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カミナリ VS 夜叉巫女 ROUND9 契約詠 ~ 唱カミナリ VS 夜叉巫女 ROUND10 新たなる女神



『スパイング山脈』・野生竜の安楽


「‥‥‥‥勝利しましたか。我が新たなる主よ!流石は、我に勝利した者。だが、いずれは‥‥‥成る程、これが契約者の縛りか‥‥‥‥ならば、従おう。我が新たなる主様よ」


 八岐大蛇大蛇は静かにスパイング山脈の中で二番目に標高が高い『野生竜の安楽』の頂へと立った。


「「「「「「「「この新たなる地は面白きかな!我が新たなる主に感謝せよ!この大陸の住人達よ!我を束縛せし、契約者の契りの縛りにな!!本来ならば鏖殺し!我が支配に怯えさせていたところ!!だが今は気分はよし!ジュラララ!ハハハハハハ!ギュラララ!!ズラララララ!!ギギギギギギ!!オラララララ!!ズズズズズズ!!!フハハハハハ!!」」」」」」」」


「「「「「「「「ジュラララララララ!!ジュラララララララ!!ジュラララララララ」」」」」」」」


 八首の大蛇はスパイング山脈の天空で高らかに勝利を酔いしれたのだった。そして、その方向はエウロペ大陸全体に恐怖の斉唱(せいきょう)として、各地の地方に伝わるのだった。



情報の国『スキャンダー』・魔法新聞社


「撮れ!撮れ!撮れ!撮れ!映写機で撮りまるんだ!あの八首の龍を!!!」


「は、はい!編集長!!ですが!あの八首の龍。でかすぎませんか?こんな遠くの組からでも、肉眼で確認できるなんて‥‥‥」


「直ぐにスパイング山脈、周辺に入る。スタッフに連絡を送れ!あちらの状態の早期確認と‥‥‥‥」


「は、はい!」


『ガリア帝国』


「王よ!あの、八首の龍は?」


「‥‥‥直ぐに兵を送れ。そして、周辺の者に聞き込みを」


「はっ!」


「何者なのだ?あの龍は?‥‥‥‥」



エルフと妖精の国『セルビア』


「ジュラララララララ!!」


「セルフィーユ様。あの邪龍は如何様(いかよう)に致します?先遣隊を直ぐに組織して‥‥‥」


「そ、そうですね。宰相‥‥では、直ぐに」


「ちょ、ちょっと待ってお母様!」


「アルディス王子‥‥‥いえ、アルディス王女ですか、今、緊急会議中ですよ。アルディス。それから貴女には、エウロペ大陸中から、お見合い話が来ていて‥‥‥」


「お、お母様!心配しないであれの八首の邪龍はセツナ君。‥‥‥‥カミナリ君の契約者だと思うから」


「‥‥‥‥あの?大蛇ですか?」


「うん!そう!」


「彼は、あれ程、強大な八首の大蛇を従えられるのですか?‥‥‥‥それ程までの膂力(りょりょく)を残しこの国を救ったと?」


「そ、そうだよ!流石は僕の大切な人でしょう?お母様‥‥‥あっ」


「えぇ、流石、貴女の大切な人です?‥‥‥はっ?」


「じゃあ、そういう事だから、お母様、お父様。僕は仕事に戻りまー~ーす!」


素早くその場を去る。アルディス。


「ウンディーネ!シルフィード!直ぐにアルディスを捕まえ。私の前に連れてきなさい!直ぐにです」


「「はい!!女王様!命に変えても必ず!!」」



『頂上闘技場』


「アアアアアアアア!!アアアアアアアア!!」


夜叉は俺の『訪雷転移』の中で攻撃の嵐を受け続けている。


「流石、カミナリ!スイッチが入りゃあ!どんな、奴にも容赦ねえぜ!」


「‥‥‥えぇ、怖いくらいに‥‥‥」


ヒスイとタマキはそう言いながら。俺の近くへとやって来た。


「‥‥‥‥そろそろ、攻撃が止むな。いちを気をつけておけよ二人共」


「あぁ!」「はい!ご主人様」


シュイーン!シュイー‥‥‥‥スーウ‥‥‥


 転移陣が消えた。


「あ、あ、‥‥‥‥あ、う、あ?」ドサリッ!


 最早もはや、ボロボロの状態で現れた、夜叉巫女。


「それで?コイツをどうすんだ?カミナリよう?」


「‥‥‥いや、その前に‥‥‥あぁ、丁度来てくれましたか、大蛇様」


「ジュラララララララララララ!!我が新たなる主に勝利の報告を!では、この黒龍はこちらに」


シュン!


