表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
263/868

夢で会いましょう

ザンッ!ズバズバズバズバ!


鋭利な短剣を怯える女性の首元へと刺した。その後は幾度となく、狂気の短剣を突き刺し続ける。


「ガアァ?!や、止め、て‥‥‥‥グワアアラ、グワアアラ、‥‥グワアアラ‥‥グワ?‥‥‥」


女性の姿に変えられていた砂漠の魔獣は弱々しく何かを叫んだ後、静かに息を絶えたのだった。


「‥‥‥くそが、また、替え玉の魔獣かよ!‥‥‥これで何回目だ?おい!」


「今回で5回目でございます。主様」


「‥‥‥どいつの差し金だあぁ?それにこの魔獣は『ラミア』じゃねえか‥‥‥コイツを擬態させて声まで変えるとは、なかなか凝った事してくれるじゃねえか?何処のどいつかわからん。『邪魔者』め!」


「左様ですな。何かを隠してる?それとも時間稼ぎでしょうか?主様」


「裏の顔の俺がそこまで知るかよ。表の顔の野郎は使えねえしな‥‥‥つうか、アイツはやる気があるのか?おい?!」


「さぁ?私は分かりませぬな。表の彼には興味がありませんので」


「ふん‥‥‥だな。しょうがねえ、引き続き借りを続けるぞ。さっさと目的の場所を見つけて『神煌具』聖域を破壊するぞ」

スゥー‥‥‥


「‥‥‥‥はい、主様。御身の意のままに」

スゥー‥‥‥


1人の『殺人鬼』と1人の『蝙蝠』は闇夜の夜へと静かに暗闇へと消えていった。



砂漠の都『アヌビス』


『ラインホテル』




「おぉ、流石は一流ホテル。出てくる料理も旨いな、スカサハにデールよ」


「はい、霊‥‥‥レオン様。その通りですな。まさか、あの少年から貰った。魔道札を受付に見せただけで、このようなホテルに案内されるとは思いませんでした」


「それ程に彼‥‥‥救国の担い手殿の影響力があるという事なのでしょう?それにあの大金。あんな、大金を直ぐに用意できるなんて。普通ではあり得ないことね?デール大臣」


「‥‥‥ふむ。少年からたんまりと換金したガリア金貨だがな‥‥‥‥一度、魔力の歪みを少し感じる。何処か遠く、違う場所から運ばれて来た形跡が見え隠れするな」


「転移?ですか?お父様」


「‥‥‥‥そうかもしれぬ」


「ですが、転移は召喚術や契約者召喚等の現代では限定的にしかできず、転移魔法じたい、神話時代に失われたと聞いておりますが?」


「それが可能なのだ。7の秘宝『黄金の宝物庫』と契約するか、七聖―女神―アテナ様に気に入られ眷属になり、その叡知の一端を授かるかすればな」


「ならば、あの担い手殿は―女神―アテナ様の眷属ということでしょうか?」


「それは分からぬ。がっ!我と少年には縁が生まれた。また、いつか運命が交差するだろう。その時は敵か味方かは分からぬがな」


「ですか‥‥‥‥‥あら?」


「どうしましたか?スカサハ様」


「彼にかけた‥‥‥魔除けが‥‥‥反転している?」



『アヌビス』朝


「チュンチュン、チュンチュン」


ガバッ!


ん?


んん?


んんん?


んんんん?


「あれ?下に違和感が‥‥‥あれ?」


一般的な殆どの男性の朝は、自身が一番膨張する場所が大きくなっているというが‥‥‥‥


「何だと?‥‥‥あれ?あれれ?あれが立たない?」


ん?


んん?


んんん?


んんんん?


シュン!


「あぁ、やっぱり、反転は‥‥‥‥あれ?していないのね?‥‥‥‥でも何でかしらね?立ってないなんて」


「はぁ?だ、誰って!‥‥‥スカサハさん?」


「‥‥反転していないって事は‥‥貴方‥‥‥もしかして‥‥‥」


「もしかして、何ですか?」


「恋の病気になってしまってないかしら?私、夢魔やらのハーフだから、色々分かるのだけど。でも、私には普通に反応してくれているわね‥‥‥‥ちょっと触るわよ‥‥ふむふむ、うーん、一時的な魔力暴走かしらね?‥‥‥‥魔力の混乱が見え隠れしてる」


「はっ?!なっ!ちょっと!」


スカサハさんは俺のお腹辺り『丹田(たんでん)』だったか?辺りを触り始めた。


「『チャクラ』はあらゆる力の源なのよ。『アフル』‥‥‥」

シュン!


昨日の宝石魔道具店の時の様に一瞬、光が眩しく光った。


「また‥‥‥この光か?」


「これで収まるわ、貴方には2度も命を救われてる、お父様も貴方を気に入り始めたわね‥‥‥夢の中で私と会える様に『仮契約』しておいたわ。何かあったら夢で相談に来なさい!救国の担い手殿‥‥‥‥ではまた。夢の中で」


シュン!


「何?消え‥‥‥‥った?っていうより残像?‥‥‥‥いや、分身か?それより、俺のあれ、恋の病気ってどういう事ですか?スカサハさーん!!」


そして、俺の恋の病気とやらは収まり、今後はスカサハさんと夢の中で会える事になったらしい。


「朝から何だったんだ?‥‥‥‥夢でも見てたか?‥‥‥‥寝直そう」

バタリッ!


そして、俺は再び眠りに落ちた。

ちなみに、アヤネと委員長はここ数日の俺への悪戯(赤ちゃんプレイ)をラファエルとウリエルに見つかり、お仕置きをされている最中である。



『黄金の宝物庫』天使の集落


パアーン!

「少し目を離したら、まーた変な性癖を増やして!全く!このアホアヤネ!反省しなさい!」

パアーン!


「バ、バブ!ご、ごめんなさいですわ!ラファエルママ!」


パアーン!

「恵様。あまり、カミナリ様を甘やかさない様に!分かりましたか?」

パアーン!


「バ、バブ!わ、分かりました!ウリエルママ!!ニャアアアア!!!」


二人の少女の叫び声が黄金の宝物庫内に響き渡ったのだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