地球文化
魔王領・国境『スパイング山脈・ショックビル』
シャキン、シャキン、シャキン
「‥‥‥‥‥着いたが‥‥‥気配は最早無し」
シャキン、シャキン、シャキン、パチン!
ゴゴゴゴ!!
シュイン!シュイン!
「お呼びでしょうか?」「死神様!この人の山。皆殺しにしても?」
シャキン、シャキン
「‥‥‥‥よせ!『オンネン』よ!自分は弱い者は狩らぬ。そして、興味がないのだ」
「はっ!死神様‥‥‥‥では、後で近くの村に入る。若き子供を頂いても?グルルル」
シャキン、シャキン、
「若き子供か‥‥‥‥ならば、この先の都市に急ぎ行き先回りせよ!‥‥‥その者達から‥‥‥シャキン!大蛇の微かな魔力残滓が感じられる」
「魔力残滓ですか?死神様!あぁ、シャキン!‥‥‥『ウラミ』よ!‥‥‥‥お前も『怨念』と共に行け‥‥‥‥そして、大蛇を自分の元へ連れてこい」
「はっ!」
「‥‥‥自分は少し、懐かしき魔王領を見て歩く。‥‥‥集合場所は‥‥‥‥帝都『オリエント・メイス』」
「「畏まりました!!初代○○様」」
シュン!シュン!
そして、配下の『怨念』と『ウラミ』はその場から消えた。
「シャキン!シャキン!シャキン!‥‥‥あぁ、よろしく頼む」
死神は魔王領の風景を静かに見ている。
「シャキン!シャキン!‥‥‥何の因果か‥‥‥‥大蛇が現れた場所が魔王領、近くとは‥‥‥‥‥因果は収束するという事か?エスフィール皇よ?」
シャキン!シャキン!‥‥シャキン
魔王領・東部『オールエンズ街道』宿場
「エ、エスフィール!ここは、本当に魔王領だよな?」
「う、うむ、そうじゃ!」
「ここの地域ってガリア帝国の進攻で廃れててたんだがな‥‥‥‥」
「数ヵ月後振り位に来たら、リゾート地に早変わりしてるにゃあ~!どこで遊ぶにゃあ?メイエス」
「そうじゃな~!あの、ぼーりんぐとやらを‥‥‥ぼーりんぐ?」
「あっちには、ヤキューウって書いてあるにゃあ~」
「ぼーりんぐに?ヤキューウ?」
「ボーリング?に野球?」
「おい!セツナ」
エスフィールが俺に詰め寄る。
「はい。‥‥‥エスフィール‥‥‥」
「貴様、魔王領に地球の知識を持ち込んだな!!!」
「いや、これは、魔王領の発展の為に、勇者時代にだな」
「こんの‥‥‥‥」
「こんの?」
「こんの馬鹿者がああああ!!!」
ブオン!
エスフィールは神煌具『緑樹・霊剣』の鞘を勢い良く俺に振り上げた。
「うおお!危ねえええ!!」
「なぜ避ける!貴様」
「流石にそれは、危ないからだろ。つうか、貴重な神煌具を振り上げるな!!」
「それよりも、貴様、魔王領に地球文化を持ち込みよって。そのせいで‥‥‥そのせいで」
「そのせいで?」
「オールエンズ一帯がこれ程、発展してしまったではないか。はぁ~!!もし、他の地域も同じ様な状態ならば。最近、魔王領が発展してきている原因は‥‥‥」
「元勇者の俺のせいだな。ごめんな!エスフィール」
俺はそう言いながら、エスフィールの両肩を掴み。深々と頭を下げた。
「‥‥‥‥はぁ~、もうよい‥‥‥‥それよりも、セツナ殿よ」
「セツナ殿よ?」
「貴殿の魔王領、発展に感謝を‥‥‥お礼を申す」
エスフィールはそう言うと俺に深々と頭を下げた。
「おお、なら、宿場で二人っきりの部屋でお話しを‥‥‥‥」
俺がそう言いかけた瞬間。
「オラア!調子に乗るなこのドスケベがあ!!!」
ドスン!
「ぐお!!」‥‥‥‥バタリ!
「スゲー!パンチにゃあ!」
「懲りねえ!やり取りだぜ!全く。アインズさんよう!あの、ぼーりんぐってやつをやりに行こうぜ!」
「うにゃあ!うにゃあ!行くにゃあ!メイエスもそんな、セツニャなんて放っておいて、ぼーりんぐ行こうにゃあ!」
「あ、あぁ、そうじゃな!では、セツナよ。起きたら、ぼーりんぐ場で待っておるからな」
「‥‥‥‥‥」
「うむ、待っておるぞ」「「おるぞお!」おるにゃあ!」
(まだ、返事してねえよ。お前らーーー!)




