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異世界へ帰る前に学校へ行くぞ①~④



「おはようございます。セツナ坊っちゃん」


「あぁ!おはよう。桐生さん。今日からまた、よろしく」


「はい、お任せ下さい」



昨日、セツナと珍しく。変な空気になってしまい。明日からどう接すればよいか悩んでいた次の翌朝。


セツナ坊っちゃん?何言っておるんだ?この中年の親父はセツナが坊っちゃん?

はぁ?夏目漱石か?



「セツナ坊っちゃん?こやつは誰じゃ?」


心で思った事をおもわず口に出してしまった。


「貴様、桐生さんに向かってこやつとは失礼だぞ。メイド」


「桐生さん?どこのヤクザじゃ?」


「何を言ってるんだ貴様は?」


セツナが突っ込む。


「最近、ゴーチュウブでゲーム実況を観るのにハマっておる」


「…………まぁいいや。この人は桐生 蒼介さん。昔から神成家で勤めてくれている執事長だよ」


「お初にお目にかかります。ユナ・エスフィール様。エスフィール様の事は、旦那様から既に御聞きしておりますので何かお困りの後用事がありましたら是非、ご相談下さい」


「旦那様?さっきから坊っちゃんだの?執事長だの?旦那様だの?何なのじゃ?」


「何なのとは?」


「まるでセツナの家が本当の金持ちで、どこぞのボンボンの御曹司みたいではないか。貴様、勇者であろう」


「だから本物のボンボンの御曹司だ。分家とはいえ。これでもな。貴様、俺を今まで何だと思っていたんだ」


「少しデカイ家に住む成金金持ちじゃ。」


パコーンと軽くチョップされた。ほとんど痛みはない。


「何するじゃ?DVじゃ。変態」


「誰が、変態だ」


「それにただの女顔じゃ」


バコーン!!また、チョップされた。痛みはない。


「お二人は仲がよろしいですなぁ。実に楽しそうです」


「誰がこんな、女顔なんぞ!!隙さえ見せればメイド服を着ろだの!!!」


「貴様、口を閉じろ」


「モガモガ、何するじゃ」


「さっさっと車に乗り込め。前まではバスやタクシーで色々行っていたが今度からは桐生さんが車を出してくれることになったんだ。分かったら早く車に乗る」


セツナにそう言われ、口を手で塞がれながら車に無理やりのさせられた。おのれ、覚えておれ。


「なんじゃこの中は」


車の中を良く観るとゴーチュウブで見た金持ちが乗るような内装をしたいた。


「さっきから何を今さらびっくりしているんだ?」


「改めて思うがお主、何者じゃ」


「元勇者だ」



「そういうのはもうよい。こっちの世界では何者なのか聞いておる」


「こっちの世界?…………神成家分家次期当主、神成セツナ・以上」


「いや、分家で、ここまで金持ちなのか」


「神成家本家の事は余り知らん。まぁ、神成財閥とか言うくらいだからな。良かったなメイド。勇者が俺で、金持ちの御曹司で貴様はメイドで」


挑発するような言い方で私を見てきた。

なんじゃコイツ(怒)


「おい!ご主人様。余り調子に乗ると学校で彩音に会った時、おぬしが家で私にやらせていることを全てバラすぞ」



「………………」


セツナは黙った。静かになった。


「すまん、調子に乗った」


そう言うと車の外の景色を見て静かになった。

思ったよりも『彩音』というワードはセツナに効くらしい。今度から有効活用しよう。


沈黙が始まって数分経った。不意にさっきまで静かだったセツナが喋り始めた。


「あっあ!そうだ!君にこれを渡しとくよ。いざって時。役に立つかも」


そう言って渡してきたのは赤、青、黄、緑、紫色の宝石が着いたブレスレット型の魔道具だった。


「お主!これ最高級魔道具ではないか?1つの魔石につき付与魔法が1つずつ着い取る高級品じゃぞ?」


「解説どうも。聖豊中学は色々な人間がいる。君。先週の定期テストでいきなり学年2位だっだろう?あれでかなり目立ったし変な奴らにちょっかいかけられたら心配だから渡しとく。それだけ」



「いやしかし良いのか?アリーナで手に入れようとすれば魔王城2個分くらい立つ代物だぞ?それをただとは」


「まぁ、別にいいだろう?……この話は終わりだ

終わり」


セツナはそう言うとまた車の外の景色を見て黙り込んだ。


「まぁ、貰える物は貰っとくぞ。ありがとう。セツナ」


「おう」



車の外を見るセツナの耳が、少し赤くなっていたのが不思議だったが。そんな事は直ぐに頭からぶっ飛び。私は貰った魔道具の効果を解析する作業に没頭した。


そんな事をしていると車は学校前の校舎へと停まったのだった。


「セツナ坊っちゃん。エスフィール様。聖豊中学へ着きました」


桐生の叔父貴がそう言うと車から降り。わざわざ反対のドアまで来て丁寧にドアを開けてくれた。


「なんじゃ?どこぞの貴族か」


「まぁ、昔は日本にも貴族制度はあったな」


「いや。そうじゃのうて」


「そんな事より早く降りるぞ。桐生さんに迷惑がかかる」


「おっおおう!叔父貴に迷惑はかけられないのう」


「叔父貴?」


セツナから外に降り。次に私が降りた。


車から降りると目の前には立派な建物が立ち並ぶ聖豊中学。


そして男女の群れ群れ、群れ?


なんぞこれ?なんぞ?


あぁ、そうか私達が乗ってきた車が珍しくて集まってきたのか。

なるほど、なるほど。


「では、セツナ坊っちゃん。エスフィール様。また放課後お迎えにあがりますので」


「桐生さん。いつもありがとうございます」


「ありがとうなのじゃ」


私とセツナが桐生の叔父貴に御礼を言うと。桐生の叔父貴は震えだした。なんじゃ?どうしたのじゃ?


