終焉決戦 No.7 ロマとドラゴ
神代初期・魔窟
「ドラゴ! ここはどこ?」
「あぁ、なんという事だ。罪なき少女がこのような所に落とされるなど。己、異端共がぁ‥‥‥‥よく調べもせずに異端狩り等と‥‥‥」
「ドラゴ?」
「あぁ、ロマよ! 大丈夫だ。黙示録の獣と呼ばれる。我々が君を守る。大丈夫だとも」
「う、うん。ありがとう。ドラゴ」
「あら? あら? 貴方達、どうしたのかしら?」
不気味な肉塊が突然現れ。ロマとドラゴに話しかける。
「なんだ? 貴様は?」
「く、臭い‥‥‥」
「フフフフフフ、何度でも言いなさいな。小娘。いいわ!使ってあげるわ。貴方達。光栄に思いなさいな。私の力の一端になれるのだから。フフフフフフ! アハハハハハ」
「な、何を勝手に‥‥‥‥おおおお! なんだ? この闇の渦は?!」
「ドラゴ!! 動けないよ!!」
「ロマ!」
「お入りなさい! 私の新たな力。これであの堕天使のサタンも屈服させれば。条件も揃うわね。フフフフフフ、遂にツキが回ってきたわ。後は、時期をみてあのお馬鹿さんを動かせば。私が新たな神に‥‥‥」
「何をブツブツと貴様! 許さぬぞ‥‥‥」
「ドラゴ! 助け‥‥‥‥」
黒い渦に沈み行く2つの者達。
トプン‥‥‥‥
「これでよし。フフフフフフ、存分に使ってあげるわ。黙示録の獣さん。壊れる寸前までしっかりね」
そして、魔窟の暗闇に静かに消えて行く。魔獣・『エキドナ』であった。
『世界樹の根』
緋色の獣に騎乗した少女がそこには居た。彼女の額には「大いなるバビロン」という自身の名前が書かれていた。
赤と紫の衣を着て、黄金と真珠、宝石で出来た華美な装飾品をつけ。黄金の杯を手に持っていた。
そして、彼女の下には。七つの頭と十本の角を持つ姿の獣で。
悠然とエキドナを見上げていた。
「『洗礼者』! 貴様、私の、私の力。黙示録の力の一柱を‥‥‥奪ったな!!!」
激昂する、魔獣・『エキドナ』
「私の力だと? ふん、どの口でそんな事をほざけると言えるのか?‥‥‥いや、済まんな。ただの肉塊に口など無いな」
「うん! うん!」
「貴様ら!!!」
俺は懐からある指輪。魔道具『聖域の指輪』を取り出し右手に填めた。
「転移魔法・『陰脱』」
俺が転移魔法でエキドナに一瞬で近づき。
「な? 貴様、卑怯者?!」
「なんだ? 卑怯者? 聖魔法・『聖天』、オラ!!!」
『聖域の指輪』を填めた右手で力一杯ぶん殴った。
「がぁぁああ!!」
「やるな。「洗礼者」よ! 我々も続こう。ロマ。黙示録術・」
「うん! ドラゴ。聖典‥‥‥」
「「『ヨハネの黙示録』」」
二人がそう唱え終えると。黒い魔方陣が出現し、エキドナに迫って行く。
「く、来るなぁーーー! がぁははあ?」
エキドナは魔法陣に捕まえられ。
「血の」
「審判を」
エキドナの頭上に金色の杯が現れる。
「「穢れ無きわが聖杯を『姦淫のぶどう酒』」」
「ギャア!! がはあ! 身体が熱い!!!」
ドラゴとロマ。2人の魔方陣に捕まったエキドナは何故か勝手に口を開き。
神秘的な色の液体が、エキドナの口?らしいものに注ぎ込まれる。
「そうか、それは素晴らしい。では、死ね。黙示録術」
「‥‥‥ごめんなさい。・聖典」
「「緋色の野獣の軍勢」」
黙示録の獣がそう唱え終えた瞬間。
黒い神獣や幻獣が大軍として現れ。エキドナへと押し寄せてくる。
「「「「ボオオオ!!!!」」」」
「「「「グオオオオ!!!」」」」
「すげえ、大軍。これが黙示録の獣の力?」
「素晴らしいだろう? 『洗礼者』よ。これも我々の嬢王の力! 我々の誇りなり」
「うん! うん!」
七つの首を持つ獣達。ドラゴ達が主人のロマ嬢王を褒め称える。
「はい、凄いですよ! 二人共。(『妖精国』の龍脈使って味方にできてマジて良かった。こんな奴ら敵に回したら絶対勝てないかったな‥‥‥‥)」
「くっ! おのれ、なぜ私に逆らう?これまで、私達は上手くやって来たというものを!!」
「上手くやってきていただと? ふざけるな!! 貴様!!」
「ふぇ?」
七つの首の獣達。ドラゴがそれぞれ激昂し。ロマは少し驚いていた。
「貴様に取り込まれた後。我々がどれ程、貴様に苦しめられたと思っている?‥‥‥‥憎い! 憎い! 憎い! 貴様が憎いわ!! 害虫がぁぁああ!!」
「ドラゴ?」
「行くぞ! ロマ!」
「はい!」
「「神話・回帰・黙示録術・『ロマの七丘・バビロン』!」」
光と闇が交差する。聖と邪が交ざった閃光がエキドナ目掛けて放たれた。
そして、止むことの無い神獣や幻獣の大軍は消える事無く。行軍を続き。閃光もまた止むことは無かった。
「こ、これでは‥‥‥‥完全体になる前に‥‥‥神になる前に私が消える‥‥‥‥」
「ああ、滅びよ!魔獣エキドナ! 我々が鉄槌を!」
「ほ、滅びよ!!」
2人はそう言いながらエキドナに対しての攻撃を一切緩める事は無かった。




