当たり前の関係に
デザーサンドでアヤネと委員長との誤解やら何やらが解決した後。拘束され、あの二人に分からされてしまった‥‥‥‥
そして、毎夜、毎夜、3人で集まり。天使の加護の使い方や魔法知識等を彼女達に指導した。
というのは建前で指導後は2人に好き放題やられている。あの勘違いの一件以来、彼女達に逆らえなくなった俺は彼女らに身体を触られ、アヤネは俺のあれやこれやを楽しみ、委員長は俺を赤子の様に甘やかし、最後は俺を抱きしめながら寝落ちするのだ。
(セツ君。どうですか?我慢しなくていいんですよ)
(く、離してくれ!アヤネ!!だから、何処触ってんだ!)
(フフフ、神成君。可愛いわよ)
(拘束を解いてくれ!委員長!もう勘弁を‥‥‥)
俺は『アヌビス』に着くまでの数日間。彼女達に蹂躙され、分からされてしまったのだ。
つうか、この旅が終わった後の俺達のこのとんでもない関係性‥‥‥地球に戻った後。どうなっちまうんだよ!!!
っと。砂漠の都『アヌビス』についてからずっと考えながら、俺は旅の物資の補充の為、この都市にある『ライトニング商会』の支部へ来ていた。
ガザード砂漠・砂漠の都『アヌビス』
『ライトニング商会』支店
「ま、まさか、あの無責任社長である。カミナリ社長(名前だけ)に直にお会いできるとは!!僕がこの会社で受けた恨みを是非、はらさせてくだい!社長」
「‥‥‥ハルマルドさん。初対面の俺に対して容赦ないですね」
「はい!恨みしかありません。だから、一発ガツンとよろしいですか?社長」
「‥‥‥‥あんの冷血副社長さんはいったい何をしてんだ?どうして、こんなに働かせてんだかか‥‥‥」
「社長!!!」
「分かった。分かった。1ヶ月の休みをやるからゆっくり休んで下さい。ハルマルドさん。それから、今後は貴方が『アヌビス』支店の店長ですので宜しくお願いします」
「殴らせ!!って?え?1ヶ月の休みに、この僕が店長ですか?ミネルさんは?」
「ミネルは『ガルクドウルク』の方に回すって、ふくしゃから手紙に書いてあったけど?あれ?伝わってない?」
「はい、全く‥‥‥‥この僕が‥‥‥店長?!!」
「‥‥‥マジかよ‥‥‥通達もしてなかったのか?アイツらは‥‥‥‥ハルマルドさん。とりあえず、最低限の業務意外はストップして下さい」
「え?ですが納期が‥‥‥クレーム対応が‥‥‥」
「はぁ~、だから休みでいいですって!急激な事業拡大なんかするから首が回りきってないじゃないか、それが一般の従業員にまでしわ寄せがきてるとは。何処の世界も似たようなもんなんだな。つうか、眠れハルマルドさん。睡眠魔法『睡恋』」
「はい?眠る‥‥‥‥ですか?」バタンッ!
「フゥー、やっと静かになったか。じゃあ、後は頼むは『ガルラ』。わざわざ、ガリア帝国から急いで来てくれて済まなかったな」
「了解。そう思うなら、さっさとガリアに顔を出しな。名ばかり社長。全く、今まで何処に隠れてたんだよ?あん?」
そう俺に問い詰めるのは青髪の青年『ガルラ・ラ・ウード』ユグドラシル地方南部に住む種族。鬼族の男である。
「まぁ、色々とな‥‥‥」シュン!
「色々ねぇ~!たくっ!旅とやらが終わったら、初期メンバーの奴等に挨拶に来いよな!って!もう居ないじゃねえかよ!!全く、逃げ足だけは本当に早いな!」
『アヌビス』裏路地
シュン!
「っと!ここでの用事も済んだし。さっさと『オアシス』に向かうかな」
「あーっ!やっと!来たー!遅いわよもう」
ガバッ!