「セツナ坊っちゃん。………ありがとうございます等……滅相もございません。坊っちゃんには昔から何度も何度も助けて頂いて」


桐生の叔父貴は泣き始めた。


「わたくし目が仕事で失敗し。旦那様から叱責された時もお優しく慰めて下さい。坊っちゃんには、昔から優しく優しく」


桐生の叔父貴は昔の事を回想しだした。


「それに昔はあんなに小さくお優しかった坊っちゃんもこんなに立派に成長されて……。じいやはじいやは」



セツナは昔、桐生の叔父貴の事をじいやと呼んでたらしいことが発覚した。


「桐生さん……じいや落ち着いて」


セツナは桐生の叔父貴に優しく語りかけた。流石に江面がキツくなってきたのじゃ。


「はっすみません。セツナ坊っちゃん。少々、取り乱してしまいました。……では、放課後また、お迎えにあがります」


桐生の叔父貴は泣くのをやめ。学校から去っていた。


車も去ったことだし見物客ももういないじゃろう。

私はそう思い。校舎を見た。


「セツナ様よ。セツナ様だわ」


「おい!神成の隣の可愛い子は誰だ」


「あれは、例の編入生で………」


「おのれ神成 セツナぁあ!」


どうやら、校舎前にできた群れ、群れ、群れはあの車ではなく。私達が原因だったらしい。



車から出るとそこには沢山の生徒達が集まっていた。


「なんじゃ、これは?」


そんな事をポツリと言う私に対してセツナはいったって冷静に返してくる。


「先週言っただろ。次に学校に来たら色々大変だって。今がそれ」


「皆、お主を見ておるぞ」


「皆、君に注目しているな」


「同じような言い方はやめよ。というかこやつら何で私達を遠巻きに見てるんじゃ?」


「だから車の中でも言っただろう。学年2位さん。この学校でいきなり。そんな成績を取ったら誰だって注目されるんだよ。ちなみに俺は、学年1位だ」


最後ちょっと馬鹿にされた時気分になったがまあいい。


「しかしこの状況どうするのじゃ?」


「この状況?あぁそのうち収まるよ。大丈夫、大丈夫」


何が大丈夫なんじゃ?たく。しかしこんなに見られているとなんだか、嫌な気持ちになってくる。

うぅ~注目されるのは苦手じゃ。


「神成ーーー!貴様!!誰だその美少女わぁ~?」


そう思っていると目の前の野次馬の中から大声を上げて近づいてくる大男がいた。


セツナの身長が確か。今、165センチ位だから。(前にお互いの身長を測りっこした。楽しかった。)

今、向かってくる大男は180センチ位にみえる。中学生とは思えない身長じゃ。

その大男がセツナと私の目の前まで来た。


「先週は久しぶりに学校へ来たと思ったら直ぐに帰りおって。しかも噂では隣の美少女と一緒に帰ったらしいな。説明せい神成!!」


良く見ると顔は老け顔で身体は大分、鍛えられている。


「ゴリラみたいな身体じゃな」


「よしエスフィール。教室へ向かおう」


「無視するなぁ神成!!!質問に答えてよお!隣の美少女はどこのどなただ??!」


「俺の長期休みについて心配してたんじゃないのか?清太郎?」


「貴様の体調等どうでもよい。それよりも隣の美少女を紹介せい」


ゴリラに気を取られていて気づかなかったがいつの間にかゴリラの後ろには数十人と体格の良いゴリラが整列していた。


夢なら覚めてくれぬか。


「エスフィール。紹介するよ。運動連のゴリラだ」


「お初にお目にかかります。運動連のゴリラでウホ!!ウホ!!」



「おう、ゴリラが運動するとは珍しいのう」

私がそう言うとゴリラは少し静かになった。


「…………ウホ?!…………誰がゴリラだ神成よ!たく!お初にお目にかかります。運動連の現会長を任されている。早乙女 清太郎ともうします。それから後ろに控えるは我が運動連の部員達です。以後、お見知りおきお!!」


ゴリラの自己紹介が終わると後ろのお猿さん達も騒ぎ出した。


「よろしくお願いいたします!」


「近くで見るとますます可愛いですぞぉ!」


「神成殿お久しぶりですぞ!!」


「おう。ゴリ太郎と後は、愉快な仲間達じゃな。我はユナ・エスフィールじゃ。神成家でセツナの専属メイドをしておる。わざわざ丁寧な自己紹介感謝する」


私が自分の自己紹介を終えるとゴリラは不思議そうな顔をしていた。


「神成の専属メイドぅぅ?!この可憐な美少女である。エスフィール嬢が。…………神成!!!どう言うことだぁ!!説明せいい!!!」


ゴリラとお猿さん達はセツナに詰め寄る。そんなセツナを見ると。


「可憐な………美少女…………ぷっ(笑)」


腹を抱えて笑っておった。あやつは後でぶっ殺す。


そしてゴリ太郎達は、説明を求めてうるさい。

朝からどういう状況じゃ。


私は、呆然として立ちたくしていると、不意に遠くからピーーっと笛の音が聞こえてきた。


その笛にゴリ太郎の部下が反応した。


「清太郎殿奴らが来ますぞ!!」


「なに?!不味いぞ!!とにかく神成よ!、簡単でいいからエスフィール嬢を我らにもっと紹介…………。とにかくどういう関係だけでも教えぃ」


「あぁ悪い、悪い。清太郎。エスフィールはイギリスから留学に来ているんだ。それでうちにルームシェアして。父さんの提案で、家のメイドさんとして働いてもらってる。もちろん変な関係ではないよ」


「なぬぅ?!そうなのか!そうか、神成殿の指示だったのか!………わかったわい!それならそうと最初かそうと説明せい!カミナリよ!!」


「誤解が解けて良かったよ。清太郎。」


「うむ。では我々は朝練へと戻る。また昼にでも神成の教室へ顔を出すから。またその時でな。では、………皆のもの解散!!!」



「ウホ!!ウホ!!ウホ!!ウホ!!」


疾風迅雷、疾風怒濤の様にいなくなった。どこの軍隊じゃ。


ゴリラの合図で群れが散っていった。

最後の掛け声が気になったが、ツッコミを入れるはよしといた。



「………あれは、なんだたのじゃ?」


「早乙女 清太郎って言って昔からつるんでるんだ。面白い奴で昔から馬が合うだ。まぁ親友の1人だな」


ゴリラとの関係を話しているセツナはとても楽しそうだった。

ゴリラ達が去って少しして野次馬も大分少なくなってきたので教室へ向かおうとした時だった。


「こら!!!神成 セツナあぁぁ!またあなたですか?この騒ぎはあぁぁ!」


そう怒号を響かせて現れたのは、右腕辺りに生徒会・書記と副会長と書かれた。腕章着けた。女の子2人組だった。そのうちの1人は知った顔だったのでこっちがビックリした。


「おお、彩音。学校で会うのは、初めてじゃな。おはようなのじゃ」  


「セツ君、ユナさん、おはようございます。この間はありがとうございました」


「おはよう、彩音。今日も朝から生徒会お疲れ様。土日は来てくれてありがとう」



「おう。そうじゃ!そうじゃ!また、遊びに来てくれ。彩音。」


そう言って、私と彩音は土日の思い出話しを始めた。


残されたセツナと書記と腕章を着けた。ボブショートの茶髪に黒淵メガネの可愛い顔した女の子がにらみ合い合っていた。


何かバトルが始まりそうで嫌な予感がしたのじゃ。






②生徒会・書記。天之宮(テンノミヤ) 可憐(カレン)と同級生達



おはようございます。元勇者神成 セツナです。


先週久しぶりに学校に来て、定期テストを受け。


そして今週。まだ学校の校庭に立っています。


なぜかって? 俺にもわからない。次から次へとめんどくさい学友に絡まれる。なぜなんだ?日頃の行いはとても良い筈なのに……………。


「お久しぶりですね。神成 セツナ。しばらく学校には来ていなかったみたいですが?失恋でもされました?」


この子は誰だったかな?忘れた。とういうかいきなり失恋したとか失礼な。元恋人と仲直りして今では大切な友人だ。


それにアリーナに飛ばされ数年過ごし。女神のギフトで飛ばされた時の年齢まで戻っている。知り合いだとしても目の前の眼鏡女子に会う感覚が数年振りですっかり名前が出てこない。


