例の件
『十数年前・ 一翠院 財閥パーティー』
(こんばんは、今回は呼んでくれてありがとう。幸四郎さん、咲耶ちゃん)
(おお!神成君!良く来てくれた!ほら、サクヤも挨拶しなさい)
(はい!お父様。神成おじ様。お久しぶりで‥‥‥す?‥‥‥神成おじ様‥‥‥‥その隣の可愛い子は?誰ですか?‥‥‥‥)
(ん?あぁ、さぁ、セツナ。お二人にちゃんと挨拶して!)
(は、はい!お父様。初めまして、幸四郎様、サクヤ様、神成 セツナです。宜しくお願いいたし‥‥‥‥)
(きゃわわ!!!何ですか?この可愛い生物は?さぁ、お姉ちゃんと彼方でお話しましょう。セツナ君!)
(は?‥‥‥‥は‥‥‥い?サクヤさん)
(可愛い子ゲット!!お父様。神成おじ様!私達は彼方の空き室で少しお休み致しま‥‥‥‥)
(ダメに決まってるだろう!!サクヤ!!お前は、お父さんの近くに居なさい!‥‥‥サクヤは暴走すると何をしでかすか分からないんだから‥‥‥)
(‥‥‥‥あの、幸四郎さん。うちの息子とサクヤさんがもう居ないのですが‥‥‥‥いったい何処に?)
(は、はぁー?!警備班!急いでサクヤを探せえーー!あの子が何かする前に捕まえるんだ!!)
(((((はい!幸四郎殿!!!、)))))
『近くの空き室』
(ハァ、ハァ、ハァ、さぁ、私と仲良くしましょうね?セツナ君!!)
(は、はい!サクヤさん。宜しくお願いします)
(あぁ、可愛い!!この子を是非、私の物に‥‥‥‥)
ガチャン!
(ここに居ました!幸四郎殿!!)
(よし!急いで!サクヤを捕まえろ!家に連れて帰る)
(はっ!)
(な、何をするのです?私はこれからセツナ君と!お楽しみを!!は、離して下さい!!セツナ君!セツナ君!)
(ほら、行くぞ!サクヤ!!)
バタン!‥‥‥‥
(な、何だったの?‥‥‥‥まぁ、いいや、お菓子食べようっと‥‥‥)
良くは無かった。あの一翠院のパーティー以来。サクヤさんの俺に対する執着は数年にも渡り続いた。
サクヤさんのお父様。幸四郎さんが俺とサクヤさんの接触を禁ずるまでは‥‥‥‥‥そして、現在
『聖豊中学・生徒会室』
「お久しぶりです。一翠院生徒会長‥‥‥‥」
「サクヤお姉ちゃん!!」
「‥‥‥お久しぶりです。カグヤ生徒会長‥‥‥‥」
「サクヤお姉ちゃん!!!」
「‥‥‥‥‥お久しぶりです。サクヤお姉さん‥‥‥‥」
「まぁ、今日はそれでいいや。セツナ君」
あぁ、疲れる。昔からたまに会うと。こんな風に呼び方を強要してくるのだ。
だから、以前の門倉先輩の件でも。この人が居ない時に解決できてウザ絡みされる事なく終われたというのに。
今回は差しの呼び出しである。
『一翠院昨夜 』生徒会長
歴代の聖豊中学の生徒会長でも5本の指に入る優秀さだどか。ただ一つ、欠点が有るとすれば‥‥‥‥
「いやー!この間の門倉君の事件は本当にごめんなさい。セツナ君」
「‥‥‥あの、手を離して下さい。生徒会長」
「何で?」
「いや、何でじゃなく‥‥‥‥」
重度のショタコンで狙った相手を年単位で狙い続ける。
猛者なのである。
「その手を離してあげなさい!サクヤ!!!」
バシン!
「あっ!痛!な、何をするの!!三ノ宮君」
「‥‥‥‥三ノ宮先輩も居たんですか?」
「あ、あぁ!さっき、サクヤに頼まれてた仕事が片付いてね‥‥‥その様子だと。また、ウザ絡みされてた?」
「はい!」
「はっ?!酷い!セツナ!私がこんなに‥‥‥」
「黙ってろ!サクヤ!!」
バシン!
