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いざ!ヘファイストス地方へ

『モニュメント荒野』


剣聖グレイの二日酔いを治癒魔法で治した後、俺が地球から持参した。オフロード用の四輪自動車を『黄金の宝物庫』から取り出し、ヘファイストス地方の東側の入り口。『モニュメント荒野』を走行していた。


ガタンッ!


「キャアッ!揺れましたわ!セツ君!キャアッ!」


俺の助手席に座っているアヤネがそう叫ぶと、車を運転する俺の腰回りに抱きついてきた。


「おい!何処か触ってんだ!アヤネ!!これ以上俺の身体を傷つけるな!!」


昨日の拷問のトラウマが(よみがえ)ってくる。あの戦慄するアヤネの変態顔が思い出として(よみがえ)る。


「むっ!何ですか!その反応は!あんなに(わたくし)に色々な事をしておいて‥‥‥‥許しません」


カチャカチャ!!


「何しようとしてんだ!分かった!分かったから!今日の夜もちゃんとお仕置きされてやるから、添い寝もしてやるから、皆が見てるから!今はなにもするな!アヤネ!」


俺はアヤネに向かって必死に懇願する。


カチャカチャ!!


「添い寝だけですか?‥‥‥‥お風呂も一緒に入って下さい」


「分かった!お風呂も一緒に入るから、その手を退けろ」


「了解です。フフフ」


「‥‥‥‥昨日の一夜でいったい何があったのでしょうか?クロ‥‥‥」


「男女の事だ。あまり詮索(せんさく)はしてやるな。夜叉よ」


「おお!なんと!鉄の塊の馬車がこんなにも速いとは!!振動でまた吐きそうだ!!ワハハハ!!」


後ろは後ろで騒がしい。何だかんだ今回の旅も騒がしくなりそうな予感がする。そして、現在。モニュメント荒野の果てない大地を走行中だ。


「しかし、モニュメント荒野からヘファイストス地方に入るのは初めてだな」


「そうなんですか?‥‥‥セツ君はヘファイストス地方へは一度来たことがあるのですね?それはどの様な女の子と共に来たんですか?」


カチャカチャ!!


「何してる!1人だ!あの時は1人で行ったんだ。1人で」  


「そして、現地妻をゲットですか?私がいますというのに!!」


カチャカチャ!!


「何もゲットしてないわ。武器の修理だ!武器の修理に刀鍛冶の里に修理に行っただけだ。あの時は」


「‥‥‥‥嘘ですね。目が泳いでいますわ‥‥‥‥2人、いいえ、最低でも1人はフラグを建てましたね。天然タラシの元恋人様」


「‥‥‥‥後でマッサージしてやるから、許せ‥‥‥‥」


「セツ君のマ、マッサージ!!はいっ!」


‥‥‥‥今日の夜が怖くなってきた。


ヘファイストス地方は荒野と砂漠、そして『癒しの土地』と呼ばれる地帯に『オアシス』や『刀鍛冶の里』等の国々が各地に点在している。


そして、このヘファイストス地方の東側は荒野地帯となっており。昔から荒野の覇権をかけての、部族同士の争いが絶えないとか。だが、近年は『シルクロ旅団』と呼ばれる組織が『モニュメント荒野』に住む部族を統一したとかなんとかと昨日、読んだ魔法新聞に書かれていた。


「セツナ殿。そろそろ、モニュメント荒野の部族達が住む地域圏内に入りまする」


夜叉巫女がヘファイストス地方の地図を眺めながら俺に報告してくれた。


「もうか?案外早いっていっても走り初めてもう2、3時間経ってたか‥‥‥どっかの部族の集落でこの先の案内人でも雇えれば良いんだけどな」


「案内人ですか?何故ですか?セツ君は一度、このヘファイストス地方に来たことがあるのでしょう?」


「いや、東側から入るのは初めてなんだ。ましてや、自分の足でモニュメント荒野に来るのは初めてなんだ」


転移で部族の宝物庫に入った事はあるがな。


「そうなのですか?てっきり、一度、部族の族長の娘の誰かとフラグでも建てたのかと思ってしまいましたわ」


「‥‥‥‥そんな事、起こるわけないだろう。俺がそんな事起こるわけない‥‥‥‥‥」


褐色肌のレイラは元気だろうか?そんな事を今のアヤネの前で言える筈もない。


「そうですか。今日の夜はそこら辺を詳しくお聞きしますね」


「その時は君の魔法紋章を解放してる‥‥‥それより、夜叉。ここら辺に部族か、旅商人の町か何か無いか?そこで案内人でも見つけられれば良いんだが‥‥‥」


「案内人ならば、イヤトスの町で見つければ良かったのではないか?何故、今になって慌てて探し始めるのだ?」


黒猫状態のクロが俺に話しかけてきた。


「イヤトスの町は案内人を装った人攫いが入ると昔、聞いたことがあるんだよ。だか、ヘファイストス地方の部族か行商人の現地人に案内人を頼みたかったんだよ。エウロペ大陸の南部は変な組織が多いからな」


「成る程。それならば、納得がいく‥‥‥ならばあの目の前で倒れている者にでも頼んでみてはどうだ?主よ」


クロはそう言うと荒野の遥か先を指を指した。


「ん?倒れている者?‥‥‥‥そんな奴‥‥‥こんな荒野のど真ん中に入るわけ‥‥‥って!マジで誰か倒れてるぞ!」


「す、直ぐに助けましょう。セツ君!」


「いえ!何かの罠かもしれませぬ!周りを警戒しなくては!」


「ならば、我が先に周りを見て来よう」


「ならば、拙者も行こう!ワハハハ!トウッ!」


「いや、待て!まだスピード落として無いだろう!‥‥‥って、行っちまった‥‥‥」


「判断が早いですね。お二人は」


「‥‥‥‥単なる警戒しなすぎなのでは?」



『モニュメント荒野』


「ウゥゥ、み、水を‥‥‥誰か‥‥‥水を飲ませてくれ‥‥‥」


「トウッ!もし!そこの倒れている方よ。大丈夫でござるか?」


「‥‥この声は?‥‥だ、誰だ?‥‥‥誰でも良いか‥‥‥み、水を水を恵んでくれ‥‥‥このままでは干からびる‥‥‥‥」


「お、おお!水か!飲め飲め。さぁ、水だ!ゆっくり飲むと良い」


「‥‥‥‥‥あぁ‥‥‥感謝する‥‥‥ゴクゴクゴクゴクッ」


ゆっくりと水を飲む旅人。


「プハァー!!生き返った!!‥‥‥自己紹介が遅れたな‥‥‥俺の名前はラインバッハ。冒険家だ!宜しく頼む!恩人よ」


『冒険家・ラインバッハ・エゴル』登場

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