義妹の星奈や元恋人の彩音。さっきの清太郎等は絶対に忘れなかったがこの子の事はさっぱりと思い出せない。いや本当に。


数秒間。目の前の眼鏡女子を見ていると何も喋らない俺に痺れを切らしたのか。若干イラついているのか金城り声で話しかけてきた。


「相変わらず。眼中にありませんか?全く先ほどの騒ぎといい。あなたには色々聞きたい事があります」


「色々聞きたいこと?」

なんだろう?別にやましいことは………やましいことは何もしていない筈だ………。


「そうです。まず長期に渡る不可解なお休み。そして先ほどの部活連の方達を、引き連れての騒音騒ぎ。毎回、毎回、騒ぎを起こさないと気がすまないのですか?神成 セツナ?」


「長期休みは俺、個人の体調の事だし。さっきの部活連の奴らは勝手に騒いでただけで、俺は、関係ないぞ。後さっきから上から目線の態度で失礼だぞ君?」


そう言ってちょっと強めの口調で言ってみたが眼鏡女子はそんな事には怯まずむしろ先ほどよりも強めに言ってきた。


「誰が君ですか?!私には、天之宮(テンノミヤ) 可憐(カレン)と言う両親から頂いた。ちゃんとした名前があるんです」


天之宮 可憐?………天之宮 可憐。うん?天之宮?……可憐?…………あっ思い出した。


「おおー!思い出した。可憐ちゃんか久しぶり!!」


そう言って俺は、可憐ちゃんの肩に手を置いた。


「ちょっ!えっ?!いきなり手を!」


「いやあ!ごめん、ごめん。久しぶりに会うから分からなかったな。それもそうか、昔よりもこんなに可愛くなってんだからな」


「かわ?!可愛くぅぅ?!」


可憐ちゃんはかなり動揺している。なぜだ?


天之宮 可憐。天之宮家のご令嬢で彩音と同じ生徒会だったな。昔は財界のパーティーとかでたまに一緒に遊んでいたのをさっき、思い出した。

同じ聖豊中学に通っていたが、クラスが違うため会うこともなかったかな?確か。


そう考えいると不意に彩音が俺の脇腹をチョップした。

めちゃくちゃ痛い。なぜだ?


「はい。そこまでですよ。お二人とも!これ以上はフラグが建設されますので撤去いたしますね撤去。それに可憐ちゃん。今は生徒会のお仕事中ですよ」


「はっ、そうでした。そうでした。おのれ、神成 セツナ、昔から私を同様させてきて。全く」


彩音の言っている意味は考えないようにし。可憐ちゃんの方を見た。先ほどの同様は、消え最初に出くわした時のツンツンモードに戻っていた。


1つの事を思い出すと。次から次へと可憐ちゃんとの絡みが思い出された。


財界のパーティーでは、いつも、彩音と共に入る俺を遠くから睨み付けていたり。


学校ではたまに清太郎や友人達とイベントをしていると駆けつけてきたり。(だいたい、前日から来ることが分かっていたので可憐ちゃん達、生徒会が来たらイベント場所を変えていたので出くわす事が1度もなかった。)


そうか俺は昔から可憐ちゃんには嫌われていたのか。今気づいた。ちょっとショックだ。


「とにかく神成 セツナ!久しぶりの登校してきていきなり騒ぎを起こさないで下さい。分かりましたね」


「いや騒ぎを起こしているのは、むしろ君の方で………」


いつの間にか俺の直ぐ右側に彩音が立っている。彩音は幼少の頃から武道をやっている。先ほどのチョップも何かの技だろうか?そんな彩音が俺の右側に立っている。


「分かりましたね、セツ君?!」


笑顔で俺の返答を待っている。


「彩音?!卑怯だぞ?とういうか君。そんな気安く俺に技をかけてたか?なにがあった?」


「………!なにがあったか身体に聞いてみますか?セツ君。色々ありましたね。もうお忘れですか?」


俺は、彩音の言葉と圧に観念して、可憐ちゃんに向き直る。


「可憐ちゃん」


俺は、また、可憐ちゃんの肩に手を置いた。


「ちょっ!またぁ!」


「可憐ちゃんさっきの騒ぎは悪かった。以後、気をつけるよ。すまん」


「へっ?!そうですか。ならばよろしいです」


可憐ちゃんとはそう言うとツンツンモードが抜けていた。


「久しぶりに可憐ちゃんに会って。喋れて嬉しかったよ。ありがとう。また、暇な時、昔話でもしよう。生徒会活動お疲れ様。2人とも頑張って………くれえぇ!痛えぇぇ!」


身体二ヶ所に衝撃的な痛みが走った。1つはは頭にもう1つは右腹部に。


「少しお戯れが過ぎますね。セツ君。後でお話があります」


「全くさっきから黙って成り行きを静観しておったが。こんな朝からナンパしおって。ほれ、さっさと校舎入るぞ」


「………」


痛みで言葉が出せない。彩音のチョップも痛かったが、エスフィールの奴、身体強化の魔道具使ったな。

頭も結構痛かったぞ!たく!


そして俺は、エスフィールに引きずられながら校舎へと入っていった。


「可憐ちゃん。わたくし達もそろそろ。解散いたしましょう。朝礼が始まりますし」


「あっはい!ごめんなさい。彩音様さん。ボーッとしていました。すみません」


「いえいえ、先ほどの事はキッパリ忘れて。今日も1日勉学に励みましょう。可憐ちゃんがいつも言っている妥当、神成~ですね」



「はっそうです。そうでした。妥当、神成 セツナです。忘れる所でした。おのれ、神成 セツナ!私の同様を誘うために最後にあの様な戯れ言を覚えていなさい」


可憐ちゃんは校舎にも聞こえる声でそう叫んでいた。



さっき叩かれた。頭と右側脇腹がまだ、痛い。

…………エスフィールが俺を殴る理由は日常的にエスフィールをからかって遊んでいるのでまだ分かる。

しかし彩音の方は分からない。昔から武道をたしなみ結構強いとは聞いていたが俺と入る時はいつも御淑やかで静かだった。


おそらくというかまぁ間違いなく先週の出来事が彩音を変える切っ掛けになったんだと思う。


彩音と二人っきりで色々話し。分かり合えたお陰で以前の関係に戻れた。


そこに今度から理不尽な暴力が追加コンテンツで襲いかかって来るようになるだけだ。………御淑やかで静かな彩音も年齢を重ねる毎に変わっていくのだろうと俺は勝手に納得した。

たださっきの脇腹チョップは物凄く痛かった事は忘れないだろう。


痛みで思考がバグっているうちに俺が所属する。2年A組の教室に着いた。

聖豊中学は学年毎の生徒数は約200名前後で1クラス40名程で在籍し合計5クラスに別けられる。学校全体で全校生徒はだいたい600名位と中学校にしては生徒数がかなり多い。


