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旅の準備とお仕置きと

『イヤトスの町』サウスの酒場


突発的に始まった。夜叉巫女と剣聖グレイの闘いはどちらが勝ったか負けたかの曖昧な状態で終わった。そして、現在、俺、タマキ、夜叉巫女、クロ、剣聖グレイはサウスの酒場に戻って来ていた。アヤネと委員長はだって?‥‥‥‥この後の俺との対談の打ち合わせがあるからと宝物庫の中で待機している。


「いやはや、凄かったぞ!夜叉巫女様よう、ワハハハ!まさか、拙者の左腕がこのようになるとはな!ワハハハ」


グレイはそう話すと潰れて無惨(むざん)な状態の左腕を夜叉巫女の前に見せた。


「いえ‥‥‥‥まさか、グレイ殿の左腕をそのようにしてしまうとは‥‥‥‥夜叉の空間魔法が強すぎてしまい申し訳ありません」


いや、それは謝っているのか微妙に違うんじゃないか?夜叉よ‥‥‥‥


「良い良い!こんなもの(しばら)く放っておけば自然に治るわ!ワハハハ!」


「治おんねえよ!そのままほっといたら。あんたの左腕、壊死(えし)するぞ!」


「なんと!それは困った。ワハハハ!参った参った。ワハハハ!」


「笑う所じゃないぞ!たっく!治療魔法・『再生の灯火』」


俺がグレイに対して治癒魔法をかけると。


「む?回復魔法か?おっ!おお!凄いな!死にかけていた拙者の左腕が元に戻っていく。なんと、凄い回復魔法の力」


「蘇生魔法な。アテナ様から貰った。『女神の祝福』だ」


「ん?アテナ様?‥‥‥カミナリ殿‥‥‥もしや、貴殿は?‥‥‥」


「あぁ、俺は女神アテナ様の眷属的な者だよ。認めたくないけど」


「ほう!ほうほう!拙者はフレイヤ様の眷属だが‥‥‥」


「それは、夜叉からさっき聞いた」


「成る程、成る程。カミナリ殿に夜叉巫女様は眷属。そして、拙者も‥‥‥『神ノ使徒』候補が同じ場所に、しかも、こんな辺境の地方の境目に出くわす‥‥‥偶然か?」


「では、無いでしょうね。まぁ、夜叉の場合はセツナ殿が契約者なのでなんとも言いがたいポジションなので例外とさせてた頂きまするが‥‥‥」


「今回は俺達。3人でヘファイストス地方に行けって事なんじゃないか?アテナ地方とフレイヤ地方は隣同士だ。あのアホのアテナ様なら、フレイヤ様に説得されて俺をヘファイストス地方まで行かせる可能性はあるだろうしな」


「‥‥‥‥ヘファイストス地方か‥‥‥‥数日前の魔法新聞は読んだかな‥‥‥『ガザード砂漠』の悪魔の淑女に『オアシス』の殺人鬼が昨今、かのヘファイストス地方で暴れていると聞く。それを解決する為に我々は集められたと?」


剣聖グレイは先程までの柔和な感じは姿を隠し真剣な物言いで俺達に聞いてきた。


「どうだろう?其処(そこ)んとこどうなんだ?タマキにクロ。アテナ様とヘスティア様は何か言ってきてるのか?」


「いえ‥‥‥‥特には何のご連絡もありません」


「我もだ‥‥‥何かあれば神託が聴こえてくるが‥‥‥今は何もないな」


アテナ様の眷属のタマキとヘスティア様の眷属ポジションぽいクロに聞いても何も聞いていないと‥‥‥‥

ちなみにクロは龍魔法の黒猫化とか言う高度な変身魔法でクロネ◯ヤマト見たいな姿をしている。

セシリアの契約者『ヘカテス』も自身をヒヨコ見たいな見た目にしていたから、それと同じ様なものだろうか?


「そうか‥‥‥とりあえず。先ずはこの3人で『オアシス』に向かうとするか」


「御待ちください。アヤネ殿と恵殿はどうするのですか?まさか、この地に置いていくつもりで?それでは人攫いに捕まり悲惨な目にあいまするぞ!」


夜叉はそう言うと俺に向かって叫んで来た。


「いや、アヤネと委員長はオアシスに着くまでは宝物庫の中で修行しててもらおう」


「宝物庫の中で修行ですか?」


「そうだ。この中なら俺とタマキの許可がなければ入れないし、干渉する事もできない。俺達に何かあればこの中の異空間から地球に帰してあげられるしな」


「‥‥‥‥安心致しました。それならば、あのお二人が危険にさらされることもありませんね。フィーー」


夜叉はそう言って、大きな息をはいた。確かに夜叉があの二人を真剣に心配するのも分かる。あっちでの数週間をこの宝物庫の中で共同生活をしているのであれば、仲も相当深まると言うものである。


