湖の騎士 VS穢れ無き騎士 No.6 聖杯に至る騎士
「があ?!」「ぐう?!」「ごあ?!」
「くっ! ギャラハット卿。貴様、彼らに何をした?」
過去と現在の円卓の騎士達4人に私は聖なる弾丸を喰らわせた。
流石は歴代の最強と名高い我が父。ランスロット卿。辛うじで、自身の愛剣『アロンダイト』で放たれた弾丸を真っ二つにし防いだ。
「があっ! ランスロット」
「卿!!!」
「我々の身体が!!!」
ランスロット卿が顕現させた。過去の円卓の騎士達は光の粒子となって消えていった。
「ラヴェイン・ボールス・ブレモアが消えて逝く?」
「疑似とはいえ。聖槍は聖槍。過去の亡霊にはやはり強力な様ですね。ランスロット卿」
「‥‥‥‥その様だな。ギャラハット卿」
「‥‥‥‥そろそろ、終わらせませんか?ランスロット卿。『カムラン高原』の中央と左翼の戦いは我が軍が勝利していますし」
「無駄だ! ギャラハット卿。我の軍。『妖精国』の最強騎馬隊は無傷。ここで貴殿を倒せば。敵側の疲弊した者達等。あっという間に狩れるわ」
「無傷? なら、あれは? 私の教え子が召喚した神獣に苦戦しているみたいですが?」
「消えなさい!!」
「くっ!なんだこの化物?! 強いぞ!」
「落ち着け。囲んで時間を稼げ。そうすれば、次期にランスロット卿が来てくれる」
「‥‥‥‥それも。貴様が倒れれば済む話だ。ギャラハット卿」
「でしょうね。だから。中央魔法国に入る。私をわざわざ呼んだんですから。神現魔法(黄橙)『ダビデの剣・聖刻』」
「剣で我に勝てると思ってるのか?!!ギャラハット卿!! 神明魔法(緑)『反逆剣・緑黒』」
「思ってませんが! 負けるとも思ってませんよ!! ランスロット卿!!!」
私の『ダビデの剣』とランスロット卿の黒剣『アロンダイト』が激しくぶつかり合い。火花を散らす。
「スゲー! 闘いだ! なんだよあれ」
「ランスロット卿は勿論凄いが何でギャラハット卿はそれについていけんだよ! おかしいだろう!」
「これが円卓の騎士同士の闘いなのか?」
待機していた。両軍の兵士も私達の剣技の応酬に目を奪われていた。
「おおおお!!!」
「はぁああ!!!」
「フン!」
ガキン! ランスロット卿は私の一瞬の隙を見つけ。力強く『アロンダイト』を降り下ろす。
バシュッ!!
「がはっあ!」
一瞬の油断だった。一瞬の油断を着かれ。私の身体は『アロンダイト』によって深く切り浸けられてしまった。
「‥‥‥‥‥‥良く頑張ったがここまでだ。これが貴公と我の差であった。終わりだ。ガラン」
「がはっあ? (痛い! 痛い! 痛い!)」
満身は無かった。何処にも。互角だと踏んだのだ!勝手に。
私の誤算はただ一つだけ。父の。ランスロット卿の力量を見誤っただけだった。
「半身だとか、白銀の盾だとか、疑似聖槍等と小細工を使わず。最初から全力で来るべきだったのだ。ガラン! 貴様わな。貴様の敗因は我に時間を与え過ぎた事だ。そのせいで戦闘を分析され。対処される。」
「はぁ! はぁ! はぁ!」
「‥‥‥‥貰うぞ! この国は、トリスタン卿とガウェイン卿を殺した後は『キャメロット城』に入るモルガン妃も殺す。モードレッドの仇だしな。容赦はしない。その後は、貴様らが招いた。部外者達も『女王』とギネヴィアと共に血祭りに上げ。地上の『セルビア』の城に晒す事にする。それがギネヴィアの願いだからな」
「晒す? 私の生徒達を? 殺すだと?! 我が祖国の仲間達を?」
「それが戦争と言うものだ。ギャラハット卿。敗者は全てを奪われる。死ぬ前によく覚えておけ」
「があ!!!」
自軍の方へと歩き出す。ランスロット卿。
‥‥‥‥‥セツナ。使わせて貰うよ。君から貰った『魔法属の秘薬』を‥‥‥‥‥
ゴクリ!
「‥‥‥‥?!」
ガキン!ドシュッ!
「がっはぁ? ギャラハット卿。貴様、何故、動ける?」
「‥‥‥何故? 動けるかって?‥‥‥‥それはこれまでの旅で出会った者達のお陰でだからだ!ランスロット卿!!!!」
「ぐう! おおおおと!」
バキン!!
再び、私は立ち上がり。ランスロット卿と激しい剣戟を交わす。
「‥‥‥‥‥くっ! ふん!」
キィーン!
「‥‥‥‥」
数千回の打ち合った後。同時のタイミングで距離を取る。私達、親子。
「もう時間も無い。悪いがこれで決めさせてもらおう! 我が息子。ガラン‥‥‥‥いや、ギャラハット卿!!!!」
「えぇ、最後にしましょう。ランスロット卿‥‥‥‥いいえ! 父様!!!」
「神代・」
「回路」
「神明魔法(緑)・『グィネヴィアの黒き陰謀・緑黒懺悔』」
「神現魔法(黄橙)・『選定の剣・アリマタヤの聖剣・泉の聖霊・ニミュエ』!!!!!!!」
「サラバだ!! 息子!!!! おおおお!!!」
「我が父の間を払え!!! ニミュエ!!!! はぁああ!!!」
シュン!
ドオオオオオオオオオオン!!!!
その日の戦いの中で最も轟音と威力を誇ったのは、ランスロット卿とギャラハット卿の最後の技のぶつかり合いだったと。後の者達は語り合ったのだった。