特にAクラスは襟直ぐの優秀な人間達が集う。優秀と言っても勉強だけではなく、スポーツ、芸術、学力、何かの大会の入賞成績等々。色々らしい。


聖豊中学の教育方針で勉学は出来て当たり前で。その他の分野でも一流たれ。なる校風があるらしく。


学年毎のAクラスというのは勉強以外でもどこか優秀で才能を持った連中の集まりなのである。


その校風がある為なのか分からないが俺が所属するAクラスには勉強ができ個性的な能力を持った奴らが多種多用にいる。


そしてその多種多様なクラスの教室へ着いたのだった。


「教室へ、着くだけで今日は大変だな」


「………そうか」


エスフィールは、登校、2日目の為、少し緊張していた。そしてやはりと言うか俺とエスフィールが教室に入った瞬間。数人が俺達の前にやって来た。


「おぉ!セツナ殿、お久しぶりでござるな。先週はテスト終わりに速攻でいなくなってビックリしたでござるぞ」


「やぁセツナ君。今日も可愛らしい顔をしているねぇ?まぁ、僕の方が可愛いだけでなく美しいがぁね」


「ちょっとセツナぁ!ずっと休んでいて学校来なかったのちゃんと説明しなさいよね。それにその隣の可愛い子も」


「おはよう神成くん。また生徒会と揉めたそうだけど。どういう事よ全く。」


教室へ入ると同時に4人が、話しかけてきた。


「なんじゃ?こいつら。」


俺はアホの4人をスルーしエスフィールに話しかけた。


「エスフィール。最初に話しかけてきたのがオタクで次がナルシスト、脳筋女、最後が委員長だ」


「うむ。分かったのだ。オタク、ナルシスト、脳筋、委員長だな。なるほどなのじゃ」


さすがエスフィール。理解が早くて助かる。

そうして俺とエスフィールは、自分達の机へと向かった。


「てっ!ちょっと待ちなさい」


「なんだ?脳筋女?」


「誰が、脳筋女よ。私、には瑞穂(ミズホ) 絵利華(エリカ)って名前があるんだからねぇ?!全く」


「そうですぞ。酷いですぞ。おっと失礼。拙者は、服部(ハットリ) 佐助(サスケ)と申す。よろしくですぞぉ」


「今度は僕の番かな?初めまして麗しの美少女よ!天馬(テンマ) 琉聖(リュウセイ)だ。よろしく。だけど残念。美しさならば僕ほどではないな。でも。しょうがないそれ程、僕が、美しいのだからね」


「私はこのクラスの委員長をやらせてもらってる神無月 恵よ。よろしくエスフィールさん。」

エスフィールは数秒固まった。ツッコミどころのオンパレードでフリーズしたらしい。


「おぉ!自己紹介感謝する。我は先日、編入してきた。ユナ・エスフィールじゃ。よろしく頼む」


「おぉ!よろしくですぞ。エスフィール殿」


「うむ、よろしくな。オタクにナルシスト、お主達は、瑞穂と神無月で良かったかのう?」


「えっ?う、うん!よろしくね、エスフィールちゃん。」

「よろしくお願いします。エスフィールさん」


「ユナでよいぞ。私もエリカと恵と呼んでよいか?」


「良いよ、良いよ、よろしくね。ユナちゃん」


「よろしくお願いします。ユナさん」


「おぉ!それは酷いあだ名ですぞ。エスフィール殿」


「ナルシスト……それもまた1つの褒め言葉だねぇ~!美学だ」


それからはまるで波状攻撃の様にクラスの連中が俺達の元に来ては自己紹介やら俺の休みの件について聞いてきた。

ただし俺とエスフィールの関係には触れるものがいなかった。

聖豊中学・Aクラスはただ、成績が良ければ入れる訳ではない。今までの人生の素行の良し悪しや本人の性格も評価項目に入っている。


クラスの誰も彼もがそんな些細な事は気にしない連中なのだ。多分。


エスフィールの奴は先ほど自己紹介を終えて仲良くなったエリカと委員長との3人で楽しそうに話している。

前も思ったがエスフィールの奴。アリーナでも魔王やっていただけにコミュ力がやたら高いな。星奈と彩音とも直ぐに仲良くなっていたし。ある種の才能なのかも知れない。


「それはそうとセツナ君。生徒会とまた揉めたんだって?」


近くにいた琉聖の奴が話しかけてきた。


「ああ、清太郎がエスフィールを紹介しろってうるさくてな」


「あのゴリラかい?全く、朝から美しくないねぇ~!あのゴリラ」


「清太郎殿は相変わらず。元気ですなぁ」


「昔からうるさいからな。、あいつは」


そう言って校庭のグラウンドを見ていると清太郎がまた生徒会と揉めているのが見えたがこれ以上は関わりたくないので見るのをやめた。


その後は朝のホームルームでエスフィールの自己紹介があり。定期テストが終わって張りつめていた空気も無くなったためか、何事もなく昼休みになった。








③お昼にしましょう


昼休みになった。弁当を忘れた。


「お。お昼じゃな。セツナ、昼飯にしようぞ!」


「悪い今日は弁当作るの忘れてた」


2日前から始めた『神気』の訓練が思いの他。楽しいもので今日の朝は遅めに起きてしまった。


後、エスフィールの身支度がやたらかかっていたな。


見た目が金髪のツインテールにニーハイソックスとかこの魔王。ゴーチュウブでまた変な動画に影響されたな。(エスフィールの制服姿は可愛かったが。)


「なんじゃと?じゃあ、昼から飯抜きなのかぁ?」

エスフィールは俺の胸ぐらを捕まれ。左右に身体が揺れる。しかし、コイツは日に日に狂暴になっていっている気がする。


「おっ落ち着け。狂暴魔王この学校には食堂がある」


「狂暴?食堂?」


なぜか不思議そうな顔をしている。まぁ、確かにアリーナには食堂なんてものは余り無かった気がする。


「そうそう食堂。そうだ。おーい、佐助、天馬!今日は、学食で飯食わないかぁ~!」


エスフィールは目立つ。学校でしかも学食でなんかで二人で飯を食っていた場面なんか目撃されたらどんな噂を流されるか分からない。


「行くでござる。行くでござる。」


「僕も行くよ~!それに僕の美しさを皆に知ってもらわなきゃだしね~」


速攻で返答が来た。よし行くかと椅子から腰を上げると同時に神無月(カンナズキ) (ケイ)事。委員長が話しかけてきた。


「ちょっとセツナ君。男子3人に対して女子1人で学食に行かせるつもり?ユナさんはまだ編入してきたばかりでしょう?大丈夫なの?」


「あっ、………確かにそうだな」


このクラスは俺がエスフィールの隣に入る為。変にエスフィールに絡もうとする奴らはいないだろうけど。他のクラスはどうだろう?正直エスフィールは可愛いし目立つ。朝もゴリラに絡まれたばかりだったな。


