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アイリス・エスフィール


「ん?‥‥‥‥ここは‥‥‥‥何処だ?俺は‥‥‥」


頭の中がボーッとする。まるでセルビアの時のようだ。‥‥‥‥周りを見渡す。どうやら魔王城の一室に運ばれ、ベッドの上へ寝かせられていたみたいだ。


「おや?お気づきになられましたか?救国の担い手様‥‥‥‥いいえ、我が大陸の元勇者様。カミナリ君」


そして、目の前には


「成長した?エスフィールが俺の前に‥‥‥‥」


「あら?まだ、寝ぼけているのですか?ごめんなさい。娘が貴方を勢い良く叩いてしまって。あんな、強大な存在と相対した後だというのに‥‥‥‥お転婆な娘で」


「娘?‥‥‥もしかして、貴女はエスフィールの?」


「えぇ、母で、アイリス・エスフィールと申します!カミナリ君。」


エスフィールのお母さんだと?おお、なんて綺麗な人なんだろうか?そして、なんだか妖艶な魅力を放っている。


「そうですか。貴女がエスフィールのお母様ですか‥‥‥娘さん同様でお美しい方ですね」


「まぁ、お美しいなんて、毎日言われてますわ!フフフ」


毎日言われてるのかよ!確かにこんなに美人なら毎日言われるのも納得がいく。


「そ、そうですか‥‥‥‥ハハハ‥‥」


「‥‥‥冗談はこの辺にしておきましょう」


「冗、冗談でしたか!成る程。成る程。ハハハ」


「えぇ!冗談ですよ。そんな事よりも、元勇者様。今回は私の娘。ユナをユナ・エスフィールを無事に魔王領へ連れてきて頂きありがとうございます」


アイリスさんはそう言うと俺に頭を下げた。


「い、いえ!娘さんを無事に送り届けられて良かったです」


「フフフ、相変わらず。お優しいですね。セツナ君は‥‥‥」  


「え?今、セツナ君って?俺、アイリスさんに下の名前教えてないはずでは?」


「フフフ。そうですね。あの頃の私は未来の貴方に出会っておりませんからね。フフフ。幼き私も助けて下さいね。元勇者様!!」


「は、はい!アイリスさん!」


アイリスさんはそう言うと俺の両手を掴み微笑んだ。その笑顔は何処か幼さが垣間見るのだった。


コンコン!

そんな、やり取りをしていると客室の扉からノックの音が聴こえてきた。


「失礼したします。お母様。セツ‥‥担い手殿は起きられましたか?‥‥‥‥」


「セツニャ~!起きたかにゃあ~?‥‥‥」


近くで両手を握りあい見つめ合う。俺とアイリスさん。


その光景を見て固まる。エスフィールとセシリア。


「‥‥‥‥おっと!この展開は不味い」

「あらあら~?フフフ」


「あー!あー!にゃあ~、御愁傷様だにゃあ~!セツニャ」


「‥‥‥‥ナルカミ‥‥‥いや、セツナ!貴様!!!今度は私のお母様にまで手を伸ばすつもりか!!こんの馬鹿者があ!!!闇魔法‥‥‥」


「ち、違う!話を聞くのじゃあ!!エスフィール!その闇魔法の詠唱を止めろーー!ほら、お母様もあの娘さんを止めて!!」


「あらあら?このまま、私と結婚しますか?セツナ君。なんちゃって!」


こんな場面で何いってんだ?この人は!!


「‥‥‥‥‥セツナ!貴様!!!死ね!!!『白夜』!!」


「うにゃあ?!メイエス!わっちが入るのにゃあ!!!」


「あらあら?では、私はこの辺で。○○魔法『天夢(てんむ)』」


ピチャン!


「はっ?!アイリスさんが消えた?」


「何をボサッとしておる!この変態。喰らえ!」


「?!止めろ!エスフィール!!」


「また、こんな、落ちかにゃあー!」


ドガーン!!


これが後に語られる。魔王の暴走。凱旋爆発事件である。


一週間後。


『魔王城・魔王の間』


「懐かしいな!数ヶ月振りか?‥‥‥‥くっ!痛たた!くそ、エスフィールのやつ!闇魔法なんか部屋でぶっぱなしやがって!」


「‥‥‥‥痛たたにゃあ!それはセツニャが悪いにゃあ!メイエスの母ちゃんにまで手を出そうとしてたんだからにゃあ」


「だから、誤解だって言ってんだろう!アホネコ!あれは君達の勘違いだっての!」


「‥‥‥‥あっちに帰ったら気をつけるんにゃぞ!そうしにゃいと。いきなり、後ろから刺されるにゃぞ」


セシリアはそう言うと俺の右脇腹みぎわきばらを突っいて来た。おい!止めろ。そんなこと言われたら。そのうちマジで起こりそうだから、言うんじゃない!


「あ、ああ、気をつけるよ。拳王姫様‥‥‥‥‥」


「二人とも静かにしな!そろそろ始まるぜ!魔王様のご登場だぜ!」


そう伝えてくるヒスイの姿を見ると。いつもの黒い鎧ではなく。セルビアの騎士達が着るような、きらびやかな鎧を着て立派な装飾が施さている黒鎧を身に付けていた。

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