再終決戦 ROUND5 神煌刀 VS ユグドラの盾
『闘技場・中央』
「まさか、引き分けとわのう。驚いたぞ」
エスフィールは地球に飛ばされる前に着ていた鎧、『武神鎧』を身に付けている。どうやら、本気で闘ってくれるみたいだ。
「ヒスイの奴はスパンイグ山脈からずっと連戦だった。それに『オリエント・メイス』に着いてからも1人で修行してたらしいよ」
「ありがたい事じゃ。魔王領や私達を思っての行動じゃな。ヒスイには後でお礼を言っておこう」
「そうだな」
「それでお主は、その七聖―女神―の杖のみで闘うつもりなのか?セツナよ!お主はもう地球に帰還する前の全盛期の身体や『エクスカリバー』も無いのじゃろう?」
「‥‥‥‥あぁ、無いな。無いなら同等の力の奴等に力を貸してもらうさ!『大蛇』!ウラミ!オンネン!来てくれ!」
「任せよ!新たな主!」「我等はここに!」「おう!」
「酔っ払い三人集じゃと?何故、この者達を?」
「『大蛇』!」
「あぁ、新たな主よ!‥‥‥神話・回帰・神煌具『天叢雲剣』」
「よし!ミカエル!」
「アハハ、はいはい!」
ミカエルが‥‥‥‥七聖―女神―の杖はそう言い終えると赤く光出す。そして‥‥
「ハ~イ!私登場です!!」
「ウラミは朝来剣に!オンネンは晴光剣に変わってくれ!」
「「おう!!」」
「‥‥‥‥なんじゃと?ウラミとオンネンが剣に変わっていく?」
「驚く事じゃないだろう?彼等は元々、冥界の番人の臣下。神格はさっきのレオさんの霊獣より遥かに上だ。自分達の経験を『剣核化』してもおかしくわない。だから試しに2人にやってもらったんだ」
「相変わらず。発想が出鱈目じゃな!お主は」
「あぁ、君に勝つ為なら必死にもなるさ。7の秘宝『武神鎧』を身に付けた。魔法族のエスフィール皇が相手なんだからな。この位しないと勝てないだろう?」
「‥‥‥‥『皇』にはライカがなるじゃろう。その為にライカは『魔法族の里』に修行に行ったからな」
「ライカ?ライハじゃなくてか?」
「ん?あぁ、本当の名前だと何かと面倒らしくてのう。偽名で『夜型のライハ』となっとるらしいのう」
「へー!ライカが本当の名前なのか?あの子。そうだったんだな」
俺がそんな感想を漏らすと。
「‥‥‥‥そういえば、貴様、『セルビア』ではノームに出向いていたのう?もしや、その時、ライカに手など‥‥‥」
「出してない!出してない!つうか知らんぞ。ライカなんて!夜型のライハ殿なら知ってるがな!ライカさんなんて会ってないぞ」
俺は必死に否定する。そうライハ殿は知っている。何故なら知らないうちにとんでもない誓いを建ててしまったかもしれないからだ。
「貴様、それはただの良いわけであろ‥‥」
「し、審判!試合を初めてくれ!」
「え?今、お二人はお話し中では?」
「もう終わった!早く!俺が死ぬ」
「わ、分かりました!では、試合開始!」
「‥‥‥‥後で拷問する!覚えておれ!緑魔法『林鞭』」
エスフィールは枝状のしなる鞭を作り上げた。
「やなこった!どうせ、また、石段だろう?雷魔法『雷纒』」
そして、俺は『天叢雲剣』に雷魔力を纏わせる。
「‥‥‥私の権力でお主が手を出した者達に、貴様が私の妹に手を出したと連絡を送る」
「‥‥‥‥残念だったな。今日で俺はこの世界ともおさらばだ。エスフィール!ハハハハ」
「タマキに頼んで、こちらの世界でお主が起こした女性関係を全て手紙で送る」
「‥‥‥」
こ、こいつ、この旅で。本当に容赦なくなってないか?
「何を考えておる?セツナよ!」
「己の安否だ!‥‥‥‥今回の事を皆に黙っててくれれば、試合の後に影の国の秘宝『スカサハの腕輪』を君にあげよう」
「何?影の国の腕輪じゃと?」
よし!食い付いた。エスフィールは宝石に眼がないのだ。
「スカサハの腕輪‥‥‥スカサハの腕輪‥‥‥‥分かったのだ。それで手をうとうぞ」
「そ、そうか、それは良かった。よし!行くぞ!ミカエル!!『草薙の払い』」
「アハハ!ハイハーイ!神代魔法(天)『晴天の二振り』!!」
「私との闘いで天使や神の剣を使うとはのう‥‥‥『武神鎧』‥‥‥七秘・回帰・『ユグドラシルの護り手』」
ガギン!!!
バキン!!!
「固い?!」「これ位じゃあ破れないか‥‥‥‥」
「セツナが本気で来てくれるのならば、私も本気でお相手しよう。ユグドラシル様の眷属たる。エスフィール一族の力。特と味わうとよいぞ!セツナ」
現魔王『ユナ・エスフィール』の7の秘宝を使っての闘いが始まるのだった。