「ありがとう。委員長、言われないと気が付くなっかたわ」


「別に良いわよ。私も今日、学食だから貴方達と一緒に学食行くわ。ユナさん心配だし。後、エリカにも声かけとくから少し待ってて」


「おう、サンキュー」


「恵すまんのうありがとう」


さすが我がAクラスの頼れる委員長。気配りがめちゃくちゃできるな。

そんな俺、自身も昔から色々と助けられていたな。

委員長とエリカを少し待ってから合計6人で学食に向かった。


「おぉ~!なかなか、広い学食じゃな。それにメニューも充実しておる」


エスフィールが、学食の感想を述べている。


「おっおい!あの子例の美少女編入生の」


「近くで見るともっと可愛いいな。話しかけて見るか?って隣に神成と神無月がいるぞ。それに天馬 琉聖に。くそ。今は話しかけるのは無理だな。」


「きゃーー!天馬様よ。それに神成君も入るわ。今日はどっちが攻めなのかしら?」


「あの眼鏡は誰かしら?」


こっちには天馬や委員長それにエスフィールがいる為。嫌でも目立つな。

そこかしこから色んな目線が飛んでくる。


「エスフィール」


「なんじゃ?」


「朝渡した学生証持っているだろ。それにはICカードが入っていて。それで学食の食券も買えるから出しとけ」


「おぉ~!そうか。分かったのじゃ」


「席はあそこが良いよね?」


恵利華は、見晴らしの良い窓側のテーブルを指差した。


「では僕はテーブルを確保してくるよ。セツナ。僕の料理も持ってきてくれるかい?」


「了解。何でもきいいか?」


「君の選んだのなら何でもいいさぁ。じゃあ、よろしく頼むよ~」


天馬はそう言うと窓際のテーブルの方へ向かっていった。


「………お主ら、仲良いのう」


「そうか?別に普通だぞ?」


「コイツらいつもつるんでるんだよ。そして昔からいつも問題を起こすし」


「いつも問題を起こす?」


恵利華がそう言い。エスフィールが疑問符を頭に浮かべる。


「そうそう何か騒ぎがあれば誰か1人は騒ぎの中心に入るの。その後の後始末でどれだけ私が怒られているか。………ねぇ?セツナ君、サスケ君」


委員長が俺達、2人をジト目で見てくる。


「何の事やら~でござる」


「全然、記憶に無いな。そんな事より早く食券を買って天馬の所へ行こう」


「そうでござる。そうでござる」


俺とサスケは、逃げるように食券の販売機へ向かい。急いで料理を選んで天馬の元へ向かうのだった。


「天馬、待たせたあぁ~!」


「遅くなったでござる~!」


「おや随分と早かったね。2人とも。おぉ~僕の大好物の味噌ラーメンを選んでくれたんだね?セツナ。さすが、僕の一番の理解者だよ」


「おっ、おぉ!それは、どうも」


「おや?他のレディー達は?あぁまだ列に並んでいるんだね。なら丁度いいタイミングかな?」


「丁度いいタイミング?」


なんだ。いったい?


「あぁセツナ。君が休んでいる間の事なんだけど色々合ってね。大変だったよ。あっあでも安心してほしい。対処は清太郎とサスケが活躍してくれてね。なんとかなったから」


「何をおっしゃいますか。天馬殿も頑張っておりましたぞ」


「そんな、事無いさ」


「それでいったい何があったんだ?」


「うん、君がいない間。天王洲派閥と少し揉めてね君がいない事を良いことにうちのクラスにちょっかいをかけてきて少し厄介だったよ。最後は、委員長と天王洲お嬢さんが割って入って解決する流れになったんだけどね」


「天王洲派閥と?」


天王洲派閥と言ったら彩音の派閥で俺らの学年で2番目に大きい派閥だ。それと一番大きいのは何故か俺の派閥らしい。

その理由は清太郎の部活連。天馬の文化部のカリスマ性。サスケのゲームやパソコン仲間で構成されたネットワークやらなんやらで結構な人数になるらしく。

そのせいもあって最大派閥とか言われている。


「まぁ解決したなら。良かった。良かった。でそのちょっかいって言うのはなんだったんだ?」


「それがねぇ~神成 セツナには今恋人が入るのかとか聞いてきたんだよ。ほら君って半年前まで、天王洲お嬢さんと交際していただろう?」


「あぁ」


「だから変に勘ぐった天王洲派閥の子達が気になって僕達の派閥に話しかけて来たんだと思うよ」


「そうだったのか。天馬教えてくれてありがとう」


「いやいやお安いご用さ。君の為ならね」


天馬はそう言って窓の外を眺めていた。

昔から色々と助けてくれる清太郎とは別のベクトルで頼りになる親友だな、究極のナルシストだが。相変わらず頼りになる男だ。

そんな、やり取りをしていると女子3人がこちらへやって来た。


「お待たせ~!結構並んでてさぁ、その間に何人かに話しかけられちゃってさぁ。遅くなっちゃた。ごめんねぇ」


「ごめん、何のじゃ」

恵利華とエスフィールが深々と謝ってきた。


「話しかけられてとか大丈夫だったのか?」


「全くユナちゃんに近づこうと思ってやたら先輩やら2年の男子やらが話しかけてきたけど。全部恵が追い払ったんだぁ。」


「委員長が?」


「えぇ~、全て追い払ったけど」


委員長はドスの効いた声で話してきた。


「さすが『鬼の神無月』でござるなぁ。流石でござる。委員長」


「黙りなさい。サスケ君」


目にも止まらぬ早さで委員長は、サスケの背後に周り手刀をお見舞いした。(軽くだが。)


「ぐは、いつの間に背後に。痛いでござる」


「鬼の神無月?なんじゃ?それは。」


「それはだな」


「ちょっと。セツナ君」


反応が面白そうなのでエスフィールに説明することにした。


「俺達がまだ1年の時、学校内で生徒同士のトラブルが多発していてな。それを色々な手を使って1人で解決(暴力)したのがそこの神無月 恵様こと。我らが委員長だ。あの件での活躍足るやすごい事すごい事。そのせいで先生達からも一目置かれる凄い人物だよ」


「おぉ~!恵はすごい人物なんじゃな」


「そうそう神無月家と言えば昔から優秀な軍人や警官を排出する名門で。委員長はそこの娘なんだ。だからその力を持って1年の時は散々暴れていたもんだ。そしてついたあだ名が『鬼の神無月』だ」


「ほう、カッコいいのう~!」


エスフィールは感心している。

一方のサスケは。


「はぁ~もう無理でござる。セツナ殿。もう止めてくだされ。笑いを堪えるので必死でござるよ。わっはっはっは。鬼の神無月。今、思い出してもあの光景には驚かせされるでござるな。阿鼻叫喚に地獄絵図。あの時は爽快でござったな笑笑。ひーー!虐殺に近い形で倒れる。先輩達それを遠巻きに恐れる我々。いや~あの時は我々も巻き沿いで死ぬかもと思いましたぞ。ねぇ、天馬殿?」


サスケは天馬にも同意を求めるため、話し掛けたが天馬は反応しなかった。


「いや~、今日もいい天気だねぇ(汗)」


「どうしたでござるか?天馬殿?鬼の神無月の話をすると一番笑っていたではないですか天馬殿?」


「………サスケそろそろ止めないとお前死ぬぞ」


「何がでござる。セツナ殿?がっ、はぁ。……」


サスケがそういった瞬間。サスケの首らへんに何か当たり。サスケは意識を失った。


「喋り過ぎよ。寝てなさい」


「そろそろ、料理食べようか」


意識を失ったサスケを横に寝かしつけて残った5人で食事を始めた。

その後、少しして数人の集団が俺達の入るテーブルへとやって来た。

その先頭には、彩音がいた。どうやら天王洲派閥を引き連れてきたらしい。


「こんにちわセツ君。一緒にご飯を食べましょう」


彩音は、そう言うと弁当を掲げた。



そのお弁当は大きな重箱だった。とてもとても重そうだ。それを軽々とお持ちになっている彩音の握力は相当のものだろう。そう考えていた。


「セツ君?なにかわたくしに失礼な事考えていませんか?」


勘の良い元カノで、困ったものだぜ!全く。


「いや、全く。何も」



「そうですかならば、良いです。では失礼しますね。あっそうでした。皆さんすみませんがスペースを作って頂けますか?」


「はい、分かりました。彩音お嬢様」


「お安い御用です。彩音様」



彩音が某、ゲーム、ピク◯ンのオリマーの如く指示を出すと俺の隣ですやすやと寝ているサスケを天王洲派閥の幹部っぽい方々がまるでピ◯ミンの運搬の如く。息の合った掛け声と共に待ち上げ。サスケを何処かへ運んでいった。その数秒後、サスケの叫び声が聞こえた気がしたが気にしないことにした。


