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魔王の凱旋

帝都『オリエント・メイス』


『魔王城・玉座』


「ご報告!ご報告します!カマの街に現れた。謎の鎌を持った男と黒い八つ頭の竜は『救国の担い手』殿と行方不明中でした。我が国の王『魔王』様により。討伐されたとの事です」


「何だと?魔王様が?」「見つかったの?」「誠か?」


「‥‥‥‥今、なんと言いましたか?魔王様と言いましたか?」


魔王代理、事。アイリス・エスフィールは驚いた表情を浮かべる。


「は、はい!現在、レオンハルト将軍と共に、この『オリエント・メイス』を向かっているとの事です」


「‥‥‥そうですか。あの子が‥‥‥ユナが此方こちら)》‥‥‥‥無事でよかった‥‥‥‥」


アイリスは涙を流しながら喜びの笑顔を浮かべた。


「‥‥‥あぁ、アイリス様が泣いておられる!なんと、娘思いな‥‥‥うぅぅぅ!」


「泣き顔をまるで―女神―だ!あの方は我々でちゃんとおささえしなければ!」


「おお、勿論だとも!当たり前だ!」


「「「「「おお!!!!」」」」」


現魔王・ユナ・エスフィールが居なくなった後、アイリスは昔の様に魔王領の軍事や政治を先代魔王カシアの頃の様に切り盛りしてきた。


その働きぷりは凄まじく。寝る間も惜しんで、魔王領の復興作業に取り組んでいたのだ。まぁ、実際は魔法族の膨大な魔力により、寝なくても数週間は活動できる為。それ程、大変ではなかったようだが。


だが、そんな、働きぶりを見た、家臣達はその働きぶりに驚愕と尊敬をいだくようになり。アイリスに絶対の忠誠を誓うようになったのだった。



『オリエント・メイス』入場門


俺達は『死神』・ゼロ・ブレインズとの闘いの後、丸二日間に及ぶ。勝利の祭りを『大蛇』の奴が勝手に開催してしまった。そして、勝利の祭りの許可を現魔王であるエスフィールが承諾した為。カマの街の住人、魔王領兵、俺達を含んだ皆で大宴会を開いたのだった。


「魔王領の兵士達よ!ちゃんと飲んでおるか?ヒック!酒ならまだまだある!遠慮せずに飲み続けよ!」


「ウキウキー!ウキー!ウキー!そうです!まだまだありますよー!皆さーん!ウキウキー!」


「「「「「「はい!大蛇様!!!!!」」」」」」


「いやー!最初は怖い人かと思ったが。全然違ったな」


「あぁ、酒はただで飲ましてくれるし、歌も上手かったしな!」


「魔王様はあの方を従えているのか?凄いな現代の魔王様は‥‥‥‥」


「しかも、救国の担い手様と噂ではされていた『夜霧のヒスイ』殿を従者として従えての凱旋ときてる‥ビックリしたよ」


『魔王軍・レオンハルト部隊』


「‥‥‥‥あの酒は俺がセルビアで報酬としてもらった酒樽なんだけど!」


「タマキの奴も酔っ払って酒樽を放出し続けておるな」


「あぁー!あのまま熟成させて数年後に飲もうと思ってたのにー!あんの蛇と狐!!!」


憤慨する俺。


「だが、あの大蛇とタマキの行動のお陰で。魔王軍と私達のいざこざが有耶無耶うやむやになったがのう」


「‥‥‥‥俺のセルビアの報酬を犠牲にな、はぁ~!まぁ、いいか、無くなった物は後で補充して‥‥‥‥」


「貴様、『オリエント・メイス』内で盗みを働こうものなら。ガリア帝国と中央魔法国にお主の存在を暴露するぞ」


「‥‥‥‥‥別の場所で補充して‥‥‥‥」


「別の場所で補充するのも同じ、じゃ!馬鹿者!」


エスフィールはそう言うと俺の肩を叩こうと右手を振り上げるが。


パシッ!っと!俺はエスフィールの右手を素早く掴んで動きを止めた。


「エスフィールはあれも駄目。これも駄目。全く、わがまま娘だな~」

パチーン!パチーン!


俺はそう言うとエスフィールのお尻を数回軽く叩いた。最近、気づいた事なのだが胸を軽く揉むよりもリスクが少ない事に気づいた。


「貴様!!!何をするのだー!!この変態!!最近は私のお尻ばかり触って!!」


バチーン!


「ぐおおぉぉ!!」


強烈な左ビンタが俺の右頬みぎほほにクリーンヒットした。


「‥‥‥‥なんか、仲良いな。魔王様と担い手殿は」


「まぁ、歳も近そうだし‥‥‥‥あれじゃないの?その男女の仲ってやつ?」


「魔王様と担い手様が?まさか~!」


周りの兵士達は俺達のやり取りを見てそんな事を言っていた。



『オリエント・メイス』・城内


その帝都は鉄と石が並び立つ。鋼鉄の城塞である。


神話から現代の数年前まで一切の敵の侵入を防ぎ。


魔族を守る。無敵の帝都。


その首都の名は『オリエント・メイス』なり。



著『冒険家・ラインバッハ・エゴル』



「デッカイにゃあ~!鉄の建物ばっかりにゃあ~」


「‥‥‥‥数年振りに来たな」


「君が突然、居なくなってから必死に探したんですよ!ヒスイ!今頃になって現れて。ビックリしたんですからね!聞いてますか?ヒスイ!」


レオさんはヒスイに話しかけ、何やら文句を言い始めた。


「突然、居なくなったのは二日前からずっと謝ってんだろうが!レオンハルト!たくっ!昔と同じで騒がしい女だぜ!」


「誰が!騒がしい女ですか!ヒスイ!‥‥‥‥貴方がこの魔王領にあらわれたという事はもしかして?」


「あん?!あぁ、魔王軍に戻るぜ!‥‥‥‥今後の魔王領とエウロペ大陸の為にもな‥‥‥‥」


「ヒスイが?‥‥‥‥魔王軍に戻る?ですか?」


「あぁ!留守の間、迷惑かけたな!レオンハルト!済まなかった!」


ヒスイはそう答えるとレオさんに謝りのだった。


「お、遅いですよ。おバカさん‥‥‥‥本当におバカさんなんですから!ヒスイはっ!もう!グスン!」


レオさんはそう言うと泣き出すしてしまった。


「‥‥‥‥ふん!」


「ぐお!何すんだ!アインズさん!」


「‥‥‥五月蝿うるさいにゃあ!アホ騎士!にゃにをデレデレしてるのにゃあ!」


「デ、デレデレなんてしてねえよ!アインズさん!!」


「うわぁ、見てみろよ!エスフィール。修羅場だ!修羅場!ヒスイの奴。慌ててるよ!モテる男は大変だよな!エスフィール」


俺は隣で帝都に住む住民を見ている彼女に話しかけた。


「担い手様!!」「ナルカミくーん。久しぶり!」「魔王様~!」「担い手殿~!」「担い手様ーー!」


「‥‥‥‥そうじゃな!救国の担い手殿!!貴様が昔、フラグを立てた者達が続々と集まってきておるのう?」


エスフィールはそう言いながら。俺の肩を強く掴み。


「ん?何で俺の肩を掴む?」


「貴様を逃がさない為じゃ!こんのモテ男がああ!貴様はどれだけの女とフラグを立てたんじゃ!沈め!!浮気者!」


バコーン!


「グゴオ!」


そして、俺はエスフィールの強烈な右ストレートを受けて。意識を失っていったのだった。

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