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終焉決戦 No.10 『ユグドラの盾』


『黄金の宝物庫』白き場所


「キュウ~」


「大丈夫?タマキ様?」


「ウキーー!」


 セツナに無理やり魔法の袋へ突っ込まれたタマキは、大転移魔方陣を展開した疲れもあるのか未だに目を回し。ぶっ倒れている。


 そして、私はというと。ずっと私に抱きつき泣きながら謝っている。アル先輩に睡眠魔法をかけて眠らせた。

 

 このまま感情が爆発して精神が壊れてしまうかも知れないと思ったからだ。


 心の魔力暴走は今の状況では対象することが不可能だからだ。今、外の世界で行われている。闘いが終わったらゆっくりとアル先輩の話を聞いてあげよう。


「すぅー、すぅー」


「‥‥‥しかし、あの異形の姿の化物はなんなのじゃ?気味が悪い」


「本当にね。あれが新しい神様なんて。自分で言うんだから気分が悪くなるね」


「だね」


 私の隣にメリュジーヌ卿と円卓の騎士らしき者が人物が立っていた。


「‥‥‥‥勝てるでしょうか?セツナは?」


「わからない。でも、此方(こなた)に勝った。ご主人様なら、あの、神擬(もど)きに勝てると。此方(こなた)は信じるよ」


「‥‥‥‥はい!」



『世界樹の根』


「フフフフフフフフフ! 凄いは半分の生け贄分でしか、受肉できなかったけど。それでもこの力。やはり、『厄災』一匹分の呪いは神にも届きえるのね。ヴォーディカン。‥‥‥‥貴方には感謝してあげるわ。愚か者さん」


「ついに受肉してしまったか‥‥‥‥」


「あれでも、弱くはなったのだ。あの中に我々とサタンが入れば、最早(もはや)、敵わぬ敵とかしていただろう。だか、今は違う。我々が入る。安心せよ!『洗礼者』よ」


「うん! うん!」


黙示録の獣『ドラゴ』が優しく。俺に諭す。そして、ロマは首を縦にふる。


「ああ! 頼りにしている二人共」


「あら? 弱い者同士の話し合いは終ったかしら?じゃあ、闘いの続きを始めましょうか?‥‥‥‥フフフフフフフフフ。神話魔法(邪神)『デルピュネ』」


 『魔獣神・エキドナ』の足から数匹の女型の蛇が現れ。俺達を見つめている。


「お母様?」


「殺す?」


「していいの?」


「ええ! 好きに殺りなさい! 子供達! 存分に殺しなさい!」


「「「あい!!! ヘラヘラヘラヘラ」」」


 数匹の女型の蛇が俺達へ向けてやって来る。


「来るぞ! 二人共! 絶対に捕まるな!」


「分かっている! 贄にされてたまるか! 振り落とされるなよ。ロマ! 行くぞ」 


「うん! ドラゴ!」


 「「黙示録術・聖典『十本角獣・欲望』」」


 ドラゴとロマの周りに魔法陣が現れ。10体の鋭利な角を持った角獣が召喚される。


「行け! 我が同胞。蛇共を殺せ」


「行け‥‥!」


「ゴオオオ!」「ドオオオ!!」「モモオオ!!」


 10体の角獣達は女型の蛇に襲いかかって行く。


「ゲラゲラ!! 死ね! 『洗礼者』!!!」


「ゲラゲラ! 死ね!」


 俺の方にも数匹の女型蛇が襲いかかって来た。


 が


「アハハ! 楽しそうですね。雷様。貰いますね。この獲物達?『赤白龍刀剣』・『焔・惔舞』」


「ゲラゲラ! ギャアア」


「燃え、燃える‥‥‥」


 先ほど。サタンを連れ出して行った。ミカエル様が、先ほどとは、違う姿で現れ。俺を助けてくれた。


「ありがとうございます。ミカエル様。それで、その姿は?」


「あぁ、これ? これはですね。雷様からお借りしました。『赤白龍刀剣』と共鳴(強制)した神話・回帰した姿ですよ。簡単に説明すると私の本来の姿ですね」


「そ、そうなんですか。なんだか、神々しい‥‥‥」


 なんとも神秘的な姿だろうか。『ラファエル』様も昔はこんな、姿だったのだろうか?


 しかし、よく見てみると際どい格好だ。なんとも神話の神々は際どい格好をするものだろうか。

それよか、ここにミカエル様が入るということは。


「あの、ミカエル様。サタンには?」


「ええ! 勝ちましたよ。最後は、彼の故郷。魔窟の方へと送って上げました。私の大技で」


 ‥‥‥転移門も使わずに。別の世界に物理で送るとは、どうして天使族という人達は誰もが、こう規格外の力を有しているのだろうか。改めて、凄い存在だ。天使族や―女神―といった神々の人達は。


「‥‥‥‥次から次へと。虫の様に沸いてきて。私の邪魔をするわね。これだから召喚師は嫌いなのよ。‥‥‥どうやら、あの『洗礼者』は七聖―女神―から複数の祝福を受けたようね。転移者、召喚師、後は、洗礼者かしら?後、どれくらいあるのかしら?‥‥‥‥考えるのも面倒ね」


