死殱決戦・死神・ゼロ No.2 必然の契りを交わそう
(‥‥‥‥ん?‥‥‥何だ?この変な匂いは‥‥‥)
(あら?ごめんなさい。中に居る子達が暴れて。飛び出てしまったわ)
(‥‥‥誰だ?‥‥‥異形の者)
(あら?会うのは初めてかしら?‥‥‥私は『女王』エキドナ。何れは神へと変わる者)
(‥‥‥神へと変わる者?)
(えぇ、そう!全ては私を魔窟へと落とした奴等を殺す為、七聖―女神―『ユグドラシル』を殺し。新たな神へと生まれ変わる存在)
(‥‥‥‥それはなんとも難しく棘の道を進むのだな。異形の者は‥‥‥‥) シャキン!
(そう言うと貴方も‥‥‥‥‥成る程。監視が目的なのね)
(‥‥‥‥‥‥さぁな)
(そう、まぁ、ここに集まる方々の事なんて何も興味も何もないから、貴方の事も別に興味はないわ。それに『賢者』や『逢魔』にもね)
(‥‥‥そうか‥‥‥‥だが、この『死神』の秘密を異形の者が誰かにうっかりと喋るとも限らん‥‥‥‥)
(‥‥‥‥だから、私は神に成りさえすれば後はどうでも‥‥‥‥)
(‥‥‥もし、異形の者が神に成りえなかった時、この『死神』が異形の者に変わり。異形の者を魔窟へと落とした者達を断罪してやろう)
(はっ?私が神に成りえなかったら。変わりに断罪する?それは、どういう‥‥‥‥事かしら?)
(‥‥‥詮索はするな。だが、この約束はどの様な結末が来ようとも必ず成り遂げられる結末‥‥‥‥いや、必然だど考えておけばよい)
(必然とは‥‥‥‥余りに欲張りな。たかだか、神魔竜戦争で活躍しただけの魔族が‥‥‥‥身の程を弁えなさい。『死神』)
(‥‥‥‥この『死神』‥‥‥全ての役割が終わった時‥‥‥‥天界へと昇る予定だ‥‥‥‥)
(なに?天界ですって?)
(あぁ!)
(‥‥‥そう‥‥‥ならば、了解したわ。『死神』‥‥‥‥ここに『女王』エキドナと『死神』ゼロの契りを交わす。以後、『死神』の真実の役割は闇の霧へと消え行くだろう。このエキドナが存在する限り‥‥‥)
(‥‥‥‥感謝する‥‥‥‥『暗黒大陸』・メデューサを統べし者よ‥‥‥‥)
‥‥‥‥‥シャキン!!
‥‥‥シャキン
‥シャキン!
『死の舞踏(サン=サーンス)』内
「‥‥‥『女王』エキドナよ!現代までの長きに渡る。この『死神』との契りを最後まで守り果てた事に最大の感謝を!‥‥‥そして、エキドナを殺した少年には死の報いを与えん」
『死神』はそう言うと。大鎌亭の時よりも遥かに大きいプレッシャーを放った。
「あの、エキドナの同胞‥‥‥とはな。驚きだ‥‥‥‥しかもここは『死神』が産まれた誕生の土地と来たか‥‥‥」
「左様だ!少年よ。何故、目と鼻の先にある。魔王領・帝都『オリエンタル・メイス』に入らず。一つ手前のこの『死神』の生誕した地を選ぶとは。何たる豪胆さだ。だが、そのお陰でこの『死神』の神明魔法の効果を最大限にまで伸ばす事が可能になった事は感謝しよう」
(くそッ!旅の最後の思い出にと思い立ち寄った地にわざわざ遅いにくるか?。そこは普通、帝都で闘うもんじゃないのかよ)
「‥‥‥‥‥神明魔法は使用する人物の逸話や伝承が多い程、使える技が増え。威力、効果が上がる。そして、その人物の縁のある土地で使った際は‥‥‥」
「神々に匹敵する。力を発揮する‥‥‥‥幼いのによく学んでいるな。少年よ!実に惜しいがこの『死神』に残された時間は最早、無いに等しい‥‥‥その前にこの『死神』の後任を、よもや『自分』自身で呼び込もうとするとは‥‥‥‥我等が主も悪魔か神か‥‥‥‥それとも別の何かなのか‥‥‥」
「?別の何か?」
「少年には関係の無いことだ。‥‥‥‥そろそろ、始めよう。少年!‥‥‥直ぐには殺されないでくれ。つまらぬからな!神明魔法(死)『私怨』」
「オオオオオオオオオオ」「アアアアアアア」「ウウウウウウウウア」
『死神』の周りに数体のアンデッドが現れた。
「来るか!初代魔王の神明魔法。喰らえば即死。受けて立つ!雷魔法『疾風迅雷・極』」
「気概は良し!ならば、死ね!!行けっ!臣下達よ!」
『死神』がそう叫ぶと。アンデッドの群れが一斉に俺に向かって走り出したのだった。
補足です。
『終焉決戦 No.11 エキドナ』での冒頭での伏線とまではいきませんが此方のお話は後々、回収されるに予定です。
カミナリ達が現在、滞在中の『カマ』では『死神』の力。現状の状況では、最大迄、引き上げられます。