「キャン!‥‥‥」
『三ノ宮 史郎』副会長
一翠院生徒会長の右腕にして三ノ宮カンパニーの御曹司だとか。
それよか、この二人の家系。一翠院家と二ノ宮家は、アヤネの天王洲家や可憐ちゃんの天ノ宮家と同じ。『花衆十二家』の二家である。
簡単にいうと名家のお家柄だ。
「はぁ~!さて!神成くん。お昼休みなのに当然呼び出してしまって悪かったね。済まない」
三ノ宮先輩はそう言うと俺に頭を下げた。
「い、いえ!お構い無く。どうせ、暇だったので‥‥‥」
実際の所、暇であった。近々、行われる。大イベント『選抜際』の準備で俺の所属する。2年A組を初めとした。全クラスが、クラスの垣根を超えて。準備にせいを出していたのである。
「そうかい?それなら良かったけど‥‥‥それと今回、呼び出したのはもう一つ用事があってね」
「もう一つの用事?」
「あぁ、数ヶ月前の門倉君の件でね」
「門倉先輩?‥‥‥‥あぁ、さっき、生徒会長が言っていた」
「だから、サクヤお姉ちゃん!!」
「黙っていろ!ショタコン犯罪者予備軍が!お前はもう少し生徒会長としての自覚をもて!サクヤ!!」
「はぁ?何よ!自分は年下好きのくせして!知ってんだからね?書記の可憐ちゃんをいつも嫌らしい眼で見てることなんて!!」
「い、イヤらしい眼でなど決して見ていない。ただ、ただ、愛でているだけだ!僕は!」
「それをイヤらしい眼で見てるって言うのよ!史郎!!」
‥‥‥‥俺の目の前で生徒会長と副会長のケンカが始まってしまった。
「あ、あの~!その門倉先輩の件って?」
「ハァ、ハァ、ハァ、!あぁ、済まない。神成君!離せ!サクヤ!」
「キャウン!酷い!」ドサッ!
女性に対して‥‥‥いや、生徒会長に対してとても酷い扱いだと思ったが。カグヤさんも何故か嬉しそうなので気にしない事にした。
「遅くなってしまったが!門倉の件では本当に申し訳なかった。同じ3年の僕達が解決するべき問題を、2年である。君を巻き込んでしまって‥‥‥‥本当に申し訳なかった」
三ノ宮先輩はそう言うとまた、頭を深々と下げた。
「ほら!君も頭を下げろ!サクヤ!」
「わ、分かってるわよ!史郎!!セツナ君!本当にごめんなさい」
「い、いえ、もう終わった事ですし。被害にあった子も。無事に学校に来れていますから。良かったです」
「そ、そうか、そう言ってくれてくれるとは思わなかった‥‥‥‥」
「えぇ、2年で最大の派閥である。君にケンカを吹っ掛けたんだから。何かしらの罵声を浴びると思ったわ」
「失言は避けろ!サクヤ!静かしていろ!」ガバッ!
「もが?!んー!んー!」
本当に失言が多い生徒会長だな。‥‥‥‥なんか、噂や憶測で考えてたよりもこの人達。かなり、面白い人達だな。
「‥‥‥‥まぁ、門倉の事を許してくれた事は感謝する‥‥‥‥感謝するのだが‥‥‥‥」
「感謝するのだか?」
ん?イヤな予感がするな。
「その門倉の件で会計の席と生徒会に降りる筈だった。来年度予算が凍結になってね」
「‥‥‥‥はぁ、それは大変ですね。さようなら‥‥‥」
「駄目よ!セツナ君!まだ、話しは終わってないんだから!」ピッ!ガチャリ!