「では、失礼、致しますね」


そう言って彩音は空いた椅子へと座ろうとした。瞬間。


「いやいやいやいやちょっと失礼しますはこっちのセリフだよ。どういう状況?ねぇ?今どういう状況?」


脳筋女こと、エリカがそう叫ぶ。

「どういう状況とは?何でしょうか?瑞穂さん?」


「今の状況だよ。天王洲さんは、天王洲派閥のリーダーでしょう?何でうちらと一緒に昼頃を食べるのかな?」


「それはいけないことなのですか?ねぇセツ君?」


彩音は首を傾げながら俺に質問を投げ掛けてきた。

俺がどう説明するか考えていると委員長と天馬が割って入った。


「僕達にも説明してほしいものだねぇ~。天王洲さん。僕達は、神成派閥、君達は、天王洲派閥だ。説明も無いまま仲良くランチなんて納得いくわけないのさ。ねぇ委員長」


「そうね。それは激しく同意するわ。しかも天王洲さん本人と天王洲派閥の両翼のお二人が勢揃いとは、いったい何が目的かしら」


2人がそう言うと空気が少しピりついた。


「きっ、貴様達さっきから彩音お嬢様に向かって失礼だぞ。いい加減にしろ」


「そっそうです。いい加減にして下さい。そちらだって神成派閥の幹部ですよね。こちらは色々調べてるんですよ。天馬さんに神無月さん。」


そしてまた割って入って来たのは先ほどサスケを捨てて来て。超爽快な顔で戻ってきた美少女二人組だ。噂には聴いていたが天王洲派閥の女の子達は美女揃いと評判だ。おお、目の包容、眼福、眼福。


「おいセツナ!お主、今、あの可愛い子らを見てイヤらしい事を考えておらんよな?」


「あら~そうなのですか?セツ君~?」


さっきから静かにご飯を食べていたエスフィールが俺疑わしい目で見てくる。

全く持って侵害だ。


「いや、全然全く。」


これはあれだ今日の朝と同じ流れだ。まずい流れを流れを変えなければ。また痛い目に合ってしまう。

それは嫌だ。なんとか回避せねば。


「そんな事より今はあいつらの事をどうにかしないといけないだろう?これ以上騒ぎになる前になんとかしよう」


俺はそう言うと目の前でにらみ合い両者に向き直った。

だが、その両者も俺達、3人のやり取りを静かに見ていた。あれ?何で?


「あの?彩音お嬢様質問があるのですが、よろしいでしょうか?」


「セツナ君。私も質問したいかなぁ~!良いよねぇ?」


最初質問を投げ掛けて来たのは、確か、天王洲家に雇われている人で。……確か名前は雨宮 寧々(アマミヤ ネネ)だったような。無いような。彼女と彩音は同い年で天王洲家では、日頃から一緒に入る彩音の一番の理解者であり親友だったな。

財界のパーティーとかで。たまにしか会わなかったな。余り面識が無い。クールビューティーと言った感じか。お胸も控えめだ。


それに反して隣でアワアワしている赤髪の子は天王洲 彩音親衛隊とかのリーダーだったっけ?名前は甘露寺(カンロジ) 芽愛(メイ)だったかな?

彼女も彩音の古くからの友人だったな、たしか。しかししばらく見ないうちお胸の方がやたら実っていて素晴らしいぞ。


「………おい。またイヤらしい顔をしているぞ。貴様」


おっとまずいまずい顔を引き締めねば。


「ご質問とは何でしょうか?」


彩音が小首を傾げて逆質問で返した。


「いえ、………とてもお聞きづらいのですが……そのそちらのセツナ殿と彩音お嬢様はその、何と言いますか。………以前はとても仲が良く無かったですのに。先ほどのやり取りを見ていると。とてもとてもそうには見えなくて」


「そうだよ。前はあんなに険悪だったのにさぁ。絶対なんかあったでしょ?」


「いや全く。何も無かった。」


俺はゾロの名言でその場を凌ごうとした。


「おい下手に隠すな馬鹿者。こう言うのは素直に言うべきじゃ」


エスフィールはそう言うと俺の左脇腹を軽くチョップした。


「そうですよ。変に隠そうとするから話が拗れるのです。」

彩音がそう言って俺の右側のお腹をつねってきた。痛い。これ以上は変に喋らないで下さいねと言っているみたいだ。

わかった。わかったからつねるのを止めてくれ。本当に痛いから。

そう目で彩音に訴えると手が引っ込んだ。

俺の周りの女子。武力で物言わす奴しかいないのか?


「まぁ、そうですね。はっきり言ってしまうとですね。そのおぉ~!」

彩音は俺との仲を説明し始めたと思ったらいきなりニヤケ始め、しどろもどろになった。

「えっと~ですねぇ。簡単に説明するとわたくしとセツ君は色々、時間をかけて話し合いまして。お互いの誤解も解けたので以前の様な険悪な関係ではもう無いです。」


「つまり2人は元の恋人同士に戻ったって事かな?」


エリカが彩音にそう聞いた。


「いいえ今は違いますよ。ただの仲の良い幼なじみです。今はですが。ねぇセツ君」


今はを強調しないでくれ彩音さん。ほら、見ろ天王洲派閥の方々がお口をお開きになっているぞ。


「ではセツナ殿とは現在、敵対していないと言うことですか?彩音お嬢様?」


「えぇそうですわ。」


「ではセツナ殿は今はフリーということですか?彩音お嬢様?」


「えぇ?!そうですわ?………ん?」


俺もこの質問には?となった。


「ではセツナ殿。ちょっとよろしいでしょうか?色々お聞きしたいことがございまして彩音お嬢様もよろしいですか?」


「え?えぇ?!大丈夫ですよ。寧々さん」


「ありがとうございます。ではセツナ殿こちらに」


「ん?あっあ、了解」


寧々さんに呼ばれた俺は天王洲派閥の方々の前まで来た。なんだ?絞められるのか?


