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只今、秘密の部屋

『神成邸・秘密の部屋』


カチンッ!


「これも駄目‥‥‥」


カチンッ!


「七聖―女神―の杖『ラファエル』と『飛来槍・麒麟』も手入れをしないと駄目。他にも色々と‥‥‥」


魔法世界アリーナから帰還してから。早い様で1ヶ月が経過していた。

その間はまさに地獄だった。『セルビア』滞在中にアルディスと一時的にこちらの世界。『地球』に戻って来ている時である。


何人かの知り合いにアルディスを見られてしまっていたらしく。事ある事にアルディス‥‥‥アルについて聞かれ、問い詰められ、挙げ句の果てには正座をさせられた後に、拷問でお馴染みの石段を正座をしている上から乗せられ続けたのである。


俺はそれに耐えきれなくなり。神成家の地下にある。秘密の地下へと隠れ住むようになったのだった。


「‥‥‥さっきから何をなさっているんですか?ご主人様?」


コイツは契約者のタマキ。アリーナ世界。エウロペ大陸に存在する、7の秘宝の一つ『黄金の宝物庫』で七聖―女神―アテナ様の眷属だ。


「あぁ、これか?タマキ。前回のエウロペ大陸の冒険で損傷した武器達の確認だよ。いちを帰ってきて直ぐに応急措置はしたけど‥‥‥‥そろそろ、直してやらないと不味いしな。特にメリュジーヌ卿との闘いで破損させてしまった『雷光鞭(らいこうべん)』は酷い有り様だからな」


「では、もう一度。アリーナへ行くんですか?ご主人様」


「まぁ、そうだな‥‥‥とりあえず、準備が終わったら行こうとは考えているよ」


「分かりました。うちもしっかり準備しておきます」


「あぁ、頼むよ!タマキ」


そんな話をタマキと話していると。


「おーい!セツナ!何処に隠れておるのだ!」


「セツ君!何処にかくれているのですかー?」


「セツナ様!!」


上から騒がしい女の子数人の声が聴こえてくる。


「はぁ~!またか、全く‥‥‥‥さて居場所がバレないように地下へ地下へと掘り進め逃げていくか」


「‥‥‥ご主人様。何故そこまで隠れ様とするんですか?他の男性から見たらご主人様の今の環境は天国なのでは?」


「タマキにはそう見えるのか?」


「はい!俗に言うハーレムと言うやつなのでは?」


「‥‥‥‥昔はそれもいいと思ってたけどな。『セルビア』でアルディスに‥‥‥‥いや、アルに出会って色々と考えが変わったよ。そう色々な考え方が変わったんだ『セルビア』でな」


俺はそう言うとタマキを撫でた。


「は、はぁ、そうなんですか‥‥‥‥了解です」


「まぁ、そんな訳で最近の俺はこの環境から逃げたいと思っている。帰って来た時はエスフィールと楽しく暮らせると思っていたが。仲間を得たエスフィールは変わった。羊を狩る狼の様に俺を追いかけ回すのだ」


「それはご主人様が魔王領の最後らへんで色々とやらかしたせいでは?」


「‥‥‥‥‥いや、それと君のせいだうが!彩音や芽愛さんに (アリーナ世界のお土産です)とか言って。皆にあアリーナでの俺の様子を報告するからだろう」


「そんな事もありましたね。1ヶ月前位に‥‥‥」


「今、思えばあれが地獄の始まりだった。神成家での俺の居場所は無くなり。一番上の秘密の部屋は見つかってしまったしな」


「だから、更に地中深くを掘って。秘密の部屋No.2を作られたんですか?」


「あぁ、前より広いだろう?魔道札さまさまだ!部屋の強度を底上げしてくれて。絶対に生き埋めにならないようにしている」


「‥‥‥まさか貴重な魔道札をこのように使われるとは」


「彩音達に見つかって拷問されるよりはマシだ」


そんな話をタマキとしながら俺は神成家の地下を掘り進める。掘った砂は黄金の宝物庫へ。そして拡張した部屋と通路は土を鉄鋼化させる魔道具と魔道札で補強していく。


「魔力は‥‥‥フンッ!‥‥‥やはり使えない」


「当たり前ですよ!こちら‥‥‥地球では魔力は魔道具意外使えませんから。あのアテナ様‥‥‥七聖―女神―様。神々でさえこちらの世界には夢の中、意外では干渉できませんから」


「そんな風に聞くとさ!‥‥‥‥なんか守られてるみたいだよな?‥‥‥‥何かしらの大いなる意思?みたいなモノに‥‥‥‥この地球はさ」


「‥‥‥そんな事、うちには分かりかねます」


「‥‥そうだよな。悪い憶測で変なこと言ってしまったよ」


「いいえ!そんな‥‥‥」


「そんな、事よりもセツナ殿!夜叉は何をすれば宜しいですか?」


「あぁ、夜叉巫女か!そうだな、君はあの土石を魔法の袋の中に!‥‥‥‥ちょっとまて?!何で君がここに入る?」


「はい?夜叉ですか?」


「そうだよ!君だよ!」


「何を(おっしゃ)います!セツナ殿があの異空間‥‥‥黄金の宝物庫に入って休んでいてくれと言ったのではないですか?」


「‥‥‥‥あっ!‥‥‥‥本当だ‥‥‥」


「やっちゃいましたね。ご主人様‥‥‥ウキウキ」


邪悪な笑みを浮かべるタマキ。


「セツナ殿?体調でも悪いのですか?」


夜叉巫女は俺が静かにしているのが気になったらしく俺に近付いて、俺の顔を覗き込んでくる。


「‥‥‥‥君、なんか前より‥‥‥」


「はい?」


「なんか、女の子ぽっくなったか?服装もなんか、巫女風のコスプレみたいだし!」


そうなのである。スパイング山脈で闘った時の夜叉巫女は武芸者の様な格好だったのだが、現在は上半袖で(わき)が丸見え。下は着物風のミニスカートと露出度の高い衣装に。なんと、(しっか)りと化粧も決めているではないか。


「これですか?‥‥‥これは全て。私のお師匠様である。ラファエル様のお陰です」


「ラファエルのお陰?」


「はい!夜叉に女の子としての生き方、闘い方を一から教えて頂きました。だから、今後はご主人様である。セツナ殿に恥をかかせぬよう。確りと女の子らしく振る舞いまする」ニコリ!


夜叉巫女はそう言うと俺に笑顔をむけてくるのであった。


「‥‥‥‥ラファエルめ!余計な教育を!そして、また悩みの種が一つ増えてしまったじゃないかーー!はぁー!」

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