶の部屋で撮った写真を見て、ニヤケながら俺の方を見てくる。


「今、俺達は『双星の大洞窟』の南側。観光エリアに入るけど、東側にも行くのか?」


俺は質問した。


「いや、今回は行かぬ」


「今回は?」


「あぁ、今の旅が終わって、落ち着いたら『始まりの大森林』で私とセシリアを待っているラニーと3人で東側へは行こうセシリアと話しておったのだ。」


「ああ、だから、今回は南側にするぞって言ったのか」


「そう言うことじゃ。そう言うことじゃ」


そして、俺達は「琥珀の壁」や「聖霊の魔」等の『双星の大洞窟』を代表する観光地を見て回ったのだった。


ちなみにあの三人があれだけ騒いだり。エスフィールが異世界でスマホを使って、周りの人にスマホを使っても質問攻めにあわなかったというと、俺達のペット、タマキと魔王様のペット。ラベルが強力な認識阻害の魔法をかけていたらしい。(後で知った。)なんとも、主人思いなペット達である。



「ここが『双星の大洞窟』南側、最後の観光エリア。古代竜の根城」になります」


それは圧倒的な存在感を出し巨大だった。全長は有にに500~600メートルは在るか位の大きさの竜の亡骸。


「かつて、神代の時代に存在したとされる神龍の亡骸だそうです。詳しい文献はほぼ残っていませんが、神龍が最後に選んだ場所こそがこの『双星の大洞窟』とされています」


観光ガイドの説明は続く。



「凄いなぁ!本当に遥か昔、この古代竜が生きていたとは‥‥‥‥凄いな神代」


「圧倒的な存在感とは、よう言ったものじゃな。それに、セツナよく見てみろ。古代竜の骨の周りには天然の魔石や魔法石が永い年月をかけて出来ておる。綺麗じゃなぁ」


「あぁ、そうだな」


俺はそんな、エスフィールの横顔を自身のスマホで何枚か撮り。プライベートストレージへと保存した。


「しかし、さっきまで五月蝿かった。セシリアとヒスイが、この部屋に入ってからめっきり大人しくなったな?おーい!!2人とも大丈夫かぁ?」


2人の様子が心配になり。声をかける。


「‥‥‥‥おい!アホ騎士!この妙な気配ニャが」


「あぁ、いるな。それもとんでもなくヤバそうなのが!」


「なんだ?どうしたんだ?二人して?」



「セツニャは感じニャいのか?前のアホ騎士の時もそうニャが、セツニャはもっと気配感知の五感を鍛えるべきニャア。いきなり敵に出くわして瞬殺されたらどうするのニャア」


「いや、一撃で決めてた。昔はそうしてきたからな」


「オニャエ、昔の半分位しか、もう強くニャイいんニャロウ?今からでも五感鍛えとくニャゾ。そうしないといつか痛い目合うニャア!」


「アホ猫!!お喋りはそこまでだ。武器を構えろ。来るぞ!!ただし、周りの人やら観光資源は絶対に傷つけんなよ!!!現地の奴等の収入源だからな」


「‥‥‥‥前から思ってたがニャア。オニャエ、粗暴な性格の癖に、ニャたら周りの被害や、人の負傷に気をつけるんだニャア。なんでニャア?」


「馬鹿かお前?民、合っての国や地域が在るんだぞ?『始まりの大森林』を代表するものなら気にして当然の配慮だろうが?それに俺はな!!前魔王カシア様に17年も近くで遣えてきたんだ。そのくらいの配慮が出来て当たり前だろうが」


「ニャ、ニャるほどニャア」


やはり、ヒスイには許容がある。前魔王から高度な教育や人への接し方を1から叩き込まれている。性格はあれだが。

セシリアにもヒスイのそういう所を学んで欲しいものだ。


「‥‥‥‥うっし!!!来るぞ!!カミナリ!!!メイド!!!悪いが、お前達2人は他の観光客の避難を頼むぜーーー!!ここは俺とアホ猫に任せとけ」


「‥‥‥‥本当は?」


「新装備の威力を早く試しててぇええ!!コイツらが邪魔だから早くどけろろろぉぉ!!」


遂に本音を言いやがった。


「‥‥‥‥了解」


その瞬殺。「古代竜の根城」の中央広場に一筋の灯りが灯った。


「‥‥あれはなんニャア?」


「分からねえか?『双星の大洞窟』のこの先には何がある?」


「‥‥‥エルフの国『セルビア』‥‥‥はぐれ妖精かニャア?」


「ご名答!!!来るぞ!!!気をつけろ!!!」


その瞬間。灯りは炎へと変わり。セシリアとヒスイへと高温の熱波が伝わった。








評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