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カミナリ VS 夜叉巫女 ROUND7 邪龍 対 黒龍 ~ カミナリ VS 夜叉巫女 ROUND8 夜叉は負けませぬ

『ユグドラシル地方』セルビア国・首都『オーディン』


王宮


「「「「「「「「ギャオオオオオオオオ!!!!!!」」」」」」」」


「また、大地を割くような雄叫びが‥‥‥‥」


「あっちはスパイング山脈の方?いったい何が起きてるの?」



『影の国』


「「「「「「「「オオオオオオオオオオオオオ!!!!!!」」」」」」」」


「くっ!耳が、割れるようです」


「スカサハ様。この龍のごとき叫びは?」


「南東の方ですか‥‥‥‥」


『魔術院』


「「「「「「「「ハアアアアアアアアアアアアア!!!!!」」」」」」」」


「ぐぅ。またかい?さっきから何なんだい?これは?あっちは、‥‥‥‥スパイング山脈かい?」


『オアシス』


「「「「「「「「ギャオオオオオオオオ!!!!」」」」」」」」


「耳を塞いでろ。カンナ!おかしくなるぞ!!」


「な、何なの?さっきからのこの異音の様な声は?」


『闘技場観客席』


「‥‥‥またまた、やベーのが現れたにゃあ‥‥‥」


「なんじゃ?あの化物の邪龍は?セツナの奴はいったいどれ程の神獣を従えておるのだ?」


「うにゃあ?分からんにゃあ‥‥‥昔は召喚魔法なんてわっちら仲間の入る時に使ってにゃかったからにゃあ。‥‥‥様は、実力を殆ど隠してたのにゃあ。セツニャの奴は、ギニャー!にゃだかもにゃもにゃするにゃあ」


「しかし、これ程の雄叫びを発しながらこちらには一切の爆音が漏れてこぬな。やはり、この闘技場は、夜叉の結界だったのだな‥‥‥‥」


「うにゃー‥‥‥‥」


場面戻り『頂上闘技場』


「‥‥‥‥貴殿は何を召喚したのだ?『洗礼者』‥‥‥いや、『召喚者』よ」


 黒龍が俺を見上げながらそう問うて来た。


「見れば分からぬか?極西の黒龍よ?」


大蛇(おろち)が黒龍を見ながら答える。


「‥‥‥貴殿は何者ぞ?同種の竜種よ?」


「新たなる主よ。この者との会話は?」


「御好きにして下さい。大蛇様」


「感謝する。我は八岐大蛇なり。‥‥‥‥ここは我等では少々狭いのう。主よ我等は山頂の頂きでやりあいまする」


「よろしくお願いします。大蛇様。後程、高酒を必ずお渡ししますので。勝って下さい」


「高酒を!‥‥‥主の見心のままに!一緒に来い!黒龍の坊や‥‥‥神話魔法『八塩折やしおり』」


「貴殿は何?‥‥‥‥ん?何かに引っ張られ?ぐぅ!!!」


「『クロ』?」


黒龍はスパイング山脈の頂上よりも少し低い山脈へと吸い寄せられるようにして移動をし始めた。


「では、我等は行きます。新たなる主も眼前の少女に勝利を!」


「ええ、そちらは頼みます」


「では!」


シュン!


 おお、あの、超巨体が一瞬で居なくなるとは‥‥‥‥流石は和国のラスボスだな。


「カミナリ殿は何者です?」


 夜叉が驚愕の顔を浮かべながら俺に聞いてきた。


「我はカミナリ。『召喚者』なり。行くぞ。龍人!最後の勝負を始める。『雷槍転移』!!」


「くっ!空間魔法・『残空』」


ザシュン!ズババババ!!!