「3人か‥‥‥‥貴殿らの実力を疑う訳では無いが‥‥少し心許(こころもと)ないな‥‥そのカミナリ殿の囲いの者達はまだ、発展途上なのだろう?」


グレイがそう言って天井を見上がる。現在、ヘファイストス地方で起きている事を知っているからこのような発言が出たのだろう。


「今にして思えば。前の旅には魔王様やら、前魔王の側近やら、勇者の元仲間とやたら強かったな‥‥‥‥強さカンストしてる奴らばかりだった‥‥‥‥」


「後、2人‥‥‥いや、せめて1人は欲しいですね‥‥‥アヤネ殿と恵殿の護衛も含めて」


「あぁ‥‥‥ポンコツのアテナ地方と違ってヘファイストス地方とフレイヤ地方は魔力濃度が濃い‥‥‥‥いざって時は誰かしら喚ぶしかないか‥‥‥」


「あの?大蛇殿はいかがですか?以前の旅でも助けて頂きましたよね?」


「ん?大蛇か?いや、無理無理。今は特にな‥‥‥ウラさんとオン君とで造酒に専念してるしな」


「造酒‥‥‥ですか?」


「あぁ、造酒。大蛇はあれでもいちを神様だしな。下手に此方が変な事をお願いしても断られるだけだ。俺とは契約を結んでいるが。大蛇の機嫌を損なうのもやだし、契約者同士とはいえ、無理強いするのも嫌なんだ。基本、俺と契約を結んだ神代の神々や人にはあまり教養したくないしな」


「は、はぁ‥‥‥そうなのですか‥‥‥‥分かりました」


「とりあえず。先ずは荒野と砂漠越えだな。さっき、グレイさんが‥‥‥」


「グレイで良いぞ!二人共」


「ん?あぁ、グレイが話していた『悪魔の淑女』も気になるしな。今夜はこの町に泊まって、情報収集と旅の支度をしよう。後、グレイには前金のガリア金貨100枚を渡しとくから。今夜はこれで旨いもんでも食ってくれ」


ジャラジャラ!!!


「うおおぉ!ガリア金貨がこんなにも!ワハハハ!気前が良いな!カミナリ殿は!ワハハハ!拙者は良い雇い主を得たようだ!ワハハハ!」


グレイはそう言って嬉しそうに大声で笑ったのだった。



『黄金の宝物庫』深夜


俺はサウスの酒場での話し合いの後、アヤネと委員長に呼ばれて。宝物庫内に来ていた。そして、現在、目の前には修道服を着たアヤネと(はかま)姿の委員長がしなる鞭を持ちながら俺の前に立っている。どうやら此方の異世界に来て、服を着る文化を思い出してくれた様だ。


「‥‥‥‥それで?その後は3人と2匹で豪勢なお食事パーティーをしていたわけ?私達を放って置いて」


バシンッ!


「いや、放っておいたというか‥‥‥声を掛けに来たら、君達が変な事をしていたからで‥‥‥」


「別に変な事はしていませんわ。それに変な事と言うのは、

セツ君が(わたくし)にかけた。私よりも強力な幻術魔法を使って私を騙したことですわ」


バシンッ!


「‥‥‥‥いや、本当に悪かった‥‥‥‥って!何してる?アヤネ!!」


「あら?これ‥‥‥‥あの‥‥‥もしかして、あれ以外なら‥‥‥反応するのですか?もしかして?」


バシンッ!


「えぇ?嘘?本当に?!‥‥‥マジじゃない!!」


バシンッ!


「なんで、そんなに嬉しそうなんだよ!委員長‥‥‥ツゥゥ‥‥‥」


「あら?‥‥‥セツ君‥‥‥」バシンッ!

「反応‥‥‥可愛い‥‥‥‥ニャア‥‥‥」バシンッ!


何故か、俺の反応を見てアヤネと委員長は恍惚の笑みを浮かべ‥‥‥‥


「ツゥゥ!!おい!なんだ。その反応‥‥‥止めろ来るな!騙した俺が悪かったから!そんな場所を‥‥‥いじ‥‥‥‥や、止めろーーー!!!」


『天使達の居住区』


「セツナが悪いとはいえ‥‥‥あれ‥‥朝まで大丈夫なのかしら?色々と‥‥‥」


「‥‥‥‥主様のあの様な反応‥‥‥確かにあれを見せられたら、そそられる気持ちにもなりますね」


「それで?今回は誰が神成様の杖になりますか?ラファエル様のミカエル様の御二人は、以前からの闘いで疲れきっているんですよね?」


「‥‥‥まあね」

「アハハ!バレてましたか‥‥‥」


「ならば、このウリエルか‥‥‥」

「もしくわ!このガブガブが行っちゃう?」


そんな、話し合いを天使達がしていると。


「ウリエルとガブリエルにはあの変態さん達の教育があるでしょう?‥‥‥今回は私が同行するわ」


「‥‥その声は?ルシファー?!貴女、ずっと寝てたの?相変わらずのお寝坊さんね‥‥‥」

「アハハ!本当ですね~」


「ルシファー様?!」

「ルシルシが?」


「今回は色々と嫌な予感がするのよ‥‥‥だから、私が行くわ。これはもう決定事項よ!よろしく!」


七聖―女神―の杖『ルシファー』登場

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