カミナリ VS 夜叉巫女 ROUND1 龍人族のフィジカル ~ カミナリ VS 夜叉巫女 ROUND2 龍の歴史
『スパイング山脈』頂上闘技場
べ、ベン!
ザシュン!
シュン!
べ、ベン!
ザシュン!ザシュンザシュン!
シュン!シュン!
「くそ!、さっきから簡易転移で飛ぶ所、飛ぶ所に謎の断空の攻撃をしてきやがって」
「異なことを『洗礼者』よ!貴方も先程のスパイングドラゴンの群から逃れる為に転移魔法では逃げられないと申していたのに今では普通に使ってらっしゃいますが?」
べ、ベン!ベン!
「それは長距離転移の話だ!こんな、鋭利な山脈が並ぶスパイング山脈で易々と長距離転移なんて使えるか!!雷転移魔法『雷転移来』」
シュン!シュン!バリバリ!!!
俺は雷魔法と転移魔法の合わせ技。雷転移来を夜叉の目の前に落とす。
「おや、これは厄介な魔法を‥‥‥‥○龍魔法『龍椀』」タンッ!
「はっ?」
夜叉がそう唱えると夜叉の頭上に龍の腕らしきものが現れ。
「握りつぶして下され。眷属よ!」
「ガアアアア!!!」
バリバリ!!!ガッシ!
バリ‥‥バリ!シュン‥‥‥‥
俺の雷転移来が謎の龍椀になす術もなく文字通り握りつぶされた。
「我々、龍人族は自身が龍であると同時に『龍使い』なり。心して夜叉と闘うことですね。『洗礼者』よ」
「俺もだいぶ。色々な反則な技や魔道具を持っているが君も相当なチート持ちだな」
「はて?チートとは?これいかに?‥‥‥‥最早、時間がないとあのお方はおっしゃっておりました。夜叉や先日の『セルビア』内乱で台頭して来た新世代。英拳王姫『セシリア』殿や騎士の中の騎士『ギャラハット』殿の様な方達がエウロペ大陸の代表として奴等と闘わなくてはこのアリーナ世界は滅ぼされてしまうと」
「エウロペ大陸の代表として奴等と闘わなくては?世界が滅ぶ?どういうこっちゃ?」
「‥‥‥‥貴方が勝ったらお話しましょう空間魔法『断続空断』」
べ、ベン!ベン!ベン!ベン!ベン!ベン!
ザシュン!ザシュン!ザシュン!ザシュン!ザシュン!ザシュン!
夜叉が連続で琵琶を奏で始めると闘技場全体に空間を切断する音が響き渡る。
「だから、その空間魔法も大概反則技だろう!!!雷魔法『大雷守雷』」
俺は自身の周りに雷の防壁を幾重にも展開した。
「それは、少々誤った選択なのでは?『洗礼者』よ?」
「なに?」
俺が後ろを振り向くと夜叉が眼前に居た。
「なんで君がそこに居る?さっきまで目の前で琵琶を‥‥‥‥」
「龍人族の身体能力を甘くみましたな。『洗礼者』よ!○龍魔法『龍爪』」
「ガギュアア!!」
俺の目の前に龍の鋭利な大爪が現れる。そして、それは物凄い勢いを持って俺に振り下ろされる。
「くっ! 転移魔法『空来転移』!!」
ドゴオオオオオ!!!
頂上闘技場に凄まじい爆音が響き渡る。
べ、ベン!ベン!
「ん?おや? 上手く逃げられましたか。流石、七聖―女神―『アテナ』の契約者。なかなかやりますね」
べ、ベン!
頂上闘技場。上空
「たく、次から次へと出鱈目な攻撃をしてきやがって滅茶苦茶な強さだ。龍人族って奴は!メリュジーヌ卿の時もそうだったが。何で竜種って言う奴等はあんなに強いんだ?」
「‥‥‥‥ふぁあああ!!お早うございます。ご主人様。うちがその疑問にお答えしましょう」
「あぁ、お早うございます。タマキ‥‥‥‥って!タマキ、君、魔法の袋の中に居たのか?」
「はい、居ました」
「俺はてっきり、どっかに偵察にでも行ってると思ってたが‥‥‥」
「はい!ここ数日、『妖精国』の宝物庫から拝借した数々の魔道具を整理しておりまして。徹夜続きでグロッキーになっておりまして」
「‥‥‥今なって言った?」
「はい?ですから『妖精国』の宝物庫から拝借した魔道具を整理しておりました。流石にあれ程国内が荒れたので金銀財宝には手を着けませんでしたが。」
「貴様、なんて事をしてくれた!これで『妖精国』の円卓の騎士達を敵にしたらどうする?‥‥‥」
「いえ!かのモルガン女王がお礼として好きな魔道具を差し上げますとうちに言ってくれたんです。貴方には昔からお世話になってますので、どうぞと!!」
「モルガン様がタマキに?何故?」
「『妖精国』の兵士の命と国を助けてくれたお礼だそうです。魔道具に対しても伝説級の魔道具は頂いてませんから。あちらも四方を守る為に必要だと思いますので」
「成る程、分かった。そういうことなら納得した」
俺がそう言うと。タマキは夜叉の方を見下ろした。
「しかし、『解放者』の者がアイテムとは、しかも龍人族とは、今回もご主人様は災難ですね」
「そうですね。タマキさん。どうにかしてくれ」
「では、まず竜種についてお話します。その間に夜叉さんには転移『黄金の牢獄』」
頂上闘技場
シュルシュルシュルシュルシュル
「む?これは?」
「黄金の牢獄の中で静かにしていてもらいましょう」
「‥‥‥君も大概チートだな」
