各々の出来事
『ガザード砂漠』上空
「空間魔法『真空』今です!タマキ殿!」
ガゴン‥‥‥ゴゴゴ!!
「はい!ありがとうございます!夜叉巫女嬢。『転移迷宮』」
ドドドドドドドド‥‥‥
「‥‥‥‥あの量のどす黒い液体を一瞬で転移させるとは‥‥‥流石は―女神―アテナの眷属だな」
「ハァ、ハァ、ハァ、この場所で最後なんですよね?タマキ殿」
「ウキウキウキウキ。はい!夜叉巫女嬢とクロさんのお陰で予定よりも早く。ヘファイストス地方の石油を回収する事ができました。ありがとうございます」
「ハァ、ハァ、それは‥‥‥お役に立てて良かったです」
「では、此方はご主人様から拝借したお礼の品。『龍族の羽衣』です。結構、貴重な物なので大切にしてくださいね」
「羽衣?あの、タマキ殿、これはいったい‥‥‥‥」
「では!ご主人様の所に戻りましょう!『始点転移』」
シュン!
「いえ、この羽衣の説明を」
シュン!
「ふぅー!やっと終わったのだな」
シュン!
場面変わり
『サハラ砂漠』と『モニュメント荒野』境目
対峙する十字軍とモニュメント荒野の各部族。
「何?サハラ砂漠は元々、ペルシャ族やガルシ族の領地だったというのか?ラテ族の族長殿」
「んだ!アイツらは元々、ガリア帝国の残党兵なんだわ。それが数年前に国を終われてこのヘファイストス地方にやって『ヘルメイト砂漠』を武力で制圧してきただよ」
「‥‥‥武力で制圧ですと?」
「んだ!んだ!死にかけて『モニュメント荒野』に逃げ延びたてな。そんでもって、そん時にラインバッハさんが助けてくれてなぁ~、おら達。ペルシャ族やガルシ族の部族の為に色々と支援してくれてなぁ」
「あぁ、あん時は助かったべ~」
「んだ!んだ!」
「‥‥‥ならば、お主達は故郷を無理やり奪われたと」
「まぁ、そうなるだな~、これもおら達が弱いからだしゃーなしだぁ。剣聖様。今はとりあえず、ラインバッハさんに言われた様にアイツらに睨みを効かせてだなあ~」
「‥‥‥ゆる‥‥さん」
「ん?剣聖様?どうしただ?腹でも壊しんけ?体調悪かったら直ぐに言うんだぞ」
「‥‥‥許さん!許さんぞ!十字軍共」
「け、剣聖様?!何をそんなに怒ってるだあ?大丈夫かあ?」
「‥‥‥‥これ程までにも優しい部族の者達の故郷を奪うとは笑止千万!!!許さん!‥‥‥‥我が地母神『フレイヤ神』よ!暫し暴れます。お許しを‥‥‥‥地形魔法・神代・回帰『天地開闢』」
「け、剣聖様!!!!何にをするきだあ?!!剣聖様!!!」
‥‥‥‥‥ドゴオオオオオンンン!!!!
その日。ヘルメイト砂漠を中心とした大規模な地震が発生したと、後の魔法新聞に載ったという。
その余波なのかサハラ砂漠を中心に活動する『十字軍』の軍は崩壊。その隙をついて、モニュメント荒野の各部族達は『十字軍』の中心都市『クロス・テンプル』へ進行。
総帥・『エンバース・ガリア・テンプル』とその幹部達は全員戦死。兵士は部族の兵士に捕まり、ヘファイストス地方。際西にある『断崖渓谷』へと連れて行かれたとか。そして、各部族はサハラ砂漠の実地件を取り返す事に成功したという。
そして、今回の『クロス・テンプル』進行の先頭に立って戦った人物は全身が血塗れの状態で、砂漠の大地を変幻自在に変えた奇術師と記録に残っている。
『十字軍』崩壊事件から数日。
『エウクレイア神殿』
「では、ラインバッハ殿!今回の事件。大変、ご迷惑おかけしました」
「あぁ‥‥‥‥そう謝るな。クロウ神父。今回はあの裏切り者。ラースカード神父のせいなんだろう?‥‥‥‥いや、アイツも『悪魔』に見いられた可哀想な犠牲者の1人だったな」
「‥‥‥‥ラインバッハ殿にそう言ってもらえると。亡き友。ラースカードも少しは浮かばれます」
「‥‥‥そうだな。話しは変わるがな。クロウ神父」
「はい?何でしょう?ラインバッハ殿」
「エウクレイア様は当分。俺の所に居させて良いのか?神官長やヘファイストス様からは何か言われてないのか?」
「‥‥‥‥そうですね。『迷惑をかけますが色々、お願い。ライン』とエウクレイア様に信託が下ったと今朝が言われていましたが」
「そうか!ハハハ!そうか!お願いかっ!そうか!そうか!それならば仕方ないな。では、エウクレイア神殿は暫しくの間は、俺の統治という事にしておいてくれ。クロウ。そうすれば、他の地の者達も好き勝手にはできんからな」
「了解しました。―女神―ヘファイストス様の第一の眷属。ラインバッハ殿」
「‥‥‥‥しかし、たった数日で『ガルクドウルク』『モニュメント荒野』『エウクレイア神殿』『テンプル』一帯を得たが‥‥‥どうしたものかな今後は」
「やはり、独立国家をお造りに?ラインバッハ殿をご中心の?」
「いや、それでは『悪魔の淑女』と似たような事になりかねん‥‥‥ライン財団、ライトニング商会、エウクレイア神殿、各部族の代表を集めた連合都市を考えている」
「連合都市ですか?」
「そうだ。そして、エウロペ大陸の金をこの地に注ぎ込まさせる。この地はアテナ地方、フレイヤ地方、ヘスティア地方と陸、続きだからな。商業都市として発展させるつもりだ」
「‥‥‥‥それは何とも壮大な計画ですな。流石は七大賢者様です」
「‥‥‥‥そうだな」
新都市『ガルクドウルク』
「うおぉぉ!これで最後の転移作業だああ!!」
バタリッ!
シュン!シュン!シュン!シュン!シュン!
「お疲れ様です!社長カミナリ君。これを持ちまして、社長酷使無双タイムは名残惜しですが終わりです。お疲れ様でした!」
「「「「うん!うん!うん!うん!」」」」
長期休暇を取らせたお陰かミネルが凄い良い笑顔で微笑んでいた。
そして、それとは逆に俺、カミナリは物資と人々の転移に次ぐ転移の作業により疲れ果ててぶっ倒れていたのだった。
あれで終わりではなかった。15003人分の魔力を総動員して乗り切った人員と物資の転移後も、止めどなく続いた人員と物資の転移。
おのれ、『ライトニング商会』の奴等め!今度あったら張り倒す!




