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実力差その2

『ラインバレル』大闘技場


「うおお!死ね!悪鬼!」「オオオオオオ!」


「この鳥共が!」「カアカア!」「ガアガア!」


「くそ!何故、倒せない?」「オオオオオオ!!」


大闘技場・中央


「おい!おい!どうした?!無礼野郎!本気でヤらねえと!俺はたおせねえぞ!」


ガキン!


「抜かせ!クソガキ!多少、魔力総量が多少、多いからといって調子に乗るんじゃねえぞ!」


ガキン!


「‥‥‥‥カシア様、時代の頃よりも弱くなってるな!おい!ラインバレルの軍人共は‥‥‥‥」


ガキン!


「何を独り言を言ってやがんだ?クソガキ!」


ガキン!


「‥‥‥おい!無礼野郎!」


「なんだ!ガキ?」


「お前らは、この数年、ラインバレルで‥‥‥レイサイトのオッサンの元で何を学んできたんだ?」


「なんだと?何をいきなり言ってやがる!」


「『ラインバレル』はエウロペ大陸でも有数の軍事都市だ!ここではありとあらゆる戦いの知識を学べる環境が整えられている。そして、それを可能にしてきたのが。レイサイトのオッサン‥‥‥‥レイサイト・テレサイト将軍の知識と軍略がそうさせている」


「‥‥‥だから、なんだってんだ?ガキ!」


「お前らはそんな最高峰の教育環境にいながら。たった俺、一人に好き放題やられていやがる!‥‥‥‥数年前の魔王軍の方がよっぽど強かったぜ!」


「人魔戦争は終わったんだよ!クソガキ!これからは平和な時代にシフトしていくんだ!その若さじゃあ!分かるわけもねえだろうがな!今は軍事よりも娯楽や貿易だ!」


「平和ねえ?‥‥‥セルビアや『幻獣の楽園』の事件について詳しく知ってるか?!無礼野郎!!」


「あん?そんな他国の事なんざ!今の魔王領に関係ねえだろうが!それに今は魔王領の利益についての話をしてんだろが」


「‥‥‥そうかい!そうかい!こりゃあ!本当に昔に比べて魔王軍が弱くなるのも(うなづ)けるぜ!夜暁術・『剛力天夜』」


「だから、てめえは何が言いてえんだよ!!クソガキ」


「黙りな!無礼野郎!少しヤキ入れてやるよ!『天夜・連激』」


 俺は無礼野郎に向かって数百にものぼる闇の連激を放った。


「くっ!さっきまでとは威力が桁違いじゃねえか!クソガキ!」


「いいか!よく聞け!無礼野郎!エウロペ大陸は平和になったわけじゃねえ!むしろ破滅の始まりの狼煙が上がったんだよ!元になあ!数ヶ月前に起きた。勇者と魔王の失踪事件から始まり。この数ヶ月だけで幻獣の楽園の襲撃事件、セルビアの内乱騒動、スパイング山脈の夜叉の件もそうだ!一人か二人か‥‥‥はたまた、どっかの組織知らねえがな!」


「‥‥‥組織だあ?」


「世の中の奴等は平和ボケして使い物にならなくなったんだよ!それは七聖―女神―達も理解したんだろうな!せっかく役目を終えたカミナリを!‥‥‥‥わざわざ、あっちに返した(はず)のカミナリまで喚びつけるくらいだからな!それだけじゃあ足りないと判断したのか知らねえが。この俺を魔王領に呼び戻すまできてやがる!」


「‥‥‥‥‥それで?」


 無礼野郎は段々と俺の話に耳を(かたむ)け始めた。


「ハッキリ言ってやる!この平和は仮初(かりそ)めだ!このエウロペ大陸の奴等を油断させる為の罠だろよ!‥‥‥‥いいか!カミナリの野郎はもうすぐあっちに帰っちまう!もう、時間がねえ!カミナリの野郎が居なくなった後は、未曾有の惨劇がこのエウロペ大陸に襲いかかってきやがるんだよ!」


「‥‥‥‥‥」


 無礼野郎は俺の話を真剣に聞き始めた。


「昔を思い出せ!無礼野郎!昔の魔王軍の殺気をな!そうすりゃあ!今後の戦いで生き残れる確率が格段に上がるだろうよ!」


「‥‥‥話を最後まで聞いてやったが、なんとも雲を掴むような話だがな‥‥‥‥」


「まぁ、そうだろうな!‥‥‥‥‥」


「とても信じられねえ話だったがな!‥‥‥まずはてめえとの闘いに勝ってやる!その後、どうするかは後で考える。朝来流『大天朝雷弾』」


 無礼野郎は俺に向けて、凄まじい数の雷の雷弾を俺に向けて放ってきた。


「‥‥‥まぁ、俺の話に耳を傾けただけでも今回は良しとしてやる。‥‥‥‥闇の帳、縮め!‥‥‥『八咫烏(やたがらす)・』」


「なんだ?黒い結界が縮小してきただと?」


「とりあえず、ぶっ倒れな!‥‥‥『黒天』!!!」


「俺の目の前に突然、黒い球体が?!」


「発散しろ!鴉!!!」


「ガアガアガアガア!!!ガア!!!」


 鴉は四方八方に散らばり。無礼野郎が放った雷弾も俺に届く前に吸収していく。


「くっそ!俺の身体に黒鴉が纏わり付き!呑み込み‥‥呑み込‥‥‥‥アアアアアア!!!‥‥‥‥」


ドドドドドドドド!!!


 無礼野郎は俺の放った八咫烏の群れに押し潰され。息ができなくなり、意識を失ったのだった。

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