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大天使ウリエル

俺は義妹。星奈が実家に帰って来る事を知らされた。そして、もう一つ。大切な事を父から伝えられた。


(今の生活状況を桐生君から聞いたよ。大変なんだろう?丁度、知り合いから近所の空家(あきや)を買ったから。セツナはそっちで一人暮らしを始めたらどうだい?)


っと!俺の最大の理解者である、父に一人暮らしを(すす)められたのである。

一人になるチャンスができ、速攻で荷造りを終え。

新居に逃げ込み。素早く荷物も片付けた。

‥‥‥‥そこまでは良かった。

あの二人が中から出てくるまでは。


『神成 刹那』新居

「ほら!いったん魔法の袋の中に戻るんだ!委員長!アヤネ!」


「ま、待ってください!セツ君。この紅茶は老舗エルメの茶葉じゃありませんか?なんでセツ君の新居に?」


アヤネは俺に身体を抱き抱えながら、俺、秘蔵の紅茶の茶葉コレクションを指さして興奮気味に俺に聞いてきた。


「か、神成君!神成!これ、最新のVR機器よね?何でこんな、高価な物ここにあるの?」


委員長は委員長でリビングにあったVR機器を見つけ。VR装置を頭に着けている。つうか、ソファーに座りながらお尻を此方(こちら)に振っている。


「茶葉はあっちに持って行って良いから、ほれ!」


俺はアヤネにそう伝え。ティーセットごとアヤネに渡した。


「ありがとうございます!これずっと飲みたいと思っていたんです」


「そ、そうなのか?それは良かった‥‥‥ほら、委員長もいったん戻るんだ!今日は会わせたい人達も入るんだ!」


「あ、会わせたい人?御両親?わ、分かったわ。も、もう少し待って‥‥‥‥」


「セツ君。(けい)はこうしないと言うこと聞きませんよ」


「は?アヤネ、お前、委員長の首元に何にやって‥‥‥」


俺がアヤネにそう言った瞬間。


「‥‥‥ニャ、ニャアアアアア!ニャンデエエ!!」


「な、何やってんだ!アヤネ!!」


「いえ、ですから。あれをなにしたんですわ!セツ君」


「したんですわ!じゃないよ。先に中に入ってろ」


俺はアヤネのお尻をひっぱたく。


「ヒイイイイ!!ひ、酷いですよ!セツく‥‥‥」


シュイン!