 空間の亀裂と転移の雷が異様な音を立ててスパイング山脈の頂上に鳴り響いた。



『スパイング山脈』・野生竜の安楽


「キュルル!!!」「ゴルルル!!!」「キシャア!キシャア!」「オルルル?」「ギギギギギ!」


 そこは野生竜達が闊歩(かっぽ)する常人では直ぐに殺され餌に成り果てる場所。野生竜の安楽


「‥‥‥まさか、野生竜の生息地に我を飛ばすとは‥‥‥」


「少々、騒がしきかな。‥‥‥‥黙れ!無知竜共。‥‥‥‥神話魔法『蛇石へびいし』」


「オルルル?」「ゴルルル?‥‥」「キシャア??‥‥‥」


 大蛇がそう唱えると。野生竜達が次々に命を散らして逝く。


「なんと、(むご)き事を‥‥‥」


「言葉を慎めよ。黒龍の子供よ!我は神話の者なり。そして、我は新たなる主の話しか聞かぬ。存ぜぬ。理解せぬ」


「‥‥‥カミナリ殿は、我を倒すためにとんでもない者を呼び寄せたのだな」


「では、我を止めてみせよ。際西の黒龍よ!この大陸が形を保つうちにな!神話魔法・原始・回帰『八俣遠呂智』」


 そして、八岐大蛇は自身の大きさを肥大化させていく。‥‥‥‥肥大化させていく‥‥‥‥


「‥‥‥‥貴殿は?何処まで大きくなるのだ?」


そして、黒龍は戦慄する。


「保てよ!黒龍よ?油断すれば、一瞬で死ぬと思え?」


『天叢雲剣・八俣遠呂智』


 その邪龍の等身は数十kmを越えていた。



再び『頂上闘技場』


「な、何ですか?あの巨龍は?」


 初激の打ち合いを相殺した。大蛇と黒龍が入る場所を見て、夜叉は唖然としている。


「八岐大蛇だ!‥‥‥‥‥死なないといいな!君の相棒」


「つっ!『クロ』は死にませぬ」


「だといいな!‥‥‥1つだけ、言っておく」


「‥‥‥‥何でしょう。カミナリ殿」


「俺は、俺や俺の仲間に牙を向けてきたものには容赦をしない。手加減もしない。殺し合いに発展すれば必ず息の根は止める。それが俺達に牙を向けて来た。(むく)いだからな」


「‥‥‥‥そうですか」


「その手段に正も邪もない。使えるものは元、敵であっても躊躇(ちゅうちょ)なく使用する。」


 そして、俺は巨大化した大蛇を指差す。


「それがあの伝説の邪龍。『八岐大蛇』であってもだ。‥‥‥相手を見誤ったな?夜叉巫女。お前は今日、ここで終わる」


「‥‥‥‥終わらぬ!夜叉は終わらぬ!そして、『クロ』も!夜叉は!私は!貴殿に勝ち。この大陸の『神ノ使徒』となるのです」


「それが無理だから。いっているんだよ。夜叉巫女殿」



『スパイング山脈』周辺の町


「逃げろ!逃げろ!この世の終わりだ!」


「大きな!黒き竜に巨大な八首の龍!!?」


「避難しろ!避難しろ!!急げ!急げ!」


『魔王領』国境付近


「なんだよ!あの巨大蛇は?」


「静かにしろ待機。命令が出てるだろう」


『魔法注意国』


「急報!急報!邪龍現る。邪龍現る。住民は直ぐに避難を」


「‥‥‥‥あのバカ弟子はいったいどれだけの化け物を飼っているんだい?全く。エウロペ大陸の中央が大混乱だよ!全く!」


『セルビア国』


「伝令。伝令。スパイング山脈。山頂付近に邪龍顕現。邪龍顕現!住民は速やかに‥‥‥」


「スパイング山脈って、今、彼等がいるところだよね?アルディス?」


「‥‥‥‥その筈です。メリュジーヌ卿」


「じゃあ、あの巨大蛇は?」


「セツナ君の契約者なのかな?」



再び『野生竜の安楽』


「くっ!『竜灯籠』」


「‥‥‥‥現代ならば、最強クラスの攻撃だな。黒龍よ。神話魔法『八甕やはち』」


スゥーン!


カラン‥‥‥‥


「我の攻撃が見えない壁に止められた?」


「それが神話の妙技だ!現代の黒龍‥‥‥‥神話魔法『草薙(くさなぎ)』」


ズザン!


「?!」


グサッ!!グサッ!グサッ!グサッ!グサッ!グサッ!グサッ!グサッ!グサッ!グサッ!


