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再終決戦 ROUND6 『雷流』

『選手控え場』


「大丈夫かにゃあ?黒騎士!」


「あぁ、心配してくれてありがとうよ!アインズさ‥‥‥‥」


「ほらにゃあ、この『賢者の石の雫』をのむにゃぞ」


ズボリ!!

セシリアは『賢者の石の雫』をヒスイの口へと押し込んだ。


「ガボ?グボ?!」ゴクン!ゴクン!


「うにゃあ?黒騎士の身体が光初めて?‥‥‥‥」


シュイーン!


ガバッ!


「にゃあ?!ビックリしたにゃあ!」


「うおぉぉぉ!!疲労と傷が一瞬で治りやがっただと?」


「良かったにゃあ!黒騎士」


「アインズさんよう!その液体は何だ?!」


「セツニャがくれた。『賢者の石の雫』にゃあ!あっちに帰る前に渡しとくって言ってたにゃぞ!ほれ、黒騎士の分にゃぞ!」


セシリアはそう言うとヒスイに『賢者の石の雫』を渡した。


「カミナリの野郎。マジでどんだけの秘宝と財宝を隠し持ってやがんだ?『賢者の石』なんて他大陸の神宝だろうによう」


「そんにゃ事より。わっちが気になるのはにゃんでセツニャの奴はメイエスとの闘いであんにゃに全力何にゃあ?」


「気づいてなかったかい?アインズさん!今回の旅でよう!魔王様は闘った敵相手に1度も本気で闘ってねえんだ!」


「‥‥‥‥そういえば、そうだにゃあ‥‥‥‥しかも『武神鎧』を使ったのも『セルビア』の最後の時だけだったにゃあ」


「だろう?!だから、カミナリの野郎も遠慮なくやってんだろうぜ!」



『闘技場・中央』


(‥‥‥思ったよりも固いようだ。新しき主)


「あぁ、あの盾はユグドラシル様の加護を受けている。七原竜『黒龍・八岐大蛇』と同等の力を有していということだな」


(思ったよりもやるのだな。あの魔王の小娘は)


「だろう?それだけじゃない。彼女は(りょく)魔法と闇魔法も使いこなす。凄い子なんだ!」


(‥‥‥成る程。我を使うのも納得がいく)


「だから最初から全力で行くぞ!大蛇!」


(おう!)


「何を長話をしておるか、大蛇が入るからといって。スパンイグ山脈の時の様にビビったりはせぬぞ!(りょく)魔法『森羅・樹海遠来』」


闘技場内に大量の樹木が地面から生えて来る。


『大臣・貴族観客席』


「あれが魔王様の緑魔法か‥‥‥」


「現代の魔王様は魔法族と聞いていたが。先代魔王カシア様と同じで珍しい魔法属性を扱うのだな」


「フフフ、そうでしょう。うちの秘蔵っ子ですよ!当たり前です」


嬉しそうに笑顔で笑うアイリスさんが観客席に見えた。なんと可愛らしい笑顔だろうか?あれで二児の母とは驚かされる。


「何を余所見(よそみ)しておるか?セツナよ!『林鞭・樹海進行』‥‥‥‥行け!ユグドラシルの樹木達よ!」


「フレイヤ草原の『ブラックブルー』の群れの大進行かよ?!ミカエル!!!」


「アハハ!ハ~イ!行きますよ!御二人共!」


((おう!!))


朝来晴流(ちょうらいせいりゅう)・『二対の炎天』」


ミカエルが『林鞭・樹海進行』に向かって、二対の剣を振り上げた。


ボオオオオオ!!!!

ドドドドドドドドドドドド!!!!


「‥‥‥‥まさか、樹海が一瞬で燃やし尽くされるとはな‥‥‥‥」


「だから、ミカエルに顕現してもらったんだよ!エスフィール!『蛇拕剣(じゃくだけん)』」


そう言って俺はエスフィールに向かって天叢雲剣を振り上げるが‥‥‥‥


ガキーン!!


「くっ!固い!」


(あの小娘がユグドラシルの正当な眷属なのだろう。だから、あれだけの力を行使できるのだ。新しき主)


「だよな‥‥‥たくっ!」


「どうした?セツナ。そんな事では、私を地球に連れていけぬぞ!」


「だろうな!エスフィール!『草薙の太刀』!!!」


ガキーン!ピシッ!


「?!少し割れたか?』


(‥‥‥‥あぁ、だがあの固さ‥‥‥カマの街で闘った『死神』の鎌よりもよっぽど強固の様だ。我が人神に戻るか?新しき主)


「いや、このままで良い。大蛇、エスフィールの狙いは俺と大蛇を分断させる事だろうしな」


(では、どうする?)


「神話・回帰で‥‥‥」


「させぬ!闇魔法‥‥神代・回帰『魔王の闇城』」


「ここに来て、闇魔法かよ!しかも、闇魔法結界か!」


(何故、嬉しそうなのだ?新しき主は‥‥‥)


「何言ってんだ!大蛇。これまでの仲間が見たこともない技を使って闘ってくれるんだぞ?これ程、熱い展開はなかなかないぞ!聖魔法‥‥‥神代・回帰『―女神―の聖家』」


ゴーン!ゴーン!ゴーン!ゴーン!


