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『夜叉巫女の襲来』



『スパイング山脈』


「『解放者』の名を与えられた者だと?君が?!」


「いかにも」ベン!


「な、なんじゃ! こやつは? いきなり現れおったが‥‥‥それにあれ程居た。スパイングドラゴンの群を一瞬で無力化した力はいったい?」


 エスフィールが動揺も隠そうとせず。目の前の『解放者』と名乗る人物を凝視する。


「フッシャーーー! あいつはヤバイにゃあ。セツニャ」


 セシリアがものすごい剣幕で『解放者』を睨み付ける。


「おめえ!‥‥‥‥龍人族か?お面やろう」


「ほう、夜叉の一族を知ってますか?黒鎧殿」


『解放者』と名乗る夜叉はそう言いながら。ヒスイの方へ視線を向ける。


「龍人族って何にゃあ? メイエス」


 当然の様に龍人族について知らないセシリアがエスフィールに質問する。


「あぁ、龍人族はエウロペ大陸の西奥にある国『ニーズヘッグ』に住む。竜種の一種じゃな」


「一種にゃあ?」


「竜種と言ってと多種多様にいるんじゃ。セシリア。『セルビア』の時も。メリュジーヌの様な半妖精竜も入れば。純粋な妖精龍、魔竜、蛇竜、神龍等の様にのう。そして、その中でも龍人族は‥‥‥」


「龍人族は何にゃあ?」


「竜種の中でも魔法族の様な高い知能と竜の圧倒的な殲滅力を持った本物の化物じゃ」


「お褒めにお預かり有り難き‥‥‥魔法族の方。ですが今回の夜叉の目的の人物はそこにおります。『洗礼者』殿。ただ、1人!さぁ、さぁ、殺り合いましょうぞ!『洗礼者』空間魔法『天空(だんくう)』!」べ、ベン!


 夜叉が両手に持っている琵琶の弦を数回弾く。その瞬間。


ガコン‥‥‥‥スウゥゥゥゥ


ガコン‥‥ガコン


ガコン‥ガコン‥‥ズズズン


 スパイング山脈の岩場が静かに空へと舞い上がり。折り重なっていく。


「これは?なんじゃ?セツナ」


 またもや、エスフィールが困惑した様子で、俺に質問をぶつける。


「―女神―の祝福‥‥聖女エリスの『契約魔法』やギャラ先生の『神現魔法』の様な特殊魔法だ。俺の場合は『転移魔法』だが」


「それから他にはにゃあ?」


「『召喚魔法』『再生魔法』、聖魔法の『解呪』に後は‥‥‥‥」


「多いはアホウ!後、状況をよく考えろ!アホウ!二人」


 エスフィールがプンスカっと怒り始めた。


「アテナ様を褒めたら滅茶苦茶オマケしてくれたんだ。いいだろう?」


「どんな、―女神―じゃあ!!普通、―女神―の祝福は資格者に一つしか与えられん。このチートめ!」


 そして、またもプリプリ怒る。エスフィール。


「おい!お話はそこまでだぜぇ!お二人さんよう!来るぜ!!」


 ヒスイがそう言いながらスパイング山脈の頂上見上げる。


「‥‥‥‥おいおい!何だ?あれ?」


「‥‥‥‥天空の闘技場か?山脈の頂きに?」


「うにゃあ~!アイツヤベエにゃあ~」


「流石は特殊魔法。スケールが普通の魔法の非じゃねえな!」


 4人各々(それぞれ)、スパイング山脈に作られた天空の闘技場を見上げ感想を述べる。


「さぁ、夜叉の元へ来られたし。『洗礼者』殿。そしてお仲間はあちらの席に‥‥‥『異空』」


べ、ベン! ベン!


「はっ?」シュン!


「「「?!!!」」」シュン!シュン!シュン!


 夜叉が琵琶楽器を鳴らした瞬間。俺達の身体は一瞬で山脈頂上へと移動させられた。


「‥‥‥‥なっ?! ここはさっきの闘技場の中か?」


「左様です。夜叉と同じ『神ノ使徒』候補。『洗礼者』よ!以前は『勇者』の資格も持っておられたと。あの方に聞いておりましたが‥‥‥‥成る程、そちらはもう無いようですね」べ、ベン!


「『勇者』の資格もそうなのか?それにあの方って?」


「‥‥‥‥それは教えられません。『洗礼者』よ。すみません」


「あぁ、そうかい」


 丁寧に頭を下げて謝る夜叉。いきなり現れた時は、変な奴かと思ったが、いちを話しは通じるらしい。


「セツナ!!」


 観客席みたいな所からエスフィールの声が聞こえてきた。


「何でわっち達は観客席みたいな所に飛ばされたのにゃあ?」


「特殊魔法だ! 概念からいって普通の魔法や魔道具とは根本的に何もかも違うぜ!アインズさんよう!カミナリの野郎を見ていれば分かるだろ?」


「‥‥‥‥そういえばそうだにゃあ。セツニャもだいぶおかしいのにゃあ」


「お主ら、少しはセツナを心配せぬか!」


「‥‥‥‥すまねえ!エスフィールさんよう」


「怒られたにゃあ。今日のメイエスは怒りんぼさんにゃあ」


「静かにせい! セシリア。それにこの闘技場の観客席か?何やら見えない壁みたいなものであちらとの行き来を遮断されておらぬか?」


「あの龍人族の夜叉つう野郎は、空間魔法って言ってやがっただろう?エスフィールさんよう?」


「ん?うむ!言っていたが、それがどうした‥‥‥‥空間が遮断されておるということか?」


「そうだぜ!‥‥‥‥思ったよりも今回の敵さんは強そうだぜ!カミナリよう!」


ヒスイはそう言うとセツナと夜叉が居る闘技場の中心に目を向けた。



『スパイング山脈』頂上・天空闘技場


「もし!『洗礼者』殿」


「ん?なんだい?『解放者』殿」


「むっ!‥‥‥すみませんが、この夜叉が勝った暁には貴方が知る、他の『神ノ使徒』候補の居場所を教えて頂けませぬか?」べ、ベン!


「何を突然に?‥‥‥‥まぁ、いいか。それじゃあ、俺が勝ったら。君にその特殊魔法を授けた。あの、お方について教えてくれ」


「‥‥‥良いでしょう。‥‥‥では、尋常に‥‥‥」


「‥‥‥突然、だったが仕方がない。あぁ、殺ろうじゃあないか‥‥‥‥」


「「勝負!!」」


「空間魔法『真空(ざんくう)』!!!」


「転移魔法『転魔(てんま)』!!!!」



 特殊魔法の使い手同士の闘いが始まった!

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