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引っ越し!引っ越し!

プルプルプルプルッピィ!


「はい!もしもし!‥‥‥父さん?久しぶり!えっ!星聖奈が家に戻ってくる?それで俺は‥‥‥フムフム‥‥‥近くの空き家に一人暮らしOK?マジで!‥‥本当に!うん、うん、ありがとう!‥‥‥じやあ、またね!」


ガタンッ!


「よっしゃあーーー!!!我、自由を得たり!!!」


「‥‥‥‥何じゃ?騒いで?」 (エスフィール)

「どうか?されましたか?セツナ様?」 (芽愛さん)

「‥‥‥‥モグモグ‥‥‥‥?」 (寧々さん)

「何事です?セツナ君」 (アヤネの分身)

「神成君?」 (委員長の分身)

「また騒ぎですか?神成 セツナ!!」 (可憐ちゃん)

「なになに?」 (エリカ)


俺のいきなりの叫び声に神成邸にいつの間にか住み着いた女の子達がリビングに顔を出してきた。つうか、何で俺んちに住んでる人間がいつの間にかこんなに増えてんだよ!男1人じゃあ、肩身狭いんだよ!毎日の様に女子会開きよって!


「い、いや、何でもないよ。今やってるゲームにやっと勝ったから、つい叫んじゃって本当に何でもない」


「‥‥‥‥聖抜祭も二日後に迫っておるのだから。はしゃいで変な事をするなよ!セツナ」


「あぁ、分かった。エスフィール‥‥‥‥」


なんだろう此方(こっち)の世界に帰って来てからというもの、エスフィールと上手くいっていない様な気がする。


あぁ、今、思えば数ヶ月前のエウロペ大陸での4人旅は苦労もあったが本当に楽しかった。

ヒスイやセシリアは元気にしているだろうか?なんだか無性に会いたくなってきたな。


「それでは、セツナ様。私達は遊びに行ってきます。お留守番宜しくお願いしますね」


「あぁ、皆での買い物楽しんできな」


「はい!」

芽愛さんが俺に丁寧口調で優しく行ってきますの挨拶をしてくれた。

他のメンツは天王洲家が用意した車に乗り込んで入ったらしい。女の子達が『神成邸』に住み始めてからというもの俺の居場所がどんどん削られていき。最終的には『神成邸』の地下深くにアイ○ズ様もビックリの大墳墓(だいふんぼ)を作り上げたのだった。


「‥‥‥‥それも今日までの話だ」


「そうなのですか?ご主人様」


皆が出掛けた後、直ぐに相棒のタマキが魔法の袋から飛び出してきた。


「そうなんだ。いきなりだが義妹の星奈が家に帰って来るんだ!タマキ」


「義妹?ご主人様に妹さんがいたんですか?それはまた、新たな事件の始まりの予感がしますね」


「あぁ、俺もそれを思ったが父さんもそれを危惧(きぐ)してくれてな。星奈が家に帰って来る前に家から出て行って良いって電話をくれたんだよ」


「家から出るですか?でも、それだと地下の部屋が使え無くなりますが?」


「それは心配ないぞ。タマキ、俺が一人暮らしに使う家は家の直ぐ近くだからな。地下を繋げればいつでも来れるのさ」


そして、俺は外から見える建物に指を指した。


「あっ!本当ですね!凄い近い」


「だろう?それにあそこの出入りはカードキーがなければ出入りする事は不可能。女の子達がいない今、魔法の袋にありったけの夢と自分の物をかけ集めて身体一つであの家に入れば俺の新しい物語が(つむ)がれるんだ」


「それで今日は1人で家に残ったのですか?」


「いや、俺以外の女子達全員で買い物行くからお留守番宜しくとアヤネ(分身)とエスフィールに言われた」


「それって‥‥‥都合の良く使われておりませんか?ご主人様」


「‥‥‥俺もそう思うわ‥‥‥つうか、最近、俺の家での扱いが雑になってきてるんだよな。何でだろう‥‥‥」


「それは多分、うちがエスフィール嬢やメイ嬢に見せた。アリーナの時のご主人様と女の子達を全て見せたからですね」


「お前のせいかよ!この裏切り神獣!!」


「な、何をするんですか?ご主人様!!」


ピタッ!

っとタマキに制裁を加えようと思ったが俺は思い止まった。


「おっと!そんな事より。引っ越し!引っ越し!さっさと引っ越し!!!」


「ふぅー!しばかれないで済みました」


そして、俺は自身の部屋に戻り。次々と私物を魔法の袋(黄金の宝物庫)の中へと入れて行くのだった。


『黄金の宝物庫』内


ドガン!ドガン!