何処からともなく鐘の音が響き渡る。


『観客席』


「綺麗ー!白い教会が地面から現れたわ」


「魔王様の方は‥‥‥黒い魔王城か?あれは?」


「白と黒の建物が折り重なってる?」


観客席から次々と観客達の感想が聴こえてくる。


『闘技場・中央』


「闇魔法結界を聖魔法結界で中和したのか?‥‥‥‥やはり、戦闘中の咄嗟(とっさ)の判断はずば抜けておるな。お主は」


「どこぞのポケ◯ンの鉄壁瞑想ヤド◯ンじゃないんだ。これ以上、固くなられたらたまったもんじゃないないぞ!エスフィール!!」


「‥‥‥私の魔法の本質がバレておったか」


「『守り』だろう?緑魔法で相手を拘束と遠距離攻撃、闇魔法で止めか、束縛、そして、絶対防御の『武神鎧』‥‥‥ユグドラの盾か?流石は、歴代最年少で魔王の座に着いた女の子だよ!君は」


「神ノ剣を使い、数々のチート技を使うお主に言われたくないがな‥‥‥まぁ、褒め言葉だと思っておこう。『武神鎧』‥‥‥いや、ユグドラの盾よ!行くぞ!」


「ブモ?‥‥‥‥ふん‥‥‥」


あれ?言うこと聞いてなくないか?ユグドラの盾。


「貴様!そろそろ、私の言うことをちゃんと聞けーー!!」


「ブモ?プププ!ブモーー!」


あれ?馬鹿にされてないか?あれ


「くっ!セシリアのヘカテス同様。食い物で釣るしかないか。‥‥‥‥よし!ユグドラの盾よ!この闘いが終わった後、セツナの地球飯を貴様に与える。だから、私の言うことをきくのだ!ブシンよ!」


何でやねん!また、俺の飯かよ!


「ブモブモ??ブモーー!」


「おお!!やる気になってくれたか?ブシン!よし!行くぞ!武神鎧・『ユグドラの神罰』」


「ブモブモーーー!!」


エスフィールの奴、滅茶苦茶、必死じゃないか?


「アハハ!来ますよ!主様!!」


ミカエルがそう叫んだ瞬間。


武神鎧から閃光が俺に向かって放たれる。


「はっ?光の光線‥‥‥?」


俺がその閃光に目を奪われていると。


「‥‥‥‥少し魅力の力を感じますね。魔王領の新魔王には‥‥‥‥朝来晴流(ちょうらいせいりゅう)・『炎天使の朱円』」


ミカエルが俺の前にいきなり現れ。二対の剣を交差し、赤色の天使の羽根の様な防御壁を作り上げた。


「ミカエル?!」


「アハハ!知らず知らずに新魔王の魅力に掛かっておりましたね。主様!あっちは七聖の力‥‥‥少ししか持ちません。主様!」


ミカエルはそう言うと俺の方を見た。


「ミカエル‥‥‥‥」


(展開は早いが‥‥‥奴はこの闘いをもう終わらせようとしているようだ。新しき主。新しき主との闘いで持久戦が不利だと判断したのだろうよ)


大蛇が冷静に俺に話しかける。


「‥‥‥‥そうだな‥‥どうしたものか‥‥‥」


(我があの盾を一時的に無力化しよう。新しき主。だから、その代わりに。この闘いの後に名酒を‥‥‥)


「あぁ、何でも飲ませてやる!大蛇!転移魔法『位転』」


(おお!流石だ!新しき主よ!!神話・回帰『草那藝之大刀』)


「セツナが転移しただと?何処に?」


「こっちだエスフィール!割らさせてもらうぞ!そのユグドラの盾。天王寺流・一刀『八岐大蛇・一刀剣』」


ザシュン!パリーン!


「くっ!ユグドラの盾が‥‥‥割れ?!」


「あぁ、これで君を守る楯は失くなったな!エスフィール!さぁ、お仕置き‥‥‥いや、終わりだ!エスフィール!そらあ!」


そして、俺はエスフィールのお尻に向かって右手を勢い良く振り上げた。


「はっ?セツナ!貴様!何を?」


パシンッ!


闘技場内にお尻を叩く音が響き渡った。


「ヒギイ?!痺れ?!」


ビリビリビリビリ!!


エスフィールの身体が雷魔法『雷流』によって痺れ始める。


「‥‥‥雷の魔道札だ。少し前に君の魔道具に仕込ませてもらった。そして、君の身体に触れることで『雷流』が発動するよう細工しておいた」


「セツナ!き、貴様、最初からこれが狙いで」


「‥‥‥文句なら地球で聞かせてもらうよ。エスフィール。だから、俺と一緒に‥‥‥」


「いや、わ、私は最初から‥‥‥お主に着いて行く言おうと‥‥‥思ってのおったのにてん‥‥‥‥」バタリ!


「‥‥‥え?」


「勝者!救国の担い手殿!!!」


そうして、審判のたからかな勝利宣言が闘技場に響き渡ったのだった。

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