スパイング山脈の大蛇事件
翌日。『スパイング山脈』西側アテナ地方・魔王領
麓の町『ショックビル』
「町長!エウロペ新聞です!昨日のあの大蛇はいったい?」
「いえー、その‥‥‥」
「魔法新聞の者ですが!今後、調査隊は組織するのでしょうか?」
「いえー、ですからね‥‥‥」
ショックビルの宿屋兼食堂『スパイス』
昨日、夜叉巫女、襲撃の後、俺達はスパイング山脈の地図とエスフィールの魔力感知でこの麓の町『ショックビル』を見つけ、転移魔法で飛んできた。
その後は、目立たないように直ぐに、町の近くの宿屋へと入り。一晩ゆっくりと過ごしたのだった。
「大変にゃ、騒ぎににゃってるにゃあ~!セツニャ」
「そうですね。セシリアさん」
ズシン!
「おお、まだ、喋れる元気があったのか?セツナ。しかし、貴様、本当に毎度、毎度。やらかしてくれるのう?色々とのう。ほれ、追加の重石じゃぞ!喜ぶのじゃ!」
ズシン!
「すみません。エスフィールさん」
「なに?まだ足りぬか?セツナは欲張りじゃなあ」
ズシン!ズシン!ズシン!ズシン!
「あぁ、潰れる!俺の足が潰れる!」
「まさか、あの様な。野生龍しか生息しない場所でもフラグを立てるとは、流石は元『勇者』殿じゃなあ?セツナ。昨日は、大蛇殿の注意があったからな手が出せなかったが。まさか、あれから酔い潰れ寝てしまうとはのう。なぁ?セツナよ!お主も嬉しかろう」
「全然、嬉しくねえよ!つうか、そろそろ解放しろエスフィール!夜叉はもう袋の中に入るだろ」
ズシン!ズシン!ズシン!
「そうじゃな。夜叉殿はもうおらんな。だが、貴様は一晩でこのエウロペ大陸を震撼させおって。外を見てみろアホウ」
「そ、外だあ?」
『ショックビル』周辺の宿屋
「ガリア兵はスパイング山脈の麓で待機だ」
「セルビア兵は‥‥‥調査を」「魔王軍は地域の調査を‥‥‥‥」「魔術院の探索チームは」「影の国の者達よ」「七聖教会の者達よ。周囲に結界を張るのです」
「‥‥‥‥‥なんかのお祭りか?」
「そうじゃのう。まるで世界会議の様に周辺の諸国がこぞって『スパイング山脈』の大蛇についての調査隊をここ、『ショックビル』へと集結しておるのう」
ズシン!ズシン!
「増やすな!増やすな!石段をこれ以上。増やすな!エスフィール」
「ならば、反省しろ。色々と」
「わかった!わかった!反省します。反省しますからーー!」
俺はそう言いながら、涙を流した。
「‥‥‥スパイング山脈に謎の八首の龍現る。魔法新聞だとよう!」
「こっちにゃあ、『セルビア』の悲劇。再びか?!暗雲。エウロペ大陸!!エウロペ新聞よりにゃあ‥‥‥」
「‥‥‥‥いや、済まんかった。セツナ、私はお主の事をまだ、甘く見積もっておったようじゃ」
「甘く見積もってた?」
「あぁ、お主がその気になればこのエウロペ大陸を蹂躙できる程の力を、お主は隠し持っておったんじゃな」
「隠してない。隠してない。だから、この石段を‥‥‥」
「‥‥‥では、約束せよ。ここはもう、我が領地、魔王領。好き勝手暴れぬとな」
「する。約束する。つうか、俺が君の嫌がることをするわけ無いだろうが」
俺が必死に訴えると。
「そ、そうか、ならば。許してやろ」
ズズン!ズズン!
「す、少し。石段が減った?!」
「だが、あの、夜叉巫女については許さぬ。その事は反省せい!」
ズシン!
「ぐっ!くそう!!」
「しかし、どうするよう!魔王様よう!直ぐに魔王城に向かうのかよ?」
「いや、数日ここに滞在し様子を見る。あれ程までに各国の兵が集まって入るのは、世界会議でしか見たことがないからのう。何が起こるか分からぬからな」
「‥‥‥そうかい。なら、それに従うぜ。魔王様よう」
「?うむ!」
「何にゃあ?いきなり!黒騎士。メイエスの事、魔王様にゃんて」
「アインズさんよう!もう、ここは、魔王領域だ。現魔王様が目の前に居りゃあ!魔王領の民としては、呼び方を変えねえ訳にはいかねえんだよ」
「そうにゃのかにゃあ?メイエス?」
「いや、人によって違うが‥‥‥ヒスイがそうするならば。それで良いのではないか?」
「まぁ、そう言う事だ、アインズさんよう!」
「そうにゃのか。分かったにゃあ」
「そんなんいいから。早く俺を解放してくれ。つうか、何で俺の強化魔法が発動しないんだ?‥‥くそう!!足が圧迫骨折しちまう!誰か、助けてくれーーー!」




