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終焉決戦 No.4 半魔半神


バリバリバリバリバリバリバリバリ!!!


地下空洞全体。


いや、ユグドラシル地方全体が揺れ動く。


「くっ! ここまでかよ!!」


 蓬莱様の神話・回帰が解ける。


「まずい、蓬莱様!!!」


「フフフ、フフフフフフ。さすがね。東の最果ての島。『和国』より着た。七原龍『鳴神』に遣えし『神ノ使徒』と和国の神獣! でも、もう終わりよ。来なさい。その莫大な魔力総量。私が食べてあげる」


 激しい神話魔法の撃ち合いは互角に終わったが。撃ち合いの後、蓬莱様は力を使い果たし。


 『女王』の真上に落下して行く。


「させん!」


パカッ!


そんな、擬音が聞こえてきたと思った後。おぞましい光景が広がっていた。


 『女王』の美しい顔は肥大化し大口を開けて。落下する蓬莱様を補食しようと待ち構える。

 

 その広げた口は鋭利なギザギザの歯が剥き出しの状態であった。


「させません。させませんとも! 簡易転移魔法・『好転』」


 『女王』に補食される寸前。タマキが簡易転移魔法で蓬莱様を捕らえ。『黄金の宝物庫』へ避難される事に成功したみたいだ。


『黄金の宝物庫』白い場所


シュンッ!


「何か降ってくるぞ!」


「ほ、蓬莱君?!」


ポスッ!


 メリュジーヌが上から降ってくる。蓬莱をキャッチした。


「へへへ! ありがとうよ。メリュさん!」


「‥‥‥‥お疲れ様。ゆっくり休んでね」


「あぁ、後は雷様に‥‥‥任せるぜ‥‥‥スゥー…スゥー…スゥー…」


「寝ちゃった」


「彼が『和国』の七原龍の『神ノ使徒』の蓬莱鎌鼬様か。こう見るとただのマスコットにしか見えないのに、神獣って言う種は本当に不思議だね。フローレンス」


 近く居た。ギャラハットがそんな、感想を述べたのだった。


「そうだね‥‥‥ん?」


「どうしたんだい? フローレンス?」


「いや、あのね。お父さんが‥‥‥‥神煌具。『赤白龍刀剣』がいきなり顕現して」


「‥‥‥‥?! それがオールバニー様の神煌具?! 神煌具ならば外でも活躍できる‥‥‥‥」


(悪いが、メリュジーヌ。少し君の側を離れるよ)


「うん! 行ってらっしゃい!お父さん!」


シュン!


『黄金の宝物庫』別の場所


(ラファエルはもう限界だわ)


(ええ、あのままだと死んじゃうわ)


(それは雷君も分かってるわよ。ただ、あの相手の子がそれを許さない。隙をくれないのよ)


(ん? あら、中から何か飛び出して行く?‥‥‥‥私、行くわね。あの方に連れててもらうわ。ラファエルがこっちに来たら。休ませてあげてね)


(へ? ちょ、ちょっと!○○○○!!!)


シュンッ!


場面戻り。『世界樹の根』



「‥‥‥‥またしても邪魔したわね! ○○○」


「させませんよ! 『女王』‥‥‥‥いえ、ギネヴィアさん? それも違いますよね? グィネヴイアも違います」


「‥‥‥‥黙りなさい。狐」


「では、どなたが正解なんでしょうね? ○○○○さん……もう皆さんに本当の名を言っていいでしょう。神話の母体『エキドナ』!」


 あぁ、遂に黒幕『女王』の正体をタマキの奴が看破(かんぱ)した。


「‥‥‥‥エキドナ。ギリシャ神話の怪物達の母か。タマキ」


「‥‥‥‥はい」


「よくもその名前を口したな! くそ狐! 私は美しいギネヴィアだというのに! よくも、よくも! あの(みにく)く荒んだ時代の名で私を呼んだな?! 許さん! 許さないわ!‥‥‥‥ブツブツブツブツ」


