死殱決戦・死神・ゼロ No.11 八ツ頭の神は地におり。天の皇に座す。
「死の舞踏」内
「大蛇が‥‥‥人型に変化した?そんな事あり得るのか?ミカエル」
(アハハ!列島・大陸の七原龍なら十分可能ではないですか?セルビア国の『オーディン・セルビア』も半神半妖だったんですよね?)
「そして、『オーディン』様よりも人格が上の八岐大蛇ならば人化も簡単に成せると?‥‥‥それは余りにも規格外過ぎないか」
(それが出きるからこその七原龍‥‥‥いえ、『始祖・神集九煌』なんですよ。主様)
「‥‥‥‥セルビアの時、蓬莱様も同じ様な単語を言っていたが。その、『始祖・神集九煌』っていうのはいったい?‥‥」
(アハハ!知らない方が、関わらない方が身のためですよ。主様!戻れなくなりますよ?!)
その時のミカエルの口調は普段の彼女からは想像がつかない位の殺気を帯びていた。
「‥‥‥‥了解した。それよりもそろそろ準備を始めよう。ミカエル」
俺はこれ以上。この話を聞くのは危険と判断して、この闘いの最後に放つ『炎天の太刀』へと話を切り替えた。
(アハハハハハ!良い判断ですよ!主様。あんな連中に関わってもろくな未来しか待っていませんからね‥‥‥‥では、『炎』は私が)
「‥‥‥‥『天』は俺が担おう!‥‥‥‥終わらせよう!この長い長いこの夜の悪夢を」
『魔王領・天空』
夜の暗闇がだんだんと明るみを帯びていく。
シャキン!
「‥‥‥神が‥‥‥しかも七原龍の神が人化をするとはな‥‥‥‥」
「それも含めて神という存在だ!『死神』よ!これで神殺しの異能は通用せぬぞ!神話魔法『蛇之麁正』」
大蛇の両手から魔法陣が展開し。夥しい量の蛇達が現れる。
「‥‥‥‥また、蛇の行軍か!人型になってもやることは変わらぬか‥‥‥‥」
『死神』がそう言った瞬間。
「変神せよ!‥‥‥我が眷属‥‥‥『草薙の剣・乱刺』」
「シャアアア!」「シュルルル!!」「オルルル!!」
「ウルルル!!」「アアアア!!」
ドシュン!‥‥‥グサリ!
「‥‥‥?‥‥‥何?‥‥‥」
『死神』は、いつの間にか自身に刺さっていた。東洋の剣を不思議そうに見ている。
ドシュン!グサリ!ドシュン!グサリ!ドシュン!グサリ!ドシュン!グサリ!ドシュン!グサリ!
「油断したか?『死神』よ?!我は八岐大蛇であり。天叢雲剣そのもの。蛇にも剣にも自在に形を変えられるのだぞ」
「‥‥‥‥私と同じ。神明魔法か?‥‥‥‥」
「それはお前達。中途半端の『神人』が使用する魔法の事か?『死神』よ!‥‥‥そんな半端な魔法をこの我が使うと思うなよ!不敬で有るぞ!『死神』!!『草那藝之大刀』」
八岐大蛇は静かに自身の両手の掌を合わせ。その掌から大太刀の刀を召喚した。
「‥‥‥‥神話の神具刀か‥‥‥‥‥」
「誇れよ。『死神』!誇れ。我にこの神話の刀を取らせたことをな!ハハハハハハハハハ!!」
大蛇はそう言うと。高らかに天を仰ぎ、大笑いを浮かべる。
「‥‥‥‥強者の余裕か‥‥‥‥だが、貴様は必ず連れて行く‥‥‥‥‥神明‥‥魔法‥‥神代」
「おお!最後の悪あがきか?『死神』よ!良いぞ!良いぞ!最後の力を振り絞れ!!ハハハハハハ!!」
‥‥‥‥あれじゃあ、どっちが悪役か分かんないな。いや、大蛇も元は敵だったんだが。
「‥‥‥回帰‥‥『終幕・死神の処刑鎌』」
死神は静かにそう唱え終える。
「ほう?!最後はその命を武器に変えるか!ハハハハハハ!!本気だな!『死神』!!!行くぞ!!最後の打ち合いぞ!!!『天叢雲剣・八岐の霊剣』‥‥‥‥『草薙の太刀』!!!!」
「‥‥‥‥終わらぬよ!‥‥‥『死刑執行』・『終焉の大鎌断頭』!!!」
一人の神人と、一人の人神が最後の一刀を振り下ろす。
‥‥‥‥ザシュン!
ガキーン!!
「‥‥‥‥何?何故、この太刀合いで私の技を防いだ?‥‥‥‥」
「ハハハハハハ!!貴様はバカ者か?最後の太刀と言ったろう?最後の太刀とな‥‥‥最後はやはりあの方の一刀で終わらせるべきだろう?なぁ?新しき主よ?」
「‥‥‥何‥‥‥‥?」
『死神』は驚愕の表情を浮かべる。
「あぁ、感謝する大蛇!ミカエル!!!」
(アハハ!!はーい!‥‥神代・魔法『烈火究の炎)
「正魔法『天の光明』」
「(『烈火天光の太刀』)」
『死神』に向かって炎天の大太刀が放たれる。
「‥‥‥おおお!!!先ほどの黒騎士の一太刀の場所に。またしても傷を負わせるつもりか?!少年よ!!!」
「‥‥‥‥勝つため。仲間の為だ。『死神』‥‥‥‥これで‥‥‥‥終わりだ‥‥‥『白夜の朝来』!!!終幕!!」
スバン!!!!!
「‥‥‥‥ガハッ!‥‥‥‥見事な一太刀‥‥‥だった!‥‥‥少年よ!‥‥‥‥」
『死神』はそう言い残すとカマの街へと落下して行ったのだった。
捕捉です。
ミカエルのシンボルは鞘から抜かれた剣、『天秤』です。
そして、支配元素は『火』だと言われています。




