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湖の騎士 VS穢れ無き騎士 No.5 ガランの思い出



十数年前


(父様。父様。どうして? いきなり僕が修道院に行かないといけないの?それお母様はどこに行ったの?)


(済まない。済まない。ガラン。本当に済まない)


(ガラン様。行きましょう)


 父。ランスロット卿は泣きながら。そう言い続けるばかりめであった。


(済まない。済まない。これもお前を守る為なんだ。許してくれ。ガラン)


(父様! 父様!!!)


ガチャン!


 その後の私の人生は色々あった。


 修道院で聖教を習い。毎日来る執事のアロン爺やから武術や雑学を習った。(父は一度も来なかったが)


 数年後。まだ、小さいながら『妖精国』の水門をくぐり。身分を隠し。旅人『ガラン』として色々な所を旅をした。


 ソロモン山脈にある七聖教会でお世話になり。昔から聖教の勉強もしていたからか。司祭達に気に入られ。世界でも数。少ない『洗礼者』になったが。なぜか聖魔法は使えなかった。

司祭達いわく。(ガラン殿には妖精の血も通って入る為。何かしらの制約か、一族の誰かに呪いがかかっているのでは)との事だった。


(余り気になされるな。『洗礼者』になっても聖魔法を使えない者も結構いますぞ)


 最後に言葉を交わした。大司祭様にそう言われ。私は七聖教会を後にした。


 その後も色々な所を旅をしたが。ユグドラシル地方の南東にある。獣人のゼルムの旅の時に一通の手紙が届いた。


手紙の内容はこう書かれていた。


ガラン様へ。


先日、ランスロット家の遠縁にあたるギャラハット家のご党首が亡くなりました。


ギャラハット卿はご子息にも恵まれ無かった為。跡取り不在になったとの事。


それを聞いた。我が主君。ランスロット様ガラン様を次期、ギャラハット家の新党首に推薦したいとの事で本日はお手紙を書いた次第にございます。



(この私がギャラハット家の新党首に? あの父はいったい何を考えているんだ?)


 済まない。済まない。ガラン! 本当に済まない。


 思い出すは涙を流す父の姿。


(はぁ~、やってみるか! 旅も一段落したしな)


 手紙を読んだ後の私の行動は早かった。


 元々、ユグドラシル地方の近くに来ていたのもあって。数日後には『セルビア』の入国門に着き。そこから、懐かしき地下の水門をくぐり抜け。我が祖国『妖精国』に着いた。


 その足で『キャメロット城』へと(おもむ)いた。


『キャメロット城』


(やぁ、君がギャラハット家の新党首のガラン君だね?)


 目の前には希代の名君と名高い。アーサー王と。噂でしか聞いたことがないがアヴァロンの9つの世界の一番上に住むと言われる神代妖精のモルガン妃がアーサー王の隣に立っていた。


(はっ! 陛下。この度は円卓の騎士の一席に就ける事。光栄に思います)


(あぁ、そんなに硬くならなくて良いよ。まぁ、よろしく)


(頑張ってください。ガラン君)


 2人はそう言うと私を『キャメロット城』の来賓用の客間へと案内してくれた。


 なんでも長旅で疲れているだろうから。直ぐにでも休みなさいとの事。

決断が早い。普通ならば私を拘束して旅の思い出話でも聞くものだと思っていたが。


(この気遣いと判断の良さがこの国を豊かにしているのかな?)



 帰国後は色々あった。


 ギャラハット領に行き。新党首の就任式。


 ギャラハット家の遠縁の私が新党首になっても誰一人文句を言わなかったのは、我が父。ランスロット卿の推薦の賜物らしい。 


 ランスロット卿は幼き日から南西部の盟友として活躍していた為。誰かしら文句を言うものが出るとランスロット配下の強力な騎馬隊が報復に来るとか来ないとかで恐れられていたとか。


 就任式にはアーサー王を初めとした円卓の方々も来ていただき。その中にはなんと父である。ランスロット卿の姿もあり。私はびっくりしたものだった。


 そして、私は無事にギャラハット家の新党首になり。名をガランからギャラハットへと変え。


 今日(こんにち)まで円卓の一卓を任されている。


 まぁ、ギャラハット家。党首になってからも色々あったが


『白い獣』との出会い。

修道院の話。

マーリン理事長の事や。

『写しみの虚像』の試作。

パーシヴァルとそしてもう一人との聖杯探索等。


 書けば一冊の本になりそうな位の大冒険をその後もする事になるがそれはまた別のお話で。


 まぁ、色々あり。私は『写しみの虚像』を使って。自身を二人に分け。半身は『妖精国』の円卓の騎士として。

残りの半身は中央魔法国の魔術院の教師として過ごして来た。



 だが、それもさっきまでの話。マーリン理事長が先遣隊に持たせた三つの魔力門。それを使って。中央魔法国に入る。私の半身を呼び出し。私と一体化させた。


「妖精の血が成せる技だぞ。それは……ギャラハット卿‥‥‥‥いや、ガラン」


「そうですね。ランスロット卿‥‥‥いや、父様。お母様にエレイン母さんには感謝しても仕切れませんね」


「‥‥‥‥エレイン‥‥?‥エレイン、いや、ギネヴィア‥?‥‥我の妻はギネヴィア?だろう」


「‥‥‥ランスロット卿?」


「ぐっ! いや、なんでもない。失礼した。ギャラハット卿。‥‥‥続きを始めるぞ神明剣技(緑)『ラヴェイン・ボールス・ブレモア』顕現してくれ!」


 ランスロット卿がそう叫ぶと。

黒いフードを纏った3人の騎士が現れた。


「「「仰せのままに!我が同胞よ」」」


「これがランスロット卿の神明魔法・『円卓召集』‥‥‥‥歴代の円卓の騎士達をその者の名を呼ぶことで一時的に此方へと呼ぶ神明魔法か」


「あぁ、これもランスロット家のお陰だ。歴代党首の方達の武勇が武名が言葉になり。力になり。歴史に名を残したお陰で。我はこの神明魔法を行使できるのだ」


「それに胡座(あぐら)をかかず。剣技のみでフローレンス卿と双璧の円卓の矛と呼ばれる様になる貴方は、やはり凄い騎士ですよ。ランスロット卿」


「ふん! 貴殿も『三銃士』と呼ばれる一人ではないか」


 ‥‥‥‥お互いに誉め合うのはこれくらいにして。私は白銀の盾を構える。


「本気で来るか。ギャラハット卿!行くぞ!ラヴェイン・ボールス・ブレモア!我に続け!!」


「「「はっ!!」」」


過去と現在の円卓の騎士。四名が私に襲いかかる。


「神現魔法(黄橙)・『血を流す聖槍』‥‥‥‥擬似的に造り上げた物だがその威力は本物に近いですよ。円卓方々。‥‥‥‥補填‥‥完了‥‥‥敵補足‥‥‥‥弾丸発射!!!!!!」


ドゴン!ドゴン!ドゴン!ドゴン!


 四発の聖なる弾丸が白銀の盾から放たれたのだった。

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