 『魔獣神・エキドナ』が1人でブツブツと考え込んでいる。

だが、その間にも容赦なく、女型蛇の攻撃は俺達へと向かって来る。


「アハハ! 凄い攻撃! 止むことのない嵐みたいですね。雷様!」


 ミカエル様は嬉しそうに、『赤白龍刀剣』を振るい続ける。つうか、これがこの天使様の本性か。

敵を切りながら。恍惚の笑みを浮かべている。端から見たら美少女が刀を振り上げて。異形の存在を笑顔で殺しているのだ。なんとも見たくない光景が現在、繰り広げられている。


「考えるのも面倒だわ‥‥‥‥真上はちょうど、『世界樹の根』ユグドラシルの心臓そのもの。私の神話・回帰でここら一帯を吹き飛ばしましょう! そして、ユグドラシル! 貴女を今、殺す。‥‥‥‥神話・回帰‥‥」



『黄金の宝物庫』白き場所


「フローレンス! あれはまずい!」


 慌て始める。ギャラハット卿。


「どうしたの? ギャラハット」


「あの『魔獣神・エキドナ』かい? 奴は自身の技で『キャメロット』一帯を更地にするつもりだよ。それだけじゃない、『世界樹』もユグドラシル様の命も消すつもりだ。本来ならば『世界樹』を破壊してから『受肉の儀式』をやるつもりだったんだろうね。」


「だがここへ来て。『妖精国』の贄の消滅。サタンの敗北。黙示録の獣の離反。そして、セツナ達の攻撃で」


「そう死ぬ間際まで。奴は追い詰められてしまった。だから不完全な状態で『受肉の儀式』を行い。今のあの様な姿に変わったのさ。でも終りは終り。最早(もはや)、奴には『世界樹』を生かす理由がない。だから‥‥‥‥」


「自身の技で世界樹を‥‥‥ユグドラシル様を殺すってこと?ギャラハット?」


「あぁ、そうだよ。フローレンス。くそ!どうするかな‥‥」


 私は自身の指に()めている。収納魔道具を見つめる。


「ギャラハット卿。あの『魔獣神・エキドナ』の攻撃を防ぐ策ならあるのですが」


「本当かい? それはいったい?‥‥‥」


「はい。私の持つ『7つの秘法』の一つ『武神鎧』を使います。‥‥‥ですが、現在、外に出ることができず」


「あぁ、君は魔法族の長の‥‥‥‥なるほど。了解した。では、私が君の変わりに外に行くよ」


「ギャラハット卿がですか? しかしそれでは」


「大丈夫! 私はセツナと同じ。『洗礼者』の資格を持っている者。外でも普通に活動できるし。この白い場所でだいぶ休ませてもらったからね。何とかなるでしょう」


「貴方も『洗礼者』なのですか‥‥‥‥分かりました。ギャラハット卿」


「うん! 決まりだね。では、『武神鎧』の付与はこの白銀の盾『アリマタヤのヨセフ』に付与するといい。これもなかなか優れた聖遺物だから。きっと大丈夫でしょう」


「分かりました。では、さっそく」


「始めよう!」


「はい!‥‥‥‥我が元へ来たれり。『武神鎧』」


 スゥーウ!


 収納魔道具から取り出した『武神鎧』は鎧の形ではなく。盾の様な形で顕現した。


「ほう! そなたも分かっておったか。主人が殺されるかもしれぬ状況なら。流石に動くか」


「‥‥‥‥」


「相変わらず無口じゃな。まぁ、そこが可愛いのじゃが」


「ブモ」


「うむ! 分かっておる! 行くぞ『武神鎧』‥‥‥‥いや、『ユグドラの盾』よ!‥‥‥七秘・回帰・『ユグドラシルの護り手』」


「オオオオ!!」


「凄い。魔力の波動だ!‥‥‥よし! 来い! 『ユグドラの盾』よ!!」


ドオオオオオ!!!


 ギャラハット卿の『アリマタヤのヨセフ』の白銀の盾に『ユグドラの盾』の力が付与された。


「じゃあ、行ってくるよ! 二人共。教え子を助けにね。ふん!」


「お気をつけて!」


「ユグドラシル様を護ってね。ギャラハット!!」


 私達に見送られながら。ギャラハット卿は外の世界に戻って行った。


『世界樹の根』


「フフフフフフフフフ! これでユグドラシル共々。纏めて殺してあげるわ。‥‥‥神話・回帰‥‥‥『エキドナの怨念・テューポーン』」


「はっ? なんだ!いきなり?!」


「アハハ! あれは‥‥‥不味いですね」


「くっ! ロマ!!!」


「ド、ドラゴ!!」


 俺達。4人はいきなりの事で驚き硬直した。何の前触れも無く。凄まじい力が周りに現れ。全てを吹き飛ばそうと広がり始めた。その瞬間。


「いやー! ギリギリ間に合った。行きます。『武神鎧』様」


「‥‥‥オン」


「七宝・展開!!!『ユグドラシルの籠の鳥』」


 ゴーン!


 ゴーン!


 ゴーン!


 ゴーン!


 ゴーン!


 何処からともなく金の音色と女性の掌が現れ。『魔獣神・エキドナ』に覆い被さる。


「な、なんなのよ! この白い穢れなき手は? くっ! 『魔獣神・崩壊』!」


 エキドナが自身の最大技を出したが‥‥‥その技は


「ギアアアアア!!!」


 エキドナ、自身に跳ね返り。『魔獣神・エキドナ』の身体の半分は醜い肉塊へと変わり果てたのだった。

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