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エウロペ大陸の人々


 魔法中央国『魔術院・キャスパーリーグ』理事長室。


「‥‥‥‥‥‥おっ!」


「どうなさいました? マーリン殿?」


「‥‥‥うん。どうやら。ギャラ君とサーシャ達が無事に合流できたみたいだよ‥‥‥‥うん。多分」


「おぉ! それは誠ですか?! サーシャは? サーシャは無事なのですか?」


「元気! 元気! 美味しそうに『セルビア』の焼き菓子を頬張ってるって。ギャラ君が言ってるよ」


「言ってるよ?」


「ん? あぁ、彼と夢の世界で話してたんだよ。ガリアとも数週間前に話して。是非、協力願う何て言ってね。」


「‥‥‥‥なるほど。魔法使いとは、夢の世界にまで干渉できるのですか」


「まぁ、条件は色々あるんだけどね。ギャラ君とサーシャ達はこのまま『魔法中央国』に帰って来ないで北上して、『幻獣の楽園』に入り。シスターエリスやアリス姫の捜索に当たるそうだよ。ランス君」


「おお、真ですか? では、私も早速、『幻獣の楽園』へと向かい‥‥‥‥」


「いやいや、君は、君で。私が選抜した子達と共にフレイヤ地方で2人の捜索に行くんでしょう?」


「いえ、それだとサーシャに会えません」


「いいから行って来い!ロリコン!‥‥‥‥じゃなくて、ランス卿!!!」


「はっ! はいっ!」


 私はそう言って。ガリア帝国のランスロットを理事長室から追い出したのだった。



『幻獣の楽園』都市・リンクス


「主、姫様。ここの居心地はいかがですか?」


「ええ、フェンリル。悪くありませんわ」


「むしろ、最高です。ガリア帝国にない自由がここにはあります」


「おぉ、そう言って頂けるとありがたい」


「でも? 本当なのですか? フェンリル。後数週間もすれば。この地に『洗礼者』。つまり勇者様が現れるというのは?」


「そうそう、私も気になってたのよ。そのお話」


「はい! 間違いないかと。南の国。『セルビア』の内乱も収まり。旅の仲間達。3人を引き連れて。『洗礼者』が訪れるであろうと。我が国の『幻獣姫』の占い結果で出ましたので」


「う、占いですか? そんなので分かるものなのですか?」


「分かるものなのです。我が主。そうやって我が国『幻獣の楽園』は現在でも繁栄を続けて来たのですから」


「‥‥‥分かりました。フェンリルの言葉を信じます。では、今日も戦闘の稽古を始めましょうか。フェンリル、アリス姫」


「「えっ?! 嘘ですよね?あんな過酷な?‥‥‥‥」」


「何か?」


「「いえ、何も‥‥‥‥」」


「そうですか。では、『幻獣の楽園』の精鋭も含めて私に襲いかかって来て下さい。鍛え上げます」


「‥‥‥‥はい。我が主」


「ひぇー! 助けて!勇者様ーーー!」


 『幻獣の楽園』は今やシスターエリスのお陰で。軍事国家に変わりつつあった。


『ガリア帝国』・帝都


「ふむ、どうやら。『セルビア』の内乱は治まったらしいのう」


「治まったですか? ガリア皇帝陛下?」


「うむ、マーリンの奴がそう夢の中で告げておった」


「では、待機させておりました。北東軍はいかがいたしましょう?ガリア皇帝陛下」


「そのまま、軍事演習に移行させよ。宰相。『セルビア』は式典で地下の戦力まで地上に来ておる。勝てる道理は無いからのう」


「はっ! (かしこ)まりました」


「それから、我が娘。アリス姫とシスターエリスについてはまだひた隠しにせよ。特に『影の国』の霊王や魔族達に知られる不味いからのう」


「はい重々承知しています」


「よろしく頼む。‥‥‥‥しかし、英拳王姫セシリアとは、まだまだ、勇者達の時代は終わっておらんということかのう?ガルドよ!凄まじい娘を産んだものだな。奴も」


「セシリア・アインズの活躍はユグドラシル地方に活気をもたらすかと。‥‥‥今のうちに刺客を?」


「いや、今は辞めておく。『始まりの大森林』と。いや、ガルドと敵対する事になるからな。それはできぬ」


「‥‥‥‥難しい状況が続いております。私は陛下のお体が心配になりますぞ。せめて、行方不明の勇者が戻って来てくれれば何かしらの手は打てるのですが」


「居なくなった者の事を考えても仕方あるまい。それよりも今後の『魔王領』との関係だが、今後、数十年は同盟を組むことにした」


「同盟ですか? それはなんとも‥‥‥‥上位貴族が五月蝿くなりますが」


「‥‥‥『ラグナログ(神々の黄昏)』が動き始めておる」


「『ラグナログ(神々の黄昏)』ですか?」


「あぁ、おそらく、奴等はいずれ。我が国にも忍びよるであろう。『セルビア』の様にな。セルビアの様な内乱になる前に外側から敵を減らしていく」


「では、敵は国内から現れると?」


「あぁ!ワシはそう睨んでおる」


 その後、ガリア皇帝と宰相の話し合いは夜遅くまで続いたという。



『影の国』


「只今、戻りました。霊王様」


「あぁ、無事で何よりであったスカサハ。護衛長マリーよ」


「はっ! 霊王様」


「ありがたき御言葉」


「『セルビア』はどうであった?」


「死ぬところでしたが、かの方に運命を変えて頂。生き延びることができました」


「ほう? かの方とは?」


「‥‥‥‥七聖教会の洗礼を受けた。『洗礼者』です」


「?! スカサハ様?」


 驚く護衛長マリー。


「ふむ。『洗礼者』か! なるほど。白銀の兄妹か、聖杯に至る者か、白き御杖を持つものか‥‥‥はたまたまだ見ぬ『洗礼者』か‥‥‥‥まぁ、今回はお主達。二人が無事でなによりだった。ゆっくり休むがよい」


「はい、失礼します」


「失礼致します」


スカサハとマリーは霊王の間を後にした。


「どう見る? サザン」


 スゥゥゥウ! 何処からともなく現れる。鋭利な歯と赤髪の髪をした。長身の男が現れる。


「少し様子を見たほうがよいかと。命の恩人でもありますので」


「‥‥‥‥そうか。では時間を置く。答えはそれを見てからにする。その『洗礼者』を生かすか、殺すかの判断はな」


「はっ! それから。『始まりの大森林』のガルド殿から食料物資や人材が届いておりますが」


「あぁ、いつも、あの親友には助けられてばかりだ。礼の早馬を直ぐに向かわせよ」


「はい、霊王様の仰せのままに」

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