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『聖抜祭』 ⑤ THE END(終)

『生徒会室』


「セツナ君が見つからない?嘘でしょう?あんなに目立つ子が見つからないなんて信じられない」


「事実だよ!サクヤ。彼は今回の聖抜祭は単独で動いてるんだ。護衛も付けずにね‥‥‥‥まさか、彼が裏競技の二年生の代表になるとは思わなかったよ。全く、厄介な相手だ」


「三年生の裏代表の貴方が何言ってるのよ!確りしてよ!史郎!」


「‥‥‥‥あぁ、済まない。サクヤ、だが彼はあの門倉を()め、この聖豊から追い出した男。弱気にもなるだろう?サクヤ」


「もう!シャキッとしなさい!それでも私の許嫁なの?そもそも、貴方は昔、あのセツナ君に一度勝った事があるんでしょう?自信を持ちなさい。自信を!」


「自信を持てって言われてもな‥‥‥‥あれは彼がまだ小学生の時の話で。彼の本家である神成財閥が弱っている時を狙って、彼を(おとしい)れただけの事だ‥‥‥‥だが、今の彼は派閥を持たない自由の身。何をしてくるか分からない怖さがあるんだよ」


「それでも、貴方はあの子に勝ってる。それがセツナ君が小学生の時だったって、財閥が弱っていたからだって関係ないわ!だからね、史郎。私の栄光ある未来の為に頑張ってよ!この聖豊中学のお馬鹿さん達を利用して私が天領高校を牛耳る為のにもね」チュッ!


「サ、サクヤ‥‥‥‥し、しかし‥‥‥‥」


「もう!これならどう?フフフ」


スルッ‥‥‥‥パサッ‥‥‥


(何かを脱ぐ音が聞こえますわ。興奮しますわ)


(お、おい!俺のイヤホンを取るな!アヤネ!)


(でも、何で生徒会実に監視カメラと盗聴機とその他諸々があるの?神成君は変態なの?)


(変態じゃない!委員長も監視カメラの映像を凝視するな!見えないだろう)


(そうです!何で生徒会室に監視カメラがあるんですか?事によっては大事になりますよ。セツ君)


(聖抜祭に勝つ為だよ。昨日の夜、佐助に頼んでセットしてもらったんだ。三年生の動きを知る為にな)


(でも?何で生徒会室なの?何か理由でもあるの?)


(門倉先輩を失って、三年生は裏工作をする生徒達は皆、処罰されいなくなっただろう?)


(えぇ、あの時は大変だったんですよ!セツ君!セツ君が門倉先輩を殴り飛ばすから、その後の事後処理に追われたりしてですね)


(悪かった!あの時は本当に悪かったから。そろそろ、イヤホンを返してくれ。ほら!)


(ちょっと!何処触ってるですか?エッチ!)


(‥‥‥‥どの口で喋ってんだ。ヤンデレ中二病。夜叉から聞いたぞ。誰もいない場所で何か怪しい言動をしてたってな)


(あ、あれは夜叉ちゃんの見間違いで!)


(しっ!二人共!生徒会室で何かやり始めたわよ!)


((やり始めた?))


「フフフ!これはどうかしら?史郎!!」


「くっ!サクヤ!!それは駄目だって!!」


(‥‥‥セツ君。これって‥‥‥‥)

(‥‥‥あれだよな?‥‥‥男女のなんやら)


(凄いわね!まだ、始まって直ぐなのにこんなに!!)


(おい!興奮するな!委員長。そして、画面から少し離れてくれ)


「し、史郎!!私の為に、あのお馬鹿な二年生の子達を皆、倒して!特にあのセツナ君なんて、昔から私がどれだけ色目を使っても見向きもしないんですもの。そんな子は私の幸せ計画に相応しく無いですもの」


「し、しかし、彼には天王洲さんがついている。それに神無月流の子も‥‥‥くっ!」


「あぁ、あの子達?ムッツリスケベに暴力女でしょう?あの子達ねえ~、あの子達も対した才能も無いくせに。いつも五月蝿いのよね」


(何ですって?)

(殴りに行くわ!)


(行くな!お前ら!その格好で校内を歩き回ったら捕まるわ!つうか、なんだよその格好は?)


(い、いえ、これは誘惑を‥‥‥‥)

(しようと‥‥‥‥)


(誘惑?‥‥‥‥まぁ、良く分かんないけど。そんな格好で校内は歩かさせれないぞ?何で、修道服と巫女服を着ているんだよ!)


(で、ですから!)

(私達は誘惑する為に)


「アアア!史郎!!」

「サクヤ!!!!」


(?!何だ?とりあえず、君らはこの中に戻れ!『我の契約に願う。守りの袋に戻りて身を浄めよ』)


ピカーン!