ドドドドドドドド!


「な、何あれ?何で次から次に大きな道具がいっぱい降ってくる‥‥‥って!何処(どこ)、触ってるのよ!アヤネ!」


「降ってくる?‥‥‥あれは?セツ君の部屋の家具?」


「どうしました?お二人共~?今日の昼食はウリエル様が作ってくれたビーフストロガノフだそうですよー!」


『神成邸』


「引っ越し!引っ越し!新天地へさあ行くぞ!タマキ!それともし今回の事をずっと黙っていてくれれば。チータラ一年分を君にあげよう!」


「チ、チータラ一年分?わ、分かりました!ご主人様。うちは一生口を閉じておきます!」


「あぁ、ありがとう!相棒!」


ドガン!ドガン!

ガコン!


「‥‥‥‥それでは、サラバだ女の子諸君。家の管理はメイド長の柊さんに頼んである。君達が帰って来れば家は開けてくれるだろう。アデュー!ハハハ!」


パタン!


そして、俺は無事、家から脱出する事ができたのだった。


『神成 刹那』新居


「良し!これで荷物運び完了。手伝ってくれてありがとう。タマキ」


「あ、あい~!ウチは着かれたので中に戻ります。ご主人様~」


シュイン!


「あ、あぁ、分かった‥‥‥って、もう居ないし」


シーン!


「静かな部屋、広いリビング、そしてプライベート全てを俺は手に入れたぞ!ハハハハハハ!」


俺は新しき1人だけの生活に夢と希望を抱いて高らかに笑った。


「スゴイ!豪邸じゃない!神成君」


「ん?」


「3人の新しい新居ですか?セツ君」


「し、新居?私と神成君の?‥‥‥」


「は?」


俺の後ろのソファーから女の子二人の声が聴こえてきた。俺は急いで後ろを振り向く。


「‥‥‥‥何で堂々とソファーに座ってるんだ!アヤネ、委員長!!」


アヤネと委員長が寛いでいる。


「あら?火米良義(ひめらぎ)家の旧邸宅じゃないですか?セツ君。これなら防犯やプライベートもバッチリですわね!それに防壁もあんなに高いですね。あれでは中に侵入する事は不可能に近いです」


「な、何でそれを君が知っている。良いからこっちに戻るんだ。アヤネ!」


「凄いわね。最新設備が沢山ある。それに地下には各プライベート部屋も完備?ここ超高級住宅じゃない神成君」


「寛ぐな!委員長」


「これなら私達も安全に過ごせますね。セツ君」


「は?」


「こんな、所に住まわせてくれるなんて思ってもなかったわ。神成君」


「な?‥‥‥‥いや、ここは俺の一人暮らしの為の王国で」


「「えい!!」」


「お、おい‥‥‥」


彼女達はそう言うと俺をソファーへと押し倒し。新居の探索を始めるのだった。

俺は抵抗空(ていこうむな)しく倒され、一人暮らしの新居を少女二人に明け渡す事になったのだった。

またしても俺のプライベートの場所が失われたのだった。


『神成邸』


ガラガラガラガラ!


「兄さん!ただいま!戻りました!!ただいまでーす!キュピーン!」


‥‥‥‥‥シーン


「誰もいない?」


キキィ!


「セツナ!!今帰ったぞ!ただいま!」

「「「「「ただいま!!!!!」」」」」


‥‥‥‥‥シーン!


「セツナがいない?」


カツン!カツン!


「お帰りなさいませ!星奈様、エスフィール様、皆さん!」


「え?メイド長の柊さん?なんてここに?」


「はい!セツナ様より。星奈様とエスフィール様に手紙を渡すように頼まれまして」


「ユナさんと?」「星奈に?」


「はい!こちらをお受け取り下さい」


柊さんはそう言うと私とユナさんに一通の手紙を渡してきた。


「では、私はこれで失礼致します」


カツン!カツン!


柊さんはそう言うと家から出て行ってしまった。


「兄さんから」「手紙?」


ビリビリ


『父さんに言われて一人暮らしをする事になった!後の事は宜しくな!星奈!エスフィール!アバヨ!ハハハハハハ!by神成 セツナ』


「「‥‥‥‥‥」」


「何々?手紙には何て?」


「あ、」

「あ、」


「あの馬鹿兄!!」

「あの馬鹿者!!」


義妹の星奈とエスフィールの叫び声が俺の新居まで響き渡ってきた。

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