 遥か天空から黒龍は現れ。スパイング山脈の頂に堕ちていくる。


ドガアアアアアアンン!!!!


 そして、山頂の近くにとてつもい轟音を立てて着地した。


「これは酷い。瀕死の状態てすか‥‥‥」


「えがつねえな!あの邪龍さんもよう」


「あ、あ、あ、夜叉の『クロ』?!え?え?何であんな姿に?」


 自身も瀕死の状態でだというのに、彼女は黒龍を見て涙を流し、心配している。


カツン!カツン!


 俺はそんな、夜叉の前に歩み寄り。夜叉の目の前で歩みを止めた。


「夜叉巫女」


「ふ、ふあわ?」


 慌て始める。夜叉巫女。


「このまま放って置けば、君とあの黒龍は後、数分で命を失うだろう」


「‥‥‥‥夜叉と『クロ』が死ぬです?」


 死の現実を知らされた夜叉巫女は、まるで幼い少女の様に震え。恐怖の表情を浮かべ始める。


「では、選んでくれ、このまま死ぬか、俺と縁を結び。契約者として生きていくか?」


「‥‥‥‥カミナリもえげつねえな!」


「悪者に利用されるよりはましかと思いますが?」


 近くでそんな会話を始める二人。


「や、夜叉は‥‥‥」


「いいのかい?このまま、もう少ししたら死ぬが?」


「う、うぅぅ」


 泣き始める夜叉。


「まぁ、君にとっても悪い話じゃない。俺に着いてくれば。いずれ、この大陸の他の『神ノ使徒』候補と会うことができる」


「えっ?」


「そして、君と、君の相棒。黒龍には、『セルビア』で得たこの数万人分の魔力で君の傷を癒し。そして、安全な場所で療養させてやろう」


「ご、ご主人様!そんな事をすれば、せっかく得た全盛期の魔力総量が‥‥‥それにあれ程の黒龍。治癒にどれだけの時間と魔力を吸われると思って‥‥」


 タマキがそれを聞いて慌て始めたタマキ。


「いいんだ!タマキ!魔力供給なんて、また、別の人達に頼むからいい。それに今は一刻を争う時だ!」


「は、はい!分かりました」


俺は強い口調でタマキを大人しくさせる。


「や、夜叉は‥‥‥『クロ』と‥‥別れたくありませぬ」


「‥‥‥そうか、そうだろうな」


「う、うぅぅ、はい、夜叉は、夜叉は」


「あぁ‥‥‥‥」


「カミナリ殿と契約しまする。だから、『クロ』を‥‥‥‥夜叉の家族を救って下さい!!!」


 夜叉は涙を流して俺に頼み込む。


「良く言った。その言葉を待っていたんだ。‥‥‥では、我等は闘い」


「‥‥‥死闘の末に‥‥‥」


 契約の詠唱が始まった。


「お互いを知る」


「‥‥‥そして、新たなる関係を求む‥‥‥」


「我が、新たなる契約者に癒しを与える」


「‥‥‥新たなる主に感謝いたす‥‥‥」


「契約」


「縁を」


「「結ばん!!」」


 俺と夜叉が同時に契約の詠唱を言い終えたのだった。





カミナリ VS 夜叉巫女 ROUND10 新たなる女神


『スパイング山脈頂上』


ガゴン‥‥‥ ゴゴゴ‥‥‥ ピシッ‥‥ガゴン


「闘技場が‥‥‥‥」


「静かに崩壊していにゃあ‥‥‥‥」


「ふにゃあ~!にゃとか勝ったけどにゃあ~‥‥‥あの、怖そうな邪龍に近づきたくにゃいにゃあ~」


「‥‥同じじゃあ、私は爬虫類が大の苦手なのだ」


「にょほう?以外にゃ、弱点にゃあ?メイエス。わっちは蛇は平気にゃぞ」


「乙女なら誰でも虫や爬虫類は苦手じゃろう?」


「メイエスが乙女にゃあ?プププ、ドSの女王の間違いにゃいのか?プププ」


「なんじゃと~!」


 そんな、やり取りをしながらエスフィールとセシリアは遠くでじゃれ合っていた。


『頂上闘技場跡』


「‥‥‥『クロ』!良かった息がありますね?」


「あ。ああ、なんとかカミナリ殿の大量の魔力供給で一命は取り留めたが‥‥‥‥(しばら)くは、地上に顕現できないだろう。悪いが、夜叉。君の中にひとまず。帰るとする」


「はい、はい!分かりました。『クロ』が無事で良かった」


 夜叉巫女はそう言うと黒龍に抱きつき、泣き始めた。


「では、夜叉‥‥‥それから、周辺の者達。しばしの別れを」


スゥーー

 黒龍はそう言うと。静かに姿を消したのだった。