「ギャ、ギャアアアアア!!!!」


 ‥‥‥‥数多の草薙の剣が龍人の国‥‥‥最強の黒龍に突き刺さっていく。


「命までは貰わぬ。‥‥‥‥しかし、我が新たなる主を苦しめ。我が新たなる主の仲間に手をあげたことは万死に値するだろう。故にだ。黒龍よ!貴様は、瀕死の状態にし。我が主の元へと共に来い!」


「ぐぅ、『黒翼・森羅』」


「成る程。それが貴様の答えか。ならば、その身体、少々、矯正してやろう。‥‥‥‥神話魔法・』大蛇之麁正をろちのあらまさ』‥‥‥‥負けて。我が新たなる主に忠誠を誓わせる。幾ばく寝ていろ、小僧!!!!神明剣・『天叢雲剣(くさなぎのたち)』」


ザシュン!ズババババババババババババ!!!


 その攻撃は黒龍の数百メートルある巨体を容赦なく切り刻んだと、後の目撃者達は口にしたと言う。


 これが後々まで語られる。スパイング山脈の龍血事件である。


「‥‥‥ハハハハハハハハハ!勝利は黒龍の血しぶきとともに‥‥‥案ずるな。黒龍よ!悪いようにはならぬ。少し休み。少し考えよ。‥‥‥‥だか、今回はこちらの勝ちである。‥‥‥‥良き、時間を感謝」


「‥‥‥‥ギア‥‥‥」


ドスーン!


 黒龍の『クロ』は瀕死の状態になり。山頂へと倒れ込むのであった。



 ‥‥‥‥勝利者‥‥‥‥八岐大蛇。





カミナリ VS 夜叉巫女 ROUND8 夜叉は負けませぬ


『夜叉巫女・同時、10才』


(おお、済まない。巫女。また、かの教国家に呼ばれた!行ってくる。本当に済まない。君の10才の誕生の日なのに‥‥‥)


(‥‥いいえ、お父上様。気にしないで下さい)


‥‥‥‥‥また別の日


(夜叉巫女、夜叉巫女、ごめんなさい。貴女の大切な儀に参加できなくて、本当にごめんなさい)


(い、いいえ、大丈夫です。お母様。夜叉は気にしておりません‥‥‥)


‥‥‥‥‥


(‥‥‥夜叉?)


(『クロ』お母様もお父上様もいつも、忙しそうです‥‥‥)


(それは、仕方ない。夜叉、南側は断崖絶壁の奴等の国。西は資源が殆ど取れぬ海。北は魔神と魔竜達の楽園だ。唯一。我々を助けてくれるのは、七大賢者である。魔王領の現役魔王カシア様位なものよ)


(魔王カシア様ですか?)


(あぁ、彼は隣の西側諸侯の事をいつも、気に掛けているという。近年は、魔王領も阿保な人族の侵攻に(さら)されているというのに、ユグドラシル地方やフレイヤ地方の行商人から食料や資材を買い付け。我々、西側諸侯に流してくれているという)


(‥‥‥なんと!そんな事を?)


(そのせいもあるのだ。魔王領がここ、数年。疲弊し始めているのは‥‥‥‥だが、カシア様と魔族の方々は口を揃えて皆、言うのだ。龍人族や西側諸侯には返し切れない大恩があります。だから、案じなきようと)


(大恩‥‥‥とは?何です?『クロ』)


(それは、このクロにも分からぬよ。ただ、この西側の地が存続できているのは、夜叉の父上と母上。そして、魔王領の皆さんのお陰だなのだよ。夜叉。もし、夜叉がもう少し大きくなったら。魔王領にでも(たず)ねてみてはどうだ?)


(そうですね。‥‥‥外の世界は怖いですが‥‥‥是非、行ってみたいです)


(あぁ、その時は、我が夜叉の事をしっかり守ろう。夜叉のご家族に変わってな)


(うん!ありがとうございます。『クロ』!大好きです。夜叉の大切な家族の『クロ』!!)



現代、『頂上闘技場』


「‥‥‥雷魔法『極・疾風迅雷』」


「くっ!まだ、そのような技を?それに速‥‥‥」


「最初の俺の攻撃や、ヒスイの捨て身の攻撃を喰らい過ぎたな。最初の頃と動きが全く違うぞ!『極・雷霆将来』!!」


ドドドド!!、バリバリバリバリバリバリ!!!


