信じている
『次元の間』
ぐにゃん~ぐにゃん~
ぐにゃん~ぐにゃん~
「相変わらずのカ◯ジみたいな場所だな。ここは」
「だから、何なのだ?そのカイジとは?」
「それはな!伝説の賭博の‥‥‥」
俺がカイ◯伝説について説明しようとした瞬間。
「ユグドラシルの眷属に変な事、教え込もうとしてんじゃないわよ!セツナ」
「まぁまあ、アテナちゃん」
二つの人影が俺達の前に現れた。
「あ、貴女はアテナ様と」
「ユグドラシル様?」
タマキとエスフィールがビックリした顔で。いきなり現れた七聖―女神―の二人を見ている。
「‥‥‥‥最後らへんで現れるかなとは思っていたが、まさか、このタイミングだとはな‥‥‥」
「何を嫌そうな顔をしているのかしら?セツナ?!」
アテナ様が俺に顔を近づけてプンスカと頬を膨らませ始めた。
「いえ、別に!」
「おい!セツナ。七聖―女神―様に対してその様な態度を」
「良いんだよ!エスフィール。こんな、アホのせいで今回の旅も何回も死にそうな思いをしたんだからな。本当、なんでこんなのが俺の眷属の神様なんだ?フレイヤ様かヘファイストス様の方がよっぽど相性が良いだろうに」
ブチン!
「何を言ってんのよ?!このお馬鹿は!逃がさない!逃がさないんだからね。優秀な眷属!一生、貴方を酷使するって決めているんだから」
何故か恐ろしい事を叫び始める。アテナ神。
「それは聞き捨てならぬな!七聖―女神―アテナ神よ!」
シュイン!
「あ、あんたは『列島・大陸』の七原竜・『黒龍・八岐大蛇』?!」
「久しいな!―女神―アテナに―女神―ユグドラシル。先ほどの話。聞かせてもらったがな。我が新しき主を酷使するだと?」
「うぅ!そ、そうよ!セツナは私の眷属なんだか!当たり前でしょう?!」
「ならば、その話、我、『黒龍・八岐大蛇』と和国に入る同じく七原竜の『鳴神』が許さぬ。我等は貴様らと同じ『始祖・神集九煌』なれど。立場は違う。我等は協力すべき者がいればその者に従うのだ」
「‥‥‥‥前はセツナとあれだけ敵対してたくせに何を今さら‥‥‥」
「されどだ!間違っても変な気は起こすなよ!七聖―女神―。でしゃばれば我等が出てくると思え」
「‥‥‥‥うぅ!」
「まぁまあ、大蛇様。お怒りはその辺でお静め下さい。あっ!これ、ユグドラシル地方の地酒です。どうぞ」
ユグドラシル様はそう言うと大蛇に酒を渡した。
「おぉ、流石、ユグドラシル殿。分かっておる。‥‥‥―女神―アテナよ!貴様も少しは―女神―ユグドラシルを見習え。同じ眷属を持つ者としてな。では、サラバ!」
シュイン!
「んな?!そ、そんなのあんたに言われなくたって分かってるわよ!‥‥‥ってもういないし」
「神様コントは終わったか?」
「誰が神様コントよ!全く」
「それで?最後の最後で何でいきなり現れたんだ?嫌がらせか?アテナ様?」
「ち、違うわよ!全く!何で貴方もあの大蛇と似たようなこと言うのよ?」グスン!
「おい!セツナ。余り、アテナ様を弄るなバチが当たるぞ!」
怒る。エスフィール。
「そ、そうよ!そう!ユナ・エスフィールちゃんの言う通りよ!セツナ!しかも私が新しく上げた力も使わないし!何なのよ全く!」
「‥‥‥‥新しく力じゃと?」
エスフィールが怪しげに俺を見る。不味い。
「あ、あれなあ~!今回は別に使わなくてもいけると思って使わなかったんだ~!また、別の機会に使わせてもらいますよ~」
「そうなら、良かったは!じゃあ、今回のお礼に新しい力を授けるは!セツナ」
「はっ?」「はい?」「えっ?」
ユグドラシル様を含め。俺達、3人はアテナ様の発言に驚く。
「ア、アテナちゃん?『女神の加護』‥‥‥特殊魔法は基本的には1人、一つまでって決まっているでしょう?」
「そ、そうだ!流石にもう要らんぞ‥‥‥いえ、入りませんよ、アテナ様‥‥‥」
「‥‥‥‥もう、遅いわよ!セツナ。もう、付与しちゃったし!今回は報酬として3つ‥‥‥いえ、4つあげちゃったからね!上手く使いなさい!」ドヤァ~!
「いや!何、ドヤ顔してんだ!前に貰った二つの能力も使ってないのに更に4つだと?!おい!」
「あっ!バイトの時間だわ!バイバイ~!タマキもまたね!」
「はい!アテナ様!!」
随分、あっさりしてんたな!タマキ。
「おい!何処の江◯2時50分だよ!アホ―女神―!!」
「あらあら~!これは後で他の子達に怒られるわね~!エスフィールちゃんには私から一つあげますね」
「は、はい!ユグドラシル様!」
エスフィールが背筋をピシッと伸ばす。
「そうですね‥‥‥‥今回は‥‥‥◯◯魔法をエスフィールちゃんに授けますね。今後の闘いで役立てて下さい。今回は本当にありがとう。お二人共、ユグドラシル地方を救ってくれてありがとうございました。では、また、何処かでお会いしましょう。さようなら」
「ユ、ユグドラシル様?今後の闘いとは?」
エスフィールがそう尋ねた瞬間。
「あっ!そろそろ出口です!ご主人様、エスフィール嬢!」
「いや、それよりも。先ほど、ユグドラシル様が気になる事をじゃな‥‥‥」
「いや~!アリーナの旅も長かったな。エスフィール!さぁ、切り替え、切り替えだ!暫くは地球でゆっくり凄そう!」
「セ、セツナ!その反応。お主何か知っておるな!」
「まぁ、色々と知っているけど。大丈夫だ!色々な」
「な、何が大丈夫なんじゃ?」
「いや、だって俺は君の選択を信じているからさ!大丈夫!何とかなるさ!君と俺が入ればな!何とかなる!」
「いや!そう言ってくれるのは嬉しいのじゃがああ!!」
エスフィールはそう言いながら転移門の出口を潜る。
「大丈夫さ!エスフィール。次の闘いが来てもまた、俺達で何とかできる!君と俺とならどんな試練でも越えられるさ!‥‥‥なんたって俺は君を信じているんだから」
そうして、俺も転移門の出口わ潜るのだった。
『魔法世界・アリーナ編 君の選択を信じている』編
終了。
第一部『勇者と魔王の帰還』完
今回を持ちまして。
『魔法世界・アリーナ編 君の選択を信じている』編
及び
第一部『勇者と魔王の帰還』は終了となります。
次回から『日常編』パートになります。
魔法バトルや異世界は暫く出ませんのでご了承下さい。
今回も最後までお読み頂きありがとうございました。
ブックマーク&評価を頂けると。執筆の原動力になり。私は躍り狂います。
本日もありがとうございました。




