表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
19/867

始まりの大森林

異空間である。

私達は、今、転移ゲートを潜ってアリーナへ向かっている。

「おぉ、まるでカイジのぐにゃぐにゃワールドだな」


隣でプカプカ浮いている。セツナがそんな感想を言った。

「なんじゃ?ぐにゃぐにゃワールドって?ネコか?」


気になった私は、バカな事に質問をしてしまったのだ。


「カイジ知らないかい?ぐにゃ~も?」


「知らぬわ!そんなの。」


「そうか、なら今度貸してあげよう。ついでに班長よ方もな」


セツナのやつは何か分からぬが熱が入ったのか。カイジとやらについて語り始めた。


「鉄骨渡りはスリル満点なんだ」


「ほおぅ。そうなのか?では、次のお仕置きの時にでも使わせてもらうのだ」


「ん?今、なんて言った?」


「いや、こっち話じゃから気にするでない」


私はそう言うと少し静かにしようと口ごもった。いかん、いかん、最近は、事あるごとにセツナに拷問を仕掛けているから。自然とお仕置きの内容を考えるようになってしまった。

いかん、いかん、これでは、隣のおバカと一緒ではないか。気を付けねば。それもこれもいつも、いつもトラブルを起こすこやつが全て悪いのじゃ。


「…………、なんだよ。こっちを睨んじゃって。熱でもあるのか?大丈夫か?」


セツナはそう言うとごく自然に自分のおでこを私のおでこへとくっ付けて来た。


「ん~、熱は無いみたいだな。何かあったら直ぐ言えよエスフィール。君に何かあったら俺は…………」


「なっなっなっ……………」


「ななな?スリーセブンか?」


「何をするんじゃこの変態」


「ごっふっ!!」


私はセツナの頭に右手でおもいッきりチョップした。


「全く、いきなり、おでこをくっ付けるな。全く。変態め」


「わっ悪かった。今度から気をつけるよ」


「辺り前じゃ、セツナのアホ」



そんなやり取りをしているとセツナの契約している獣。タマキが話しかけてきた。


「お二人共、もうすぐアリーナ世界にお着きします。ですが、転移先はランダムなので何処へ出るか分かりません。魔王領の何処かではあるのですが」


「人間側の住む場所じゃなかったらどこでもいいさ。アリーナに着けば俺の魔力も回復するから着いたと同時に転移魔法で魔王城まで向かうから心配ない」


「それもそうですね。さすが、ご主人様です」


「おぉ、もっと誉めてくれて」


「…………、おい、それ、前にお主が言っていた。フラグを立てると言うやっではないか?どうにも心配になってきたのう」


「心配するなエスフィール。あっちに着けば俺は万能だ」


「いや、じゃからそれがフラグだと言っておるのじゃ」


こやつ、完全に油断しておるが本当にこの先大丈夫なのか?だんだん、心配になってきたのう。


「あっ!お二人ともそろそろ着きますよ」


タマキが、そう言うと地球に来たときと同様に光の門が現れ、私達はその光の中を潜った。




とても眩し閃光に目を塞ぎながら潜ると。そこはどこかの森の中だった。


「おぉ、着いたな。魔力はっと」


セツナが魔力動産の確認を始めた。

私もやってみよるか、どうせ、使えないと思うがのう。……………ん?あれ?これは魔力の流れが分かるのじゃ。もっもしや!


「来たれ、木々達よ」


私がそう言うと近くに生えていた木々が少しだけ成長した。


「おおぉ、戻っておる。セツナぁ、私の魔力が戻っておるのだ」


私は嬉しさの余りセツナに抱きついた。


「おぉ、おめでとうエスフィール」


「なんじゃ?お主、難しい顔をして?まさか、魔法が使えなくなったのか?」


「いや、使えるは使えるんだがな」


「使えるんだが?」


「以前の魔力の半分位しか出せないんだ」


「何?どう言うことじゃ、それは?」


「それは、このタマキがご説明致します」


そう言ってタマキが話始めた。


「現在、ご主人様とウチのパスが繋がっておりますので、随時、ご主人様の魔力を吸いとって。ウチの中へ貯蔵しているのは以前のご説明しましたよね」


「あぁ、それで?」


「はい、そのせいもあって、以前、ご主人様がアリーナに居た時の半分の魔力しか使えなくなっております」


(ガシッ)セツナはタマキに詰め寄りタマキを鷲掴みにした。


「なっ何をするんですか?ご主人様?」


「す、直ぐに元に戻すんだ。タマキ!こんな、状態でもしマーリン先生や聖女達と会って戦闘にでもなったら。まともに戦えないでやられるぞ。しかも、この魔力量じゃ、転移魔法も使えない」


「ムッ無理です。ご主人様!一度、発動したウチの術は契約上、女神アテナ様以外、解除出来ません。すみません」


「なんだと?また、あの女神かっ!くそっ!」


セツナが珍しく慌てている。


「落ち着けセツナ。もう、アリーナの世界は平和になっとるんじゃろう?それにお主のかつての仲間と出会っていきなり攻撃等仕掛けてこんじゃろう?さすがに!」


セツナが、私の顔を見る。


「なっなんじゃ?いったい」


「君は、あいつらの執念を知らないからそう言えるんだ。」


ズドーーン!!


セツナがそう言い終わると森の奥から凄まじい。轟音が響いてきた。


「な、なんじゃ?今の凄まじい音は?」


「ちっ!早速、嗅ぎ付けてきたか。エスフィール!気をつけろ。アリーナに戻って来て、初の戦闘になりそうだな。」


「アリーナは平和になったんじゃなかったのか?」


「奴にはそんなの関係ないさ。勇者パーティーいちの問題児セシリア・アインズにはな」




場面代わり始まりの大森林入り口


「うん!うん!間違いないこの『神気』は間違いないニャイ。やっと見つけたニャア、セツ二ャ」


『元勇者パーティーメンバー・拳王姫(けんおうひ)セシリア・アインズ(獣人・猫族)』



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