カグヤ生徒会長はそう言うと何かのボタンを押した。そうする生徒会室の扉の鍵が掛けられてしまった。
「はっ?サクヤ生徒会長。あんた、何して?‥‥‥」
「セツナ君。今日、君を呼んだのは他でもない。門倉君の会計の席を君が生徒会に入って埋めてほしいんだ」
「お断りします。さようなら」
俺がそう言って窓から飛び降り様とした瞬間。
「このままだと!来年、生徒会長になる予定のアヤネちゃんに責任がいく事になるのよ!セツナ君」
「‥‥‥はっ?今、なんて?言いました?カグヤ生徒会長」
「‥‥‥‥そのね、とても言いづらいんだけど。今回、起きた門倉君の件には、アヤネちゃんの派閥の子も被害者として関わっていたでしょう?」
「‥‥‥‥ええ、アヤネの親友の甘露寺 芽愛さんなんて特に」
「それでね、その親友すら助けられず。挙げ句には生徒会の運営もできないのかと他の聖豊中学の組織の人達に責められる事になって。この学校を卒業後に進学するであろう『天領高校』に進学後に多方面から難癖をつけれてしまうのよ」
「いやいや、それはもう。カグヤ生徒会長の代から始まる事になるでしょう?門倉先輩を初めとした。あれだけの転校者や編入者を出したんですから‥‥‥」
「そ、それはそうなのだが、この門倉の件は僕達の代で決着を着けるつもりだ。後から来る後輩達に他の地方から来る、奴等に嫌がらせをさせない為に!」
「それで、門倉先輩と対峙した。俺に白羽の矢を立てたと?」
「あぁ、恥を忍んでお願いしている。それに日頃の君の問題行動もカグヤの世代の僕達はかなり多めに見ていると思っているんだ!違うかな?」
「うぅ!そ、それは‥‥‥‥」
‥‥‥それは確かにそうだ。聖豊中学に入学してからというもの。好き勝手にイベントやケンカ等を繰り広げてきた。それが今まで表だって問題にならなかったのはこの二人の力が働いていたのだろう。
「‥‥‥会計のお話は置いておいて。生徒会の来年度予算はどれ位必要なんですか?」
「ほらー!やっぱり、保留にされたじゃない!史郎ー!」
「カグヤは黙っていろ!‥‥‥この位だ!神成君‥‥‥‥」
三ノ宮先輩はそう言うと俺に自身のスマホを見せてくる。
「‥‥‥‥えーっと?‥‥‥ほうほう‥‥‥ちょっとお待ちを!」
「ん?あ、あぁ!」
俺はそう言うとスマホを取り出して。執事長である。桐生さんに電話をかけた。
「もしもし?桐生さん。今、大丈夫ですか?」
「はい、セツナ坊ちゃま?何かの、この爺やにご用でしょうか?」
「うん!桐生さん。俺の隠し口座から直ぐに○○○○○円をアヤネの口座に入金しておいてくれますか?」
「アヤネ様のですか?わ、分かりました。直ぐに手配致します」
ピッ!
「‥‥‥これで来年度の予算の問題は片付きましたよ。会計の方は少し、宛てがあるので待ってて下さい‥‥‥そして、カグヤ生徒会長。手を離せ!」
「‥‥‥何故かしら?」
「手を離させ!ショタコン!!これ以上、神成君を刺激するな」
バシン!
「キャウン!」
これが歴代でも5本の指に生徒会長の姿か?‥‥‥いや、こういう、普段は変人な、人程、能力は高いと言うしな。
「無茶なお願いを頼んでしまって。済まなかった!神成君。お礼といってはなんだが、何か困った時は一翠院と三ノ宮の家の名前を使ってくれ。‥‥‥これが今、俺達にできる精一杯の報酬だ」
「‥‥‥‥マジですか!お二人の‥‥‥‥それは何とも最高の報酬ですね」
「それと私と遊びに‥‥‥」
「大人しくしていろ!カグヤ!!」
「ガフッ!」
「あぁ、そうだ。最後に‥‥‥‥神成君」
「はい?」
「今回、行われる『選抜際』に十分気をつけるんだ。門倉の件で君を敵視している三年も多い。何をされるか分からないからな!何かあれば僕か‥‥‥‥少し心配だがカグヤに相談してくれ」
三ノ宮先輩はそう言うと俺の肩に手を置いた。
‥‥‥‥三ノ宮 史郎先輩か!この人は何とも頼もしい先輩だな!それに比べてこの生徒会長は‥‥‥‥‥まぁ、いいか。
「はい!ありがとうございます!三ノ宮先輩。時間があったらご飯でも行きましょう」
「わ、私は?セツナ君?」
「あぁ、今日はありがとう」
「はい!失礼します!三ノ宮先輩‥‥‥カグヤ生徒会長」バッ!
「?!いや、神成君!ここ、四階‥‥‥って、いない?」
「まるで忍者ね!流石は神成家のご子息~!‥‥‥じゃあ、私達も『聖抜際』に向けて準備を急ぎましょう!史郎!」
「それと平行して時期、会計も探さないとな。はぁ~!彼には迷惑をかけられるし。かけてしまったりと。何とも不思議な関係だな。全く」
「まぁ、それが彼の魅力なのよ!史郎!さぁ、仕事を再開しましょう」
「君はいつも元気だな。サクヤ‥‥‥‥あぁ、頑張ろう」
生徒会長と副会長はそう言いながら作業を始めたのだった。
久しぶりに日常編書いていますが。やっぱり文字数多くなりますね‥‥‥‥すみません。
今回もお読み頂きましてありがとうございます。
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