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天夜決戦・悪魔の淑女と天使の円舞曲 No.4 黄金航路

十数年前。『死の大地』


(お前がもう直ぐ死ぬって?カシア?)


(ん?あぁ、そうなんだ。ライン‥‥‥だから君の気持ちには答える事は‥‥‥‥)


(では、残りの日々を私が手伝ってやる!だから、残りの人生を堪能しろ!魔王カシア)


(‥‥‥ライン‥‥‥だから僕の話を聞いていたかい?)


(聞いた。そして、気持ちは変わらぬよ‥‥‥カシア。俺は君が好きなんだ!この気持ちは本物だ。だから、お前が魔王に就任するまでの間。俺達と‥‥‥‥いや、俺と一緒に過ごしてよ!カシア)


(ライン‥‥‥‥あぁ、僕も覚悟を決めるよ。魔王就任前に、この人生が終わる前に、君との時間を大切にしよう)


(カシア!‥‥‥‥ありがとう!ありがとう!大好きなカシア・ブレインズ!)


‥‥‥‥‥‥


こんな衝撃的な事が沢山起こるなか。俺、ラインバッハ・エゴルは昔の事を思い出していた。


「走馬灯ではないな‥‥‥‥まさか本当に一夜で片付けるつもりなんだな。ナルカミ氏よ。アテナ地方とユグドラシル地方を救った男‥‥‥‥確か、『救国の担い手』とか言われていたか?」


ドガン!!!


「くそっ!ラインバッハ!貴様!!神殿での報復のつもりか?ええ?!おい!!」


瓦礫から出てくるは元神殿長のラースカードだ。アイツはヘファイストス神を信仰していたが、『悪魔の淑女』の軍門に下り。神殿を裏切ったのだ。


「貴様、よくもエウクレイア嬢をあのどさくさに紛れて拐ったな。そして、ヘファイストス様を裏切りおって」


「‥‥‥‥裏切るも何も、俺は最初からバメット・ゾフィス様の『右腕』だ!ラインバッハ」


「ならば死ね!ラースカード元神父よ‥‥‥‥神明・展開‥‥‥『黄金航路』!!!!」


ボーン!ボーン!ボーン!ボーン!


黄金の羅針盤がラースカードと俺の前に現れる。


「こ、これは?いったい?」


「喜べ、ラースカード。元ヘファイストス神の眷属たる、俺と闘えることをな!安心しろ。貴様ごときに特殊魔法までは使わん‥‥‥‥我がヘファイストスでの航路を力にせん!『火航路』」


「?!火の道が俺の足元に?!」


「俺の神明は道を造る‥‥‥‥貴様にとっての死の道をな」


「旧時代の異物が‥‥‥‥調子に乗るなよ!ラインバッハ!!『ダーク・ランス』」


ラースカードは黒状の槍を作り出し構える。


「‥‥‥‥なんだ?その禍々しい武器は?ラースカード。まるで『魔窟』の向こう側に入る奴等と同じ雰囲気があるが?」


「我らが首領。『悪魔の淑女』様から頂いた力だ。この力で殺してやるぞ!ラインバッハ」


「‥‥‥‥やはりあの女は‥‥‥暗黒大陸のはみ出し者か何かなのか?‥‥‥‥」


暗黒大陸には『魔窟』から侵入するか。魔獣共の誰かと契約しなくては入国できない筈だが。悪魔、黙示録、堕天等の何れかとな‥‥‥‥


「姉御の力を喰らえ!『デス・ランス』!!」


「‥‥‥『黄金航路』‥‥‥‥回れ‥‥」


ラインバッハは黄金の羅針盤に語りかける。すると羅針盤の針が回り始めた。


「旅は人を、人物を、心をの力を、成長させ、糧にし俺の力になる‥‥‥出たな。思い出の航路は‥‥‥‥死の大地‥‥‥対ヒュドラ戦の時か‥‥‥では、顕現せよ『パライズ・ヒュドラ』よ!」


ラインバッハ・エゴルは黄金の羅針盤に叫ぶ。


すると。


「オオオオオオオオオオ!!!ギャラララララララ!!!!!!」


「はっ?!‥‥‥‥何でここに?‥‥‥‥‥◯◯地方の化物ヒュドラが入る?何処から現れた?」


「旅は思い出。そして、俺、自身の力になると。ラースカードよ!パライズ・ヒュドラは気性が激しいく強いぞ。何せ、昔は俺とカシアの2人で何とか倒したくらいだからな‥‥‥せいぜい生き延びる事だ」


「‥‥‥相変わらず、入れてやがるな。ラインバッハ・エゴル。流石は生還航路を見つけ出した化物か‥‥‥くそっ!『デス・オール』」


ラースカードの黒い槍から幾重もの闇の魔弾が放たれるが‥‥‥‥


「オオオオオオオオオオ!!!ジュラララララ!!!!」


バキンッ!ゴキンッ!


「なっ?!いとも容易く‥‥‥‥このラースの攻撃が弾かれた?」


「それが死の大地の力だ。ラースカード‥‥‥‥『黄金航路』‥‥‥‥第二針‥‥‥発動」


カチッ!カチッ!カチッ!


黄金の羅針盤の第二の秒針が動き始める。


「第二針は思い出の人を映し出す‥‥‥‥出る航路は‥‥‥‥かつての七大賢者が一人カシアの『思い出航路』」


「何?カシア?先代魔王カシアか?おい?!」


ボーン!ボーン!ボーン!ボーン!


シュイーン!


「‥‥‥‥‥記憶は力を貸してくれる‥‥‥カシア‥‥‥」


ラインバッハは『思い出』として現れた。先代魔王カシアを静かに見つめる。


「‥‥‥‥‥あぁ‥‥‥」


カシアは‥‥‥‥ラインバッハの思い出は静かに頷き。


「『天候魔法』・『ミスト・ゼロ』」


「がぁ?!い、息が‥‥‥俺の回りの空気が?無い?」


「‥‥‥‥そして、パライズ・ヒュドラよ!止めを!」


「ジュラララララララララララララ!!!!」


「く、来るな!化物の蛇があああぁ!!」


ドゴオオン!!!バキンッ!ゴキンッ!ブチッ!‥‥‥


‥‥‥‥ラースカードはパライズ・ヒュドラの大口の中で哀れな肉塊へと変貌したのであった。


「‥‥‥‥‥終わったな。後は『悪魔の淑女』と『左腕』だけか‥‥‥‥まさかあの悪魔が一夜にして攻略されようとするとは想像も付かないが‥‥‥‥おっと!ありがとう。パライズ・ヒュドラ‥‥‥カシア」


「オオオオオ!!!」

シュン!

「‥‥‥‥コクリ!」

シュン!


ラインバッハが黄金の羅針盤を解除すると。パライズ・ヒュドラとカシアが消えていった。


「思い出は力か‥‥‥この件が無事終わったら俺は新たな旅に出るよ‥‥‥新たな決意と共に‥‥‥新しい『航路』を探してね。『カシア』!」


『冒険家』対『右腕』


勝利者・ラインバッハ・エゴル

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