(な、何です?私達の身体が光出してます!)

(それにこの光暖か‥‥‥そうじゃなくて誘惑して連れててもらいたくて‥‥‥)


シュイン!

シュイン!


(‥‥‥‥連れてて?‥‥‥‥何処に?‥‥‥ってアリーナしかないよな。この場合‥‥‥)


「サクヤ!!!」

「史郎!!!!」


(こっちは此方で生々しいな‥‥‥‥それに委員長め変なボタン押してたような?あれ?パソコンに何か表示されてる?なになに、監視カメラの設定が校内端末と繋がっています。現在、学校内のテレビ、パソコン、その他放送機器に接続状態で生中継されて‥‥‥います?)


「史郎!!!来なさい!!!!」 

「あぁ!行くよ!共にサクヤ!!!!」


(‥‥‥‥いや、そのままだと別の意味で逝く嵌めになるような。いや、それよりはこのままだと本当に不味い事になる。止めないと)


カタカタカタカタ


「サクヤ!!!!」

「史郎!!!!!」


(いやいやいやいや!何、さっきより盛り上がってんだ!クソッ!‥‥‥‥とりあえず。桐生さんと柊さんに、一翠院財閥の株と三ノ宮カンパニーの株を全て売り払って、変わりに天王洲家の株と志知難(しちな)財閥の株を買い占める様に連絡を入れてと‥‥‥‥ああ、燃え上がってるよ!大炎上だよ。色んな意味で不味いことに!あぁ、このパソコン。ロック機能で監視カメラ切れないし!)


「史郎!!!!」

「サクヤ!!!」


(‥‥‥‥佐助の奴は設置した監視カメラと盗聴機やらは絶対に見つからないようにミクロのヤツを使ったとか言ってたし。聖抜祭が終わった夜に回収するとか言ってたから、俺達の犯行が世間にバレる事は先ず、無いだろうが‥‥‥生徒会長と副会長は‥‥‥詰みだよな。これは‥‥‥ごめんなさい。色々と‥‥‥)


ガダン!


「えっ?!」

「何だ?」


ガチャガチャ!ガダン!ガラガラガラガラ!


「‥‥‥‥や、やっぱり!」


「サ、サクヤ?!三ノ宮君?貴方達神聖な生徒会で何してるの?」


「お、おい!お前ら!何だ?‥‥‥その格好は‥‥‥」


「三年の皆に‥‥‥‥」

「九条先生?」


「今日は()えある聖抜祭。本番の日だぞ?皆が頑張っている時に生徒会長と副会長である貴様らがなんて事をしておるんだ!!!」


「こ、これは‥‥‥その、史郎が‥‥‥三ツ谷君に無理やり!」


「はぁ?何を言っているんだ!君が僕を誘惑してきたんだろう?」


「なっ?!貴方だってあんなに楽しそうにしてたじゃない!私はただ、貴方に無理やり強要されて!!」


「ふ、ふざけるな!何を根も葉もない嘘をつくんだ!この腹黒女!」


「な、何ですって?ふざけないでよ!」


「お、おい!何をする?!服を乱暴に掴むな!!!」


生徒会長と副会長は口論の末。服を掴んでの取っ組み合いを初めてしまった。そして、俺は彼らのあれを止めようと生徒会室まで急いで走ってきたが‥‥‥‥


「‥‥‥‥間に合わなかった‥‥‥本当にすみません。会長。副会長」


「あんたが私を襲ったのよ!逃げようとしないで、責任取りなさい!クソメガネ」


「いいや!君が誘惑してきたのが最初の始まりだろう!メンヘラ女!」


ブチッ!シューン。カランカラン、コロコロコロコロ。


俺の目の前に体育館で見たことがある形をした。バッチが転がってきた。


「ん?これは‥‥‥‥三年生の裏競技代表のバッジ?‥‥‥他の皆は‥‥‥目の前の大乱闘‥‥‥スマッシュを観戦に夢中か‥‥‥タマキ」


「ハイハイ!ご主人様!」


「監視カメラやら何やらは回収すんだか?」


「はい!ご主人様にさっき、言われた通り。夜ではなく。この騒ぎ中に全てを回収し終わりました」


「よし!なら、そこのバッジも拾っといてくれ。俺は三ツ谷ホテルの限定ケーキをあげるからさ」


「わぁ、ありがとうございます。ご主人様」


ササッ!


早い!何だ?今の?目で追えなかったぞ!流石、狐。動きが速い。


「俺も行く‥‥‥そろそろ、この変装魔道具の効果も切れるしな」


俺はそう言うと大騒ぎの生徒会室を後にするのだった。

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