外に転移した瞬間、委員長が抱きついてきた。
「わ、悪い、遅くなった」
「うんうん、素直で良い子ね。神成君、ヨシヨシ」
彼女はそう言って俺の頭を優しく撫でた。
「‥‥‥ちょっ!こんな街中で何するんだ。恥ずかしいだろう」
「今さら何よ?夜の時なんて私とアヤネの胸をあんなに吸って‥‥‥」
「つっ!や、止めろ!それ以上言うな!恥ずかしい、ほら、せっかく、『アヌビス』に来て。二人きりなんだから街を見て回ろう。さぁ、行こう!」
そう言って、委員長の手を握り引っ張り裏路地を出る。
「ちょっ!待って!それってデートじゃ?‥‥‥‥」
委員長が何か言った気がするがスルーする。
‥‥‥‥‥全く。此方の世界に来てから、彼女は良い意味で変わってしまった。
学校に居た頃の様な、鉄面皮の様な表情は姿を隠し、年頃の女の子らしく。化粧をし、言動も年頃の女の子の様に柔らかくなった。
これもアヤネの影響だろうか?今日の服装だって夏砂漠のこの地域に合わせて、白いワンピースに何処殂のお嬢様が被るような白い帽子を被っている。
「あっ!待って!そんな、急に引っ張ると体勢が!!キャアア!!」
「ん?体勢?っ!うわあ」
急かしてしまったせいだろうか?委員長が俺の方へと倒れ込んで来て、俺は委員長を受け止め庇う様にして一緒に倒れてしまった。
「痛たたっ‥‥‥‥委員長。怪我はないか?‥‥‥‥ん?はぁ?」
俺は倒れている委員長を見て驚愕した。白いワンピースがはだけ、その中が露になってしまったからだ。いや、それに俺は驚いたんじゃない!履いていないのだ上下ともに身に付けている筈の下着が!
「ほらー!いきなり、手を引っ張るから転んじゃったじゃない?‥‥‥‥って?何で静かなの?‥‥‥‥あっ!」
固まる俺を見て、しまった~!っとそんな表情になる委員長。
「‥‥‥‥君、何で履いてないんだ?上下共に」
「スリルを味わう為よ!こんな風に‥‥‥ん!」
「スリル?なんだって?って!ちょっ!ん?んんんん!!!」
驚愕な光景にボーッしていた俺に委員長は近づき口を塞いできた。
「ぷはー、うんうん、その赤面。可愛いわ、神成君。さぁ、早く起きて。一緒にデートしてくれるんでしょう?王子様!」
「ぐむっ、き、君。何であれまで入れてきた‥‥‥‥だて?王子様?」
「いいから、行くわよ!神成君、フフフ」
突っ込みどころ満載の委員長は澄ました顔で立ち上がり、俺の手を引く。
‥‥‥‥委員長は良い意味で変わってしまった。
母性と女性らしさそれにプラスしてムッツリスケベという、バフを得たのだ。
幼児退行に加え、色々なモノが彼女の中に加わる事で彼女の魅力が天元突破していく様に感じるのは俺だけではない筈である。
「こりゃ~、色々な意味で地球に戻ったら大変そうだな」
「ん?何か言った?神成赤ちゃん」
「‥‥‥いや、何でも無いよ。それよりも何か欲しいものはあるか?委員長」
「んー?神成君様のおしゃぶりとか?」
「おしゃぶり‥‥‥だと?」
「うん!ほら、夜に使うでしょう?あのバブみプレイで‥‥‥もがぁ?!」
俺は慌て委員長の口元を手で塞いだ。
「貴様、それ以上、恥をさらすな!たくっ!どうしてこうなった」
「んんんん!!!んん!!」
俺に口を塞がれて何故か興奮している委員長を抱えながら、『アヌビス』の街へと歩き始めるのだった。
しかし、本当に俺達3人の関係は最早、ドロドロの関係や嫉妬に狂うとかではなく、何故かこの3人の関係性が当たり前だと思い始めているのはヤバイんではないだろうか?
今度、エスフィールやアルディスにあった時、どのような反応をされるのか今から恐ろしく感じるのであった。う




