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再開と質問

次の日


『始めりの大森林』・キャッツアイ・上空


「じゃあ、ちょっと待っててくれにゃあ~!ヘカテスーー!」


「済まぬ!直ぐ戻って来るからのう」


「あぁ、気をつけて探してこい。そして、今回だけだぞ!特別にお前達を運んでやるのは!本当は大空からの移動は‥‥‥‥行ってしまった」


シューーーン!‥‥‥‥スタン!


「ふう~!無事に着いたにゃあ!わっちの故郷。キャッツアイ!」


スタン!


「‥‥‥まさかヘカテスに乗って始まるの大森林まで戻ってくとは思わなかった。そんな、発想無かったのう」


私、ユナ・エスフィールとセシリアはある人物に会うた為。セシリアの契約者。ヘカテスに乗り。『始まりの大森林』までやって来たのだった。


『セシリアの実家』


「ラニー!迎えに来たにゃあ!!」「ラニー!久しぶりじゃのう!!」


「へっ?セシリアに?ユナ?何でここに入るの?」


「説明は後にゃあ!さぁ!」


「共に行こうぞ!」


「にゃあ!ピッピピーーイ!ヘカテス!!!こっちにゃあ!!」


「あぁ、今、行く!」


キャッツアイの巨木の木々の狭間(はざま)に大きな嵐の鳥『ヘカテス』がセシリアの合図と共に現れた。


「次の行き先は何処(どこ)だ?二人共」


「「双星の大洞窟!!だっ!」にゃあ!」


「‥‥‥了解した!振り落とされるなよ!!三人共!!」


バサッ!


「三人共?‥‥‥‥って?!キャアアア!!」


ラニーの叫び声がキャッツアイの里中に響き渡った。


数刻後。


『双星の大洞窟・東側エリア入口』


バサリ!バサリ!


「おお、もう着いたのにゃか?」


「やはり、空を飛んで移動すると早いのう。いつも、飛んで移動するものなら。野生の魔獣共に見つかり。追いかけ回される羽目になるが。ヘカテスに乗りながら移動するればそのような心配は一切無いのう」


「わっち!自慢の相棒にゃあ!‥‥‥‥まぁ、たまにしか乗せてくれにゃいけどにゃあ!」


「当たり前だ!馬鹿者!私はユグドラシル様に使える神鳥。易々と人等乗せられるか。全く」


「ふぇぇぇ!!何がなにやら~!世界が回ってる~!オロオロオロオロ」


ラニーはそう言うと地面に手を付き。虹色のオロオロを地面に流したのだった。それが何だったのかは言わない事にしよう。


「だ、大丈夫か?ラニー!!まさか、吐いてしまうとは。説明もしないで連れ出して済まなかったのう」


「済まなかったにゃあ!ラニー!」


「う、ううん!私、ユナとセシリアに久しぶりに会えて嬉しいよ!‥‥‥‥約束通り。迎えに来てくれたって事は、無事に魔王領まで着いたんだね?良かった!オロオオロオロ」


「‥‥‥‥う、うむ!ありがとう。ラニー‥‥‥そんな事よりも。今は、お主の体調を良くせぬといかぬな」


「そ、そうにゃあ!メイエス。オロオロオロオロ」


「お、お主もか?セシリア!!!」


「も、貰いゲロにゃああ!!!オロオロオロオロ」


「‥‥‥‥‥何をやっているんだ。お前達は!全く」


ヘカテスが呆れながら。私達のやり取りを見ていたのだった。

その後、私達。三人は始まりの大森林を旅立つ前に約束した。『双星の大洞窟や他の場所を旅をする』を実現する為。

双星の大洞窟・東エリアの各宝石群やユグドラ街道の桜並木等を見ながら。ゆっくりと旅を楽しんだのだった。


「‥‥‥‥‥ユナ、セシリア。今日はわざわざ、私の為に始まりの大森林まで来てくれてありがとう。それに色んな場所を案内してくれて本当にありがとう!」


ラニーはそう言うと泣き初めてしまった。


「な、泣くでないぞ!ラニー!今度は私の住む。魔王領も案内してやるのだぞ!だから、泣くでない!ラニー」


「そうにゃぞ!また、今度。別の場所にあんにゃいしてやるにゃあ!だから、泣かないでにゃあ?ラニー!ラニーは笑顔が一番似合うだからにゃあ!」


「うん、うん!分かった!また、今度、別の場所に行こうね!三人で!必ず!」


セシリアはそう言うとラニーの右肩を叩き。笑顔で笑うのだった。そして、ラニーは満面の笑顔で私達に頷いたのだった。


‥‥‥‥‥。


そしてその日の夜。


『オリエント・メイス』魔王城


キイィィ、ガチャリ!


