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死殱決戦・死神・ゼロ No.6 聖者の大剣

「黒炎の一太刀‥‥‥見事だった‥‥‥黒騎士よ!」


『死神』はそう言うと近くに浮いていた小型の鎌を左手に持った。


「てめえ!まだ、動け‥‥‥」


 ヒスイが何かの言おうとした瞬間。


「不味いです!転移門‥‥‥」


 タマキが焦りながら。ヒスイの近くに転移門を造り出そうとした時。


「ガァラララ!!!」

「ギャシャ!ギャシャ!ギャシャ!」


 二匹の魔獣が『死神』とヒスイの間に割り込んで来た。

  

 その二匹の姿は全身を大鎌に貫かれ。息も絶え絶えの状態であった。


「お前ら!!何しに来やがった?!」


 驚くヒスイ。


「‥‥‥‥ガァララ‥‥‥」

「ギャシャ!ギャシャ!」


「‥‥‥‥見事なり。魔窟の魔獣達よ!その姿を称え。命は取れないで返してやる‥‥‥‥さらば、『再鎌』」


ザシュン!!!


「ガァラ‥‥‥」

「ギャシャ!‥‥‥」


 二体の魔獣は塵取りなり。静にその姿を消していった。


「お前ら‥‥‥‥‥」


「良き、使い魔であった。黒騎士よ!」


「ちっ!ここまでやって、まだ。ピンピンしてんのかよ!初代魔王様よう!」


「でなければ。魔王領の魔王等。やっておれん」


「‥‥‥‥だろうな!だが、時間は稼いだ!やれえ!!!カミナリ!!!」


「何‥‥‥‥?」


「あぁ、助かった。ヒスイ。そして、君の魔獣達には悪いことをした。‥‥‥‥‥これで半分は削らしてもらう!いくぞ!七聖―女神―の杖・ミカエル!!」


(アハハ!領域よ!)


「神代・回帰・聖魔法‥‥‥‥」


「聖魔法だと?!少年は、雷の魔法の使い手では‥‥‥‥」


「あぁ、本当に性格が悪いだろう?『死神』さんよう。ナルカミの野郎はああやって、あらゆる手を隠し。品を変え、相手を騙す。これがアイツの最大の武器なんだぜ!全く、敵に回すと本当に厄介だろう?初代魔王様よう?ハハハ!!」


 ヒスイはそう言うとタマキが造り出した転移陣の中へと入って行った。


「き、貴様!逃げるな!」


「もう遅いよ!『死神』!‥‥‥‥神代・回帰・聖魔法『聖者の大剣』」


 俺は『死神』に向けてそう言い放った。


「‥‥‥‥‥‥成る程。大規模魔法か‥‥‥‥それでこの幾万の鎌と大輪の大鎌もろとも私を消す気なのだな!少年!」


 『死神』は頭上の白き大剣を見上げながら自身の手に持つ鎌を構えた。


「‥‥‥‥さあな!ミカエル!全力でいくぞ!!!解放!!」


(アハハッ!了解!!!白大剣斬)


「(聖者の裁き・最後の審判)」


「‥‥‥天界の天使の大技か‥‥‥‥まさかそんな技まで使えるとはな。少年の実力を見誤り過ぎたか‥‥‥‥神明・回帰『第二幕・収攬大鎌曲(しゅうらんおおがまきょく)』」



 『死神』は冷静にそう言うと手に持っていた鎌を空中へと投げた。


 すると幾万の大鎌が極大の大きな一つの鎌に統一され聖者の大剣と同じ位の大きさになる。


 そして、その極大の大鎌は『死神』の神明魔法の影響なのかおかしな動きをわしている。


「くっ!神明魔法による。魔法能力の向上と武器名称への干渉か、化物‥‥‥‥いや、これが『死神』」


「‥‥‥‥『カマの街』の大鎌は失うが‥‥‥仕方がないくれてやるぞ。少年よ!‥‥‥だが私の命はやらぬ」


 『死神』はそう言うと俺とミカエルが放った『聖者の大剣』に向かって『収攬大鎌曲』をぶつけてきたのだった。


 聖』の力と『死』の力が交わり合い。反発し、俺と『死神』はその衝撃に呑まれていった。


『カミナリの深層心理の世界』


「起きよ!起きるのだ!少年!」


「はっ?!ここはいったい?」


「少年の深層心理の奥底のせ深層心理世界だ!」


「はぁ?それになんでお前がここに入るんだよ?『死神』」


「‥‥‥私は人の『魂』に干渉ができる能力があるのだ。あの方のお力によってな‥‥‥創造神に仕える『使徒』だ」


「そ、創造神?『使徒』?なんだそれ?」


「そんな事はまだ気にするな。‥‥‥‥少年よ、急げ。私達の攻撃のぶつかり合いで狭間(はざま)の世界の境界線が曖昧(あいまい)になった。今なら過去、現在、未来に干渉ができる。お前の知り合いの数名にこちらの意思を伝えられる急げ。‥‥‥‥この聖と死のぶつかり合うこの一瞬の間ならば、奴らに気づかれることはないからな」


「そんな事。急に言われても。何が何やらで‥‥‥‥頭の処理が追い付かないぞ」


「‥‥‥‥‥ならば、貴様の思いを私が読み解き。過去、現在、未来へと今の少年の様子を伝えてやろう。‥‥‥良いか、多分。貴様は私とのやり取りを殆ど忘れてしまうだろう‥‥‥‥だから。時が来た時に私とのやり取りを思い出せるように細工しておいてやる」


「ん?あぁ、そうなのか?」


 俺が困惑しながら聞いていると。


「よし!それぞれの異なる時間の者にこちらの様子をを伝えたぞ。‥‥‥良いか少年!このチャンスを上手く使え。それぞれの時間に。必ず少年に味方する者達が現れる。彼等に会い、助けてもらえ。そうすれば最後の時には全ての事が上手くいくだろう。‥‥‥‥‥私の忠告を忘れるなよ。異世界の少年!さらばだ‥‥‥‥‥」


 ‥‥‥‥そうして。『死神』は俺の深層心理から出ていった。

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