 魔女ギネヴィア‥‥‥‥改め。


 魔獣エキドナはそう叫びながら激昂した。


 したが、直ぐに静かに何かの呪文を唱え始めた。


「ご主人様! エキドナが何かやる気みたいですが」


「あぁ、だが、蓬莱様も鳴神様も居なくなって。さっきの大転移魔法のせいで『ラファエル』も限界に来てる。俺の手元にはエキドナと闘える。武器が無い。奴もそれを分かっていて。いざ、魔法の袋から武器を取り出そうとしたら。アイツの神話魔法が俺に向かってくる」


「向かって来ないのは、ご主人様の手元には」


「壊れかけの『ラファエル』があるからよ。フフフ、この儀式が終われば。七聖―女神―の杖の中の天使共々殺してあげるわ、『洗礼者』。最後の足掻(あが)きで『祝福』なんてさせないわよ。『ラファエル』!」


 見透かされている。流石が神話の時代から生きる。魔獣エキドナ。その知識量は現代人のそれよりも遥か上を行くか。


 『ラファエル』様の神代・回帰『生還の祝福』自身を含む魔道具の修繕と復活。


 それすらやらせてもらえないとなると。


「盤面が早くも詰みに‥‥‥‥ん?」


 俺は魔法の袋の中が光っているのに気づく。


(ならば次の相手は)


(私達がいくわ。交代よ。ラファエル!)


 二つの大きな力が魔法の袋から飛び出して来た。


「させないわよ! 神話・創起‥‥‥『魔獣神化・半魔半神』‥‥‥地上の『セルビア』と『妖精国』の呪いが込められた魔力残滓で私は魔獣から神に至るのよ。今、この瞬間をもってね。フフフフフフフフフフフフフフフ」


 エキドナはそう言い終え、黒い卵の様な繭を形成し始めると。その、卵状の繭は直ぐに割れ。その中から黒き翼を生やした堕天使の様な姿の魔女が現れた。


「フフフフフフ。やったわ! これで私は神の仲間入りを果たしたわ。フフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフ」


 不気味に笑い続ける。エキドナ。半魔半神となった。エキドナは全身黒い皮膚に覆われ。手の爪は赤黒くなっている。


 顔はあの美しかった面影は鳴りを潜め。顔中の皮膚は(ただ)れている。


 エキドナが自身に酔いしれている隙に俺とタマキは魔法の袋から飛び出して来た。新たな援軍を手に取り。『ラファエル』を素早く魔法の袋へと避難させた。


(お疲れ様。ラファエル)


(‥‥‥‥‥後は、よろしくお願い。○○○○)


(はい!)


 俺は右手には赤と白の刀。左手には七聖―女神―の杖を持っている


「これは?」


(私は新・神煌具。『赤白龍刀剣』オールバニー! お目にかかるのは2回目だ!よろしく我が子の主人)


「我が子?」


(あぁ、私はメリュジーヌの父。オールバニーだ。よろしく頼む)


(そして‥‥‥‥私は)


「ボサッとしてると直ぐに死ぬわよ。『洗礼者』!!!」


ガキーン!!!


 自分の新しい姿に酔いしれていることに飽きたのか。エキドナの右足が俺に向かって放たれる。


「ぐおおおお! なんて、重い一撃を!」


(させんよ! 神話の敗北者よ! 神話魔法(赤白)『赤惔』)


「があ! ギャイヤアイア! 痛い!」


 オールバニーがそう唱えた。瞬間。エキドナの右足が発火し。右足半分が切断されたのだった。


「すげー! 威力だな。神煌具『赤白龍刀剣』流石はオーディン様由来の武器‥‥‥」


「があああ! 許さない! 痛い!! なんて威力の神煌具かしら。いいわ、そっちが援軍ならば。こちらも援軍を呼びましょうか?」


「援軍?」


「ええ、ねえ?●●●に●●●●!!!」


「‥‥‥‥黙示録のどれかか‥‥‥」


「ふん!では、●●●!出てきなさい!!神話・召喚(邪)『堕天使●●●』!!!」



パアーーーン!っとエキドナから赤黒い光が放たれた。


 ‥‥‥‥それが止むと。


 目の前には1人の魔の者が現れたのだった。

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