「‥‥‥‥‥終りましたな。我が、新たなる主」


 大蛇が黒龍が消えるのを見ながら俺に聞いてくる。


「えぇ、大蛇様も今回は‥‥」


「様も敬語も結構です。我が、新たなる主よ!貴方は我に勝った。強き者なのですから」


 大蛇はそう言うとその巨体で(こうべ)を垂れた。


「‥‥‥そうか、では、今回は助かった。ありがとう大蛇!これは契約の八塩折之酒だ。受け取ってくれ」


 俺は、アルディスと以前、地球に一時的に行った時、執事の桐生さんに頼んで買って来てもらっていた、現代版の八塩折之酒を取り出し大蛇に渡したのだった。


「なんと、八塩折之酒を!!!ありがたく頂きます」


 この酒を地球のお土産として魔法の袋の中にずっと放っておいた物だ。『セルビア』の人達は酒よりも。地球のお菓子や飲み物に興味が出たらしく。


 お土産を見せた際いは。皆、酒なんかには見向きもしなかった為、魔法の袋の中にずっと眠っていたのだった。


 その余り物がこうして役に立つ貢ぎ物になるとは予想だにしなかった。


「わ、我が、新たなる主よ!ヒック!これからは、貴方にずっと着いていきますぞ!ヒック!」


「あ、あぁ、よろしく頼むよ。大蛇‥‥‥‥余り飲み過ぎるなよ~」


「へい!ヒック!ヒック!」


 流石は、八岐大蛇。酒好きなのは伝承通りだが、まさか、ここまで酒好きとは。予想の遥か上を行っていた。


「‥‥‥カミナリ!お前、とんでもねえ。怪物を従えてたんだな!俺は、ビックリしたぜえ!」


「うちもです。ご主人様」


 俺の近くに居た。ヒスイとタマキが俺に話しかけてきた。


「ん? あぁ、あのクラスなら後何体か入るから。魔力濃度が高い地域にでも行ったら、そのうち会わしてやるよ。二人共」


「‥‥‥そうかい!」「‥‥‥遠慮しておきます。それよりもうちが知らない。その何体かの神獣クラスとは、何時(いつ)どこで知り合ったんですか?ご主人様」


「うん? 内緒!そのうち、会わせねやるから楽しみに待っててくれ!タマキ」


「ジュラララララララララララララ!!酒、酒、酒、酒ジュラララララララ」


「‥‥‥‥‥いいえ、遠慮します」


 タマキは八岐大蛇を見ながら、そんな感想を述べた。


「‥‥‥くっ!身体が動きませぬ」


ズルリ!ステンッ!


 そう言いながら夜叉は立ち上がろうしたが、上手く立ち上がれずに腰を地面に着いてしまった。


「おいおい!まだ、安静にしてろよ。仕方ない。起こしてやる!」


「い、いえ、大丈夫です!カミナリ殿!!」


 俺は地面に身体を転がしている。夜叉巫女の身体をお姫様抱っこで起き上がらせた。


「おいおい、カミナリ!お前、新たなる火種を‥‥‥‥」


 ヒスイは呆れ。


「パシャ!パシャ!パシャ!スクープ!新たなスクープですね!ご主人様!!」


 何故か、タマキは興奮しながら。カメラでその光景を撮影しまくっていた。


「‥‥‥‥まぁ、良い。後の事は、後で考えるさ!それよりも。夜叉巫女君」


くん? 夜叉は女ですが?カミナリ殿」


「‥‥‥‥そうなのか、それは失礼」


「カミナリ! お前、まさか勘違いしてやがったのか?」


「パシャ!パシャ!パシャ!スクープ!これはスクープですね!ご主人様」


「‥‥‥‥後で対策は考えればいいさ。それよりもだ。夜叉巫女」


 俺はそう言うと、夜叉巫女を近くに転がっていた丁度良く腰掛けやすい岩石に夜叉巫女を静かに座らせた。


「は、はい!なんですか?カミナリ殿」


「君に『空間魔法』と『解放者』の名を与えたのは何処の誰なんだ?それを教えてくれないか?」


「その事でしたか。‥‥‥‥カミナリ殿が夜叉に勝てたら教えるとも言いましたしね。‥‥‥‥その方はですね」


「あぁ、その方は?」


「はい! 西側諸侯の崇拝するお方。七聖が1人。―女神―『ヘスティア』様。ご本人から頂いたお力になります」


 ここにきて、新たな七聖―女神―の名前が出てきたのだった。


『夜叉巫女の襲来』編


終。


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