プニプニ
『聖豊中学』
「おいっ!例の3人が何処にもいないぞ!これだけ隈無く学校中を探してるのによう!」
「もっと、広範囲で探すのよ!見つけて会長達に差し出せば将来勝ち組確定なんだから!」
「そうだ!この際、学年なんて関係ない。みんなであの3人を探そう」
「「「おうっ!」」」
「「「はいっ!」」」
「‥‥‥‥凄い。事になっちゃったけど、兄さん達。本当に何処に行っちゃたのかしら?まさに神隠しね。ユナさんも居ないしどうなってるの?」
学校中の生徒達が兄さん達を探す中、私は1人で兄さんとユナさんを探すのだった。
‥‥‥‥‥‥
『次元の間』
「セツ君!ここは何処ですか?周りがグニャグニャしてますわ」
アヤネが興奮気味に『次元の間』を眺め、あっちこっちを見渡している。
「おいっ!アヤネ。あんまり離れるなよ!離れすぎるとここに取り残されるからな」
俺はアヤネの腰に手を回し動きを抑えている。
プニッ!
ん?プニッ?!なんだ?このアヤネのお腹の感触は‥‥‥‥
「‥‥‥アヤネ。君、数週間前よりも。身体がなんかムッチリになってないか?」
「えっ?」
興奮気味だったアヤネが俺の顔を見上げる。
「このお腹のお肉‥‥‥君、少し太って‥‥」
「ませんっ!この私が太るわけありません。な、何を言ってるんですか?セツ君!いくら、元恋人だからって。許されない発言ですよ!」
「いや、元恋人を強調しなくても良いんだけどさ‥‥‥ふーん‥‥‥‥あのスレンダーだったアヤネがこんなムチムチになるとはな‥‥‥‥どれ?」
ムニムニムニムニ
俺はアヤネのお腹のプニプニを触りまくる。
「シャゥ?!!な、何をするんですか?」
「いや、元許嫁プラス元恋人の新たな感触を楽しもうと思ってな‥‥‥うん、いいな‥‥‥」
プニプニ
「や、止めなさい!セツ君!私のお腹をプニプニしないで下さいーー!怒りますよ!叩きますよ!」
「了解、了解、この体勢じゃあ。俺に何もできないだろう‥‥‥‥昔はあんなに細かった手足も今ではこんなにプニプニに‥‥‥‥」
「セ、セツ君?ど、どうしたんですか?」
「俺は君の身体が少し心配だったんだよ」
「わ、私の事が心配?」
「あぁ、昔のアヤネは病弱で小柄だったろう?だから、君のこのお腹のプニプニを触れて。俺は結構、感動しているんだ。こんな、健康的なプニプニになって」
「あの鬼畜な。セ、セツ君が。そんなに私の事を思ってくれていたなんて‥‥‥」
「あぁ、だから、これからも君の事を大切な親友として見守らせてくれ」
まぁ、
「えっ‥‥‥‥親友?」
キョトンとするアヤネ。
「これからも仲良くしような!前みたいに仲違いしないように!なぁ、アヤネ」
「だ‥‥‥‥」
「アヤネ?」
「だ、誰が親友ですかーー!『聖抜祭』の期間。私にあれ程の事をしてたくせに!!許しません!!!ちゃんと責任を取りなさい!!!お馬鹿!!!」
アヤネは拘束している俺の手を振りほどき、俺の左頬に向かって右手を振りかざした。
バチーン!!
「ガハァ!!い、痛えええ!暴れるなぁ!アヤネェ!冗談だから悪かった!だから、暴れるなぁ!」
「五月蝿いですわ!粛正です!粛正しますわ!神成 セツナ!!!」
バチーン!!
「‥‥‥‥さっきまでイチャイチャしていたと思ったら。今度は大喧嘩ですか‥‥‥」
「昔からよ。あんなの‥‥‥周りの子達はあれを近くでずっと見せられていたのよ。ゲンナリしながらね」
「ゲンナリですか‥‥‥‥それで周りの方々はあのお二人にちょっかいをかけられなかったのですね。神無月嬢の様に」
「なんで、私の話が出たのかは言及しないけど。そうね、だいたいそんな感じよ。モフモフさん」
「へっ?」
ガシッ!
「やっと、モフモフできるわ!あぁ、この触り心地サイコーね!これから、よろしくね!タマキちゃん!」
「こ、この方も頭のおかしな方でしたか!た、助けて下さい!ご主人様ー!ウチ、圧迫死してしまいますー!」
そうして、俺達は『次元の間』を通って異世界アリーナへと旅立つのだった。




