俺は帰ってしまうんだ
『オリエント・メイス』地下水脈・初代魔王・霊廟『ブレインズ』
‥‥‥シャキン!シャキン!‥‥‥‥‥
「そうか‥‥」
‥‥‥シャキン!シャキン!‥‥‥‥‥
「ウラミとオンネンは負けてしまったか‥‥‥‥」
‥‥‥シャキン!シャキン!シャキン!‥‥‥‥
「ならば、それも運命なのだろう‥‥‥」
‥‥‥シャキン!
「奴等の終着地は‥‥‥帝都・オリエント・メイスか‥‥‥ならば奴等は不離になるが‥‥‥負ければ其処までの奴等だったという事だな。―女神―アテナよ」
『スラッシュ草原』
「ヒヒーン!!!」
「おぉ!元気な黒馬だな!」
「‥‥‥‥なんでここに天夜が居て!俺は天夜に股がり手綱を握ってんだ?!」
俺の直ぐ近くでヒスイが騒ぎだした。
「にゃにって、黒騎士。おにゃえ、ブラックホルズ牧場で筋肉スタッフに羽交い締めにされて‥‥‥」
「セシリア殿。静かにして下さい。主がまた、ご乱心してしまいます」
「うにゃあ!わ、分かったにゃあ~」
「アインズさん!なんか知ってるのか?!」
「にゃんでもにゃいにゃあー!黒騎士~、ニャハハハハ」
「そ、そうか!わりいな!今、頭が混乱していてよお!‥‥‥‥魔王様よう」
ヒスイはいきなりエスフィールに話しかけた。
「な、何じゃ、ヒスイ」
「‥‥‥‥魔森林の時はキレちまって悪かったな!」
ヒスイが突然、エスフィールが頭を下げ謝った。
「‥‥‥‥あ、あぁ、私もお主の質問にちゃんと答えらを出せず。悪かったのう‥‥‥‥」
エスフィールもヒスイに謝る。
「俺よりも若いあんたにキレちまうとは!情けねえ姿を見せちまったな!‥‥‥さっきの牧場で、色々考えてたんだ‥‥‥まぁ、結論の結果。俺が悪いと気づいたんだがな!」
「いや、私もお主に対して失礼な態度で接してしまい、済まなかった。今後の言動には気をつけよう」
エスフィールとヒスイは再びお互いに頭を下げ、謝罪の言葉を言い合った。
「‥‥‥‥仲直りしたみたいだな‥‥‥‥良かった」
「うにゃあ~!まさか、メイエスとヒスイがケンカすると夢にも思わなかったにゃあ~」
「‥‥そうだな、俺も魔森林であの二人が険悪な状態の時は驚いたよ。でも‥‥‥良かったよ。俺がアリーナから去る前にあの二人が仲直りできて」
「‥‥‥‥セツニャは‥‥‥」
セシリアはどこか不安そうな顔で俺を見る。
「?なんだ?セシリア」
「セツニャは本当に元いた場所。その地球って場所に帰るのかにゃあ?エウロペ大陸に残んないのかにゃあ?」
「あぁ、俺はこの魔法世界じゃあ、異物だからな。そんな、異物がいつまでもこの世界に居るわけにはいかないからな。勇者時代の頃は人魔戦争終結の役目があったから長く居たがな」
「‥‥‥‥そうにゃのか‥‥‥‥でも、こっちの世界にはセツニャの知り合いも多くいるにゃろう?」
「まぁ、そうだが。地球には俺の大切な人達が沢山居るんだ。その人達を心配させたり。困らせたり。悲しませたりしたくないんだよ。勇者時代の時も地球に帰りたい一身で生き抜いて来たんだからな」
「‥‥‥地球にも大切な人達‥‥‥にゃあ‥‥‥」
「あぁ、今回の旅は色々あったけど楽しかったよ。エスフィールやヒスイ、それにセシリアが居たお陰だな。勇者時代の頃よりも凄い楽しかった。パーティー内での優劣を言う奴もいないし。自己主張が激しい奴もいない。最高のパーティーメンバーだった」
「それは良かったにゃあ‥‥‥勇者時代のセツニャは本当に大変そうだったからその気持ちは痛いほど分かるにゃあ。わっちは前のパーティーだと別行動が多かったから悪いことをしたにゃあ。セツニャ」
「なーに!もう過ぎた話さ。セシリアもこの度が終わったら頑張って修行の旅に励むんだぞ」
「‥‥‥‥分かったにゃあ‥‥‥‥セツニャが居なくにゃても頑張ってみるにゃよ」
「あぁ」
俺との会話を終えたセシリアは何処か辛そうな顔をして俺から離れていった。
「おっ!あれはオリエント・メイスから一番近い街。『カマ』か!懐かしい。皆、今日はあそこの町の宿に泊まろう」
「おぉ、カマか。了解した」「数年振りに来たな!」「‥‥‥‥了解にゃあ」
俺の声かけに反応し3人は返事をした。そして、俺達は『カマ』の街で一番値段が張る宿屋を選び。部屋を借りた。




