『聖抜祭』 ⑦ FINALE(終了)
『聖抜祭執行部』
「さぁ、ここで暫しの間。ここで待機していろ!お前達。天ノ宮理事長が来るまで大人しくしていろ」
「‥‥‥はい‥‥‥九条先生」
「わ‥‥‥私はこんなバカな事で失敗なんてしていないのよ‥‥‥」
「?‥‥‥サクヤ‥‥‥いや、さっきは言いすぎたよ。全ては僕の過ちのせいだ!だから君は」
「‥‥‥つっ!史郎!!私達は嵌められたのよ」
「ど、どうしたんだよ!サクヤ、僕達が嵌められたって?いったい誰にだよ」
「そんなの決まってるわ!二年の神成、天王洲、神無月に決まってるじゃない!許さないわ!私達を陥れやがって!復讐するわよ!史郎!!」
「いや、そんな、証拠何処にも無いだろう?それに心配しなくても。僕が君を必ず守るから」
「おい!お前達!私語は慎め!五月蝿いぞ!もう少しで理事長が」
「そんなの私が許すわけないでしょう!見ていなさい!史郎!これであの子達を追い詰めるんだから!スゥー‥‥‥‥」
「おい!一翠院!貴様、マイクを持ち出して何をする気だ!」
「一翠院 サクヤが全校生徒に告げます。神成 刹那、天王洲 アヤネ、神無月 惠の3名のうち、一人だけでも私の前に連れてきた方は天領高校の特待生枠を確約します。そして、卒業後には一翠院財閥の幹部ポストを用意させて頂きます」
「お、おい!サクヤ!君‥‥‥」
「一翠院!貴様、何を考えている!なんて、バカな約束を勝手に決めたのだ」
「何を考えているですって?九条先生‥‥‥‥復讐よ!私を‥‥‥いいえ、史郎を陥れた責任をあの3人に償わせるのよ!さぁ、探しなさい!全校生徒の子達。あの3人を私達の前に突き出すのよ!」
『聖豊中学校・正門』
「おい!あの放送!」
「あぁ、さっきの名前が上がった奴等のうち一人でも見つけ出して連れて行けば。あの天領に入れるんだろう、それも特待生でだ!」
「探すしかないわね!直ぐにSNSで情報を集めましょう!それと捜索隊も組んで人海戦術で学校内を隈無く探しましょう」
「「「「おう!!!」」」」
「「「了解!!!」」」
『一年生教室』
「ねぇ、さっきの放送‥‥‥‥」
「名前が上がった先輩達を見つけて捕まえれば。天領高校の特待生が確約に‥‥‥大企業への就職内定プラス幹部ポストが‥‥‥」
「行くわよ!皆!先輩達を捕まえるわよ!それに多分だけど。裏競技で取れた一年生の代表バッジもあの3人の誰かが持っているに違いないわ!」
「ちょ、ちょっと皆、私達はもう負けて‥‥‥‥」
「何よ!未来、悔しくないの?あんな、不意打ちでやられてさぁ!私は悔しいわよ!大切な友達がそんな事、されたんですもの」
「す、鈴ちゃん。で、でも、先ずは星奈ちゃんに連絡を取らないと‥‥‥‥」
「そんな事、してるうちに他の誰かがあの3人を捕まえちゃうわよ!さぁ、行くわよ!未来」
「ちょ、待って!鈴ちゃん!!」
部下連本部』
「か、会長!我々ほどうすれば?」
「うーむ!厄介になったのう!あっさり、勝てると思ったが。そこはやり上級生。あの校内放送で我々、二年生は窮地に立たされてしまったのう」
「どうするんだい?セツナに連絡して指示を聞くのかい?それとも、委員長?」
「いや、待て天馬よ!先ずは情報収集だのう!天馬よ!佐助とその仲間達に連絡を入れよう。神成や神無月は方って置いても平気であろうが。寧々殿‥‥‥いや、天王洲殿は我々で護衛する!行くぞ!お前達!今こそ、我々の女神!雨宮 寧々殿をお守りするのだ!行くぞ!」
「「「「「おう!!!お任せあれ!!!!」」」」」
「「「「「会長殿!!!!!!!!」」」」」
ドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドド!!!!
「何よ、あれ‥‥‥‥」
「ん?エリカ来てたのかい?」
「う、うん!セツナ君や惠がこっちに来てると思ってね」
「それは残念だ。あの二人はここにはいないさ~!‥‥‥所でどうだろか?エリカ。僕と残りの時間。聖抜祭を回ってくれないかな?」
「‥‥‥私と?何で天馬君が?‥‥‥」
「‥‥‥‥まぁ‥‥‥あれだね~!‥‥‥ハハハ、恥ずかしいくて上手く言葉で伝えられないね~‥‥‥ハハハ‥‥」
「そう‥‥‥フフフ、良いわよ。天馬君‥‥‥さぁ、惠達を探すがてら一緒に行きましょう。私と一緒に」
「エリカ‥‥‥‥ハハハ‥‥ありがとう‥‥では、行こう」
「うん!」
『体育館』
「な、なんじゃ?あの放送は‥‥‥さっきの変なやり取りと良い。ここの生徒会長とやらの頭はどうなっておるのだ」
「サクヤさんが何で兄さん達を連れてくる様に仕向けるの?‥‥‥昔から何考えてるか分からない人だったんですよ。サクヤさんって‥‥‥私の旧名の家名。九条も昔、あの人のせいで酷いめにあわされて‥‥‥」
「酷いめ?」
「あっ!い、いえ!何でもないんです!ごめんなさい。ただの独り言です。忘れてください。ユナ、さぁ、早く兄さんを探しましょう!私はあっちに行きますね。ではっ!」
「あ、あぁ‥‥‥って、もう行ってしまった。しかしあの慌てよう‥‥‥生徒会長と星奈の旧家の間で。いったい何があったというのだ?」
ガゴンッ!
