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時は遡り



 時は少し(さかのぼ)る。


『魔獣神・エキドナ』撃破後。


「黒いベールと霧が晴れていくね」


 ギャラ先生が地下空洞の上空を見つめて、そう述べた。


「終わったんですね‥‥‥これで全ての厄災が?」


「あぁ‥‥‥終わったよ。セツナ。これでこの『ユグドラシル』地方に本当の平和が訪れてくれるよ。きっと」


 ギャラ先生はそう言って。嬉しそうに笑顔を俺に向けてくれた。


「ん? 魔法の袋の中が白く輝きだして?‥‥‥‥うわっ!」


 スゥゥゥゥン! シュン、シュン、シュン、シュン、シュン、シュン!


 そんな音をさせながら、次々に白い光が袋の中から外へと出ていく。


「ご主人様! 勝ったんですね! エキドナに!」


「タマキ? おお、良かった無事だったか」


「はい! ご主人様のとそのお仲間さん達のお陰で『キャメロット城』周りにあった。黒ベールと霧がなくなり。うちの中(黄金の宝物庫)に居た。人達にも転移前に居た。元の場所へと戻ってもらってます」


 タマキはそう言いながら。凄い嬉しそうな顔をしていた。


「‥‥‥やっぱり。嫌だったか? あんな人数。自分の中に入ったの?」


「まぁ、なんとも言い難いですね。うちの中はかなり広いですけど。万単位の人を入れるのはこれが始めてでしたから。うちの中に(しばら)く居られて。『黄金の宝物庫』の中を探索される方がまずかったので。ご主人様がエキドナに勝利してくださって本当に良かったと思ってます」


「そうか‥‥‥‥しかし、本当に君の『黄金の宝物庫』は広いんだな」 


「はい! これもうちの主。アテナ様の力の一端『具現化能力』のお陰何です」


「『具現化能力』? 何それ?」


「秘密です」


「マジ?」


「マジです」


「そ、う、なのか?‥‥‥‥あれ?意識が」


 タマキが凄い重要な情報を言った気がしたが‥‥‥いきなり、意識が朦朧とし始めて。


「魔力切れか?‥‥‥‥珍しいな‥‥‥あれ?」


「ご、ご主人様?」


「セツナ? 不味いね! 魔力を使い過ぎたみたいだ」


「ど、どうしましょう?」


「セツナ。浮遊魔法を維持、しながら。少しずつ降下していくんだ!」


「は、は‥‥‥い?」


「って! セツナ。不味い! 白銀の盾『(ばんら)いの加護』! 彼の者を守りたまえ!!」


 薄れゆく意識の中、ギャラ先生の必死の声だけが俺の耳に聞こえていた。


 ‥‥‥‥‥


 夢を見ている気がした。



「ふぅ! お疲れ!」


 いきなり知らない―女神―アテナ様が目の前に現れた。


「あん? 誰だ貴様!」


「なっ? 久しぶりに会えたと思ったら。なんでケンカ腰なの?」


「あん? どの面下げて俺の目の前に現れた? 駄目な―女神―アテナ様よ」


「誰が駄目な―女神―様よ」


 怒るアテナ様。


「あんただよ。おい、貴様、俺の全盛期の身体と魔力と武器をよくも取り上げくれたな! 貴様のせいで今回の『セルビア』と『妖精国』の戦いがどれ程、大変だったと‥‥‥‥‥」


「し、仕方なかったのよ! 貴方を元の世界『地球』に機関させる為には、それ相応の対価が必要だったんだもん。私だって、まさかセツナをまた、アリーナに行かせるなんで想像してなかったんだから」


 困った顔でそう言う。アテナ様。


「まぁ、そのお陰で若返ったからいいか。今回もなんとかなったしな」


「そ、そう! そうよ! そうよ!」


「‥‥‥‥‥これで今回の俺の出番は終わりなんですよね?」


「‥‥‥‥えぇ、多分。」


「多分?」


「ううん。そうよ! 終わり。『幻獣の楽園』には彼女達が現れたし。」


「彼女達?」


「『北東魔術学院』には彼ハットなるものがこの後、行くし」


「誰? ハット?」


「魔王領も『ライハ』ちゃんが台頭してくるから安定していくわ」


「『ライハ』ちゃん?」


「ガリア帝国は‥‥‥なんとか、なるわよ。きっと!」


「そうか、なんとかなるのか‥‥‥もしかして『セルビア』の他にも色々な場所で事件が起きてたんですか?」


「そうよ。そう。特に『セルビア』は一番ヤバかったは『幻獣の楽園』が可愛く見える位にね」


 なぜか嬉しそうに話す。アテナ様。少しムカつくな。


「そうですか。まぁ、今回の騒動が無事、終わって良かったですよ。じゃあ、また。何処かで会いましょう。さようなら。アテナ様」


「うん? さようなら。セツナ‥‥‥‥じゃなくて、今回の事件の解決してくれたお礼をしに来たのよ」


「お礼?」


「そう。お礼よ‥‥‥私の権能の2つを授けるわ。今後の戦いで上手に使いなさい。セツナ!!!!」


「ん? 貴様。今、なんと言った?今後の戦い、だと?」


「‥‥‥‥‥いくわよ。『○○』と『魔○』を与えるわ!上手く使いなさい。それじゃあね。セツナ」


「おい。まて、ちゃんと説明しろ。駄目な―女神―!」


 そして、俺は意識を取り戻した。

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