逃しませんよ?貴女も此方側なるのです 最終話 本当は鞭遊びをしていたんです
『夜叉の部屋』
私の名前は神無月 惠、ふと昔の事を思い出していた。
実家の神無月道場で武術を学び、強さを誇示し、他人をバカにしていた私の前に突然、現れた男の子。
その男の子に私は完封なきまでにねじ伏せられ。その歪んでいた性格を正す切っ掛けをくれた男の子。
その男の子は現在‥‥‥私の目の前で
パーン!パーン!パーン!パーン!
「全く!セツナ殿は!夜叉の居ぬ間に新しき訪問者である。神無月殿に何をしようとしてたのですか?夜叉の新しきご友人になってくれるかもしれない方に!」
「いや、その俺は‥‥‥ギャアア!」
パーン!パーン!
神成君‥‥‥セツナ君が私に触れていた時、夜叉巫女さんだったかしら?夜叉さんが部屋に飛び込んで来て。持っていた鞭でセツナ君を叩き始めたの。
「貴方は本当にアヤネ殿だけでは飽きたらず‥‥‥‥まぁ、未遂に終わったから良かったですが。それにアヤネ殿といつも鞭の打ち合いをしていて楽しいのですか?セツナ殿は」
「いや、これは日本の伝統でSMプレ‥‥‥‥」
「夜叉はその様な事知りたくありませぬ。全く、夜叉は何故。この方に負けてしまったか‥‥‥‥分からなくなってきましたよ!セツナ殿」
パーン!パーン!
「ギャアア!!」
そんな光景を私はボーッとする頭で眺めていた。そして、次に自分の身体の状況を確認する。
服は脱がされ、アヤネに体操着を着させられた。首には首輪をつけられて。お腹の周りには変な模様を勝手に書かれジンジンするしそれより下は痒みに支配され。身体全身は汗ばんでいる状態。
「‥‥‥‥ほんの数時間前までは制服を着ていて家に帰る予定だったのに。今じゃあ訳の分からない空間に連れて来られて、自分の分身みたいなのが出てきたと思ったら、靴下以外の私の服を勝手に着られて外に出てちゃったし」
「いやー、残念でしたね?色々と」
アヤネはそう言うと私の身体に抱きついて来た。
「ア、アヤネ?貴女、何を?!それにその手に持っている物は何なの?」
「‥‥‥これですか?これは目覚まし時計ですわ!惠さん」
「ねぇ、それ絶対に目指し時計じゃないわよ!普通、目覚まし時計がそんな、音させないもの」
「あら?そうなのですか?では、本当にそうなのか確かめなくてはですね!‥‥‥エイッ!」
アヤネはそう言うと目覚まし時計?を私の身体に押し合えて。
「ニャウィ?ニャ、ニャニするのよ?!アヤネ!!」
私は身体をアヤネに凭れ掛けて抗議した。
「ニャニって?確認ですわ!確認!何事も確認は大事ですよ!惠さん」
「ソ、ソンニャ事より、こんなイタズラ早く止めなシャイイイ!!」
「ウフフ、可愛いですね。惠さんは‥‥‥それに本当に羨ましいお身体をお持ちで‥‥‥お乳なんて中学生とは思えない位大きいですし、お腹も細い。全く!」
「ニャニ言ってるのよ!そもそもこの姿にしたのは貴女とセツナ君で‥‥‥‥」
「セツナ君ですか?‥‥‥‥もしや、屈服させられちゃいましたか?セツ君に」
「ニャ、ニャンデ!貴女がその事を?‥‥‥ヒグッ!」
「あの時はあんなに嬉しそうにしておりましたのに」
「だ、だから、貴女はさっきから何の話をしているのよ‥‥‥‥‥‥」
「あらあら、惠さんたら。また、イヤらしい想像をしていましたね?私は単なる鞭打ちの話をしていただけですのに‥‥‥‥エッチな方ですね?惠さん」
「私はエッチじゃニャイわよ!‥‥‥‥ウニャアアアアア!!!‥‥‥‥」ガクン
私はそう叫びながら意識を失ったのでした。
「あらあら~!また、意識が飛んでしまいましたね。惠さん」
数時間後。
「ん?‥‥‥‥こ、ここは?私は‥‥‥悪い夢を見ていたのかしら?裸にされて天王洲さんに弄ばれて」
「おっ!気づいたか?委員長。いやー良かった。良かった」
「えっ?この声、セツ‥‥‥神成君?何で私の頭の上から聞こえて?」
私はそう言いながら目を開じた。
「よう!」
「か、神成君?何で貴方が私と一緒に?‥‥‥‥それに私の服?!」
私は急いで周りの状況を確認した。私の服装は体操着の状態、お腹の模様の様な所に神成君の両手が置かれている。
「は、離しなさいこのエロおと‥‥‥‥ニャアアアアア!!お腹が熱い?」