「ん?なんじゃ?今の音は?‥‥‥彼処はセツナがよく隠れ家に使っている体育倉庫?何であんな場所から凄まじい音が?‥‥‥まさか!」
『体育倉庫』
「ねぇ‥‥‥あの放送」
「流石、一翠院生徒会長‥‥‥やることなす事メチャクチャだな‥‥‥」
「ど、どうするのよ?もし私達がここに居るのが全校生徒に知られたら‥‥‥」
「この、光景も記憶と記録にバッチリ残ることになるな」
「そ、そう!それは良かったわね」
「では、ありませんわ!何を二人だけでイチャイチャしてるんですか!セツ君!惠!!!」
「うわぁ、アヤネ?」
「今度はアヤネかよ!‥‥‥君は‥‥‥とりあえず、あれだな‥‥‥」
「な、何ですか?セツ君!私は修行をして何をしても動じない精神を‥‥‥‥」
「アヤネはとりあえず、その猿轡を咥えといてくれ。」
「んん?はッ!そんな事させませんわよ!私がこのような事で屈服しませんわ!」
「‥‥‥‥‥‥‥いや、それにしては楽しんでるよな?つい数ヶ月前はいがみ合ってたのにな。アヤネ、今じゃ、こんな格好で俺に抱き抱えられる赤ちゃんみたいだ」
「わ、私が赤ちゃん?!お、怒りますよ!セツ君!」
「ハイハイ!アヤネちゃんは良い子だね~!よちよち」
「ほ、本当に怒りますよ!セツ君」
「ハイハイ、アヤネちゃんは元気だね~」
「で、ですから、私は赤ちゃんなのではありません」
ガダン!
「「あっ!」」
「えっ?」
アヤネの大声のせいなのかは分からないが。体育倉庫の用具が音を立てて崩れしまった。
「ね、ねぇ、ちょっと。不味いんじゃないかな?こんな、大きな音。こんな、いかにも隠れてますよー!って場所の体育倉庫から聞こえたら」
「委員長はそう言いながら。俺の服を引っ張ってきた」
「あ、あぁ、それに君達のその服装もな‥‥‥メイド服とバニーガールとか見つかったらとんでもない事になるしな。つうか、何でメイド服やバニーガールなんだ?委員長にアヤネは?」
「こ、これは!セツ君が昔、兎が好きなのを思い出してつい‥‥‥出来心で‥‥似合ってませんか?私?」
アヤネは顔を赤くしながら。恥ずかしそうに俺に聞いてきた。
「いや、凄く似合ってるよ。アヤネ」
「そ、そうですか‥‥‥フフフ、私、嬉しいです」
アヤネがデレデレした顔でそう言った時。
ドンドンドンドンドンドン!
「誰か?おるのか?‥‥‥もしや、セツナではなかろうな?そうであるならばここを開けて。大人しく捕まるのじゃあ!!」
「はっ?!エスフィール?!」
「ユ、ユナさんが何でここに?」
「いや、それよりも不味いわよ!こんな、格好。ユナさんに見られたら。変な誤解を生むわ!」
「‥‥‥‥‥仕方がない。ほとぼりが冷めるまで。暫くの間。アリーナで過ごそう。2人共」
「えっ?神成君。今、なんて?」
「アリーナで過ごす?」
「あぁ!タマキ!!」
「ハイハイ!このピンチ!タマキが切り開きましょう!『転移門・解除』」
タマキがそう唱えた瞬間。俺達の目の前に転移門が姿を現した。
「よし!‥‥‥じゃあな、エスフィール‥‥‥一週間位したら帰るから。家の事は星奈と共になんとかしてくれ。では、サラバ!」
シュイン!
「え?えええ?私達も行けるの?いきなり?!」
「い、いきなりすぎますわ~!!!」
シュイン!シュイン!
「‥‥‥では、エスフィール嬢。一週間後にまた、お会いしましょう」
シュイン!
‥‥‥‥‥
「むっ!その声!やはりここにおったか!セツナ!やっと追い詰めたぞ!」
ガゴンッ!
「‥‥‥っておらぬじゃと?‥‥‥私の勘違いか?‥‥‥ん?なんじゃ、あの門は‥‥‥もしや、転移‥‥‥‥」
シュイン!
‥‥‥‥‥そうして俺達の3人は異世界・アリーナの世界にあるエウロペ大陸へと向かい。
エスフィールは俺達とは別の大陸へと向かったのだった。
『聖抜祭』
終。
エスフィールさんには暫く。修行の旅に出てもらうことにしました。
私の別作品の大陸の方へ出る予定なのでよろしくお願いします。
ちなみに『カンナギ・レイカは呪われる』です。
いつ登場するかは内緒です。




