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『聖抜祭』④ FESTIVAL(祭)

聖豊中学校・正門


「いらっしゃいませー!聖豊名物『セイユウ饅頭』はいかがですかー!」


「メイド喫茶で~す!是非来てください!」


「お化け屋敷~!お化け屋敷はこちらでーす!順番にお並び下さー!」


「VR部のゲームシューティングの体験コーナーはこちらですよー!どうぞ!向かって来る運動連のゴリラ達を撃退してみて下さいー!」


「おぉ、なんか、マジで文化祭みたいな雰囲気だな。あっちの世界の魔術院に在学してた頃にやった魔法祭を思い出すな」


「こちらの世界の学生祭は魔法が無い代わりに。機械に仕事をやらせているのですね。興味深いです」


体育倉庫を出た俺とタマキは正門に並んでいる屋台の見学に来ていた。


「流石はお金待ちが通う進学校。金が潤沢(じゅんたく)にある分、屋店やイベント会場も沢山あるな」


「そういえば、ご主人様はクラスの出し物のお手伝いとかしなくてよろしいのですか?」


「あぁ、なんか、俺は問題起こすから何もするな!とか言われて蚊帳(かや)の外だったからな‥‥あっ!‥‥そういう事か!アイツらめえ!!」


「どうしますか?ご主人様」


「今回の聖抜祭で何でクラスの蚊帳の外にされていたのかやっと分かったんだ!清太郎や佐助達は最初から俺を裏競技の代表にするために。俺に何もするなとか言ってきてたんだよ!自分等が代表にならない為にな」


「あー、だから、あそこのメイド喫茶とやらに入るのですね。ご主人様のご友人さん達は。凄い幸せそうな顔をしてオムライスを食してますね」


「‥‥‥‥‥俺を護衛するとか言ってたくせに何、呑気(のんき)に飯食ってんだ。清太郎の奴。佐助は佐助でメイドに尻を叩かれてるし」


「ご主人様のご友人は此方(こっち)の世界でも個性的ですね」


「だろう?皆、キャラが濃くて変人なんだ。天馬は‥‥‥‥聖豊ホストクラブ?No.1だと?アイツはアイツで何やってんだ?」


「「「「「キャアアアアア!!!!!天馬様!!!!!」」」」」


「ハハハ!君達。順番に並んでおくれ!僕はここにずっと入るからねえ!!!ハハハ!!」


「「「「「「ああん!!天馬様!!!!!」」」」」」


「スゲー人気だな。流石は二年生イケメンランキング1位の男だな」


「ちなみにご主人様は何位なんです?」


「‥‥‥‥数ヶ月前までは天馬と同率だったが俺の派閥吸収と門倉先輩の件でランキングに乗ることすら無くなったな」


「ご主人様はこちらの世界に戻って来ても暴れまわってますからね。納得です」


「勝手に納得すんなよ。俺だって好きで暴れてる訳じゃな‥‥‥おっ!メイド喫茶に居た清太郎と佐助がスーツを着て、ホストクラブに入ってたぞ」



「お待たせしたで御座る!ベビー達!真打ち登場ですぞ!」 


「ヌホー!可愛い子がこんなに‥‥‥‥さぁ、我の元へ来い!接客してやろうー!」


「キャアア!!変態のおサルさんと狂暴ゴリラよ!」


「動物園から逃げ出してるわー!」


「助けて!!天馬様!!!」


「い、いや!拙者達は人間ですぞ!良く見てくだされ!!!」


「おぉ、そうじゃ!良く見てくだされ!ホレ!ホレ!ホレ!」 


佐助と清太郎はそう言って女の子達に近づいて行く。


「いやー!!助けて下さい!!天馬様!!!」


「触らないで!!!来ないでえええ!!!」


「だ、誰か警備の人を呼んで変態が現れたって通報してーー!!いやー!!」


「おっと!会長殿!ここにおられましたか!我等も混ぜて下され!シャッハー!!!」


「「「「「「「下され!!!!!シャッハー!!!!!」」」」」」」


「ハハハ!なんだか!騒がしいね!ハハハ!!」 


聖豊ホストクラブ会場はまさに阿鼻叫喚の地獄絵図。天馬が高笑いし。女の子達は叫び逃げ惑い。男共は欲望のままに走り回る。


「‥‥‥‥なんと言うことに」 


「そうか?俺はこうなるだろうと予想してたけどな。そして、このタイミングでいつも俺の前に誰かしら現れ」


「見つけましたよ!兄さん!また、騒ぎを起こしてるんですか?」


「あっ!」


「なっ!そして、全ての罪は俺に集約されるのだが‥‥‥‥今回はそうなりたくないから逃げる。じゃあな!星奈!それと目の前で起きてるあの騒ぎは俺のせいじゃないから、事情は天馬にでも聞け。じゃあ」


シュタンッ!


俺は地面を勢い良く蹴り。2階校舎に飛んだ!


「あっ!こらって‥‥‥‥行っちゃった。ていうか、何?あの跳躍は?‥‥‥‥魔道具ってやつを使ったから?」

 

「おーい!星奈!セツナの奴はおったか‥‥‥‥ってなんじゃ?あの騒ぎは?」


「ユナさん‥‥‥‥兄さんには逃げられちゃいました。あっちの2階に飛び乗って風の様に去って行きました」


「‥‥‥‥身体能力が上がる魔道具でも使ったかのう?‥‥‥‥駄目だ分からぬのう。地球には魔力の概念が無いから感じとれん」


「あれ?でも、魔道具は使えるんですよね?ユナさんもさっき使ってたし」


「ん?あぁ、魔道具は完成後は魔力循環しておるからなそして、魔道具、一つ一つに魔道具の中の世界があるんじゃ。それは前にも説明したのう」


「ええ、お泊まりの時に」


「魔道具が一つの世界として確立できていれば。魔道具だけはこちらの世界でも使えるのじゃ。セツナがお主の親友を眠らせるために使った。睡眠様魔道具の様にな」


「魔道具を未来に?‥‥‥あのバカ兄、見つけ出して凝らしめてやる!」  


「じゃな!その前に勝手に家を出てった事を懲らしめて。今、住んでおる場所を吐かせなくてはのう。あやつ、1人にしておると何をやらかすか分からんからのう。あっちでも大蛇を呼び出して大陸を震撼させたしのう」


「だ、大蛇?な、何ですかそれ?」


「あ、あぁ、それはのう‥‥‥‥」 


エスフィールと星奈はそんなやり取りをしつつ俺の捜索を続けるのだった。

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