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6.死に戻り

「ああああああああぁぁぁああああ!??!」


絶叫を上げその場から飛び起きた。


「あ!あ!あっ!?」


急いで両手で全身と首を確認する。

当然、当たり前だが首は飛んでおらず、意識もはっきりとしていた。

「え…?え…?な、なにが…だって、今…」


だって、今しがた確かに…首を…首を飛ばされた筈…

現実にあった出来事…?しかし、現に左腕はあるし、首も飛ばされてはない。

理解できないことが多すぎて、頭がうまく回らない。


さっきの出来事は…


一体、どうなっているのかまるで何もわからない。

先ほどの出来事を思い出し、ハッと急いで周囲を見渡す。


どの方向を見ても人影はどこにもなく、何の気配もしない。

そして周囲を見て気が付く。


ここは最初に自分が目覚めた場所だと。


つまり…今、体験したことは俗に言う…死に戻り、というものなのだろうか。


まだ動揺はしているが、頭が冷静になっていく。


死に戻りだとしても、どうやら普通とは違うようだ。

それは格好が物語っていた。

今の格好は騎士からもらった鎧姿のままだ。おまけに奪われた剣もまた腰に着けている。


その場から立ち上がり、騎士がいた場所へと向かう。


もし、最初からやり直しているならばあの場には騎士がいるはずだ。

そう思いその場に向かったが、騎士の死体はどこにも見当たらなかった。


どういう事なんだろう…?


状況が理解できない。

だが、確かなことが一つある。


自分は、今、まだ生きている。


それだけは、間違いない。


それなら、また行かなくてはならない。

最初と同じだ。

ここで立ち止まっていても何の解決にもならない。


前回はロクに何もできないまま、力尽きてしまった。

だが、今回は違う。

少なくともあの場所に行くまでに、もうあんな恐怖を感じないために覚悟と対策を考えなくてはいけない。


騎士との約束の使命を果たす為には、あの恐怖を乗り越えなくてはならない。


腰の剣に触れる。

剣を鞘から引き抜き、改めて見つめる。

これは必要なもの。この場所で生きるためには剣を使わなくちゃならない。

命を…守るために。


一度、剣を握る手に力が入る。


次は、手放したりしない。

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