そこは魔王城のバルコニー。そんな場所で一人の若い男の子がアリーナ世界の夜空の星を静かに眺めていたのだ。

(はた)から見たら。女の子にしか見えない。その横顔はなんとも言いがたい神秘性を帯びているようにみえた。


「‥‥‥‥こんな、夜に呼び出してどうしたのだ?セツナ」


「あぁ、来てくれたのかい?エスフィール。悪いな。こんな。夜、遅くに」


「いや、それは良いのだが‥‥‥‥いったい。こんな、夜更けに何故、私を呼び出して?」


そう、私が問い詰めると。


「‥‥‥‥以前、君にこの旅が終わったら。君の質問に何でも答えるよと言ったのは覚えてるかい?」


「以前?‥‥‥‥もしや、メーアとラニーを牢屋に閉じ込めていた時に私が質問して、お主にはぐらかされた時の事かのう?」


「あぁ、その時の事だ。思い出してくれたか。良かった」


「そんな、前の事を何故、このタイミングで話してきたのだ?」


「‥‥‥‥この旅も明日で終わりだからな。明日の試合がどんな結果になろうと。俺は地球へと帰ってしまう。だから、その前に。エスフィールが知りたい事を伝えておかないといけないと思ってさ」


「明日、帰るか‥‥‥‥成る程のう。だから、今日の夜。という訳なのじゃなあ?」


「その通り。さぁ、どんな質問でも答えるよ。どんどん質問してくれ。エスフィール」


「‥‥‥‥そうか。では、まず『神気』とは何なのじゃ?」


「いきなり、凄い所から入ったな。‥‥‥まぁ、いいか!『神気』は人類が編み出した力。別名、『神殺しの力』だ」


「『神殺しの力』?」


「そうだ、『神気』を極限まで鍛えれば。神代の神獣や神龍を殺す力にまで昇華できる。まぁ、俺はそこまでの練度はまだないがな。‥‥‥セシリアの奴はそのうちその境地までいけるだろうけど」


「あのセシリアが神殺しとな?」


「‥‥‥‥セシリアは『神気』の天才だよ!だから、昔から近くにいてもらってる。俺はアイツの成長を!開花したその才能を一度でもいいからその場で見たかったんだけど。その夢は叶わなかったみたいだ」


「そ、そうか。セシリアがのう。‥‥‥では、次の質問に移るぞ!‥‥‥セツナ!お主は何故、それ程、貴重な魔道具を所有しておるのだ?」


「‥‥‥‥半分は彼等の判断で、もう半分はエウロペ大陸の火種を回収して。戦闘を失くす為だよ」


「最初の話しは信じるが。最後の話は嘘じゃな?」


私はセツナの目をジーッと見つめる。


「‥‥‥‥最後の半分は嫌がらせだよ!数年間も俺を酷使した国々に対してのな。それがまさか、本当に平和な大陸になるとは微塵も思わなかったよ。こんな、事だけであの強大なガリア帝国が落ちぶれるともね」


「そうか、まぁ、セツナのその嫌がらせのお陰で。魔王領とガリア帝国の力関係は拮抗する様にまでなったからのう。これについては私からはもう何も言えぬな」


「おお!まじで?!怒らないのか?エスフィール?流石、魔王様。寛大なお心をお持ちだな」


セツナはそう言うと。

パアーン

私のお尻を軽く触った。


「何をする?変態!」


バチーン!

「ガバラ?!」


「全く。懲りずに何度も何度も。このやり取りは全て。お主と関わりのある女性に報告するから楽しみにしておけ!セツナ!」


「き、君!今なんて言っ?」


「さぁ、最後の質問じゃ!お主は何故、『大蛇』を初めとする神や神獣達をあんなに操れるのだ?普通、一種類の属性召喚術を極めた者はせいぜい霊獣を一体。契約者にするのが精一杯の(はず)なのにお主は何体もの神獣達を従えておるではないか?」


「あぁ、その事かい?俺はほら、アテナ様から召喚魔法をオマケで貰ったからそれを上手く利用して皆に報酬を渡しながら闘ってもらっているんだよ。『大蛇』なら酒。鵺様なら良質な雷魔力。蓬莱様なら濃度の高い魔力残滓とかな」


「‥‥‥‥つまり。契約とは、別に報酬を渡すことで従えていると?」


「従えてはいないな。こちら側はお願いする立場だしな。本来、あんな、上位生命体達を使役なんてできる分けないんだよ。」


「だが、お主は色々な者達と息を合わせて闘っているではないか?」


「‥‥‥‥まぁ、全盛期の力はもう無いんだ。そうやって助けてもらいながら闘って行くしかできないんだよ。今の俺ではな‥‥‥‥エスフィールが気になる質問はこんな所か?」


セツナは何か嫌な事を思い出したのか。私の質問の時間を終わらしたいようだ。まぁ、実際、私が聞きたかった事は全部、聞くことができたので確かにこれ以上、質問することはないのだ。


「あ、あぁ、そうじゃな!質問にちゃんと答えてくれてありがとう!セツナ!」


私が素直にお礼を言うと。


「そうか‥‥‥‥明日の君との試合。楽しみにしているよ!‥‥‥‥君は強い。でも、俺が勝たしてもらうよ。エスフィール」


セツナはそう言うと私の右肩に手を置いた。


「セ、セツナ?」


「俺は君とまだ一緒に居たいから」


「私とい、一緒に居たい?いた?い‥‥‥‥」

パタリ!


「エスフィール?エスフィール?おーい?!どうしたんだ?エスフィール!!!」


そうして、私は嬉しさの余り。意識を失ったのだった。



そして、次の日


『魔王城・闘技場』


「では、これより個人別。3対3の試合を始めます!先方の方は前へ!!!」


セツナのアリーナ世界に滞在する最後の日。

私、ユナ・エスフィールの今後の方針が決まる。大切な試合が始まったのだった。

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