「アアアアアアアア!!!!くっ!こんな、技で夜叉を!!」


「‥‥‥‥そうかい、『セルビア』と『妖精国』の囚人達や妖精兵達のお陰で、俺の魔力だけは、全盛期に戻す事ができたんだ。夜叉巫女」


「き、貴殿はいったい何を申しておりまする?」


「だから、急な転移魔法でなく。時間を掛けた転移陣を使用した。転移魔法や召喚魔法ならあの様な邪龍すら喚べる様になった。‥‥‥これは、全て契約者から微量な魔力供給を少しずつ受けれるようになったからできるようになった奇跡なんだ」


「‥‥‥‥だから、それがどうしたいうのです?カミナリ殿。夜叉を追い詰め。愉悦に浸るか?」


 激昂する夜叉巫女。


「‥‥‥‥‥そうじゃない。まぁ、いいか。‥‥‥しばらく、俺と行動を共にしてもらうぞ。夜叉巫女殿。君みたいな危ない核弾頭をこのエウロペ大陸に野放しにしとくと邪悪な奴等に利用されそうだからな」


「なっ?夜叉がバカだと申しますか?」


「そうだな。お馬鹿巫女さん」


「お馬鹿巫女さん?‥‥夜叉は、夜叉は、家族からその様な事。一度も言われた事などありませぬ」


「‥‥‥‥優しい。家族なんだな」


「当然です!‥‥‥神代‥‥‥」


バリバリ。パリン‥‥‥‥


「成る程。『空間魔法』の神代・回帰はまだ。未取得なんだな。君は!」


「だから、何なのです?カミナリ殿はそれができると?」


「当たり前だろ?俺の本職は勇者じゃない。魔法使いだぜ!」


「貴殿が、魔法使い?」


「‥‥‥‥そろそろ、会話も終い時だな。‥‥‥七聖―女神―の杖『ミカエル』。再び我が元に‥‥‥」


(アハハ、ここに参りました)


「また、新たなる武器を‥‥‥‥」


「行きます。ミカエル様。来いよ!『解放者』!!最後はお互いの特殊魔法‥‥‥‥『女神の祝福』でケリを着けようじゃないか?」


「‥‥‥‥夜叉が、夜叉が最後には、勝つのです!『空間魔法』・極・段空層上演」


それは巨大な空間を切り裂く大鎌の様な大きさの空気圧の様な。形容しがたき攻撃だった。


「やはり、空間魔法は周囲の魔力を歪め。圧縮し、それを一瞬で解放!斬激に転じた攻撃だったか、‥‥‥‥喋っている俺でも理解しづらい特殊魔法だったな。‥‥‥神代・回帰‥‥‥転移魔法‥‥‥‥『転移爆雷』」


 俺の周りに転移陣が現れ。その転移陣の中は、迅雷と豪雷が鳴り響く。雷鳴空間になっている。


「勝利はこの、夜叉に!段空演舞!!!!」


 夜叉は神代・回帰になっていない(‥‥‥‥)空間魔法の攻撃を放つ。


「‥‥‥‥それでは、打ち負けてしまうんだ。夜叉巫女殿‥‥‥‥飲み込め『訪雷転移』」


「なっ?夜叉の段空演舞が呑まれる?」


夜叉のいう通り。『訪雷転移』は夜叉の段空演舞を呑み込み。成長した。


「ありがとう。夜叉巫女殿。これで『訪雷転移』の威力が上がった。‥‥‥では、これで最後だ。転移魔法・『転移回路』」


ブオン!


「夜叉の前に魔法陣?」


 驚く夜叉巫女。


「行って。少し瀕死になってこい!夜叉巫女!数分後にまた会おう。開け!転移陣」


シュイーン!バリバリバリバリバリバリ!!


「い、嫌です!夜叉は、夜叉はあの中に入りたくない。‥‥‥やだ、嫌だーーー!!」


 夜叉巫女はそう言いながら。雷豪と空間弾激が渦巻く『訪雷転移』の中へと吸い込まれていくのだった。

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