「ではセツナ殿、皆からの質問にお答下さいね」


状況が読めなかったので無言で首だけ縦にふった。


「セツナ様。お久しぶりです。私の事覚えてますか?」


「あっああ覚えてるよ。甘露寺さん久しぶりに話だね。前より綺麗になっててびっくりしたよ」


「綺麗だなんて。そんな。でも覚えていてくれて嬉しいです」


「セツナ君私の事は?」


「うん橘さんも久しぶりに話すね?元気だったかい?お父様は元気かな」


「うん元気だよ。君と久しぶりに話せて良かった」


「そっそうかそれは良かった。お父様にもよろしく伝えといてほしい」


「セツナ君。私も」「私も」


天王洲派閥の数人が何故か我先にと俺と話したがってくる。なぜなのか?だが天王洲派閥の人達は財界関係のご令嬢の集まりがあるのでだいだいの子達は顔と名前をしっかりと記憶していたので問題無かった。

1人1人に昔、財界のパーティーでお世話になったり。助けたりした事を覚えている。その事を丁寧に思い出しあの頃の思い出を1人1人と話していった。


こうして見ると結構な子達と昔、エピソードがあるらしく。良く自分でも覚えているものだと感心した。


それからしばらく天王洲派閥の子達との思い出話に花を咲かせた。それを静観していた天馬委員長、彩音がいきなり割って入ってきた。


「もうわかったわ。セツナ君が昔からあっちこっちでフラグを建てていたのが嫌って程に分かったからもういいわ。はい。解散解散」


「セツ君………後でお仕置きです」


「セツナよ。お主、本当に昔からアレだったんじゃな。ちょっとびっくりしたぞ」


「天王洲派閥の子達て。もしかしてそういう集まり?」


「まぁセツナと天王洲さんがいがみ合う事が無くなったのならそれで良いじゃないか?それに、セツナも戻ってきたしこれで三年生達に集中出来るしねぇ。ねぇ?委員長」


「そうね。とりあえず、天王洲派閥とのわだかまりも消えたし。私達二年生の期間も。もう半年も無い。急がないと」


「では後で清太郎にも声をかけとくよ。それよりせっかくセツナと天王洲さんの和解が出来たんだろう?ここは皆で仲良くランチにしようじゃないか。ねぇ、天王洲派閥の子達?」


「はっはい天馬様。あのお隣よろしですか?」


「わ、私も隣座りたいです」


「ハッハッハ!何人でも来たまえよ。いいよ、いいよ、座りたまえ。ハッハッハ!」

天馬がそういうと。天王洲派閥の数人が天馬に近づき、次々と話しかけて来た。


「神成派閥の特長ってなんだったっけ?恵?」


「特長?うーん。たしか、聖中学校の女子からの人気がかなり高いだったかしら?」


「なるほど。それで今のこんな状況になったって訳ね。納得したわ」


エリカは府に落ちたとのか何故か納得していた。



そんな俺は天王洲派閥の子達に囲まれながら昼飯を静かに食べていた。彩音とエスフィールに冷たい目線を向けられながら。



④裏でそんな事してたのか?


こんにちわ、天王洲 彩音です。

セツ君と久しぶりにお昼御飯をご一緒するために朝から気合いを入れてお弁当を作りました。


………ですがですがです。セツ君とわたくしが仲直りをしたと分かるや否や。天王洲派閥(自分で言っていて恥ずかしいです。)の方々がなぜかセツ君に群がり。昔、セツ君と出会った思い出話に花を咲かせているのです。


なぜこうなたっのですか?神様?

というか?セツ君は、昔からどれだけの女性と知り合っているんですか?全く。


まさかわたくしとセツ君が仲直りをすることでセツ君に彼女がいない状態だということが派閥の方々に知れわたる事によってこのような事態になるとはわたくしも思いませんでした。


不覚です。


「では、両陣営の誤解も解けたということで今後は3年生の攻略に着手するという方針でよろしいですか?彩音お嬢様」


っと色々な考えを思案しているとわたくしの親友でもある、寧々さんが話しかけてきました。


「えっ?ええ。それでよろしくお願いいたします」


「ちょっと、待て、なんだ?3年生攻略?着手?俺はそんな話全く聞いてないぞ」


セツ君がそう言うと。彼の右側席で彼の肩に顔を乗せて幸せそうな顔をしている。もう1人の親友、芽愛さんがセツ君に説明し始めました。

説明はいいから早く離れてください。芽愛さん。


「あっあの。セツナ様は余りご存じが無いかも知れませんがこの聖豊中学では昔から学生同士の権力争いが絶えません。」


「そうなのか?」


「はい。なので毎年、学年ごとに代表派閥とその代表を決め。毎年の後半からは学年ごとの代表とその仲間達で学校内での権力争いが行われます」


「………、マジか。全然、知らなかった」


「まぁセツナには余りそう言う話しはしていなかったからねぇ~!知らなくて当然かも知れないねぇ」


「そうね。それにそんな事を君に教えたら色々と裏で動かれて更にめんどくさくなってただろうし。去年は教えなくて良かったわ」


天馬さんと神無月さんがセツ君に説明していきます。


「なんか俺だけ除け者の様な扱いだな。………もしかして鬼の神無月事件と清太郎の部活連の会長就任ってその事に関係してたりするのか?」


「おっ半分正解だよ。清太郎は去年の代表でね。上手く結果を残して。聖豊中学の部活連の会長の地位を手に入れたのさ。委員長も先生からの信頼を得たしね。後、先輩達からは畏怖を」


「黙りなさい。天馬くん。でも去年は武力で先輩達とやりあったけど。今年は、去年みたいにいかないだろうし。どうにかしないとね」


「なるほど。去年はあのゴリラと恵が活躍しから2年生が平和に暮らせておるのじゃな?」


ユナさんがそう質問しました。


「そうそう。学年の後半の権力カーニバルは今後の学校生活に直結するイベントなのさぁ。だから学年一丸となって対策する必要があったんだけどねぇ。セツナと天王洲さんの仲違いで我々2年生はギスギスしていたから随分と他の学年よりも遅れているんだ」


「でもそれは今日までの話よ。セツナ君と天王洲さんが仲直りが分かったことで色々と動き出せるわ。それに編入試験で歴代高得点を出した。ユナさんも編入してきて学力面でも2年生、生徒全体の学力底上げになるし。良い兆しだわ」


神無月さんがそう熱弁しました。神無月さんとても熱くなってますわ。


「では今後は天王洲さんを中心にその周りを僕こと天馬 琉聖、委員長、雨宮さん、甘露寺さんでサポートするとして学年末で先輩達に何かされたら不味いから天王洲派閥のボディガードには今後は部活連の奴らを好きに使っていいからねえ。煮るなり焼くなり好きにしてくれたまえ」


「では今後の力仕事等はその方々お任せしましょう。」


「ちょっと待て待て俺の出番はどこなんだ?そんな楽しそうな、お祭り」


次々と今後の方針が決まっていくなか。セツ君が痺れを切らしたのか立ち上がりました。


「あなたは去年。余り目立ちたくないとか言って天王洲さんとイチャイチャしてたじゃない?だから、今年もやる気は無いんでしょう?」


そうです。去年はセツ君とイチャイチャできて楽しかったです。

この男、今は別の女の子を侍らせていますが、(ほぼわたくしのせいですが。)しかもよりにもよってわたくしの親友のお一人を後でお灸を据えないといけませんね。


「そっ、それは。………そうだが」


「セツナは去年から色々やってたじゃないか。テストの勉強会や退学しそうな問題児を集めて、清太郎と一緒に更正させたり。中学からの入って来た入学生のサポートをしていたり。あれらは結果として2年生全体の能力の底上げに繋がったファインプレーだったんだよ。だから、君は、いつも通り、皆のサポートをしてあげて欲しいんだ」