そして、新居には俺と委員長だけが残され。


「助けて!!神成君」


委員長は身体をバタバタさせながらソファーに寝転んでがっている。


「あ、暴れるな!委員長‥‥‥数週間前の凛とした委員長に戻るんだ!つうか、アヤネのアホは全く!」


「い、良いからタシュケテ!神成!!」


「ほら!委員長」


俺はそう言うと委員長の首元に当てられていた猫じゃらしを取った。


「あんまり、激しく動かさないでぇ!」


「わ、分かった、分かった。今‥‥‥‥取るから」


「取る?!!」


「‥‥‥‥‥せっかくの新居が‥‥‥‥なんつう事に‥‥‥」


「‥‥‥ヒク‥‥ヒク‥‥神成!!アヤネがアヤネがああ!!うえぇぇん!」


「あー、もう、幼くなっちゃったよ‥‥‥たくっ」


『鬼の神無月』は何処へやら。今はただの可愛い女の子に変わってしまった。身体は得体。心は少女である。


「神成!!!!」


「はいはい‥‥‥アヤネは痴女化、委員長は幼児化‥‥‥今後の俺の学校生活どうなっちまんだ?はあ~」


「‥‥神成。怒ってる?」


委員長がビクッビクッしながら俺に聞いてくる。


「怒ってないよ。委員長」


俺は委員長の頭に手に乗せ優しく()でる。


「本当?‥‥‥‥ありがとう!‥‥‥‥って?神成?どうしたの?」


委員長は呆気(あどけ)ない少女の様な表情で俺を見つめる。

そして、暫くの間。委員長との時間を楽しんだ。



『黄金の宝物庫』


「遅いですね~!セツナ殿!」


「そうですわね‥‥‥この紅茶‥‥‥流石(さすが)、名店の茶葉。匂いも素晴らしいですね。まさかセツ君がこんな、良いものを隠し持っているなんて」


「そんなの昔からよ!あっちの世界に居た時に集めた宝石や本当に希少な魔道具だって私達が分からない所に閉まい込んでるんだから」


「ちなみにその希少な魔道具とはどういう物なのですか?ラファエル様」


「色々よ!『賢者の石』、『聖杯』、『四大天使の聖書』、『世界樹の苗木』とかね。あんな品々がどちらかの世界に一つでも出回ったら。そこら中で争いが起こるでしょうね」


「セツ君は何でそんな凄い魔道具を所持しているのですか?」


「そりゃあ~!七聖―女神―のアテナ様の眷属で。列島大陸の七原竜の二柱と契約してるからに決まってるでしょう。まぁ、その一柱様は今日も造酒に専念しているけどね」


「神の眷属?セツ君って。あちらの世界では凄い存在だったりするのですか?」


「‥‥‥ええ、エウロペ大陸の人族では最強よ!他の種族と比べると分からないけどね」


「さ、最強‥‥‥あのセツ君が?」


「疑うなら、闘って確かめてみると良いわよ!地球の女の子がセツナに勝てる(はず)ないもの」


「ピクッ‥‥‥随分とセツナを信頼されておられるのですね?ラファエル様がは‥‥‥‥」


「当たり前でしょう。私はセツナのパートナーなのよ?信頼してるし、彼をずっと支えてきた自負もあるわ」


「信頼と自負ですか‥‥‥私だって幼馴染みで昔から‥‥‥」


「はいはーい、ストップ!ストップ!でーす!ヒートアップする前に消火です消火!」


そう言って(わたくし)とラファエル様の間に割って入る方が現れました。


「ウ、ウリエル?貴女、いつの間に来てたの?」


「ミカエル様も来てますよ!‥‥‥ラファエル様。あまり、地球の女の子を(いじ)めては駄目ですよ!めっ!」


「わ、私は別に‥‥‥‥」


「それでもです!ラファエル様!」


「わ、分かったわよ!もう。天王洲アヤネ。セツナの事でマウント取って悪かったわ。ごめんなさい」


「い、いえ、此方(こちら)こそ、天使様にご無礼な発言をしてしまい申し訳ございません」


わ(わたくし)がラファエル様に謝罪していると。


シュイン!シュイン!


「悪い!遅くなった!」


「ご、ごめんなさい!」


セツ君と惠が現れたのでした。


「随分と遅かったわね。セツナ」


「ラファエル?それにウリエル様?」


「はーい!お久しぶりです。主人様~!」


セツ君、ラファエル様、ウリエル様は挨拶も軽く済まして話をし始めました。


その隣でボーッとセツ君を見ているのは惠です。


「惠!随分、遅かったですわね?」


「‥‥‥はっ!ア、アヤネ?う、うん。あの後、色々と‥‥‥あってね‥‥‥色々‥‥‥ね」


惠はそう言うと顔を赤らめ、顔を手で隠しました。まるで私に惠の今の表情を見られない様にするために。


(わたくし)に隠し事とは、許しませんよ惠。エイッ」


「ニャ、ニャアア?な、何するのアヤネー」


「だから、お仕置きです?あら?これは‥‥‥‥」


「い、いきなり何をするのよ!アヤネ!ウゥゥ!神成!助けて!」


「これは貴女も負けてられないわよ!天王洲アヤネ!頑張りなさい!」


「ハウゥゥゥ!ラ、ラファエル様?いきなり何を?」


「何をって?いつも、貴女があの子にやっている事よ?さぁ、修行の開始よ!天王洲アヤネ!ウリエルと共にみっちり魔改造してあげるんだからね」


「い、いえ、(わたくし)はセツ君に優しく。一から教えてもらいま‥‥‥」


「駄目よ!逃げちゃ!それに貴女があの惠って子を散々いじってたのはずっと見てたんだからね」


「な、何であんなのをずっと見ているんですか?このエロ天使様!!」


「誰がエロ天使よ!さぁ、来なさい!アヤネ!ウリエルと共に貴女の身体を使ってみっちりと魔法を学ばせてあげるから」


「い、イヤです。ごめんなさい!だから色々。離して下さい!ラ、ラファエル様!!!」


その後の(わたくし)は大天使様。お二人に私、自身の身体を使い、魔法の手解きを受けることになったのでした。

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