「その叫び方、セシリアみたいだな!‥‥‥‥元気にしてるかな?セシリアのやつ」
「アアアア!セシリア?誰よ!その女の子‥‥ニャアアアアア!」
「何で女の子って決めつけんだよ。君もアヤネも」
「やっぱり女の子じゃニャイイイイイ!ハァ、ハァ‥‥‥な、何でこんなに敏感になってるの?私の身体?!」
「あぁ、それはその首輪に付けられている『強制の輪』の効果で俺に敵対意識を向けると身体に痒みが流れるというものでな」
「何でそんな物を私に着けて!くうぅ~」
「いや、何でもさぁ、君には魔法の才能があるんだってよ。あのTAMAKIいわくな」
「魔法の才能?何よ魔法って?ゲームの世界じゃああるましい。非現実的だわ」
私がそう言った瞬間。
「‥‥‥こんな感じなやつだ。聖魔法『聖者の祝福』」
「な、何?これ?私の身体が軽くなって、疲労感も無くなったわ」
「それが聖魔法『聖者の祝福』の力さ。浄化の力で幻影や幻術を打ち破るんだ。‥‥‥‥(アヤネのやつ、委員長に幻術魔法を使いやがったな。後でお仕置きしてやろう)」
「‥‥‥‥これが魔法?私にも使えるの?」
「らしいな。タマキいわく。君には魔法と剣技を覚えさせたいんだと。あのタマキが欲しがる程なんだから、君の才能は凄いんだろうな」
「‥‥‥‥私の才能?‥‥‥‥ねえ?その魔法はどうしたら使えるようになるの?」
「ん?こうしたら使えるようになるぞ。『魔法紋章』、『強制の輪』、『魔気孔』同時解放!」
神成君がそう唱えた瞬間。
「‥‥‥‥‥?!ウニャアアアアア!!!身体全体に痒みが広がってくりゅう?」
私は身体全体を激しく揺らし、悶え始めた。
「おお!すげえ魔力に‥‥‥‥そしてすげえ揺れてるぞ!委員長。素晴らしい」
‥‥‥‥‥後でこの男は張り倒す!
「ふ、ぶさけて無いでこの痒みをどうにかしてよ!神成君!」
「あ、あぁ、そうだった!‥‥‥‥火魔法『焔』って唱えてみな!委員長」
「ひ、火魔法?‥‥『焔』!!」
ポワン!
‥‥‥‥神成君に言われた通り。火魔法『焔』を唱えた瞬間。私の掌に小さな赤い火の玉が現れた。
「あ、あれ?痒みも和らいでいく?」
「凄いな。初めての魔法で、もう魔法を作れている。確かにこれは天才かもな」
「私が‥‥‥‥魔法の天才?」
「あぁ、頑張ってこうな!委員長」
「う、うん‥‥‥フルフル。いけない、いけない流される所だった。い、嫌よ!そんなの私には学校があるのよ」
「便利魔道具。『写し身の虚像』で委員長の分身が分かりに動いてくれるそうだ。意識は共有するから学校の勉強に遅れることもないそうだってタマキが言ってたぞ」
「な、何よそれ!そ、それに私には神無月道場で帰りを待ったいてくれるお爺様やお母様が‥‥‥‥」
「さっき委員長のお爺様に電話してな。貴方のお孫さん、成績を伸ばすために神成邸に住みたいとか言ってましたよ!とか言ったら二つ返事で宜しく頼むって言ってたぞ。神無月師範。だから、分身の方は俺ん家に住むから問題ないぞ」
「あんの!バカお爺様!何でそんな簡単に可愛い孫を得体の知らない男の家に行かせられるのよ」
「神無月師範が俺を知らないわけ無いだろう?俺が神無月道場から引き上げた後、早々に天王洲道場に住み付いて。俺に神無月流の極意まで教えてくれたんだからな」
「な、何よ、その初めて聞いたんだけど?」
「あれ?神無月師範から聞いてなかったのか?孫娘に何かあれば宜しく頼むとも言われてたのにさ」
「そ、そんな話も初めて聞いたわよ。それにあの師範。長いこと神無月道場を開けてたと思ったらそんな事やっていたなんて‥‥‥‥何、やってんのよお爺様ったら!」
私がプンスカと身体を揺らして怒った。
『夜叉の部屋』
「フフフ、あれでもう完全に墜ちましたわね。惠さん。これで貴女も快楽墜ち‥‥‥‥そして、私と同じ此方がに来てしまいました‥‥‥もう逃げられませんよ。神無月 惠さん。フフフ、フフフフフフ」
「ア、アヤネ殿がヤンデレ目になって中二病を発症しておりまする。これは早く皆殿に知らせねば」
バタバタ!
「って!夜叉ちゃん?!何をしようと?‥‥‥不味いですわ、早くお止めしないと。私がヤンデレ中二病に認定されてしまいます!‥‥‥夜叉ちゃん待って!待って!下さい!!」
バタバタ!ガダン!
逃しませんよ?貴女も此方側なるのです編。
終