「では、時間も少々できましたので竜種について軽くお話します。ご主人様」
タマキはそう言うと龍人族についての話を始めた。
カミナリ VS 夜叉巫女 ROUND2 龍の歴史
「原始の時代創造神アリーナは一匹の始祖の龍を生み出しまし」
「始祖の龍?」
「はい。始祖の龍です。その龍を原点として遥か悠久の時が経った現在、数多の竜種に枝分かれしてきました。ご主人様は『セルビア』でも色々な竜種に会ったとおもいまが‥‥‥」
「あぁ、メリュジーヌ卿の様な妖精と神竜のハーフ、バジリスクやヴォーティガンの様な魔竜、オーディン様の眷属でもある純粋な神竜達だろう?」
「龍人族もその1つなのです。彼らは人族でありながら。その昔、神竜と交わり人のまま竜種の力を行使できる存在。その者達が今日まで反映し作り上げた国が西側最奥の龍族の国『ニーズヘッグ』です」
「『ニーズヘッグ』?そんな国、エウロペ大陸の地図に載ってたか?」
「『妖精国』と同じです。西の国が攻め込まれた時の」
「隠し戦力ってか?西側の国々がユグドラシル地方みたいに一致団結するような国々か?そんな話。一度も聞いたことないぞ」
「西側の国々は物資の奪い合う紛争地帯が多いですからね。無理もありません」
「あぁ、一度。転移魔法で西側の国々を見て回ったことがあったが何処の国々も貧困そのものだったな。貧困の原因は西側最大の国『宗教国家』が絡んでるとか聞いたが、まさかそこに龍人族の国も絡んでるのか」
「そうですね。まぁ、今回の旅のゴールは魔王領なので今回の旅には関係ありませんが」
「まぁ、‥‥‥‥そうだな。」
「龍人族の話に戻りましょう。龍人族はその強大な竜の力を成形に西国の国々を支えてきました」
「支えてきた?」
「龍人族は西側諸国の支配よりも共存を選んだんです。かつての神魔竜戦争の後の人類側による魔竜達の迫害を目の当たりしていたからです。龍人族もこのまま、自身達の力で西側一帯を支配しても、他の地方の人類側に倒されてしまうと」
「‥‥‥‥それで?」
「龍人族、自身達は『ニーズヘッグ』をなるべく離れず。西側諸国に内戦以外の驚異が迫った時に『妖精国』の用に彼らがその驚異に対処にあたるんです」
「そんな、龍人族の1人が今回の相手かよ‥‥‥‥」
「そして、『解放者』を与えられ。ご主人様と同じ特殊魔法‥‥‥‥‥いいえ、特殊魔法の本当の名前は『七聖の祝福』てすが。まぁ、呼び方なんて差ほど重要ではありませんが」
「『七聖の祝福』‥‥‥‥」
「あの方は西側の―女神―から『七聖の祝福』と『解放者』の名をあたられた様ですね。アテナ様がご主人様に与えた様に」
「厄介なチート野郎だ。たくっ!」
「ご主人様がそれを言いますか?」
そんな、話をタマキとしていると。
べ、ベン!ベン!ベン!
パキン!バキン!パリーーン!!
『黄金の牢獄』が琵琶の音色が鳴ったと同時に砕け散った。
「お話は終わりましたか?『洗礼者』よ?」
「ウチの『黄金の牢獄』がこんなあっさり破られるなんて‥‥‥」
驚くタマキ。
「七つの秘宝のタマキの技を破るとはな‥‥‥‥」
俺も少し動揺した。
「そろそろ。準備運動は終わりです。空間魔法『狭間龍爪』」
べ、ベン!ベン!
夜叉がそう唱えると。俺とタマキがいる頂上闘技場の空に強大な龍の爪が現れる。
ベン!ベン!ベン!
夜叉は曲を奏で。
龍の爪はそれを合図に俺達に向かって下降してくる。
「ご、ご主人様。上から落ちてきます」
自慢の『黄金の牢獄』が破られ。動揺を抑えきれていない。
「ここはもう魔力濃度の高いユグドラシル地方では無い。その為、長距離転移や高位の神獣達を呼ぶにも制限がかかる」
俺は独り言の様に語る。
「ええ、そうですね。呼べても幻獣レベルの契約者しか呼べません‥‥‥」
「ならば、一番近くに居て。一番強い契約者を今、呼ぼう」
「一番近くに居て。一番強い契約者ですか?それはいったい?」
「‥‥‥‥今から呼ぶ。龍人族の夜叉よ!お前は『七聖の祝福』空間魔法を操るだろうが。俺にも、もう1つ『七聖の祝福』を与えられている」
「?それは?どういう?」
「『召還魔法』だ!行くぞ!夜叉。‥‥‥‥召還魔法来てくれ我が騎士『簡易召還・『騎士召還』」
闘技場・観客席
ブオン!
「あん?!ブオンだあ?」
ヒスイの前に見に覚えのある魔法陣が現れ。
シュイン!
「シュイン!だあ?」
スン!
「消えたにゃあ!」「消えたのう」
『頂上闘技場』空
シュイン!
「おお、さすがに近場に居たからちゃんと喚べたか」
「あんだ?!ここは?‥‥‥空にカミナリ?!タマキさんだあ?」
「ヒスイ!あの上の龍の爪の処理頼む!」
「あんだと!」
「魔王領の街に着いたら。セシリアとのデートをセッティングしてやる」
「おう!任せとけや!!夜○術『一の型・百鬼夜行・行脚』!!!!」
「ガアアアア!!!!」
龍の爪はヒスイの攻撃百鬼夜行・行脚により攻撃を受け破壊される。
契約者・『夜霧のヒスイ』露る。