「………分かったよ。了解した」


セツ君はそう言うと大人しく席に座り芽愛さんに諌められ始めました。もしてそんな芽愛さんの大きなお胸を見下ろすセツ君。見るに耐えませんわ。


(芽愛さんそろそろそこを離れなさい)

わたくしは目で芽愛さんに合図を送りました。


(嫌です。彩音様はもうセツナ様の彼氏では無いのですから関係ありません)


(何ですか?その態度は?後でお仕置きですよ。芽愛さん)


(ふん彩音様。そんな、脅しもう昔みたいに私には効きませんよ)


(なっ、あなた今なんて。)


(これからは大変お世話になったセツナ様を支えると決めました。だから彩音様も私達2人の門出を応援してくださいね。)


「なっ、ちょっと、芽愛さん。貴方は!」


「どうかされましたか?彩音お嬢様?」


「いっ、いえ何でもありません。」


ふぅ少し取り乱しましたがそうですか芽愛さん。少しお痛が過ぎましたね。

放課後セツ君と共に少しお灸を据えないといけませんね。


わたくしは心の中でそう誓いました。



神成 セツナです。

現在。何故か両手に花の状態です。

何故かって?神成派閥と天王洲派閥の和解により。天王洲派閥の女の子達が一斉に俺に話しかけて来て。今は椅子に座る俺を取り囲んで座っているからである。


「セツナ様こちらをどうぞ~」


「ああ。ありがとう」


「セツナ君こっちもお願い、食べて」


うん悪くない気分だ。


確かに天王洲派閥の女の子達とは財界のパーティーやらで昔からの知り合いも多かった。その為か派閥の女の子達のご両親達とも仲良くさせてもらっていてその事にご両親達の会社が経営不振で潰れかけた時。俺は父に頼んで援助金を出してもらった。


そのお陰で会社の建て直しが出来たとかで感謝されたらしい。そんな話を昔パーティーの時。芽愛君や橘さんに聞いたことがあったが随分と昔の事なので余り覚えていなかった。


それから中学に上がって色々あり。神成家の跡取りで無くなってからは天王洲派閥の女の子達とも話すことが無くなり。疎遠になっていったのを覚えている。


たまに彩音と共に行動しているのを遠くで見かける位で。目が合うと彩音と同じでずっと睨まれてる?様だったので直ぐにその場を後にしていた。


大人数での昼食も終わりに差しきかかってきていた。学食の料理と彩音が朝から気合いを入れて作ってきてくれた料理を皆で食べ。(これが凄く美味しかった。)


今後の2年生の行動計画なんかも話し合われ。(数分前まで険悪だったのが嘘のようだ。)


「では彩音お嬢様。皆様そろそろ御開きに致しましょう。細かい取り決めは後日と言うことでよろしいですか?神無月様」


「えぇそれで大丈夫よ。そのうち、落ち着いたら、両陣営での親睦会でも開きましょう」


「おぉそれはとても良い案ですね。では、こちらも時間が出来たらご連絡入れますので………。」


「じゃあ、そのうち懇親旅行とかも。お金?お金ならセツナや天馬くんが入るから大丈夫でしょう」


「そっそうですか。」


事務処理能力が高そうな。委員長と寧々さんがどんどん話を片付けていく。社会に出たら敏腕秘書とかで活躍しそうだな。あの二人は。

俺はそんな事を考えながら話し合いのいく末を見守っていた。


そしてもう一つのいく末である。俺に対する制裁をどうくぐり抜けるか話し合いを聞きながら考えていた。


両脇には美少女外側には冷めた目で見る。エスフィールと彩音がゴミを見るような目でこっちを見ないでほしい。


それに元はと言えば。この状況を作り出したのは彩音の自業自得とも言えるんだからむしろ助けてほしいものだ。


ていうか絶対何かお灸を据えてやろうって顔をしている。全く怖いぜ。



「それではそろそろ良い時間になりましたので一旦、解散致しましょう」


「はぁーい!」


「では天馬様。またいずれ」


「神成様も今度遊びに行きましょうね」


寧々さんがそう皆に言うと各々が椅子から立ち上がり。散って行こうとした。


「おいセツナ!ちょっとこっちに来い話がある」


「セツ君、芽愛さん。ちょっとお話があります」


俺は話し合いが終ると同時に魔道具(身体強化&気配遮断)を発動しそれにプラスして先週から訓練し始めた『神気』を発動し目にも止まらぬ速さで食堂を後にしようとしたが。


目の前にふと人影が現れた。


「どこに行くでござるか?セツナ殿。逃がさないでござるよ。貴殿も拙者と同じように痛い目に合うでござるよ」


どこかでの垂れ死んでいた筈のサスケがいきなり俺の前に現れた。


「サスケぇぇぇ、貴様そこをどけ。このままじゃあ、俺は殺される」


「良いではないか良いではないか拙者と同じ苦しみを味わうでござるよ」


そう言うサスケは何処か楽しそうな笑みを浮かべ壁を作ってとおせんぼしている。

おのれ、それが昔からつるんでいる人間のすることか?


「サスケ君。絶対に逃がさないで捕まえてら拷問するから」


エリカの奴が恐ろしいことを口にしだした。


「血祭りじゃあお祭りじゃな」


「任せるでござる任せるでござる。さあセツナ殿。拙者と同じ苦しみを共に味わいましょうぞ」


前も後ろも敵のみならば俺は廊下側の開いている窓へと飛び込み。そのまま、外へ出て2階へと器用によじ登った。

それを見た。皆は呆気に取られて口を開けていた。

「では皆さわ去らば。後程、教室でな」


「って、待ちなさい。セツナ君!!!ってこらーー!!」


「待てこらセツナあぁぁー!」

委員長がそう叫びなから俺を呼び止めたが俺は気にせずに歩き続けた。

食堂が見えなくなったところで止まり。


「しょうがない騒ぎが治まるまで隠れとくか。午後の授業はサボるかなぁ。とりあえず清太郎の部活連の教室にでも匿ってもらうか。ん?」


そうしてポケットに手を突っ込むと何やら正方形の紙が入っていた。俺、こんなのポケットに入れてたか?


ん?


その紙には「どうか、私達を助けて下さい。セツナ様、放課後2階の空き教室でお待ちしております。甘露寺 芽愛。」そう、書かれていた。


「何で芽愛さんが?助けて下さい?どう言うことなんだ?」


俺は紙の書かれた。内容が全く理解できず少しの間思案した。


うん?つまりさっきの昔の思い出話も前振りで本当の目的は俺に近づいてこの救難要請が書かれた。手紙を渡す為。だったって事なのか?


確かに良く思い出してみると芽愛さんや橘さん達の態度にも少しの違和感があった気がする。

余りにも密着され過ぎていた。

俺が長期休みで休んでる間になにかトラブルでも起きのか?


それとも、天王洲派閥の間で彩音と芽愛さん。もしくは橘さん達とでなにか揉めたとか?………いやそれは無いか、さっきの昼間のやり取りを見ていても別におかしな所は無かったしな。


まったく見当がつかない。


ふう。しょうがない学校の見回りがてらサボってる生徒でも見つけて最近の学校について聴取して行こう。


そうと決まったらまずは部活連の会議室へと向かう事にしよう。

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