第二話「出会い」
突如僕の足元に魔法陣的なものが現れた。
それとほぼ同時に僕は森の中にいた。
ここがどこだかわからないまま僕は森の中を歩いていると、異世界に飛ばされる前に髪の長い少女に異世界で必要と思われる荷物を持たせてもらった事にようやく気付いた。
その中に使えそうなものはないのかと探していると地図を見つけた。
その地図を見てみると僕は森の中心部分にいた。
どうして自分の居場所が分かったのかというと自分の位置情報が地図に細かく記載されていたからだ。
そしてこの森を抜けた先に王都と書いてある大きな町があることもわかった。
僕は、特に行く当ても無かったので王都に行くことにした。
ほんの数時間だろうか。
森の中を歩き続けていると王都の入り口らしき大きな門が見えてきた。
その門を目指し歩き続けていると鉄の鎧だろうか、武装した兵士らしき2人組が僕に近ずいてきた。
「君ちょっといいかな」
僕は少し困惑していた。
「はい」
その二人の人物に誘導され小さな部屋に入れられた。
「持ち物検査をしてもよろしいですか」
「はい、いいですよ」
その二人の兵士は、細かく僕の荷物を調べていた。
数分後
「疑ってすいませんでした」
兵士二人が僕に謝ってきた。
「ええ、かまいませんよ。王都はいつもこれぐらい厳重なんですが」
兵士達は少し難しそうな顔をしていた。
「いえ、2週間ほど前までは持ち物検査などはしておりません」
「何かあったんですか」
兵士たちは困った表情をしていた。
「2週間ほど前から町の娘が行方不明となる事件が起きているのです」
僕はそれを聞いたときこれだと思った。
「そうですか、そんなことが。早く解決できたらいいですね」
そしてやっと王都に入ることができた。
町を探索してみようと思ったが森を数時間歩き、兵士達の取り調べのせいで体力、精神共にかなり疲れていた。
それにもうとっくに日は落ちていた。
「まずは宿を探すか」
さっき使った地図で探すことにした。
そして500メートル程先に宿があることが分かった。
宿に向かい歩いていると三人組のチンピラらしき人が慌てて走っていくのを見かけた。
「なんだあれ」と思いながら宿に向け歩き続けているとボロボロの格好で裸足の少女が倒れていた。
もう夜だったせいか人通りもほとんどなかった。
「君、大丈夫」??
声をかけてみたが反応が無かったので体を揺することにした。
「貴方は誰ですか。もしかしてあの人達の仲間ですか」?
僕はあの人達が誰だか分からなかった。
「違うけど」
彼女は安心したのだろうかさっきまで震えていた体から震えが段々収まっていた。
「お願いします。私たちを助けてください。」
彼女は僕のことを信用したのか僕の目を見てそう言った。
「わかった。とりあえず何があったのか話を聞きたいから一緒に宿についてきてくれる」
特に変な考えは無かった。彼女もだいぶ疲れているようだったし体も汚れていたので少しは休んだ方がいいだろうと僕の少しばかりの気配りだった。
それにもうすっかり夜なので女の子が一人でいたら危険だと思ったからだ。
「わかりました」と言い彼女は立ちあがった。